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■春音(10)

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お風呂からあがり、新品のベビードール(春に持って来たのとは別のタイプ)を身につけて出て行くと、彪志がわあ!という顔をしている。布団は既に敷いてあった。今日青葉が来ることを意識してか、新品のシーツが敷かれている感じだ。
 
「俺も汗流してくる」と言ってお風呂場に飛び込む。
 
青葉は微笑んで部屋の灯りを消してから、ベビードールのまま布団の中に潜り込み、、目を瞑って待った。5分もしない内に浴室のドアが開き、彪志が布団の所まで来た。彪志は裸のようだ。布団の中に潜り込んでから遠慮がちに「してもいい?」と訊く。
 
青葉は微笑んで答えた。
 
「私の身体は彪志のものなんだよ。だからいつでもしたい時にしていいんだよ」
 
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彪志はごくりと唾を飲み込み
「じゃ、しちゃうよ」
と言う。
 
青葉は返事代わりに彪志の顔を両手でつかみ、ディープキスをした。彪志も最初は遠慮がちに舌を入れて来て、ふたりは身体を絡め合わせた。
 

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自分のヴァギナが性的に興奮すると充分濡れることは確認済みだったが、今回は初めてなので念のため、ローションを入れておいた。おかげで彪志の肉体はスルリという感じで入って来た。きゃー。
 
ダイレーションで毎日、おちんちん類似物は入れているものの「本物」は初めての経験。でもきっとうまく行く。そう思って青葉は彪志にされながら背中を撫でていた。
 
彪志はあっという間に逝ってしまった。ええ?もう逝っちゃったの?と青葉が拍子抜けするほどだったが、かなりお預けを食わせていたし、精神的には今日の午後会った時からずっと前戯をしていたようなものであろう。
 
まだ性転換手術から4ヶ月しか経っていないので当面は1日1回までと医師から厳命されていて、そのことは彪志にも言ってある。彪志はなごり惜しそうに自分の肉体を青葉の中から抜いたが、青葉はそれをティッシュで拭いてあげてから、口に咥えた。「わっ」と彪志が声を立てる。
 
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優しく優しく舐めてあげる。
 
「き、気持ちいい・・・」
と彪志は言っているが、出した直後なので、まだ柔らかいままだ。青葉はそれが回復して硬くなるまでずっと舐めてあげた。そして彪志はまた青葉の中で逝ってしまった。
 

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その夜は、その後、手で刺激して大きくしてから素股で1度やり、そのあと彪志も青葉のを舐めてあげたいというので、彪志が下になる形でシックスナインをした。最後はコンちゃんを付けて、バックでAの方に受け入れて結合したものの、さすがに4回も逝った後なので、彪志は逝けなかった。それを悔しがっているのが、ちょっと可愛く思えた。
 
横に抱き合ったまま寝た。ちょっと腕が痛かったものの、とても幸せな気分だった。
 
こうしてふたりの「初夜」は過ぎていった。
 

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朝目が覚めるとまだ彪志は寝ていた。腕を彪志の身体の下から外すが、当然のことながら痺れている。青葉は彪志を起こさないようにそっと布団から抜け出すと服を着て、トイレに行った後で、朝御飯を作り始めた。
 
お米を研いで御飯を炊き、時間を見計らってからタマネギと若布の味噌汁を作る。冷凍室から鰤の切り身を出して、それを照り焼きにする。この鰤は予めクール宅急便で送っておいた、氷見の鰤である。能登半島の寒鰤は12-1月がいちばん美味しいが、11月になるともう既にかなり脂が乗ってきている。
 
ちょうどお魚が焼き上がった頃、彪志が起きてきた。
 
「あ、惜しいなあ。『あなた、朝ご飯とお味噌汁が出来たわよ』と言ってキスして起こすのやってみたかったんだけど」
と青葉が言うと
 
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「あ、それやってやって」
と言って彪志は再び布団にもぐりこむ。青葉は微笑んで、彪志にキスをして「あなた、朝ご飯とお味噌汁が出来たわよ。お魚も焼けたわよ」と言った。
 
「ありがとう、マイハニー」
「おはよう、マイダーリン」
 
その日は午前中楽しくおしゃべりをして過ごし、お昼は千里・桃香と会って一緒に昼食を取り、それから青葉はスリファーズの公演がある横浜に向かうことにする。彪志は千葉駅まで送って行く、と言っていたのだが、結局横浜まで付いてきた!
 
