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■春泳(12)

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「彼女の場合、中学時代は下着は男物着たり女物着たりしていたらしいです。でも高校に入ってからはもう女物の下着しか着けてないと言ってました。お年玉とかもらったのを全部そういうの買うのに注ぎ込んでいたみたいです。それで今あの子、朝自宅から女子制服で学校に出てきて、授業開始前に男子制服に着替え、授業が終わると女子制服に戻って部活に来てるんですよ。そしてその格好で帰宅してるんです」
 
「じゃ、ご両親にも認められているんだ?」
「いや、それがどうも微妙みたいで。お父さんは彼女の性別のこと知らないかもと言ってました。お母さんは何も言わずに現在は黙認あるいは黙殺している感じらしいんです」」
 
「うーん。。。僕も自分の息子がいつの間にか女の子になっていても、そんなこと思いもよらないかも知れないなあ」
 
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「ただお姉さんがこの春にちょっとあった事件で彼女のことを明確に認識するようになったので、その後いろいろ協力してあげているみたいです。日曜日にスカート穿かせて一緒に姉妹として外出したりしてるみたいですよ」
 
「お姉さんって3年生の萌君だよね?」
「そうです」
 
「やはり萌君と先に話してみるか」
 
「それはいいと思います。でも親御さんと話をするのはもう少し待ってあげたほうがいいと私は思います。今の段階で親を学校に呼んだら、お父さんから女装禁止とか言われかねないですよ」
 
「分かった。じゃ、その付近はしばらくは学校側も黙認体制で行こうかね」
と教頭先生は言ったあとで、ふと気づいたように言った。
 
「この子、下着は女の子のをつけてるの?」
「はい、そうです。男物の下着はもう捨てちゃったと言ってました」
 
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「だったら体育の時間の着替えとかまずいんじゃない?」
「男子更衣室の隅で急いで着替えてるそうですよ。他の男子も彼女の方は見ないように気をつけてあげているみたいです」
 
「その状況はやばいよね?」
「もし良かったら何か配慮してあげられましたら」
「ラグビーとかもひょっとしてまずい?」
「春から体育の授業ではバスケットしていたようですが、うちの部の1年生男子に聞くと、彼女と身体の接触が生じないようにみんな気をつけてると言ってました。ファウルした時に触った感触がまるで女の子だったというんですよ。今のままだと身体の接触を避けようとして逆に怪我とかしたらまずいと思います」
 
「それはちょっと体育の授業自体考える必要があるかも知れないね。取り敢えず着替えについては、個室で着替えさせるか何か、ちょっと担任の先生や体育の先生と話してみるよ」
 
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「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 

千里たちユニバーシアード代表のNTCでの合宿は7月1日まで続き、2日朝には成田から韓国に旅出った。成田から仁川(インチョン)まで飛行機で飛んだ後、韓国の高速鉄道KTXで光州(クァンジュ)に入る。宿舎に入った後、午後からは現地の指定された練習場所で汗を流した。
 
そして7月3日には同じくユニバーシアードに参加するカナダチームと練習試合をおこなった。一応日本は予選Cグループ、カナダはAグループで決勝トーナメントでしか当たらないのだが、カナダの決勝トーナメント進出は確実だし、日本が最近かなり力を付けてきていることはカナダ側も意識しているので、実際にトーナメントで当たるかも知れないという思惑から、お互い様子見という感じの試合になった。
 
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ただ体格的に優位に立つはずのカナダ選手たちにも、王子は全くひけをとらない活躍をしたし、この試合に敢えて欠場した千里に代わってシューターを務めた晴鹿も巧みに相手ブロックをかいくぐってスリーを大量に放り込み、日本側のスタッフを安心させた(当然このふたりはカナダ側には要注意とマークされたはずである)。逆に絵津子・純子・絵理の中核フォワード・トリオはカナダの体格の良いフォワード陣に全く歯が立たず、大きな課題を残した。3人はその日かなり遅くまで3人だけで練習をしていたようである。
 
