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■春春(13)

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(C) Eriko Kawaguchi 2022-11-05
 
千里は、じゅうちゃんを呼んだ。彼が来るまでの間に、千里のCX-5に載っている楽器類をユニットハウスの中に運び入れた。
 
このユニットハウスにはトイレとシャワーのユニットが接続されていることが判明。当面これで乗り切れるかも知れない。
 
やがて、じゅうちゃんが軽トラを運転してやってきた。千里はまずバスの件を叱った。
 
「あ、バスってそっちだったの?」
などと言っている。
 
「これじゃ車が駐められないから、取り敢えずバスはどけといてよ」
「どこに置いときます?」
「火牛アリーナにでも。館長に言っとくよ」
「分かりました」
 
「手順があるから、ちょっと待ってて」
 
ここから“パズル”が必要である。千里は急いで計画表を書き、夏樹にもチェックしてもらった。
 
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千里がバスを出して、取り敢えず林の前に停める。
 
「このバスは左ハンドルだ!」
「右側に乗降口が無いと、出入りできないから」
 
バスを敷地の左端に駐めているので、右側に乗降口が無いと、乗り降りできないのである。日本に返還される前の沖縄ではこのタイプのバスが走っていた。
 
「よくこんなの転がってたね」
「偶然見付けたので」
 
(褒められたと思っている)
 
夏樹には家の中で待機しておいてもらい(優子を残さないのは、九重が優子をレイプしたりしないように!夏樹なら万一レイプされてもいいことにする)、千里と優子でCX-5に乗ってイオンに向かう。そして優子がMX-30を運転して一緒に新居に戻る。バスが駐まっていた場所にMX-30を駐めた。
 
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「じゃ、なっちゃん、MX-30に載ってる荷物を中に入れといて」
「分かった」
 

その後、このようにした。
 
(1)両親には16時くらいまで待ってと伝える。
 
(2) 千里がバス、九重が軽トラ、優子が CX-5 に乗って、全員で火牛アリーナに行く。千里が館長の白石さんに声を掛けて、バスを駐車場に駐めさせてもらった。
 
(3) CX-5に千里・優子の2人で乗り、九重の軽トラと2台で近くの PLANT-3(ホームセンター)に行く。
 
千葉で使っていた布団はMX-30に載せてきているものの「千葉より金沢は寒いから」ということで掛け布団と毛布を買い、また物の整理用に、カラーボックスとか衣裳ケースとかの収納用品を買った。夏樹の管楽器収納用に高さ180cmの本棚も買った。また今日明日の分の食料や雑貨なども買って、これらを軽トラに乗せ、2台で一緒に新居に戻る。
 
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(4) MX-30 の前に CX-5, その前に軽トラを駐め、軽トラに載せてきた荷物を家の中に運び込んだ。MX-30の荷物はもう全て搬入が完了していた。
 
その後、ユニットハウス内で少し打ち合わせた。
 

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この家の電気・上下水道は、4月1日(金)の段階で既に申し込んでいたので、そのまま使用できた。取り敢えず千里の名前で申し込んでいたので、追って夏樹の名義に変更することにする。
 
電話についはNTTに連絡した所、引越シーズンで立て込んでいるので、どうしても5月になると言われる。それで固定電話は無くてもいいことにした!(つまりNTTとは契約しない)代わりにWiMAXを契約することにし、オンラインで申し込んだ。
 
ガスは使うかどうか未定だったので保留していた。
 
「どうする?」
「ガスの調理器具は私は恐い。絶対空炊きする」
と夏樹は言う。
 
「千葉でも使ってなかったね」
「お風呂だけガスだったんだよ」
「あっそうか」
「一戸建てなら、お風呂は灯油がいいよね」
「一般的にはガスより安いと思う。追い焚きとかしないし」
 
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「じゃガスは使わないことにするか」
 
ということで、ガスは契約しないことにした。
 
しかし結果的には家が建つ4月19日(?)までは、シャワーが使えないことになる。
 
「夏でもないし、ボディーシートで身体拭いておけばいいよ」
「どうしてもお風呂入りたくなったら、高岡の実家に行けばいいし」
「すんませーん」
 
(千里は、こういう話を聞かせるために九重もここに居させている)
 
洗濯機と冷蔵庫については、新しい家ができた所で運び込んでもらうので、それまでは洗濯機・冷蔵庫無しで頑張ることにした。買物はまだ涼しいので、冷蔵庫無しでも何とかなるし、洗濯物はコインランドリーを使ったり、高岡の実家に持っていって洗濯する!
 
