【竹取物語2022】(2)石作皇子の場合

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石作皇子の場合。
 
語り手「石作皇子(いしづくりのみこ)は、一目見た、かぐや姫の美しい姿を思い起こすと『この女のためなら、たとえ天竺(てんじく:インド)にあるものであっても持って来よう』と思いました。
 
しかし冷静になって考えてみると、天竺にでもふたつと無い物(たったひとつしかない物)を、百千万里の彼方へ出かけたとしても得られるはずがない、と思いました(諦めが良い)。それで皇子は自分の従者(ずさ)の土本(三陸セレン)に、かぐや姫への文(ふみ)を届けさせました」
 
「石作皇子(いしづくりのみこ)はこれから天竺へ出発いたします」
 
文を見たかぐや姫は返信はしなかったものの、紫(広瀬みづほ)(*40)に伝言させました。
「どうか、お気を付けて下さい。無理だと思ったら帰って来て、危険なことはしないでくださいね」
 

(*40) 文字数の関係で前章で説明できなかった、かぐや姫のお付きを演じている人に付いて触れておく。
 
藤(花園裕紀)
『陽気なフィドル』でのしっかりした演技により評価が高まり、かぐや姫家の女房頭役として起用された。
 
桐(箱崎マイコ)
媼の世話役はやはり天然女性でということでそこそこ演技力のある人を起用。でも媼役の入江光江さんに随分優しくしてもらったらしい。
 
紫(広瀬みづほ)
本名:藤真理奈。『陽気なフィドル』と『お気に召すまま』で看板係をしたが、今回は、かぐや姫の取次ぎの女房で、セリフのある役に起用された。
 
今回彼女の兄・広瀬のぞみ(藤弥日古)も宮崎から呼び寄せて参加してもらっている。10月にも大型時代劇に兄妹で参加してもらう予定である。
 
(10月には姉妹になってたりして)
 

桃(川泉パフェ)
本名:湯谷薫。2022ビデオガールコンテストの事実上の優勝者。演技力も歌も即戦力だったので、アクアと絡みの多い女房役として起用された。男役でも女役でも好きなほうさせてあげるよと言ったら、女の子役がしたいですと言ったので女房役になった。
 
護衛の女房役を演じている川泉スピン(本名:湯谷紡/剣道三段)はパフェの姉。パフェ(152cm) は女の子にしか見えない男の娘だが、スピン(174cm)は天然女子。
 
なお芸名は“紡”から spinスピン で、“薫”から perfume パフューム、長すぎるのでパフュになったのだが、川崎ゆりこが“パフェ”と読み誤って、それで本人に伝え名刺も作ってしまったのでパフェになってしまった。
 
桜(入瀬ホルン)
本名:吉川萌花 。2022ビデオガールコンテスト5位。女童(めのわらわ)役が2名必要だったので、入瀬姉妹をセットで起用することにした。
 
橘(入瀬コルネ)
本名:吉川日和。入瀬ホルンの姉なのだが、萌花より背が低いし、雰囲気も幼く、まるで小学生のように見えるので大抵こちらが妹と思われる。富山県在住だが、入瀬ホルンとセットで使いたかったので呼び寄せた。
 
(え?お姉さんだよね?お兄さんではないハズ。だって女の子だし)
 
芸名はホルンからの類推でコルネットを短くしてコルネ。ぼく少女のようで「ぼくチョココルネ大好きです」と言っていた。チョココルネという名称自体、コルネットに似てるからそう呼ばれたという説がある。
 
今回、広瀬みづほの兄の広瀬のぞみも宮崎から呼び寄せ、彼はメゾン・ドゥラ・カデットに泊めているが、入瀬コルネはそのまま女子寮のホルンと同じ部屋に泊めている。彼女も10月の大型時代劇の撮影に妹と一緒に参加してもらう予定。
 

物語に戻る。
 
かぐや姫から「無理しないでくださいね」という伝言を聞いた石作皇子(弘田ルキア)は「優しい言葉を掛けてくれるなあ」と感動し、館の中の、使っていなかった北の別棟に籠もりました!
 