さてこの光州では昨年夏、アジア大会が行われたが凄まじい不手際の連続で2018年に予定されている平昌(ピョンチャン)冬季五輪は大丈夫か?という不安の声があがった。弁当からサルモネラ菌が検出されるわ、会場で着替える場所がなく選手たちが衆人の前で着替えることになるわ、宿舎のエアコンは作動しないわ、エレベータが停まっていて選手が22階まで階段で往復するハメになるわ、ほんとうに酷かったのである。バドミントンの試合で空調が不調でオンオフを繰り返した(韓国側談)のが韓国に有利になるように風を調整していたのではという疑惑を呼んだりもした。
 
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それでさすがに韓国側も今回のユニバーシアードでは頑張ったようであった。また韓国は現在MERS(中東呼吸器症候群)の患者が拡大して政治問題化していたこともあり、ユニバーシアードで感染者が出てはと韓国側もかなり神経を使い医療スタッフを大量に動員していたようであったし、また各国選手団も韓国側の対応を信用せず各々自己防衛にも務めていたようである。
 
日本選手団も生水・生ものの飲食禁止の他、外出禁止令、他国選手との交流も最小限にすることなどが通達された。食事も少しでも変に思ったら食べないことと、それをすぐ言って、他の選手が気づかずに食べてしまう事故を防ごうなどとチーム代表から言われた。
 
なおバスケットの女子チームは開幕直前の2日に韓国に来たのであるが男子は実は千里たちの合宿が始まる直前に先にNTCの合宿をした上で6月19日に海外合宿が解禁された直後韓国に渡り、他国とのプレマッチをしていた。結果的にはその男子チームのスタッフから色々と情報をもらって、選手の安全管理に関する対策を取ったようであった。
 
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一方、青葉は7月1日(水)から期末試験が始まっていた。
 
青葉は中学時代はどちらかというと学校の日程より霊能者の仕事の方を優先するかのような生活を送っていたのだが、高校に入った時に桃香が大船渡で青葉の仕事を取りまとめてくれている佐竹慶子、高岡で仕事をとりまとめてくれている水口詩子さんと話し合い、少なくとも高校在学中は学業絶対優先にさせてくれと申し入れた。それで基本的に相談事についてもお断りすることになってはいたものの、まあ結構いろいろしたよなと青葉は思った。
 
それでも中学時代は月に2回大船渡に行っていたのが、高校に入ってからはかなり頻度を落としている。ただ、その分処理した案件は、やたらと大物が多かった気もするのである。
 
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最近では、源義経さん、七尾城攻防戦、ノロの継承式とやってキリストさんにモーゼさんにお釈迦様とやったからなあと苦笑する。
 
さすがにそのあたりまでやったら、その路線は終わりじゃないかという気もする。こちらも身が持たない!
 

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期末試験の間は部活も禁止なので、青葉が合唱軽音部の練習に出て行ったのは7月7日(火)であった。すると希が何だか嬉しそうな顔で他の1年生女子たちと話しているので
 
「どうかしたの?」
と聞くと
「先生から授業中も女子制服着てていいよと言ってもらったんです」
と希は言っている。
 
「良かったね!」
「それで期末試験中はずっと女子制服でテスト受けたんですよ。トイレも女子制服とか体操服とか着ている時は女子トイレ使ってもいいよと言われました」
 
うちの高校の体操服は基本的に男女の差は無い。ジャージの下に穿く短パンが、男子はショートパンツ、女子はハーフパンツであるくらいだ。ただ希は実は入学の時に誤魔化して女子用のハーフパンツを買ってもらい、これまでも体育の時間はずっとそれを穿いていたらしい。
 
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「でもトイレはこれまでも女子トイレを使ってたんじゃないの?」
と青葉が言うと
 
「私たちが連れ込まないと恥ずかしがって使ってなかったんですよ」
と1年生女子。
 
「だけど女子制服を着て男子トイレは使えないでしょ?」
「痴漢は出て行けと言って追い出されました」
「当然」
 
「それで金曜日に実は母と話したんです」
「おお」
「母からは早まったことはしないようにというのと、自分の性別については高校在学中くらいゆっくりと考えればいいと言われました」
 
「うん、私もそうするといいと思うよ」
「男の子に戻りたくなったらいつでも遠慮せずに戻りなさいと言われたけど、絶対男の子になんか戻りたくないです」
 
「うん。まあ頑張りなよ」
「はい」
 
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と希は嬉しそうに答えた。
 
なお希は頭髪検査も2学期からは女子の基準で検査すると言われたらしく、夏休みの間、髪を伸ばしますとも言っていた。彼女はこれまで「男子としては少し長すぎ」くらいの長さだったのだが、それでも女子制服を着ているとふつうに女子に見えてしまう。髪を伸ばすと、より自然になるだろうなと青葉は思った。
 

