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■私の高校生活(10)

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(C)Eriko Kawaguchi 1998.12.20
 
11月下旬、私と絵里・裕子・みどりの4人は1枚の招待状を持って東京行きの新幹線に乗っていました。南真一郎という写真家からの招待状で、招待されているのは幸子を含めた5人だったのですが、直前に風邪をひいてしまい、この4人での旅となりました。招待状には5人分の新幹線の往復切符とホテルのクーポンも同封されていたのです。
私はやはり。。。いつものセーラー服でした。東京での宿泊先が、気を利かせたのか女性専用ホテルになっていたので、私が男の子では困る訳です。それに南さんが出会ったのも「5人の少女」ですから、その中の一人が男の子に変身していたらそれも困る。
 
という裕子の意見で、私は女の子の格好のままこの旅に出ることになってしまいました。
 
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「でもさぁ、よく私たち4人だけでの旅行、先生たち許可してくれたわね。私が入っているのに何か間違いとか起きたらどうするんだろう」
 
「起こしてみたいね。みんなで直美を解剖しちゃおうか?」
 
「賛成、賛成」
 
「ついでに改造しちゃおうよ」
 
「もう。みんな冗談がきついんだから」
 
そのときは私もすっかり冗談だと思っていました。
 
写真展が開かれているのは上野の駅をおりてすぐの所の小さな美術館でした。リーダー格の裕子が受け付けの人に声を掛けます。
「すみません。これを頂いてきたんですが」
 
「はい。いらっしゃいませ」
 
受け付けの中年の女性はこちらが若いのに丁寧に応対してくれました。
 
「あいにく、今、南は外出中ですが、すぐ戻ると思いますので、先に中に入って自由に見てて下さいますか?」
 
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中に入ると、非常にたくさんの写真が展示されていました。
 
個展、あるいは小さなグループの展示会かと思っていたのですが、けっこう大きな展示会のようです。
 
一人一人の作品は大小合わせて多い人で4〜5枚、普通は1枚か2枚です。
 
写真の内容は様々でした。祭りを写したもの。森や湖を写したもの。猫や犬を写したもの。子どもや老人を写したもの。何かよく分からない物体を写したもの。単に光の線が走っているだけのもの。ヌードの女性を写したもの。私たちはヌードの女性の前ではつい止まってしみじみと見てしまいました。
 
「きれいねぇ」
 
裕子が思わずそんな言葉を漏らしました。それはほんとに美しい女性の裸体でした。私もしばし見とれ、ふと自分にもこんなきれいな体があったら、などと考えてしまいました。
 
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そんな私を絵里が見透かしたように突然いいました。
 
「直美もこんなふうになりたい?」
 
「え? いや、別に」
 
私は真っ赤になってしまいました。私はちょっと恥ずかしくなって、足早にそこを動きました。
 
そしてその写真群の前で足が止まり息を呑みました。
 
 
 
「えー!?」
静粛にしなければならない美術館の中で、思わず声をあげたのはみどりです。
 
 
そこに数枚の見覚えのある写真が貼り出されていました。
 
1枚は私たち5人が白糸の滝の前で写っているもので、その横には金色のリボンが付いていて「金賞」と書かれていました。
 
そして、その隣には、それより一回りほど大きい写真があって、そこに写っているのはワンピース姿の私でした。タイトルは「風の時を刻む少女」とあり、その横には大輪のリボンがついて「グランプリ」の文字が踊っていました。
 
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4人はあまりのことにただただそれに見とれていました。そのまま1分もしていたでしょうか。あるいはもっと長い時間だったかも知れません。私たちが動けずにいたところ、後ろから声を掛ける人物がいました。
 
「やぁ、君たち。来てくれたんだね」
 
南でした。
 
南は3ヶ月前に見たのと同じような服装で、背広の老年の男性と一緒でした。
 
 
「先生、この子たちがこの写真のモデルなんですよ」
 
「おぉ、華やかだねぇ。大人の女の色気もいいが、こういうハイティーンのアンヌュイというのも魅力的。やはり今回は素材がよかったんだね。例の写真集、当然この子たちがメインだよね」
 
「先生、先走らないで下さいよ。今からその交渉をするんですから」
 
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「あはは。それは失礼した。しかし表紙は絶対この子がいいと思うよ」
 
その「先生」はピシッと直美を指差しました。
 
そしてなおも私たちがあっけにとられている間にその「先生」はいろいろとしゃべって、さっさと行ってしまいました。
 
「そうそう、記念写真を撮ろう」
 
南はみんなが並んだ金賞の写真の前で私たち全員、そして私が写ったグランプリの写真の前で私の、記念撮影をすると、私たちを喫茶店に誘いました。
 
南はほぼ一方的にしゃべりまくります。
 
「実はね、今回グランプリを取ったご褒美に写真集を出版してもらえることになったんだ。それで色々構成を考えてたんだけど、因幡さんの写真がね、あと何枚かほしいなと思ったの。モデルになってくれないかなぁ?」
 
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「モ、モデル?」
 
私は瞬間に先ほど見た美しい女の人のヌードの写真が頭にちらつきました。
 
「でも、私胸小さいし。。。。」
 
「あ、ごめんごめん。もちろん着衣だよ。女子高生を脱がしちゃったら、お叱りを受けるからね。もしよかったらお正月の休みにでも1日付き合ってくれないかなぁ。もちろん5人で来ていい。。。あれ?今日は一人足りないの?」
 
