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■春歩(12)

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琥珀の声が聞こえた。
「これであゆちゃんも、一人前の“女”だね」
「生理辛いけど、すごく嬉しい」
「お赤飯のおにぎりでも買ってく?」
「それもいいなあ」
「それと、今着けてるナプキンは軽い日用だから、今日はそれでも何とかなるけど、明日はもちこたえきれない。多い日用を今日中に買っておきなよ」
 
「きゃー。明日はもっと多いの?」
「生理は2日目・3日目が最も量が多いから」
「女って大変なんだね」
「君は女になることを選んだから、この先40年くらい、これに付き合っていかないといけないよ」
 
「私、頑張る」
「うん」
 

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「それから、女性ホルモンはもう飲む必要無いよ。体内の卵巣から女性ホルモンは出ているから」
「私、卵巣あるの?」
「生理があるということは、卵巣・子宮があるということ」
「そうだったんだ!」
 
「あゆちゃん、はるちゃんに言われて5月3日までで女性ホルモン飲むのをやめた。女性ホルモンを飲んでた間は、ピル飲んでるのと同じで、排卵が抑制されていたけど、やめたので5月4日に排卵が起きた。それで14日後の今日18日、月経になったんだよ」
 
「・・・・・」
 
歩夢は琥珀の言葉が完全には理解できなかったので、生理のこと、少し勉強しよう、と思った。
 
「あと、はるちゃんもしてるけど、自分の手帳のダイアリーで、生理が起きた日の所にシールとか貼っておくといいよ。それで次の生理予定日の見当が付くから」
 
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「そうする!シール買って来なくちゃ」
 
ということは、今日の学校の帰りには、ナプキン多い日用、シール、お赤飯のおにぎり、おやつのチョコ(←なぜ?)を買わなくちゃ。
 
「あと、お金に余裕があったら、生理用パンツもね」
「・・・買っておこうかな」
 

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なお、歩夢の尿道口は昨日より更に後ろに移動していた。だぶんここが終着点のような気がした。おしっこが出る感覚は、昨日より更にストレスフリーで、まさに“落ちて行く”感じだった。
 
歩夢はもうトイレの時に座る位置で悩んだり、前屈の姿勢を取ったりする必要は全く無くなった。
 
その日、歩夢は、生理が辛いけど来たのが嬉しいので、ナプキンを10個袋に入れてから(←さすがに多すぎ)スポーツバッグに入れ学校に行った。
 

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その日『霊界探訪』の編集部には、初海・双葉・真珠の3人が来ていた。
 
「でも男女の生殖器って、大きく違うように見えて、実は同じ物ってのがありますよね」
と双葉が言う。
 
「あれは結構対応してるんだよ。少し形が違うだけ」
 
と言って、真珠はホワイトボードに書き出した。
 
卵巣−睾丸
卵管−精管
子宮−前立腺小室
Gスポット−前立腺
スキーン腺−精嚢
膣−射精管
バルトリン腺−カウパー腺
陰核亀頭−陰茎亀頭
陰核体部−陰茎海綿体
大陰唇−陰嚢
小陰唇−陰茎皮膚・尿道海綿体
前庭球−球部
 
※対応については論者により結構差違がある。上記はあくまでひとつの説。
 
射精管というのは大雑把に言うと、精嚢から前立腺内の尿道との合流部につながる管。前立腺小室というのは前立腺内にある小さな嚢である。男性子宮と呼ばれることもある。希に発達して本当に小さな子宮状になっている人もある。
 
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発生的には、原始性腺の外側の皮質が発達すると卵巣になり、内側の髄質が発達すると睾丸になる。ごく希に、片方の性腺は皮質が発達し、片方の性腺は髄質が発達した結果、卵巣と睾丸を1個ずつ持つ人もある。
 

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「陰核体部って何ですか?」
と双葉が訊く。
 
「男のちんちんはデカいのに女のちんちんは小さくて不公平だと思ってる女は多いけど、実は女の身体の表面に出ているのは、陰核の先端部分だけなんだよ」
「へ?」
 
「一般的にクリトリスと呼ばれているものは、実は男のちんちんでいえば亀頭部分にすぎない。その下の体内に、実は10cmほどの長い陰核本体が隠れている」
 
「うっそー!?」
「だから実は陰核は陰茎と同じくらいの長さがある。それが男のペニスの“陰茎海綿体”に相当する部分」
 
「知らなかった」
 
「ちなみにペニスは1本に見えるけど実は3つの海綿体が皮膚でまとめられているだけ。上側に左右の陰茎海綿体、下部に1本の尿道海綿体。陰核体部は実は左右2本に分かれている。男の陰茎海綿体が実は左右2本あるのと同じ。でも女だと男の尿道海綿体に相当するものも左右に分かれて小陰唇になっている」
 