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そこまで話ができた所で千里は
 
「何かあったら呼んでね」
と言って、じゅうちゃんと一緒に引き上げた。
 

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それから優子たちはイオン金沢に行き、両親と奏音を連れて来た。奥にMX-30, その前に父の車を駐めた。奏音の服とか布団を一緒に持って来ているので、それを夏樹がユニットハウスに搬入した。
 
両親はいかにも安っぽい家が建っている(実際は置いただけな)ので不安そうにしていたが、隣に今、基礎工事だけしている所に、新居を建てる予定で、それができたらそちらに移動すると説明した。建物ができる時期については言わなかった。半月でできると言ったら、絶対不安に思うだろう。
 
「まあ何ヶ月かだったら、何とかなるかな」
と両親は言っていた。
 

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「え〜〜!?13日が結婚式なの!?」
と邦生は、母の言葉に仰天した。
 
1週間後じゃん!
 
「だって、あんたたちもう3ヶ月も一緒に暮らしてるじゃん。きちんと籍を入れなきゃダメだよ。それで真珠(まこと)ちゃんのお母さんとも話して、日取りも決めたから」
と邦生の母は言う。
 
「日取りはいつがいい?」ではなく「日取りは決めたから」である!
 
「4月13日が日和(ひより)がいいらしいよ」
と真珠は言う。
 
「4月13日は十二直が“さだん”で結婚するにはとてもいい日なのよ」
「平日なんですけど・・・」
 
「結婚式の日くらい、お休みもらいなさいよ。真珠ちゃんのお友達の明恵ちゃんに確認したら、この日は14:37以降がラッキータイムなんだって(*20)。だから15時すぎに婚姻届を出して、17時くらいに挙式、19時くらいから祝賀会といった線がいいんじゃない?」
 
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(*20) 14:37は金沢地方のこの日の月出時刻である。前日の4/12も“たいら”で、婚礼には比較的良い日であるが、19:16からボイドが始まるのて、その前に祝賀会も終わらせたいから、平日では厳しい。
 
結婚式の選日のひとつの流儀:
 
(1) ボイド時間帯は絶対に避ける
 
(2) 本人たちや重要な関係者の都合が良い日を選ぶのが基本。
 
(3) 結婚記念日を忘れないように誕生日にぶつける人も多い。
 
(4) できたら新月から満月に向かう時期
 
(5) 可能なら金星逆行期間も避ける
 
(6) うまく都合が付けば太陽と月が同時に出ている時間帯に挙式だけでも挙げる。
 
占星術的には上記の(1)が最も重要で、後は(2),(3)で決めればいいのだが、候補が絞り込めない時は(4)-(6)の条件で絞り込む。太陽と月の出没時刻は、国立天文台サイトの「暦計算室」のコーナーで確認すれば良い。
 
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(7) 十二直を見る場合、婚礼に関する吉凶は↓
たつ○ のぞく× みつ○ たいら○ さだん○ とる× やぶる× あやぶ× なる○ おさん× ひらく○ とず×
 
※十二直は物事によって、どれが吉になるか違うので注意が必要。工務店の暦によく掲載されている建築吉日は婚礼吉日と同じなので、それを参考にすると良い(工務店の暦では三隣亡と不成就日も外してある)。
 
(8)友引・仏滅などの六曜は全く無意味な迷信なので、見る必要は無い。候補が複数あり迷う場合は考えてもよい。
 

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「こういうご時世だから、祝賀会はリモートで。参加してくださる方には前日にお料理を届ける。ムーランさんなら、最悪当日のお昼までなら多少の追加注文は受けられるって」
 