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ユニバーシアード、初日の4日は男子のみ試合があり、男子はフィンランドに負けて黒星スタートとなった。
 
女子は5日が初戦であった。強豪のスウェーデンと対戦したが、千里や王子の活躍で51-71で勝利。女子は白星スタートとなった。5日は男子も台湾に勝ち、1勝1敗と星を戻した。
 
6日、女子は超強豪のロシアと対戦する。千里はU19の時ロシアと接戦を演じたことを思い出していた。あの時戦った選手も向こうには残っていた。それでロシアは徹底的に千里を封じる作戦で来た。千里もこれほど体格も技術もある選手とやるのは経験不足で、この試合では完璧にやられてしまった。もっともロシアは千里を封じるのに向こうのエースを使っていたので、結果的に4対4で試合をしていたようなものであった。
 
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王子・彰恵・江美子などがかなり頑張ったものの、最終的に71-65で敗れてしまう。どちらも試合後座り込む選手が多数出る、本当に激しい試合であった。これで日本女子は1勝1敗である。
 
7日は女子はメキシコと対戦した。千里や彰恵たちの学年は昨日の疲れが完全には取れていないため、この日は絵津子・純子・絵理を中心とする運用をした。それでかなり競ったものの、最後は千里のスリーで逆転した後、彰恵のスティールから江美子が2点取って突き放し、64-68で勝利した。
 
この結果日本女子はグループCで2勝1敗、3勝のロシアに次ぐ2位で予選リーグを突破、決勝トーナメントに進出した。
 
なお男子は7日にオーストラリアに負け、8日にリトアニアに負け、9日にはフランスに負けてグループCで1勝4敗の5位、17-24位決定戦に回ることとなった。
 
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7月8日(水)。昼休み。
 
プールそばの女子更衣室で
 
「おお、可愛い!」
という声があがり、希は恥ずかしそうに俯いた。
 
青葉が「監修」して、希に女子スクール水着を着せてあげたのである。
 
「質問!」
とひとりの女子が手をあげる。
 
「おっぱいがあるように見えるのですが」
「パッド入れてもらった」
「それ、泳いでいるうちに外れない?」
 
「水着用のパッドなんだよ。粘着式だから大丈夫」
と青葉は解説する。
 
「お股におちんちんが無いように見えるのですが」
「むしろ縦筋が見えるのですが」
 
「一時的に取り外しました。割れ目ちゃんはおまけです。おちんちんは冷凍保存しているから、放課後戻してあげます」
と青葉は言う。
 
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実際には保健室のベッドを借りて接着剤タックをしてあげたのである。希はタックというもの自体は知っていたものの、何度かテープタックにトライしてもうまくできなかったということで、青葉がきれいに男性器を体内に「折りたたんで収納」してあげたのを見て「すごーい」と言って感動しているようであった。
 
「それ一時的じゃなくて、ずっと取り外しておけばいいのでは?」
という意見も出るが
 
「まだ完全な女の子になるのは、お母様の許可が下りないそうです」
と青葉は言っておいた。
 
そういう訳で、この日午後の水泳の授業に希は女子用スクール水着で参加したのである。体育の先生は希の女子水着姿にちょっと慌てたようであったが、急遽女子の体育の先生と話し合い、この日、希は女子たちと一緒のメニューをこなした。希は凄く嬉しそうに他の女子たちと一緒に練習していたそうである。
 
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逆に男子の方からは、
「篠崎が男子用水泳パンツなんか穿いて出てきたら、俺、胸とかまともに見れないと思ってたから安心した」
 
などという声があがっていた。
 
結局希は夏休み突入までの水泳の授業をずっと女子として参加した。また随分と他の女子から「あちこち」触られていたようだが
 
「胸柔らかいね〜。本物みたい」
とか
「お股、ほんとにおちんちん付いてないね。やっぱり手術して取っちゃったの?」
などと言われていたようである。
 
しかし希は何を聞かれても恥ずかしそうに俯いていて「乙女みたいだ」などと言われていた。
 
 
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