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「私、女の構造を知らなかった」
「クリトリスからおしっこが出てくるとか思い込んでいる女の子さえ居るからね」
 
「え?おしっこの出てくる所がクリトリスじゃないんですか?」
「・・・・・・・・」
 
「自分の身体を鏡とかに映して、よく観察してみなさい」
「うーん・・・」
 
「まあ女の生殖器って、男に比べて後ろの方にあるから、ほんと鏡とかでも使わないと見えないもんね」
と初海が言っている。
 
「現在の性転換手術では、男を女にするのに、ちんちん切っちゃうけど、本当は切除せずに体内に埋め込んで先端だけ露出するようにした方が、より天然の女の形に近くなる」
と真珠は言う。
 
「40-50年後には、そういう術式になってるかもね」
 
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そこにカメラマンの森下さんが入ってきて、ホワイトボードを見てギョッとしていた。真珠は慌てて消した。
 

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5月17日(火).
 
この日は曇で時々小雨がちらつく天気だった。H南高校女子バスケット部は、今月2度目の火牛体育館での練習を予約していた。。
 
今日は翼竜っぽい絵が描かれた体育館“ロプロス”を指定された。現在体育館は9つの内の5つが完成しており、現在、ホークの隣にファルコンが建築中のようである。その後、イーグル・サンダーバード・フェニックスを建築するのだろう。
 
「フェニックスって不死鳥で、サンダーバードって雷鳥ですよね?ロプロスってどんな鳥でしたっけ?」
 
「なんだっけ?」
「インドかどこかの伝説の鳥ですかね〜」
と、みんな首をひねっていた(*14).
 
「サンダーバードだけ実在の鳥?」
 
「いや。特急列車のサンダーバードは雷鳥を直訳したものだけど、本来のサンダーバードというのはアメリカ・インディアンの伝説の鳥だよ」
「あ、そうだったんですか」
「人形劇のサンダーバードはそちらが語源」
「へー」
「雷鳥は英語ではプターミガン(Ptarmigan)」
「難しい名前だ」
 
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(*14)“ロプロス (Ropross)”は横山光輝『バビル2世』に出てくる“3つのしもべ”のひとつ“怪鳥ロプロス”。あと2つは、巨大なロボットの形をしたポセイドン (Poseidon) と、黒豹のロデム (Lodem)。ロデムは人間の女性の姿になっていることもある。
 
この作品は2度アニメ化されている。1973年版(テレ朝19時/富山では北日本放送で放送されている)はむろん誰も知らない。2001年版は愛佳の母なら知っていてもよい年代だが、テレ東の深夜枠での放送だったので、そもそも気付かなかったか、男性向けのアニメで興味が無かったか。もしかしたらそもそも富山では放送されなかったかも:この件は調査困難。
 

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この日は初めて1on1の練習をした。この練習では五月が最も優秀なところを見せていた。美奈子もセンスはあるのだが、根本的にドリブルがあまり上手くないという問題があり、せっかく抜いたのに自分でドリブルを失敗してボールが転がっていったりというのもあった。
 
「ビナは相手を抜いたらすぐパスすべきだな」
「すんませーん」
 
後半の30分は紅白戦をした。大会直前のいい練習になった。
 
「なんか練習時間があっという間に終わってしまう」
「往復で1時間掛かるからなあ」
 
「もうちょっと近くで練習できたらいいんですけどねー」
「近くで使える体育館が無いんだよねー」
 
氷見市内の体育館全部電話を掛けまくったのだが、学校の放課後時間帯は全部先々まで予約が埋まっていて使えないようであった。午前中なら空いている曜日もあるのだが、部活では使えない。
 
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5月20日(金).
 
19:58、S市では震度3の地震があった。
 

5月21-22日(土日).
 