「それで祝賀会は火牛ホテル使って、お料理はムーランから配送してもらうことにした。近隣はムーランのデリバリー部隊が運んで、遠隔地にはクール宅急便で送り届ける」
「なるほど」
「青葉さんの所には、千里さんが持ってってくれるって」
「やはり千里さんだけが居場所を知ってるんだ!」
 
(真珠も知っているが決して誰にも言わない)
 
「それであんたたち、着るウェディングドレスは決めた?」
と母は訊いた。
 

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4月6日の夕方、夏樹たちはホットプレートを使って焼きそばをして夕食としたのだが、テレビも無いし、WiMaxの機械が届くまでは動画とかも見られないし、お風呂も入れない。(水が冷たいから、茶碗も洗いたくない!)ので、寝ようかということになる。
 
「今夜は少し寒い気がする」
「ファンヒーターか何か買ってくれば良かったかなぁ」
などと言っていたら、ピンポンが鳴る。
 
「はい」
「こんばんは。徳都です。預かっている荷物の一部を“緑組”に頼んで持って来ました。それと、バスの件でご迷惑お掛けしたので、先行して新しい家に設置予定のボイラーも持って来ました。取り敢えず接続しますね。後で新しい家につなぎ直しますので」
 
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「あ、はい」
 
それで、千葉で荷物を搬出してくれた人がエアコンを運び込んで来て、あっという間にユニットハウスに取り付けてくれる。
 
「これまた後日、新しい家に移動しますので」
「いいんですか?」
「その分の料金は個人的に徳部からもらいました」
「徳部さん、ありがとうございます」
「いえいえ。私のジョークは千里には通じなかったみたいだし」
 
やはりジョークだったのか!
 
じゅうちゃんは、最初にユニットハウスに接続されているシャワールーム(未使用)を取り外し!代わりに90cm×90cmサイズの洗面台ユニットを接続、更に180cm×270cmサイズの浴室ユニットを接続した。そしてその隣に90cm×90cmサイズのボックスをを2個置き、片方にボイラーの機械を入れた。台所の外側に灯油タンクを取り付け給油パイプをボイラーまで引いていく。(当然のことだが、ボイラーのすぐそばに灯油タンクを取り付けてはならない)
 
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それに水道管および、電気の配線をした。これで台所・洗面台・お風呂の水道でお湯が使えるようになる。灯油も18Lの青いポリ容器1個からタンクに注いでいた。
 
「この灯油容器、ここに置いといもいいですか」
「はい、使います!」
 
エアコンを取り付けてくれた人は、洗濯機を運んで来て、お風呂の隣のボックス内に置いた。また冷蔵庫は台所に置いた。更にテレビも運び入れた。
 
2人の作業は物凄く手際よく、これだけの作業をわずか30分ほどで終えたのである。
 
「バイクも家の横に置いておきますね」
「ありがとう!」
 
「エレクトーンとかは後がいいですよね」
「それが助かります。さすがにここには入りません」
 
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しかし、徳辺(九重)たちのおかげで、夏樹たちはこの日から暖かいお風呂に入ることもできたし、お湯で茶碗を洗えたし、洗濯もできたし、暖かく夜を過ごすことができた。
 
翌日には優子の父が4人用のコタツと、ストーブを1個高岡の実家から持って来てくれた。もうシーズンも終わりかけなので(と思った!)、今ファンヒーターを使用すると、灯油が残ってメンテが大変である(と思った!)。
 

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4月7日、夏樹はビジネススーツ(スカート型)を着て、新居から歩いて新しい勤務先に出社した。歩いて15分くらいかなと思っていたが12分で到達した。
 
(通勤はウォーキングシューズ。ビルに到達してからパンブスに履き替えた)
 
8階建てのオフィス・ビルである。3階に“YY楽器・金沢支店”、8階に“△△音楽教室”という表示がある。夏樹は3階にあがり“YY楽器・金沢支店”と書かれているドアを開けた。
 
「おはようございます。本日、こちらの支店長に赴任してきた古庄です」
と挨拶する。
 
「支店長、お疲れ様です」
と言って、笑顔で32-33歳くらいの女性が出て来た。
 
「楽器課長の寺下です。臨時支店長代理を務めておりました」
「それはお疲れ様です」
 
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