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■夏の日の想い出・龍たちの伝説(6)

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同じ9月2日。八雲春朗宅。
 
春朗は昨日から仕事で都内のスタジオに泊まり込んでいた。演歌歌手の音源制作をしていたのである。予定日直前の妻・佳南のことは気になったのだが、本人は
「まだ一週間あるから大丈夫だよ」
というので、ちょうど都内に用事があると言っていた母・京に、寄ってくれるように言い、妻にも何かあったらすぐ連絡するよう言って仕事に出かけていた。
 
佳南は普通にひとりで朝御飯を食べた後、お義母さんが来るなら少し掃除しておかなくちゃと思って、掃除機など掛けていた。
 
10時頃、急にお腹が痛くなる。
 
嘘?まだ1週間あるはずなのに、と思うが苦しくなって座り込んでしまう。
「はるちゃんに連絡しなきゃ」
と思ってスマホを取り出すも、バッテリー切れ!? うっそー!?
 
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それで家電から電話しようとしたのだが・・・
 
「番号覚えてない!」
ということに気付く。彼の電話番号はスマホには当然記憶させているのだが、そのスマホが立ち上がらないと、番号を見ることができない。
 
「充電、充電」
と言いながらケーブルを差すのだが、充電ランプが点かない!
 
「なんで〜?私苦しいよぉ」
 

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上田京は東京で父の著作権絡みの作業を済ませると、春朗のマンションに行こうとした。ところが乗換駅で、バッタリと佳南の母(東郷誠一の妻)の貞子(ていこ)さんと遭遇する。
 
「あら、お世話になります」
「今、春朗さんのマンションに行こうとしていた所なんですよ」
 
と立ち話から始まり、結局駅近くのカフェで2時間おしゃべりしてしまった。
 
それでケーキでも買って2人で一緒に春朗たちのマンションに向かった。これが16時頃である。
 
エントランスで呼ぶものの反応が無い。
 
「出かけてるのかしら?」
「鍵で入って中で待ってましょう」
と言って、京が持っている鍵でエントランスを開け、エレベータで上に上る。そして鍵で玄関のドアを開けて入ると・・・
 
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佳南が倒れていた。
 
「佳南!」
「佳南さん!」
 
慌てて2人は近寄る。そばに赤ちゃんがいて泣いている!
 
「嘘?」
「あんたひとりで産んだの?」
 
「お母さん・・・・辛かったぁ」
 
「なんで電話で呼ばないのよ?」
「スマホの電源が落ちてて、充電もできなくて。電話番号は覚えてなかったし」
 
2人はすぐにお湯を用意して赤ちゃんを洗ってあげる。臍の緒はついたままだが、素人にはどうにもできない。
 
佳南にスポーツドリンクなど飲ませて介抱している内に少し落ち着いてくる。報せを聞いて春朗が飛んで戻ってくる。それで貞子と春朗で支えて佳南を車まで連れていく。赤ちゃんは京が抱っこする。それで病院まで行き、入院した。臍の緒は医師の手で処置してもらった。
 
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そういう訳で、八雲真友子、大林富(みつる)、八雲佳南の3人は同じ日に赤ちゃんを産んだが、真友子(AB)が産んだ稲美(いなみ)はAB型、富(B)が産んだ月花(るか)はB型、佳南(O)が産んだ宏文(ひろふみ)はO型と、全員血液型が違った(母親と同じ血液型)のであった。
 
(建前の血縁関係)
 

 
(戸籍上は月花と大輝は異母姉弟。大輝はまだ生まれていないが遺伝子鑑定で男であることが確定していて名前も既に付けられている。政子は銀行口座を作ろうとしたが、生まれてからにしてと言われた)
 
(本当の血縁関係)
 

 
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(信幸と信繁は一卵性双生児で、京はその両方と同時に結婚していたので、春朗と礼江が本当はどちらの子供なのかは神様にしか分からない)
 