「殿、天竺へはいつ出発するのですか?」
と従者(ずさ)の砂山(山鹿クロム)が訊きます。
 
「天竺へ出発したということにして私はここに籠もっている」
と皇子(弘田ルキア)。
 

「え〜?天竺に行くというのは嘘なんですか?」
「しー。人聞きの悪い。私がここに居るとは分からないように、平民の服を用意しろ。私は3年くらいここに籠もっているから」
 
「それは用意しますが、でも“天竺に出発した”皇子様の留守宅に平民の男が住んでいたら不審人物と思われて衛士(*41) が来ますよ」
と土本(三陸セレン)。
 
「そうか?男が籠もっていたら怪しまれるか?」
と皇子。
「女だったら皇子(みこ)様が囲っている女だろう、くらいに思ってもらえるでしょうけどね」
と砂山(山鹿クロム)は何気なく言いました。
 
すると皇子はポンと、右手をゲンコツにして左手の掌を打ちます。
 
「それだ!女の振りをしよう」
「はあ?」
「おい、女の服を用意しろ。俺は3年ほど女の振りをしておくことにする」
「え〜〜!?」
「そうだ。お前たちも女の服を着ろ。女のそばに男の従者(ずさ)が付いていたら変だ。お前たちは俺についている女房(にょうぼう)ということで」
「そんなあ」
 

(*41) 地方の“軍団”(*42) から交替で派遣されてきて平城京の警備をしていた人たち。必ずしも規律が守られていなかったようで、不逞の者もよく居たらしい。そのため豪族の子弟などで構成した志気の高い親衛隊(名称は色々変遷している)が、衛士たち“から”内裏(だいり)を守っていた。
 
(*42) 軍団とは、天智天皇が白村江(はくすきのえ)の戦いで大敗した後、唐や新羅(しらぎ)が攻めてきた場合に備えて全国から(21-60歳の健康な)男子3人に1人を徴兵して(凄い徴兵率!)組織された地方軍隊。
 
これを組織するために戸籍が作られた。もっとも徴兵逃れで女子と申告する男子が多く(女子は税金も安かった)、異様に女性比率の高い戸籍ができた。だから当時は“女同士”の結婚も多かったかも?
 
しかし唐や新羅は海を渡ってまで日本には攻めて来なかったので、軍団はコストに見合わないものとみなされ、平安時代になると桓武天皇により廃止された。平安京ではこれに代わる治安維持の仕組みとしてて検非違使(けんびいし)が創設された。また地方では武士が誕生していくことになる。
 

看板係(麻生ルミナ)が「翌日」と書かれたプラカードを掲げる。
 
麻生ルミナは奈良時代の女官風の衣裳である。髪は頭頂で∞のような形を作る“双髻(そうけい)”にし、絹の上衣に縦縞の裳(も:スカート)を着けている。口紅・頬紅を塗り、唇の両端に靨鈿(めんでん)を打ち、額には鶴のような模様の花鈿(かでん)も入れている。
 
『陽気なフィドル』『お気に召すまま』で広瀬みづほが務めた役を今回は麻生ルミナが担当した。
 

映像は、石作皇子と2人の従者だが、全員女性の服を着て、お化粧もしている。
 
皇子(みこ)あらため皇女(ひめみこ)は、浅紫の上衣に、深緑の裳(スカート)を着け、髪は宝髻(ほうけい)に結っている。異様に白いお化粧をして、口紅・頬紅を入れ、唇の両側に靨鈿(めんでん)を打ち、額には可愛い桜の花模様の花鈿(かでん)も入れている。
 
(ルキアちゃん可愛い!という視聴者の声)
 