優子の両親が金沢の新しい家に引っ越した。
 
それまでの間に、一部の荷物は少しずつ運んでいた。一方で衣類、食器、書籍などの梱包作業も進めていた。そして21日に引越屋さんの手で、全ての荷物を運搬してもらった。
 
両親関連の荷物は和室に入れたが、一部の荷物は2階の真ん中の部屋にも搬入してもらった。取り敢えず2階真ん中の部屋は物置状態になった!1階の仏間に入れてもらう手もあったのだが、自分たちで後から移動する時、1階から2階に移動するより、2階から1階に移動する方が楽なので、引越屋さんには、大変で申し訳無かったが2階に入れてもらった。
 
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高岡の家の荷物を運送屋さんのトラックに載せ、出発してもらった後、優子と両親は御近所さんに挨拶して回った。
 
「金沢に引越ですか!」
「娘の婿さんが金沢に家を建てたので、そちらに私たちも一緒に引っ越すことにしたんですよ。長らくお世話になりました」
 
「この家はどうなさいます?」
「売りに出そうかと思っているんですけどね。古い家だから崩して更地にしないと売れないかなあ」
 
「いくらでお売りになります?」
「500-600万で売れたらいいけど、まあせいぜい300-400万かなあ」
「300万なら、うちに売ってくれません?」
「え〜〜!?」
 

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あらためてお宅にあげてもらい話をしたら、大阪に行っていた息子さんが富山市出身の女性と結婚し、子供も生まれたので、会社に頼んで富山支店に転勤させてもらい、こちらに戻って来ることになっているらしい。しかし今の家は狭いので、近くに取り敢えずアパートでも借りようかなどいう話をしていたらしい。
 
「でもあまりいいアパートが無いんですよ」
「富山県は持ち家志向が強いですからね」
 
それで数回に渡って話し合った結果、この“古家付き土地”を400万円で隣家に売ることで話がまとまった。
 
実際の売買は司法書士さんに書類を作ってもらい、念書も交わした上で、7月のボーナス後に現金で売買することにした。息子さんたちが戻ってくるのは8月のお盆の後らしいので、その前に取引が成立すれば、すぐ住めることになる。
 
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家は府中家側の責任で、畳の表替えと襖の張り替え、トイレの便器交換などを行うことにし、そのあたりの整備費用相当額として、最初言っていた300万円に+100万円したのである。業者さんに見積もってもらったら税込み50-70万程度と出ていたので余裕を見てこの金額にした。先方は手付金として即50万円払ったので、優子の父は、それでハウスメンテ業者さんに作業を依頼した。
 

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青葉は千里姉に尋ねた。
 
「筒石さんはさ、これまで自分が住んでる部屋を酷く汚す傾向があったんだけど大丈夫かな?」
 
「あの別棟はユニット工法だからね。筒石さんが退去したら、そのユニットを取り外して新しいユニットを填め込めばいい。全く問題無し」
 
「ちー姉、悟りきってるね!」
 

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5月21日(土).
 
歩夢が通うN中学では体育祭が行われた。遙佳は朝、歩夢の部屋に入ってきて言った。
 
「これ私の古いウィンドブレーカーだけど、“世界の平和のために”登下校する時とお昼休みにはこれを着てなさい」
「うん」
 
それで歩夢は体操服上下の上にウィンドブレーカーを着て、朝御飯に出て行き、そのまま登校した。学校ではウィンドブレーカーは腰に巻いてスカートっぽくしておく(歩夢はこの格好も堂々とスカートを穿いている気分になれて好き)。校庭に出て、クラスの位置に就いたところでウィンドブレーカーは畳んで自分の席に置く。
 
早速チアのスカートを穿いて、自分の出番以外では前に出てチアをしていた。
 
歩夢が出るのは、2-3年“女子”200m、団体競技のピンポンリレー(男女混合)、そして午後のマスゲームである。また昼休み明けには吹奏楽部の演奏がある。
 
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200mでは、2年生女子の最後に走って、しっかり最下位だった。ピンポンリレーでは男女交互に並ぶ。本来歩夢のクラスは男子18人・女子16人なのだが、体育委員の2人は歩夢は女子として並べた。おかげでこのクラスはきれいに男女が交互に並んだ。
 
歩夢はお昼は姉に言われた通り、ウィンドブレーカーを着て、母・姉・弟の所に行った(父はお店があるので来られない。祖父もヘルプで行っている)。
 
「あんたどこに居たか分からなかった」
と母は言っていた。
 
まあ男子の中には見付からないかもね。母はそもそも近眼だし!
 
それでごくごく平和にお弁当を食べてから
 
「吹奏楽の演奏があるから行くね」
 
と言って、姉に持ってきてもらっていたフルートを持つと、12:40くらいに集合場所に向かった。もちろんセーラー服に着替えて演奏した。(フルートは終わった後はまた姉に持ち帰ってもらった)
 
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午後のマスゲームでは、ヒバリから「こっちおいで」と言われて、女子たちと一緒に演技した。
 
歩夢は体育祭が終わった後は、またウィンドブレーカーを着て帰宅した。
 
 
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