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■私の高校生活(7)

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(C)Eriko Kawaguchi 1998.3.22
 
もう文化祭は2週間後に迫っていました。私は毎週2回絵里の所に精液の入った試験管を持っていきました。絵里はそれを小型の冷凍庫に入れて急速冷凍します。そして日曜日に協力してくれている病院の医師の前島先生が車で取りに来てくれるのに渡します。そのあとの行き先は私の知るところではありませんでした。
お芝居の練習の方は、それまで教室で練習していたのを、10日前からは実際のステージでの練習を何度かもらってやってみます。ここで背景の切り替えや照明の練習などもやりました。最終的な配役・スタッフは次のようになりました。
 
 
ロザリンド:因幡直美
オーランド:高橋克也
シーリア:鈴木絵里
オリヴァー:中村和彦
シルヴィアス:山本宏
フィービ:野口由美
モンド公爵:永田毅
フレデリック:福井守
ジェイキス:沢口利雄
アダム:森田譲二
コリン:田代圭太
貴族1:松本栄一
貴族2:尾崎義幸
貴族3:木村達郎
語り手:相田裕子
ハイメン:相田裕子
原作:ウィリアム=シェイクスピア
脚本:田村幸子・相田裕子
演出:田村幸子・相田裕子
衣装:野口由美・横田みどり・因幡直美
大道具:中村和彦・永田毅・田代圭太
小道具:田村幸子・森田譲二・福井守
音楽:田村幸子・鈴木絵里・村上瑛子
照明:森田譲二・田代圭太・東健一郎
 
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舞台の背景はお城の中と森の2種類が必要です。これは模造紙を新聞紙で裏打ちして何枚もつなぎ、そこにポスターカラーで絵を描きました。オリヴァー役の中村君が絵がうまかったので細かい部分は彼が描き、他の人は単純にベタ塗りする部分を手伝いました。小道具で使う剣はなんとフレデリック役の福井君のお父さんがコレクションしているアンティークの内、万一壊れても大丈夫そうなものを5本借りてきて、それを使うことにしました。本物なので非常に重く、実際に抜いて振り回さなければならない高橋君は最初大変だったようです。
 
お芝居の中で出てくる食事シーンについては、お菓子作りの好きな田村さんが毎日ケーキやらクッキーやらを作ってきて、....結局みんなですぐに食べてしまい、下手すると練習の時何も残っていないこともよくありました。田村さんと相田さんは細かい演出について練習が終わってからもかなり長時間打ち合わせをしていたようです。
 
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クラブの練習などがあり、毎回全員がそろうとは限りませんでしたが、いない人は誰かが即代役をして練習は進行していました。田村さん・相田さん・中村君と私の4人は全部のセリフが入っていたので、特にこの4人で代役をやり、私もフィービ・モンド公爵・ジェイキスなどなどの代役をやっていました。
 
 
いよいよ後一週間と迫った頃、私は相田さんと絵里と一緒に食堂で晩御飯を食べ、そのまましばらくおしゃべりしていました。
「あ〜あ、あと一週間か」
「早いもんだね。だんだんみんな乗ってきたし、面白いお芝居になるよ」
「私の女子高生生活もあと一週間」
「あっそうか。終わったら男の子に戻るの?」
「当然ですわ、裕子さま」
「もう戻れないと思うな。直美すっかり女の子になってるもん」と絵里。
「そうよ。文化祭が終わってもそのままでいなさいよ。誰も文句言わないから」
「だって、文化祭までという約束だしねぇ」
「えーん、学生服着てる直美なんて見たくないよぉ」
「学生服着たら啓一なんだよね」
「でも学籍簿は既に直美になってるよ。啓一さんなんて学生はいませんわ」
「戻してもらえばOKよ」
 
