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■春音(12)

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呉羽のおちんちんバイバーイ。これで君はもう男の子じゃなくなったよ。
 
シリコンの棒に尿道を切り開いたもの、陰嚢の一部、そして陰茎の皮を組合せて巻き付け、筒状にして縫い合わせる。血管や組織も青葉の力を使ってつなぎ本当に一体化させる。女性のヴァギナがあるべき位置に器具を使って深さ10cmほどの穴を開け、この筒状のものを埋め込み、ここからは霊能者だけができる操作で、呉羽の体内でこのヴァギナと周囲の神経や血管をつないで行った。こういう作業はふつうの外科医にはできない。前立腺がいわゆるGスポットのあるべき場所に来るよう留意した。ヴァギナには詰め物をする。
 
更に亀頭の一部を切り取り、女性の陰核があるべき位置に設置して、ここも血管や神経をつないでいく。亀頭の残り部分はこれもゴミ箱にポイ。尿道の余っている部分をラッパ状に広げて固定し、尿道口とする。最後に残っている陰茎の皮・陰嚢の皮を折りたたんで小陰唇・大陰唇を作り上げ、陰核・尿道口・ヴァギナのある部分を覆い隠す。ここも血管や神経をしっかりつなぐ。
 
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これで女の子完成である。
 
『手術終わったよ』
と呉羽に声を掛ける。
 
『え?もう?』
『見てごらん』
と言って身体を起こして見せてあげる。
 
『きゃー、女の子みたい』
『だって女の子にしちゃったんだもん』
『なんか信じられない』
『これで女の子パンティを穿いても盛り上がりはできたりしないよ』
 
『なんか嬉しい・・・これ夢じゃなかったらいいのに』
『そうだね(夢じゃないかもね)』
 
そこまで会話したところで青葉は目が覚めてしまった
 

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翌日・月曜日。呉羽は学校を休んでいた。うーん。「手術」の痛みが残っていたりしないよな? と青葉は少しだけ心配になったが、火曜日は普通に出てきていた。しかし雰囲気が先週までと明らかに違う。呉羽は元々仕草の中にしばしば女っぽい動作が含まれていたのだが、その日の呉羽は100%女という雰囲気で、実際問題として男子の制服は着ていても男装女子みたいに見えてしまった。その日の勉強会でも、他の女子たちに指摘される。
 
「呉羽、本当に女の子になっちゃったみたい」
「何かあったの?」
「ううん。別に」
 
その日、呉羽は勉強会ではスカートを穿いていた。ふだんは学校からまっすぐ来るので平日は学生服で、土日の勉強会では中性的な服装(たまにスカート)だったのが、今日は女の子の服を持参してきていて、着替えていた。胸にもパッドを入れていて、普通に膨らみがあるように見える。
 
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「呉羽、もし学校にも女子制服で出てきたかったら、私の洗い替え用の予備を貸そうか?」
「いや、いい。まだそこまでの勇気が無くて」
 
「『まだ』ってことは、その内女子制服にしたいのね?」
「うん・・・・でも、それいつになるか分からない」
「おお、頑張れ。頑張れ」
 
その日、呉羽は青葉と視線が合わないように避けていた感じだったが、青葉がよそを見ている時は青葉の方にしばしば視線をやっているのが感じられた。
 
この後、呉羽は勉強会には必ず女の子の服で参加するようになった。
 
「学生服の下でもブラジャー付けてパッド入れてるね?」
「うん」
「下も女の子パンティだよね」
「うん」
「女の子パンティ穿いてたら、トイレはどうしてるの?」
「最初の頃はパンティの上から出してたんだけど・・・実は今月初め頃からは個室を使うようになった」
「そうだね。女の子は立ってしないからね」
「うん」
 
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「実はもう立って出来ない身体になってたりして」
と青葉が試しに言ってみたら、呉羽は俯き加減で恥ずかしそうな顔をしていたので、周囲の女子は呉羽の態度を測りかねていた。
 

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この年は土日の関係で12月21日金曜日が終業式だった。
 
学校は冬休みに入るが、青葉たちのグループは毎日誰かの家に集合して勉強会を続けた。奈々美たちのグループも勉強会を冬休みの間は毎日するということで、世梨奈は前半奈々美たちの方に出て、後半は青葉たちの方に出るというのをしていた。向こうの勉強会で分からなかった問題をこちらに持ち込み、解いてもらった結果を向こうに電話で伝えたりもしていた。
 