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医師は悩んだ末に院長に話しかけた。
 
「これどう思いますか?」
「どうした?」
「赤ちゃんの血液型がO型なんですよ」
「ん?」
「母親の血液型はO型、父親の血液型はAB」
 
「赤ちゃんの取り違えの可能性は?」
「この子は産まれた後運び込まれてきたので、それはあり得ません」
 
「・・・・」
 
院長は10秒くらい考えていた。
 
「気付かなかったことにしよう」
「そうですね」
 

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ローズ+リリーが6月上旬からから8月中旬に掛けて制作していたミニアルバム『龍たちの讃歌』は、9月4日(金)に、アメリカ・中国・台湾・ベルギー・イギリスで同時発売された。日本では大量にアマゾンに予約が入っていたし、ローズ+リリーのファンクラブでも予約販売をしたし、またあけぼのテレビで(ちゃんとCM料を払って)広告を流してもらったので、初日に日本国内だけでも20万枚くらい売れたようである。むろん★★レコードは宣伝しないし、ランキングの集計対象でもない。
 
この発売は図らずもちょうど八雲課長の出産入院中になった。
 

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このミニアルバムはまず、PVに出てくる五聖獣のビジュアルの凄さに多くの人が驚いた。凄まじくリアルであり、とても想像だけで描いたとは思えないディテイルが高い評価を受け、DVD付きのものが物凄く売れた。
 
そして最後に入っているアカペラ版『ウォータードラゴン』の臨場感が凄いと言われたのである。
 
「これを出すのがこのミニアルバムの目的だったんだろうな」
「ケイとしてはマリナに負ける訳にはいかないからこれを出したんだろう」
「確かにこのバージョンは物凄い」
「ほんとに目の前を龍が昇天していくみたいに感じる」
「ケイはマリナに勝った」
 
「でも一般向きではない」
 
「うん。やはり耳に馴染むのはローザ+リリン版だよ」
「結果的にはあいこかな」
 
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「まあケイが真剣勝負しなければならなかった時点でローザ+リリンの勝ちのような気もするけどね」
「本来は偽物が何をしていても本物はどーんと構えていればいい。でもマリナの歌唱がケイのお尻に火をつけたんだな」
 
「それを受けて立ってこれを作ったローズ+リリーのパワーは凄い」
 
「ケイは多分今実力的には最高の歌姫だと思うよ」
「マリナもそれに迫るパワーがある」
「ピカソvsダリみたいな?」
「それはさすがに褒めすぎ」
 
「でもこのミニアルバム、制作費がフルアルバム並みに掛かったんじゃない?」
「それでも負けたままにはできなかったんだろうな」
 
このミニアルバムは最初こそ20万枚であったものの、こうした口コミで知れわたり、FM局でもかなり流されたこともあり、年末までに日本国内だけでも100万枚、世界中では300万枚売れてFMIのアレクサンダー部長は満面の笑みであった。海外では売上の9割がDVD付きであった。
 
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さて、8月下旬に急に企画が立てられたアクアのミニアルバムであるが、楽曲はアクアの曲を書いている3人のライターが分担して書いている。
 
ルビー・トパーズ(F)→加糖珈琲/琴沢幸穂
パール・ダイヤモンド(N)→紅型明美/大宮万葉
サファイア・アクアマリン→森之和泉/水沢歌月
 
マリが今妊娠中で、あまり“一般向き”の詩を書けない状態なので、大宮万葉(青葉)に依頼する楽曲の歌詞は紅型明美こと花ちゃん(山下ルンバ)に書いてもらった。私が書く曲の詩は和泉に書いてもらったので、森之和泉/水沢歌月とクレジットすることにした。
 
「すみません。ボクも詩を書いていいですか?」
とアクアが言った。
 
「うん。いいよ。7曲構成にしてもいい。作曲は誰かにさせるから」
 
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それでアクアは『揺れるトルマリン』という詩を書き(和泉がアクア自身と話し合いながら校正(添削)した)、結局花ちゃんが曲を付けてくれることになった。それで彼女はこのトルマリンの作曲で紅型明美の名前を使い、パールとダイヤモンドの作詞は夢倉香緒梨の名義でクレジットすることにした。
 