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そこに級長の村上さんがやってきました。
 
「あ、いたいた。直美に話があるのよ」
「私たちは?」と裕子。
「もちろん、一緒に聞いて。直美の一番の親友のお二人にはぜひ直美を支えて欲しいし」
「なに、なに?」
「何なの?瑛子」と私は少し不安になってききます。
「さっき、中島先生と話してきたんだけど、直美には文化祭が終わっても、もうしばらくこのまま女生徒でいて欲しいということになったのよ」
「やったぁ!」と絵里。
「大歓迎だわ」と裕子。
「ちょっと待ってよ。どうして?文化祭までの約束だったのに」と私。
「つまりねぇ、直美今学期はずっと女子の方の授業受けてるでしょ。だから今の時期に男子の方に移られても成績の評価が面倒だって話が職員会議で出たらしいのよ」
「そんなぁ」
「家庭科の目時先生なんか、卒業までずっと女子としてやって欲しいなんて言ったらしいし」
「目時先生から気にいられてるもんね、直美」
「体育の山田先生も、今創作ダンスやってる最中だから今抜けられると困るというし」
「そうそう、それも私言おうと思ってたの」と裕子。
「まぁ、そういう訳で卒業までというのはまぁ今は考えないとして、取り敢えず今学期一杯は女生徒としてできればやって欲しいということで、一応直美本人の気持ちも聞いてきてくれと言われて、私来たのよ」
 
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「もちろんOKよね、直美?」と裕子。
「あのぉ、申し訳ないんですけど...」
「ねぇ、私を捨てちゃいや。女の子のままでいて、直美」と絵里。
「じゃ、OKね。よかった。私ほっとした。本人はすっかり女の子の気分になってますから大丈夫ですよと言ったんだけど、先生が念のため聞いて来いというものだから。じゃ安心して先生に報告してくるね。バイバイ」と瑛子は立って行ってしまいます。
 
「あっ待って!」と私が止めようとしたら「だめ」と絵里がいきなり抱きついてきました。
「ね、いいでしょ?直美は女の子だもん」と真剣なまなざしで見ます。私は仕方なく座ると「はぁ」と大きく息を付き、絵里を見つめました。
 
結果的に見つめ合う状態になったのですが、すると裕子が「お二人さん、ここは食堂でみんな見てるから続きはお部屋でどうぞ」と言って笑いました。
 
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その晩、絵里のルームメイトの望月先輩が気をきかせて他の部屋に泊まりに行ったので、私は久しぶりに絵里と一緒に寝ることになりました。「おやすみ」
と言って電気を消し、同じベッドにもぐりこむと、絵里は抱きついてきます。
 
「ね、男の子なんかに戻らないで。男子寮なんかに行っちゃったら、こうして一緒に寝ることもできないし」
「そうだね」
「じゃ、ずっと女の子でいてくれる?」
「そういうわけにも...」
「だって直美がいなくなっちゃったら寂しいもん」
「いなくなったりはしないよ」
「だって男の子の服着て、髪も切ってしまったら私の直美が消えてしまう」
「フィービみたいなこというね、絵里ったら」
「だって私わがままなんだもん」
「じゃ、今夜はわがままでいいよ。おやすみ」
私はくるっと寝返りを打つと絵里のおでこに軽くキスをしました。そしてそのまま「おやすみ」といって目を閉じます。
 
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絵里は「うん。おやすみ」といい、私に抱きついたまま寝入って行きました。
 
 
 