そして呉羽はずっと女の子の格好で出てきていた。
 
「前から疑問に思ってたけど、その格好で家から出てきて、その格好で家に帰るの?」
「私の家、以前半分人に貸してたから、玄関がふたつあるの。そして私の部屋って以前その人に貸していた部屋だから、直接そちらの玄関から出入りできるのよね。それで親に見られずにこの格好で出入りできる。それに両親とも仕事してるから、昼間は誰もいないし」
「はあ」
 
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最近呉羽は、勉強会ではこんな感じで女言葉で話すようになっていた。声は男声なのだが話し方が女の子っぽいので(いわゆる「フィッシュアイ話法」に近い)、普通に聞いている分には、女の子が話しているように聞こえてしまう。この話し方は(呉羽を締め上げて白状させて判明した結果)、実は小さい頃から、結構していたらしく、声変わりする前は、女装していなくても話し方で女の子と思われていたらしい。
 
「呉羽、兄弟とかいなかったんだっけ?」
「上にお姉ちゃんが2人いるけど、2人とも大学生で、富山市内と金沢市内のアパートに住んでる」
「何年生?」
「大学3年と1年」
 
「あ、もしかして呉羽がこうやって女の子してるの、下のお姉さんが家を出て監視の目が無くなったからだったりして」
「う・・・それは実はある。今年の春からFでの外出が増えた」
 
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Fというのは女装という意味である(男装はM)。
 
「でも親にはカムアウトしないの?」
「なかなか勇気が無くて・・・」
「でも、せめてお母さんには言っておいた方がいい気がするよ」
「うん。でも実はね・・・」
「うん?」
「お母ちゃんには、なんかバレてるような気もしてる」
 
「ああ、それはだいたいバレてるもんなんだよ」
と青葉は言った。
 

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クリスマスイブには勉強会兼クリスマスパーティという感じになる。本来ならみんなでクリスマスの料理を作るのだが、受験勉強中ということで各々のお母さんやお姉さんにお願いして作ってもらい、持ち寄った。ケーキはみんなでお金を出し合って、これも買ってきてもらった。
 
まずはケーキを8等分してシャンメリーで乾杯する。
 
「ね、ね、ここにいる全員ちゃんと志望校に合格できたらお祝いパーティーでまたケーキ食べようよ」
と美由紀が言うので
「それ、いちばん危ないのがあんたでしょ」
などと言われている。
 
「でも美由紀もボーダーラインっぽいけど、私もT高校だとボーダーラインだからなあ」と世梨奈。
「C高校なら充分合格圏に入っているけど、みんなと一緒に勉強してて私もみんなと同じ所に行きたい気分になってきた」
 
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「世梨奈、奈々美たちの勉強会のほうはどう?」
 
「あちらでは基礎を再度鍛えられてる感じかな。こちらでは実践的なものが多いし、両方に出てることで私はバージョンアップしてる感じ」
「向こうはどこ受ける子が多いの?」
「C高校半分とM高校半分って感じ。奈々美は今ボーダーラインでどちらにするか悩んでる」
 
「呉羽は今男の子と女の子のボーダーラインだよね」と星衣良が言う。
「ああ、呉羽は夏頃はまだ男の子だったけど、もう少し頑張れば女の子になれるね」
「何を頑張るの?」
 
「おっぱいマッサージして大きくするとか、取り敢えずおちんちんは取っちゃうとか」
「取り敢えず取っちゃう訳?」
「おちんちん無ければ私たちと一緒に温泉に行けるし」
「でも呉羽はおちんちん付いてても修学旅行で女湯に入ったね」
「青葉もまだおちんちん付いてた頃から女湯にいつも入ってたね」
「まあ気合いだよね、女湯に入るのは」
「でも青葉はおっぱいあったからね」
「呉羽もやはりおっぱい大きくして一緒に女湯に入ろう」
 
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そんなことを言われて、呉羽は恥ずかしそうに俯いて顔を赤らめていた。
 
「そうだ。春休みにみんなで温泉に行かない?」
「あ、美由紀の親戚の温泉宿、しばらく行ってないけど、また行きたいね」
「奈々美たちのグループも誘おう」
「その時は呉羽には女湯に入ってもらおう」
「おお、そうしよう」
 
「う、うん」と呉羽が少し恥ずかしがりながらも同意するかのような返事をしたので、他の女子たちは「へー」という感じの顔をした。
 

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その日の夜は彪志と電話で長時間話して愛を確かめ合った。
 
「バーチャルセックスしちゃおうか?」
「それどんなの?」
「彪志がテンガに自分のを入れて出し入れしたら、私はダイレーターを自分のに入れて出し入れするから。私、電話を通して彪志の呼吸は分かるから、ちゃんと彪志がしているのに合わせて出し入れできるよ」
 