従者(ずさ)あらため女房(にょうぼう)の2人も、だいたい似たような装いだが、上着の色は浅縹で、同色の裳を着けている。花鈿は単純な四つ菱である。
 
実は服の種類や着方、お化粧などがさっぱり分からなかったので、土本の姉(立花紀子)に頼んで衣服を用意してもらい、お化粧もしてもらっている。
 
以下、石作皇子(みこ)が石作皇女(ひめみこ)に変身する過程が早送りで流れる。美しく変身した“皇女”を前に土本の姉がVサインをしている。
 

「ね、これトイレとかどうするの?こんな複雑な服を着てたら尿筒(しとづつ)がうまく入れられない」
 
「女はちんちん無いから尿筒など使いません。虎子(おおつぼ)を使います」
と姉(立花紀子)は言います。
 
「おおつぼ?」
「姫君が用を達するには最低2名の補助者が必要です。皇女(ひめみこ)様がトイレをする時は、あんたたちが補助することになるから覚えなさい」
と言って、指導します。
 
ひとりが服をめくって持ち、ひとりが虎子を服の中に入れて維持し、その状態で小をすることになります。このやり方はアニメーションで説明されました。
 
「女って、なんて面倒なんだ!」
と石作“皇女”はトイレをするだけで疲れて声を挙げます。
 
「でも皇女(ひめみこ)様、ちんちんも無くなってしまって女になられたのでしょう?女になった以上、女ならではの大変なこともありますけど、頑張ってくださいね。最近女になる男の人って結構居るらしいですから、あまり恥ずかしがらなくていいですよ」
などと姉君は言いました。
 
「結構居るのか?」
 
「皇室の血を引く皇女様なら、きっとたくさん男の方から求愛されるでしょうね」
「え?ちょっと待って」
 

語り手「石作皇子が天竺に出掛けたと聞いた父親の岩戸皇子は驚き、誰か詳しいことを知っているものが残っていないかと思い、石作皇子の家にやってきました」
 
映像は岩戸皇子(スキ也)が石作皇子の家にやってきた所を映す。
 
「そんな遠くまで行くのなら、出発前に挨拶くらいすればいいのに。しかし天竺までとか本当に大丈夫か」
 
などと呟きながら家に入ってきました。家の中に入ったところで、食事のお盆を持った女房が2人、離れのほうに行くのを見ます。誰かいるのかな?と思い、その後を付いていくと、離れには、若い女性と2人の女房がいます。向こうは、こちらを見て驚いたような顔をしています。
 
岩戸皇子はてっきり、石作皇子が囲っていた女性かと思いました。
 
「こんにちは。私は石作皇子の父です。皇子が不在で何か不自由していることとかはありませんか?」
と笑顔で話しかけます。
 
「あ、えーっと」
と女性は焦っている。
 
「はい?」
「いえ、その父上、私です」
 

「ん?」
と言って、岩戸皇子は女性の顔をよくよく覗き込みました。
 
「お前、まさか石作か〜!?」
「しー、小さな声で。“石作皇子”はここには居ないのです。しばらく旅に出ているということにしておいて下さい」
 
「お前、どこぞのなかなか靡かない姫の所に盛んに文をやっているとは聞いたが、もしや振られてもう男を辞める気になったか?だから、女になってしまったので“石作皇子”はいなくなったということか」
 
「そういう訳ではないのですが・・・」
 
「分かった。お前には私の後を継いで参議にもなってもらいたかったが、お前が女になってしまったのなら仕方ない。これからはお前を皇女(ひめみこ)と思うことにしよう」
 
(理解がありすぎる!)
 