アルバムはこの曲を冒頭に置き、FとMの2人でデュエットすることにした。
 
トルマリンにはしばしば“バイカラー”といい、ひとつの石に2種類の色が共存するものがある。有名なのは片側はピンク、片側はグリーンになる石である。そのバイカラーのトルマリンに寄せて、男の子の心と女の子の心が共存する心情を正直に歌ったもので、発売後、まさにアクアのカムアウトソングではと言われた。
 
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制作はこの『揺れるトルマリン』から始めた。
 
PVでは実際にバイカラーのトルマリンのイヤリングをしているアクアの映像に始まり、ピンクのドレスを着たアクアFと、グリーンのスーツを着たアクアMをスタジオでデュエットさせた映像を使用する。
 
このバイカラー・トルマリンのイヤリングは、ほとんど同じ色合いのものを4個用意し、ふたりが各々両耳に付けている。ここでFが付けているイヤリングは上が緑で下がピンク、Mがつけているイヤリングは上がピンクで下が緑である。
 
この曲のボーカル録音とPV撮影は、アクア2人、私と山村さん、コスモスに、雑用係として和城理紗が入り、6人だけでやっている。カメラが山村さん、録音の設備を操作するのは私である。
 
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背景に5月に撮影していた新緑の森と、昨年秋に撮影しておいた紅葉の映像も使用している。
 

次いで制作したのが、Fが歌う『ルビーの情熱』『トパーズの溜息』である。前者が恋に心を燃え上がらせる女の子の気持ち、後者は彼とうまく行かなくて憂鬱な気持ちになる女の子の気持ちを歌う。どちらも琴沢幸穂こと千里の作品だが、前者は千里3、後者は千里2が書いたらしい。
 
録音はMがドラマやバラエティの撮影に行っている日にFをスタジオに入れておこなっている。歌唱を聴いていて、Fの歌い方にとても深い感情がこもっているのを私は感じた。もしかしたらFちゃん、好きな男の子でもできたのかな?という気がした。
 
『ルビーの情熱』ではアクアFには赤いドレスを着せてメイクも赤系統の色を主に使用し、ルビーの指輪を右手薬指につけさせている。『トパーズの溜息』では黄色いドレスを着せて、メイクもオレンジ系にし、インペリアル・トパーズの指輪をやはり右手薬指につけさせた。
 
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この映像に、CGで、ルビーには朱雀、トパーズには黄龍を登場させている。そちらの映像制作は、先日から霊獣のアニメを制作してもらっている会社に依頼している。
 

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Fの制作が終わった後は、今度はふだんの仕事の方にはFが行くかたわら、Mにスタジオに入ってもらい、サファイアとアクアマリンの収録とPV撮影をおこなう。普段ならこういうスケジュールで仕事をさせるとアクア側から文句が出るのだが、今回は自分たちに“時間が無い”ことを意識しているので協力的だった。FもMも歌唱に気合いが入っていて、短時間で完成域に達した。
 
サファイヤではブルーのスーツを着て、サファイヤのペンダントをつけて歌う。『サファイアの高貴』は、彼女にサヨナラされても、取り乱したりせず、優しく彼女を見送り、その幸せを祈る男心が歌われている。
 
『アクアマリンの期待』は新しい女性と出会って、その彼女とのことに期待してワクワクする男の子の心を歌っている。この2つの曲は逆に並べると、意味が逆転してしまう!ので注意が必要だ。こちらの衣装はアクア色のスーツを着て、アクアマリンのブローチを胸につけている。
 
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この2つの曲ではサファイアでは青龍のCG、アクアマリンでは水色の龍のCGを入れている。
 
実を言うと、ここで青龍のデザインはローズ+リリーの『青龍』のデザインそのもので、水色の龍は新たに私が“男の子の”青龍として描き直した絵をベースに制作してもらっている。だから、2つの龍はデザインが似ているのだが、青龍の方は女の子っぽく、水色龍の方は男の子っぽくできている。
 
『アクアマリンの期待』はアルバムの最後に置く予定の曲なので、やはりアクアは男の子ですよ、という意味を込めているのである。
 

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夏の日の想い出・龍たちの伝説(6)

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