公演の後、春奈のヒーリングをすることになっているホテルの前で握手して別れた。青葉が着いたのは公演が終わる30分くらい前だったのだが、そこに先に会場から出てきた冬子がやってきた。
 
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「青葉〜、いいところに。私のヒーリングして〜」
「ええ、いいですよ」
と言って、ソファに寝かせていつものヒーリングをする。
 
「今回は自分のライブ以上に疲れたよ」と冬子。
「春奈ちゃんの体調を気遣ってあげないといけないから、精神的に消耗しますよね。春奈ちゃん、割と無理しちゃう方だし」
「そうなのよ」
 
と言ってヒーリングされながら冬子は何かのアレンジ譜を書いている。
 
「でも忙しいですね。編曲ですか」
「そそ。できたての曲」
「へー」
「いや春奈がツアー完走記念と、性転換のお祝いに何か曲を書いてというものだから、ステージ上で即興で作ったんだ」
「すごっ。あれ?性転換したことを公表したんですか?」
 
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「うん。今日のステージでした。レコード会社も保護者も承認済み」
「わあ」
「部長から、これ今年中に発売しようなんて言われたから、今日中にアレンジ譜を作って送らなきゃ」
 
「たいへんですね。政子さんの詩?」
「そそ。政子がステージ上で即興で詩を作ってくれたのを彩夏に書き取らせた」
「そのあたりの才能ってふたりとも凄いですよね」
「うーん。正直、天才度では、私は政子にはかなわないと思ってる」
「でも、政子さんの才能を形にするのは冬子さんの才能だから」
「うんうん。私は政子のインターフェイスなんだよ」
 
青葉は頷いた。
 
「それで気になっていたんですけど」
と言って、青葉は政子が『夏の日の想い出』以降、ローズクォーツの音源製作にも引き出されていることで、過負荷になっていないだろうかという懸念を表明した。
 
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「こんなこと言うのは、僭越なのは充分承知なんですが」
と青葉は付け加えたが、冬子はしばらく考えている風であった。そしておもむろに言う。
 
「実は私もちょっとだけ心配していた。最初は、ずっとステージから遠ざかっていた政子に歌う感覚を取り戻させる、リハビリ効果を期待して、むしろ引きずり込んでいたんだけど、さすがにちょっと活動が多くなりすぎたかなという気もしていたんだよね」
 
「これからローズ+リリーの方の活動も本格化しますよね。冬子さんはパワフルだから掛け持ち行けると思うけど、政子さんには無理ですよ」
「うん、それは間違いない。また潰れて数年浮上できないと困るしな。その件、ちょっと部長とも話し合ってみる」
「ええ」
 
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その件に関してはその日の夜、冬子がレコード会社の部長と電話で話し、その結果を受けて、部長と冬子たちのプロダクションの社長との電話会談が行われ、ローズクォーツの活動から政子が外れる方針が決定され、翌月頭に開かれた「ローズ+リリー制作委員会」でその方針が承認されるに至る。
 

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25日は冬子の後で、公演が終了してホテルにやってきた春奈のヒーリングを2時間して(その間、スリファーズの3人に冬子・政子、更にはレコード会社のスリファーズ担当の女性も合わせて7人でひたすらおしゃべりをしていた)、青葉は最終の新幹線で高岡に帰還した。彪志は千葉に帰ると言っていたのだが、実際には青葉の仕事が終わるのを横浜で待っていて、青葉の仕事が終わる頃にメールしてきていて、横浜駅で再合流。そのあと越後湯沢まで付き合ってくれた。
 
「こんなに私にくっついてて、お勉強の方は大丈夫?」
「今夜頑張ってやるから大丈夫」
 
高岡まで帰還するのに使える最終新幹線が21:21に越後湯沢に着くので(はくたかに乗り継いで23:38高岡着)、その後彪志の方は越後湯沢から東京行きの新幹線に乗ると、0時すぎに千葉に帰還できるのである。ふたりは新幹線の座席に並んで座り、ひざに毛布を掛けて、それに隠れて少しHなこともしたりしながら、楽しくおしゃべりして時を過ごした。
 
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月曜日、青葉が沖縄土産のちんすこう・サーターアンダギー・紅芋タルトを持って学校に出て行くと昼休みを待たずに、あっという間にそのおやつはなくなってしまう。
 
「青葉、沖縄で少しは観光できた?」
「してなーい。ホテルとクライアントの所2ヶ所に行っただけ。お土産は人に頼んで買ってもらった」
 
時間の取れない青葉に代わって、レコード会社の現地スタッフさんが買い物をしてくれたのである。彪志の所に持ち込んだタコライスやゴーヤチャンプルー、ジューシーもスタッフさんが近所のスーパーのお総菜コーナーで買ってきてくれたものであった。
 