 
翌日の昼休み、裕子が廊下ですれ違いざまに「ちょっとちょっと」といって私をロッカーの陰に引き込みました。
「直美、真剣に聞きたいことがあるんだけど」
「なぁに?改まって」
「ここだけの話だから正直に話して。絵里とはどこまで行ってるの?」
「どこまでって?」
「だからさ、もうCはした?」
「なんだ、そういうこと」と私は笑って答えました。
「えっとね。胸の触りっこは何度もしたよ。それからおでこに1回とほっぺに1回キスしたよ」
「じゃ、まだやってないんだ?」
「女の子同士で変なことはしないよ。ありがとう絵里のこと心配してくれてんだね」
「当然じゃない。でも絵里はさ、女の子同士と思ってないよ」
「うん。分かってる。実は結婚の約束しちゃった」
「直美は真剣?」
「私も絵里のこと好きだよ。でも今は女の子同士だから。」
「じゃ、いづれは男の子に戻って結婚するの?」
「うん。でも男の子に戻っても高校生の内はそういうことはしない」
「直美ってやっぱり私の思った通りの子だわ。意志の力が強いね」
「そうかな。割といい加減な性格じゃないかな、と思うんだけど....今は女子高生を自分でも結構楽しんでる。ここまで女の子できるとは自分でも思わなかったな」
「ね、これもここだけの話。ほんとに女の子になりたいって思ったことないの?」
「前言ったっけ?小さい頃ずっと女の子の服着せられてたらしくって。そのせいかな、なんかのひょうしにスカート履きたいなって気持ちがこみあげてくることはあった。」
「でも我慢してたんだ」
「うん。男の子なんだからしょうがないって言い聞かせて。でも、そうすると今度は女の子だったらよかったのに、と思うこともあった」
「やっぱり、そのケがあるんじゃない?」
「そうかなぁ。でもそういう意味では裕子だって、男の子だったらよかったのに、って思ったことない?」
「あるけど。女の子がそう思うのは普通よ。男の子がそう思うのは変態なんじゃない?」
「それって男女差別では?」
「ほんとだ!」
といって私たちは笑って別れました。
 
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多分その後、裕子は今度は絵里をやはり廊下で呼び止めて、ロッカーの陰に引き込み、こんな話をしたそうです。
「絵里、正直に答えて。直美とはやったの?」
「それがね...もう4回も一緒にねたのに、まだ私を自分のものにしてくれないのよ」
「つまり絵里が4回誘惑したわけね。呆れた。可哀想に」
「こういうケースは女の子に興味のない真性同性愛か、凄い紳士か、実は不能なのか、或いは完全に女の子になりきっているか、どれだと思う?」
「どれだと思うの?」
「男の子として凄い紳士。でも更に今は完全に女の子になりきっている。素敵」
「同性愛の線は?」
「全くない。高橋君にも全く興味を示してないし、他にも色々と餌をばらまいてみたんだけど反応なし。確信した」
「その...不能の線は」
「へへへ。実は直美の精液を採取してるの」
「えぇ!?」
「それで精子バンクに預けてるの。」
「どうやって?」
「ちゃんと普通に採取してもらってんだよ。私は見てる訳ではないけど他人のじゃないと思う」
「私、やっぱりあんたたちの関係理解できないかも知れない」
「で、精子の数をチェックしてもらったけど、全く正常。今時珍しいらしいね。最近は精子の数の少ない男の子が大半らしいから」
「日本の将来が嘆かわしいね」
「男がいなかったら女だけの国にしちゃえばいいのよ。女同士でクローンでも子供は作れるから」
「信じがたい世界だわ。でも直美は確かに仕掛けた私たちの予想を遙かに超えてすっかり女の子になってるもんね」
「あの可愛いさに参ってしまったのかも。私の方が同性愛だったのかな。直美が女の子の姿でいる時の方がときめく感じなんだ」
「でも直美が女の子でいるのは先生達の気まぐれで伸びたけど12月までだよ」
「ねぇ、何とかならないかなぁ。ずっと女の子のままでいて欲しい」
「そうねぇ.....本人さえその気になるか、やむを得ないと思わせれば、先生たちは面白がって卒業までずっと女の子で通させてくれるとは思うんだけど....」
「やっぱり闇討ちして手術しちゃおうかな」
「目が覚めたら女の子の体になってしまってるという訳? うーん、あまり過激なことは考えないようにね。女同士では跡継ぎが作れないよ」
「だからそのために精子バンクに預けてるんじゃない」
「えぇ?そういうことなの。じゃ直美は女の子になるつもりなの?」
「残念ながら、今のところ、全然その気はないわ」
「あぁ、ほっとした。あまり思い詰めないでね」
と裕子は胸をなでおろして、笑って二人は別れました。
 
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