「あ・・・・テンガはもう全部使っちゃったかな」
「ああ。それは残念だったね」
 
「じゃ何もしないの〜?」
「そうだなあ。私が見ててあげるから、カメラでそちらの様子を動画撮影しながら、セルフサービスで」
「うーん。。。それは詰まらない気がする」
 
「しょうがないなあ。この力をこういうことに使いたくないんだけど。そこでパンツ脱いで横になって。気持ち良くしてあげるから」
「あ、それは新展開だね」
「もっとも、ひとつ問題点があるんだけどね」
「なあに?」
「私の力使って気持ち良くしてあげるとさ、それやってることが菊枝とか師匠とか他の兄弟子・姉弟子とかにも筒抜けになるんだよなあ(見ようと思えば見れるだけで実際にはわざわざ見ないだろうけど)」
 
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「やめ!それはやめとこう」
 

翌25日。青葉が欲しい本があったので、ちょうど母がイオンモールまで行くと言っていたので車に同乗させてもらい一緒に出かけた。現地で母と別れて2Fの喜久屋書店に行き、目的の本をゲットした後、少し雑誌など眺めていたら肩をトントンとされる。
 
「あ、奈々美」
「へー、青葉も漫画は読むのか」
「私だって漫画くらい読むよ〜たまにだけど」
「やはり」
 
最近あまり話していなかったので、話がはずむ。はずみすぎてここじゃ迷惑だから場所を移動しようということになり、サブウェイに行ってローストビーフのサンドイッチを食べながら、また更におしゃべりを続ける。かなり話した後で
 
「あ、そうだ、私、ナプキン買っとかなくちゃ」
と奈々美が言うので付き合う。
「ついでだから私も買って行こう」
と青葉。
「そうか。青葉、生理があるって言ってたね」
「そうなんだよねー。だいたい28日周期で来る」
「凄いね」
 
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「何か病変とかがあったらというので経血を病院で検査されたけど、普通の女性の経血と成分がほとんど同じと言われた。なぜこういうものが身体から出てくるのか理解不能と言われたけどね」
「ああ、それは青葉のヴァギナは四次元子宮につながってるんだよ」
「うむむ」
「だからきっと四次元妊娠可能だよ」
「うむむ!」
 
1階に降りて食品・雑貨の売場に行き、ついでに少々おやつを調達した上で、ナプキンを選ぶ。
 
「へー、奈々美はソフィ派か」
「うん。ボディフィット。このスリムの羽付きが好き。青葉はロリエなんだ」
「うん。スリムガード。私も羽付き。羽無しだとどうしても外れちゃって」
「そうなんだよね〜」
 
などと会話を交わしていたら、目の端に何だか逃げようとする雰囲気の女の子の姿を捉える。青葉は反射的に彼女に飛びついた。その子はウィスパーの昼用ナプキンを手にしていた。
 
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「呉羽〜、ナプキン選んでたの?」と青葉が言うと
「あ・・えっと・・・」と呉羽は焦っている雰囲気。
「へー、呉羽、ナプキン使うんだ?」と奈々美が不思議そうに言う。
 
「こっちの勉強会に奈々美来てないから知らないよね。最近、勉強会ではもうほとんど女の子になっちゃってるんだよ。ここ10日程、ずっと女の子の格好で出てきてるし」
「へー。凄い」
「学生服で学校に出てきても、勉強会では女の子の服に着替えてる」
「おお」
 
呉羽が弁解がましく言う。
「ちょっとあの付近から出血して・・・とりあえず昨日はお母ちゃんのを無断拝借して当ててたんだけど、まだ止まらないから買いに来た。近所だと知ってる人に会ったら恥ずかしいと思って・・・・」
 
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「それでここに来て、やはり知ってる人に会ったと」
 
「出血? 病院に行かなくて大丈夫?」と奈々美が心配そうに言う。
「多分」と呉羽。
「呉羽は女の子だから出血するのは別に普通だよ」と青葉が言う。
「そ、そう?」
「じゃ、お大事に〜」
 
と言って解放すると、早歩きでレジの方に行ってしまった。
 
「青葉、呉羽に何かした?」と奈々美。
「うーん。ちょっとした親切心かな」と青葉。
 
「やはり。まあ、いいよね。ああしてるの見たら、女の子にしか見えないし。でもそうしたら、あの子、高校は女子制服で通うつもりかなあ」
 
「通いたい気分になってきてるみたい。勉強会のメンツで散々唆してるし」
「ああ、たくさん唆すといいよ」
と言って、奈々美は笑った。
 
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