南はそこで初めて人数のことに気づいたようです。
 
「済みません。田村さんが風邪ひいて寝込んでしまって」
 
「そう。じゃ君たち4人だけでもいいか。ほかの子のショットも取れるとなおうれしいから」
 
どうも、南のお目当ては私一人で、ほかは付け足しのようです。
 
「場所は山形で、蔵王って所を予定してるんだけど」
 
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「蔵王!」
 
即反応したのはみどりでした。
 
「じゃあ、撮影の合間にスキーとかしてもいいですか?」
 
「ええと、撮影が終わった後ならいいよ。足を折られるとモデルにならないから」
 
「ねぇ、行こうよ。みんなでスキー行こうって言ってたじゃん」
 
みどりはずいぶん乗り気です。裕子が笑いながら引き取って言いました。
 
「じゃあ、南さん。しっかり私たちで直美を引率していきますので、帰りのチケットの日付を1日遅らせていただけますか?プラス分の宿泊費は自己負担しますから」
 
話はまとまり、私たちの冬休みの予定は蔵王と決まったのであった。
 
「でもいいのかな?私男なのに」
「いいんじゃない?可愛いんだもの」と裕子。
 
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「じゃあさ、冬休みまでにもっと可愛く変身させない?」とみどり。
 
「あ、賛成。賛成。改造ね」と絵里。
 
「じゃあ、手始めに今晩まず可愛らしく変身させようよ」と裕子が今日は乗っている。おまけ扱いされて、やや嫉妬しているのかも知れない。
 
「賛成。改造、改造。じゃあさ。直美みんなの荷物持って先にホテルに行っててよ。仕掛けは私たちでやるから」と絵里がいうと、私はたちまちみんなの荷物を持たされてしまった。
 
という訳で、どうも私は今夜改造されてしまうらしい。旅先なので絵里は羽目を外しそうな気がする。普段なら裕子が行き過ぎは止めてくれるとは思うが、今夜はその裕子も危ないかも知れない。。。。。まぁ、考えてもしょうがないので、私は4人分のバッグを抱えてふうふう言いながらホテルに向かい、チェックインした。
 
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「一人はキャンセルです。あとの3人は少し遅れてきます」
 
フロントでそう言う。ホテルの人が荷物を台車に載せて部屋まで運んでくれた。
 
スイートだ。ベッドが2つある。二人は和室の方で布団ということになるのだろう。汗をかいている。私はシャワーを浴びて、3人が到着するのを待った。
 
 
 
 
ドアがノックされた。
「私。開けて」
 
絵里の声だ。
 
「お疲れさま。あれ一人?」
 
「私だけ先に帰ってきた。裕子とみどりはおやつを調達してから帰ってくる」
 
 
いやな予感がする。一番過激な絵里と二人だけにするということは、二人が見るに堪えないようなことまでされるのではなかろうか。
 
「あれ、シャワー浴びた?」
 
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「あ、ごめんね。汗かいたから」
 
「私もシャワーしようかな。バスルームどこ?」
 
やはりみんな帰ってきてから「改造」が始まるのだろうか。
 
「こっちよ」
 
私は絵里を案内した。その時
 
「あ。。。。何するの?」
 
腕にチクリと痛みが走った。見ると絵里が注射器を私の左腕に立てている。
 
「あまり気にしないで。女の子っぽい気分になる薬だから」
 
媚薬のようなものだろうか?
 
「そんなの、どこで調達したの?」
 
「ううん。最初から持ってきてた。寝込みを襲って注射しちゃおうかとも思ったんだけど。さしみのつまにされた女3人の恨みを今日は味わいなさい」
 
「ごめんねー」
 
「ううん。直美が謝る必要はないけど、ただムシャクシャするだけだから」
 
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「今夜はみんなの好きなようにされるから」
 
「その言葉に偽りはないわね。じゃ、これ付けて」
 
「これって?」
 
「知らない?吸引胸パッド。基本的にはパッドだけど、ただのパッドじゃないの。吸引効果があるから、ずっと付けてたらほんとに胸が大きくなる、という仕組みよ」
 
「大きくって、私男の子なのに」
 
「でも、女の子としてモデルになるんだからね。胸をもう少し大きくしないと。直美のおっぱいを冬休みまでににCカップにしよう、ということを3人で決めたから」
 
「そんなぁ」
 
「好きなようにされるって言ったでしょう?」
 
「うん。。。それはまぁ。。。」
 
私もこの時は胸は大きくなっても構わないかな、という気がしました。やはり写真展でみたヌード写真がなかなか頭から離れません。
 
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「じゃ、あと下着と服はこれね」
 
レース使いの可愛い下着に上品なワンピース。このセンスはきっと裕子だろう。ちょっと恥ずかしい気もする。が今日は仕方ない。私が着替え始めると絵里はさらに私に大きなはさみを渡した。
 
「これも使ってね」
「何するの?これ」
「もちろん、あれを切るのに使うのよ。女の子にふさわしくないものが付いてるでしょ。なんなら私が切ってあげようか?」
 
「ちょっと、待ってくださいな。なぜ突然」
「だって直美には完全な女の子になって欲しいから」
「ヌードになる訳じゃないから、付いてたって平気でしょう?」
「切りたくない?」
「切りたくないよぉ」
「じゃ。しょうがないなぁ。今日の所は諦める。その代わりさっきの注射、これから時々打ってもいい?」
「何の注射なの?」
「だから女の子らしい気分になる注射よ」
「まぁ、それくらいなら」
 
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そこにノックがありました。裕子とみどりの到着でした。 「お疲れさま」
 
「ケーキ買ってきたよ。食べよ」
 
「あ、じゃお茶いれるね」
 
「絵里、直美は去勢した?」
 
「してないよ。嫌だって言うから。でもおっぱいはちゃんと大きくしますってことで合意したよ」
 
「おお、感心感心。やはりあってはいけないものがあるのはいいとして、あるべきものがないのは問題だもんね」
 
私はそれには何も答えず、ちょっと顔を赤らめながら4人分のお茶を入れました。
 
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