「やはり私、皇女(ひめみこ)ですか?」
 
「しかし女ならば、女としてのそれなりの教養も身につけねばならん。早速手配する」
 
「手配って・・・」
 
「しっかり女の教養を身に付けないと嫁にもやれんからな」
「私、嫁に行くんですかぁ〜?」
「可能なら帝に女御(にょうご)として差し上げたいところだ」
「私が女御になるんですか〜?」
 

語り手「それで石作皇女(いしづくりのひめみこ)は女性であれば弾けなければならない、箏(そう)と和琴(わごん)の先生に来てもらい、それを習うことになります。また女らしい字を書けるように習字の先生にも来てもらい、男っぽい字の矯正をされることになります。また皇女(ひめみこ)が化粧についても全然分かってないので、それも上手な女房を呼んで教えました」
 
人々は噂しました。
 
市井の女1(宮地ライカ)「石作皇子(いしづくりのみこ)様の家に何か女性が住んでるね。皇子(みこ)様が囲っていた女性?」
市井の女2(知多めぐみ)「そうじゃなくて、岩戸皇子(いわとのみこ)様の娘さんらしいよ」
 
「へー。岩戸皇子に娘さんがいたんだ?」
「何でも身分の卑しい女に産ませた子供なんだって。今まで母親と一緒に田舎にいたらしい」
「それを都に呼び寄せたんだ?」
「石作皇子が、天竺に旅立たれて、本当に生きて帰ってくるかどうかも知れないから、そんな娘でも手元に置いておきたくなられたみたい」
「なるほどー」
「田舎育ちだから、まともな字も書けないし、お化粧とかもできなければ、箏(そう)や和琴(わごん)も弾けないから、今それを特訓しているらしい」
「ああ、都暮らしも大変だね。岩戸皇子の娘なら、身分の卑しい女の子供であっても、妻にしたいと思う人は多いだろうからね」
「そそ。本人の器量とかより血筋よね〜」
 

女房装束の砂山が、多数の文(ふみ)の乗った三方(さんぼう)を抱えて部屋に入ってきます。
 
★音楽:ラピスラズリ『プロポーズ・ラプソディ』
 
「皇女(ひめみこ)様、今日はこれだけ文が届きましたよ。お返事はどうなさいますか?」
と砂山(山鹿クロム)。
 
「男からの恋文に返事など書けるかい!?」
と石作皇女(弘田ルキア)。
 
「毎日大量の文が届けられていた、かぐや姫殿の気持ちが少し分かってきてような気がする」
などと呟いています。
 
「では私たちで主だった方にだけでもお返事を代筆しますね」
と言って、土本と砂山は、文をひとつずつ取り出しては、それにとても女らしい字で返信を書いています(*43).
 
「あれ〜。大納言・大伴御行(おおとものみゆき)殿からまで文が来てますよ」
と土本。
「あいつ、かぐや姫を諦めたのか?」
「別にそういう訳ではないでしょうが、女がいるとみたら文を書くのでは?」
「節操の無い奴だな」
 
皇女は2人がせっせと返事の代筆をするのを見ています。
 
「しかしお前たち、よくそんなに女っぽい字が書けるな」
「習字の先生に指導されましたから」
「皇女(ひめみこ)様も女らしい字を書けるようにもっと練習しましょう」
 
「いやだー!こんな生活!」
 
(*43) 元々この2人の字は女の子らしい可愛い字である。小学4-5年生の頃から女子の友人たちと一緒に可愛い字の開発をしていた。ただ草書が書けなかったので、この春から特訓をした。もちろん女性的な草書を習った!
 

語り手「石作皇子の留守宅に“美人”の妹が田舎から出て来て住んでいると聞いて、強引に侵入して“わが物”にしようとする不埒な男もいましたが、土本と砂山が撃退して“妹君”の貞操は守られました」
 
映像は不審な人物(システム部の風元)が侵入を試みて、木刀を持った土本と砂山に撃退されて退散するシーン。
 
「俺貞操を守れるかなあ。やられちゃったらどうしよう?何かこういうのもかぐや姫の気持ちが少し分かってきたぞ」
と石作皇女(いしづくりのひめみこ)。
 

看板係(麻生ルミナ)が「3年後。新月(闇夜)の晩」と書かれたプラカードを掲げる。
 
語り手「石作皇子は3年ぶりに男装に戻り、同じく男装に戻った土本を伴い、闇に紛れて邸を出ます。以前から目を付けていた大和国十市郡の古寺に行きます。そして寺の賓頭盧(びんづる)像の前に置かれている古い鉢を暗闇に紛れてこっそり持ち帰りました」
 