「ホテルでは寝れた?」
「うん。今回は特に2日目にぐっすり寝れたよ。エステの全身マッサージコースも受けられたしね」
「良かったね」
「わあ、エステとかしたんだ?」
「気持ち良かった〜。顔から足までずっとマッサージしてもらって。マッサージされながら眠っちゃったけどね」
「へー」
 
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「首里城とか美ら海水族館とか見た?」
「見てない、見てない。空港とホテルと病院を行き来しただけ」
「やはりもったいないことしてる」
 

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少し時間を戻して11月上旬。10月末の模試の成績が帰って来て、美由紀はついに偏差値65を越えた。
 
「偏差値66か。ほんとに頑張ったね、美由紀」
と日香理も青葉も褒める。ちなみに日香理と青葉はふたりとも偏差値73であった。
 
「これで合格できるかなあ」
などと美由紀が言うので、
「美由紀は内申点が低い分をカバーしないといけないから」
と日香理が言う。すると美由紀は
「内申点って?」
などと言い出す。日香理は頭を抱えた。
 
「あのね。高校入試は、実際の試験の点数と中学時代の成績との合計で合格を判定するの。試験が200点満点、中学の成績から出る内申点が150点満点。その内、純粋に成績の部分は135点で、部活や学園生活などの採点が15点。美由紀は2年の時や3年生1学期の点数が悪いから、内申点が低いよ」
 
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「えー?それどうやったら挽回できるの?」
「2年の成績も3年生1学期の成績も今からは挽回のしようがない。だからそちらが低い分を入試でカバーしないといけない」
「きゃー。どのくらいカバーしないといけないの?」
 
「うーん。。。美由紀、2年生の時の中間・期末の成績は?」
「えっと。。。だいたい平均60点くらいかなあ」
「3年生になって1学期の成績もそのくらい?」
「うん」
 
「美由紀は遅刻欠席がほとんど無いし、美化委員とか保健委員とかもちゃんとやってたし、部活も美術部で頑張って副部長を務めてコンテストで入賞経験もあるし、学園生活の点数は満点に近い点数もらえると思う。成績の方は2年生の成績が9教科×5点の45点満点、3年生の成績は90点満点なんだよね。2年と3年の前半が100点満点の60点なら、45点満点では27点。美由紀、2学期の中間テストはほぼ満点だったし、期末も満点を取るものとして計算すると、内申点の合計は114点になる」
 
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と日香理は携帯の電卓を叩きメモも取りながら言う。
 
「T高校の合格ラインはだいたい入試点と内申点を合わせて350点満点の290点くらいだと思うのよね。すると試験では200点満点の176点取らないといけない。つまり100点満点に換算すると平均90点くらい取らないと合格できない」
「ひぇー!」
 
実際には美由紀は美術とか家庭は通知表の5を取っていたはずなので、もう少し内申点は良いだろうと思ったが、ここは低めの点数を言っておいた方が無難だと日香理は思った。
 
「諦める?」
「諦めない。青葉や日香理と同じ高校に行きたいもん、私」
「じゃ頑張ろう」
「うん。頑張る!」
 
そういう訳で、美由紀はまた新たな目標に向けて勉強を頑張り始めたのであった。
 
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その夜、青葉は睡眠中にふと意識が覚醒した。
「あ・・・いつもの『夢』の中だ。今日は誰の夢の中だろう。彪志かな?」
 
などと思いながら、見回す。あ!美由紀か!
 
その美由紀は勉強机に向かって、はちまきをして、そのはちまきにボールペンを2本立てて(何のおまじないだろう?)、どうも数学の図形問題を解いている雰囲気だった。
 
『美由紀、頑張ってるね』
『あ、青葉! 図形問題って難しい』
『図形問題はね、漠然と問題文を読むんじゃなくて、実際に問題文に描かれている図形を頭の中でもちゃんと描いてみて把握することが大事。その把握がうまく行けば、かえって連立方程式とかより楽に解けるんだよ』
『私たぶんそのあたりが苦手』
 
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『おかしいなあ。美由紀は絵がうまいから、そのあたりの空間認識は得意だと思うのに』
『だってPとかQとか、xとかyとか記号見ただけで頭痛くなる』
『ああ、そういう人は多いよね。多分苦手意識があるから、よけい空間認識が阻害されてるんだよ。一度できるようになると、逆に美由紀にとっては得意分野になると思う』
『その一度できるようになるのができない』
 
『そうだなあ』
と青葉が思った時、青葉の心の奥の方で「鈴」が鳴った。あ、そうか。これ、「鈴」で出来るかも。
 
『じゃ美由紀、そのあたりが分かるようになる魔法掛けてあげる』
『おお、青葉の魔法は効きそうだ。やって』
『目を瞑って。心を静かにして』
『うん』
 
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