★音楽:坂出モナ『八個目の鉢に蜂が来た』
 
映像は男装の石作皇子と土本が馬に乗って館を出るシーン。お寺の賓頭盧像の前に置かれた鉢を盗むシーンが映る。賓頭盧像は奈良県内のお寺のものを撮影させてもらいCG加工して映像に合成した。
 
「皇女(ひめみこ)様、そんな古い鉢を盗んでどうなさるのです?」
「もう“皇女(ひめみこ)”は、お仕舞いだ。今日からは“皇子(みこ)”に戻るぞ。この鉢をかぐや姫に天竺から持ち帰ったお釈迦様の鉢だと言って届けるのだ」
 
「え〜?そんないい加減な」
「お釈迦様の鉢なんて誰も見たこと無い。バレる訳が無い」
「いいんですか〜?」
 

語り手「石作皇子は、山寺から持ち帰った鉢を錦(にしき)(*44) の袋に入れ、造花の枝なども添え、男装の土本・砂山を伴い、かぐや姫の家に赴きました」
 
映像は皇子が鉢の入った袋と文を取次ぎの紫(広瀬みづほ)に渡す所を映す。紫がそれをかぐや姫の部屋まで持っていく。
 
(*44) 錦(にしき)とは、種々の色糸を用いて華麗な模様を織り出した絹織物。金糸を使用した金襴(きんらん)も錦の一種だが、この時代にはまだ無い。それでもきっとカラフルで素敵な模様だったのだろう。撮影には西陣産の錦の袋を使用した。
 

灰色の服を着たかぐや姫(アクア)の映像が映ります。かぐや姫は石作皇子が仏の御石の鉢を持って来たと聞き驚きます。
 
「本当に取ってくるとは思わなかった。そこまで頑張った人となら、私結婚してもいいかも」
と姫は言います。皇子の歌も添えられています。
 
《海山の道に心を尽くし果てな石の鉢の涙流れき》
 
姫は錦の袋から鉢を取り出しました。
 
「真っ黒ですね」
と桃(川泉パフェ)が言います。
 
「お釈迦様の鉢なら自ずから光輝いていると聞いたのですが・・・」
とかぐや姫。
 
「洗ってみましょう」
と藤(花園裕紀)が言います。
 
それで、藤と紫の2人で鉢を丁寧に洗ってみました。
 
しかし何の変哲も無い、土師器(はじき)の鉢です。
 
「全然光りませんね」
「これただの普通の古い鉢だと思います」(*45)
「偽物か!」
 

(*45) 撮影は素焼きの器に泥を塗ったりして汚した物を使用した。石作皇子が投げた時に欠けた!
 

そこでかぐや姫は石作皇子に返歌を書いて鉢に入れて返しました。
 
《置く露の光をだにぞ宿さまし小倉山にて何求めけむ》
 
それを見た石作皇子は
「バレたか!なんでバレたんだぁ!」
と言います。
 
同行していた土本たちは
「バレないと思うほうが不思議です」
と呆れて言いました。
 
それで石作皇子は、鉢は門の所に放り投げて!かぐや姫に再度歌を書き、土本たちと同様呆れて見ていた取次ぎの紫に渡しました。
 
《白山にあへば光の失するかと鉢を捨てても頼まるるかな》
 
(“鉢を捨てる”と“恥を捨てる”の掛詞。嘘がバレても言い寄る厚かましさ!)
 
しかしかぐや姫は歌を見て呆れて紫に「返事は無し」と伝えるよう言いました。
 
それで皇子は土本たちを連れてトボトボと帰りました。でも
 
「やった!かぐや姫の直筆のお返事がもらえた!」
などと言って、良い香りのする文に口づけなどしているので、土本たちは呆れて見ていました。
 
語り手「このようなことから面目が潰れることを“はぢを捨つ”と言うようになったのです」
 
(“はじき”(土師器)の“はち”(鉢)を捨てて“はぢ”(恥)も捨てた?)
 

自宅に戻ると、父の岩戸皇子(スキ也)が来ていました。
 
「お前、なんで男みたいな格好をしているのだ?」
と訊きます。
 
「私は男ですから男の格好をしていますが」
「でもお前、女になったんだろ?」
「女になれるわけないじゃないですか!?」
 
「いや、俺はお前が女になったと聞いたから、元・男でも構わんと言ってきた、清原の中将殿に、代理で返歌を書かせておいたぞ」
 
「え〜〜〜〜!?」
「今夜婚礼をするから、早く女の服に戻りなさい」
 
「今夜なんですか〜〜?」
 
岩戸皇子は2人の従者にも
「お前たちも早く女の姿に戻りなさい」
と言いました。
 

「はい。すぐ着替えます。皇女(ひめみこ)様も女の服に戻りましょう」
と2人は言います。
 
「ちょっと待ってください!私は男と結婚したくありません!」
と石作皇子(皇女?)。
 
(ルキアちゃん、レスビアンだもんね〜、と視聴者の理解する声!)
 
「何を言っているのだ。この世には男と女がある。女は男と結婚するものなのだよ。私はお前を自分の跡取りにと思っていたが、お前が女になったのなら仕方ない。女であれば良き夫に仕えるのがよいのだ。清原中将は本当に凄い男だぞ。あれはその内きっと右大臣か左大臣まで出世する。それを支えてやれ。女の子を産んでその子が帝と結婚すればお前はやがては帝の祖母、私は曾祖父になれる」
 
「私が子供を産むんですか〜〜?」
 
「連れて行け」
「はい」
 
ということで、石作皇子は土本と砂山に連行されていきました。
 

かぐや姫は、藤から、“石作皇女(いしづくりのひめみこ)”が今夜清原中将(きよはらのちゅうじょう)と結婚式を挙げると聞きました。
 
「おお、それはめでたい。“手配”しよう」
とかぐや姫は笑顔で言いました。
 

看板係(麻生ルミナ)が「その日の夜」と書かれたプラカードを掲げる。
 
美しい女性礼服に身を包んだ石作皇女と、清原中将(坂出モナ!)が並んでいます。土本が三方(さんぼう)に乗せた3個の小餅を中将に捧げ、中将はそれを飲み込んで、婚儀は成立します。
 
★音楽:坂出モナ『ぼくお嫁さんになっちゃった』
 
「おめでとう」
という多数の声があがり、婚礼の宴は夜遅くまで続きました。
 
(宴席の出席者は§§ミュージック経理部の人たち)
 
「ぼくどうなるの〜?」
と呟いている石作皇女。
 

そして宴の終わりかけ、砂山に付き添われて奥の部屋に入ります。
 
「ぼく、どうしたらいいのかな」
「皇女(ひめみこ)様、きっと何とかなりますよ」
 
と言って砂山は皇女の礼服を脱がせ、袿(うちき)だけの格好にしてから下がりました。
 
不安そうな姿で立て膝(*46)で座っている皇女。
 
(*46) 昔は立て膝で座るのが行儀の良い座り方。当時は現代の正座とかあぐらの座り方は行われていない。
 

障子が開くのでビクッとしますが、居たのは銀色の衣を着けた女性(月城たみよ)です。
 
「どなたですか?」
 
皇女は、自分に何か支度をさせる中将配下の女性かと思いました。
 
「皇女(ひめみこ)様、こちらへ」
と銀色の服の女が言うので
「何か?」
と言って、皇女は立っていきました。
 
「皇女(ひめみこ)様、月がきれいですね」
 
皇女が空を見ると、きれいな満月が輝いています。皇女は、きれいな月だなあと思い、しばらく見詰めていました。
 
ふと気がつくと、銀色の服の女性は居ません。あれ〜?結局何だったんだろう?と思い、障子を閉めて部屋の中に戻りますが、その時自分の身体が変に思われました。
 
「あれ〜、なんでぼくおっぱいあるの〜〜?」
「あれ〜、なんでぼくちんちん無いの〜〜?」
 

皇女が自分の身体の変化に戸惑っている間に清原中将(坂出モナ)が入ってきました。
 
「やあ待たせた。すまんすまん。左大臣がなかなか放してくれなくてね」
と言っています。
 
「怖がらなくていいよ。優しくしてあげるからね」
「はい」
 
それで中将は石作皇女に口付けをしました(*47).
 
そしてそのまま押し倒します。
 
「していいよね?」
「はい」
 
語り手「世間的には石作皇子は天竺に向かったまま消息を絶ったことになりました。一方石作皇女は清原中将に深く愛されました。皇女は10ヶ月後に、可愛い女の子を産みました。めでたし、めでたし」
 
映像は赤ちゃんを抱く、石作皇女の姿を映す。
 
「ぼく女の子になっちゃったけど、これで良かったのかも」
などと皇女(弘田ルキア)は言いながら、赤ちゃんにお乳をあげていた(*49).
 
(*47) ふたりはもちろんリアルにキスしている。(弘田ルキアと坂出モナは夫婦。ちゃんと婚姻届けも出している。しかし実際には婦婦ではという説が根強い)
 

視聴者の声
「今後は女役しかしないと言っていたルキアが男役をするなんて変だと思ったよ」
 
「でもルキアちゃん女の子になれて良かったね」
「リアルでも赤ちゃんできるかもね〜」
「それってルキアとモナのどちらが産むわけ?」
「もちろんルキアでしょ」
 
「ルキアってマジで性転換したんだっけ?」
「したはずだよ。でも女同士ではモナと婚姻届け出せないから法的な性別変更はしなかった」
「なるほどー」
 
「米田ダリヤが女湯で遭遇したってブログに書いてたから女の身体になってるのは間違い無い」
「米田ダリヤは女なのか?」
「一応女芸人に分類されているみたいだけど?」
 
「でもモナはちんちんあるわけ〜?」
「モナはアンドロイドだから(*48)、ちんちんくらい必要なら装備できそう」
「オプション部品として用意してるかもね」
 

(*48) 数々の“伝説”から、坂出モナはアンドロイドと呼ばれている。
 
・部活の遠征で全員食中毒にやられた時、モナだけピンピンしていた。この時モナは量が多くて食べきれないと言ってる子から「私もらう」と言ってもらって他の人よりたくさん食べている。
 
・インフルエンザで学級閉鎖になった時、ひとりだけ元気だった。
 
・番組撮影でコロナのクラスターが発生してもモナは陰性だった。(この時無事だったのは、坂出モナと羽鳥セシルだけ)
 
・ドラマ撮影中に車の事故(撮影現場に勝手に入ってきた暴走車を避けようとして2m程の崖を転落)が起きて運転していた俳優さんは重傷を負ったのに、後部座席に乗っていたモナは怪我ひとつしていなかった。一緒に乗っていた佐藤小百合は一週間の怪我をしている。
 
・消費期限が半月すぎたサンドイッチを食べても平気だった。サンドイッチは冷蔵庫にも入れず常温で保管(放置?)されていた。
 
・消費期限を3ヶ月過ぎた、長崎みやげのカステラを食べても平気だった。このカステラも常温で保管されていた。
 

(*49) テレビ局の見解では、このシーンは“男性”俳優の弘田ルキアが、付け乳を付けて撮影したものであり、女性のバストは映していない!そもそも授乳は卑猥な行為ではない。
 
ルキアのファンは女子が多いが
 
「私の赤ちゃんにルキアちゃんが授乳してほしい」
という声が多かった。
「ルキアちゃんなら可愛い赤ちゃん産んでくれそう」
 
その子供の父親は?
 
 
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【竹取物語2022】(2)石作皇子の場合