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■男の娘とりかえばや物語(10)

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この年の祗園祭。“橘君”はもう年齢が10歳になってしまったので、褌を締めて先走りをするのは、しなかったものの、普通の少年男子の正装をして、祗園天神の神を下ろす儀式に参加。神輿の後ろに続いて行列をしました。この中には公卿の子弟も多く、橘君は大将の息子として、多くの若君たちと交流をしていました。
 
またこの年の松尾神社の秘祭に“桜姫”はまた参加しました。今年は桜姫が自分より舞が上手いと思っていた、右大臣の四の君は参加しなかったので、結局桜姫が扇の要(かなめ)の位置で舞うことになりました。
 
「あんた何歳だっけ?」
「10歳(*1)なんですよ」
「だったら、まだ月の物が来るのは早いな」
「でも2年務めましたし、要までしましたから、来年は辞退します」
「そうだね。でも万一人数が足りなかった時はお願い」
「はい、その時は」
 
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結局翌年は四の君が扇の要の位置で舞ったようです(少納言の君からの情報)。
 

(*1)数え年の10歳なので今で言えば小学3年生。
 

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結局“桜姫”と“橘君”はこんな感じで2年ほど過ごしました。
 
橘君はますます男らしくなっていきます。日々外に出かけては元気に遊んでいます。12歳の年にはとうとう賀茂祭の流鏑馬の射手に抜擢され、美事に3本とも矢を命中させ、ご褒美の絹を頂いて嬉しそうにしていました。
 
一方、桜姫は本人としてはそんなに女らしくしたい気持ちはないものの「大将の家には若君と姫君が1人ずつ居る」とみんなから思われているという《世間体》を保つために姫君を演じる機会がますます増えていきました。
 
結局、桜姫は男装する機会がどんどん減っていき、その内、ほぼ常時女装しているようになってしまい、本人としてもやや憂鬱な気分です。しかしその憂鬱な気分に浸っていると、その様子がいかにも深窓の姫君のように美しく見えるので、父君はやはりこの子は女の子になりたいのだろうなと誤解したままになっていったのです。
 
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大将の“若君”がたいそう美貌で武芸にも学問にも優れているということが評判になると帝が
 
「賀茂祭で射手を務めたんだって?そのように優れた息子がいるのなら、ぜひ出仕させなさい」
と大将におっしゃりました。
 
「いえ、まだ幼いもので・・・」
などと言い訳をするのですが、帝は五位の位を授けるからと言い、早く元服させるよう勧めましたた。
 
それで父の大将も帝からそうまで言われては仕方無いと開き直り、2人の子供を成人させることにしました。
 

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それで大将(だいしょう)は2人の子供を呼んで言いました。
 
「お前たちを少し早いが成人させることにするから」
 
それで、てっきり御裳着をさせられると思った橘君は言いました。
「私は嫌です。私に姫君なんて務まりません」
 
すると複雑そうな顔をした大将は言います。
 
「帝はこの年で史記や漢書、記紀や華厳経まで読破し、祗園祭りに参列したり、賀茂祭で流鏑馬の射手を務めて美事に矢を3本とも命中させた“若君”に出仕してほしいそうだ。それで五位の位も授けると言っている」
 
と大将は橘姫を見て言いました。
 
「それ私のこと?」
 
「僕は史記なんてちんぷんかんぷんだし、馬にも乗れないし、矢は当たったことないし」
などと桜姫は言っています。
 
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「うん。だから橘に、元服の儀をしてもらう。冠を着けて束帯を着てもらうぞ」
「私が束帯を着ていいんですか?ぜひやらせてください」
と橘君は嬉しそうに言います。
 
「済みません。橘が束帯を着るということは、もしかして私は?」
と桜姫が訊きます。
 
「お前にはちゃんと御裳着をさせる。そういう服が着たいのだろう?だから橘が成人の男になるのだから、桜もちゃんと成人の女になりなさい」
と父は言いました。
 
うっそー!?僕、女になるなんて嫌だよぉ、裳(スカート)穿くなんて恥ずかしい、と桜姫は思ったものの、父の誤解を解こうとするとまたややこしい話になりますし、せっかく嬉しそうにしている橘が、ちゃんと「成人の男」になれなくなるかもしれません。それで桜姫は結局、御裳着をすることに同意したのです。
 
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ふたりの様子を見ていて、秋姫様は少し悩んでいたものの、春姫様は
 
「そうね。あなたのことは今後は私も女の子だと思うことにするから」
などと桜姫に言っていました。
 

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ふたりは“性”のことについては、かなり無知でした。それで少し教育することになりますが、これは秋姫が自分に任せて欲しいと言い、春姫も同意したので、秋姫は結婚している少輔命婦(橘君の女房)に教育係を命じました。
 
「何なら命婦の旦那様を連れて来て、実演してみせてもよいが」
「それはさすがに勘弁して下さい」
 
それでふたりは少輔命婦から性教育を受けることになります。
 
まずは男と女の身体の違いについて説明します。
 
「これは結構分かるよね」
と橘君が言います。
「私、男の子のあそこは随分見ているし」
「姉君のを見られたのですか?」
「姉君のは見たことないな。本当に付いているのかも怪しいけど」
「僕、最近自信無くなってきた」
 
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「まあ私は男の子としてしょっちゅう出ていて、目の前で着換えている男の子も随分見たから、男の子がちんちんをぶらぶらさせているのも、たくさん見ているだけだよ」
 
「じゃ、おちんちんが大きくなるのも知ってますね?」
「知ってる。あれ面白いね」
 
「おちんちんって大きくなるの?」
と桜姫が言うので
 
「なぜ知らない?」
と橘君に呆れられています。
 
「姉君、実はちんちん無いのでは?」
「一応付いてると思うけどなあ。使うことはないけど」
「姫様、虎子しかお使いになりませんものね」
 

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命婦は性教育用の絵を出して、女の性器についても説明します。これはふたりともごくりと唾を飲み込んで説明に聞き入っていました。
 
「ここが実(さね)と言って触ると気持ちいい所。実は男の子のおちんちんの小さなものなんですよね」
「へー!そんなものがあるのか」
と2人とも言うので
 
「橘は知らないの?」
と桜姫が訊きます。
「気付かなかった。後で試してみよう」
と橘君。
 
「ここがおしっこの出てくる所。実より少し後ろの方にあります。そして、ここが赤ちゃんの出てくる所」
 
「赤ちゃんってそんな所から出てくるの!?」
「そうですよ。他にどこから出てくると思ってました?」
「おへそかなとか、お尻かなとか」
「おへそには穴は空いてないから無理ですね」
「でもおへそって、お母さんと繋がっていた所なんでしょ?」
「そうですよ。お母さんのお腹の中に居た頃に、おへそで栄養をもらっていたんです。でもお母さんのおへそとつながっていた訳ではありませんよ」
「そうだったのか」
 
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「でも私、この穴は何だろうと思ってた。赤ちゃんが出てくる所だったとは」
と橘君は言っています。
 

「そして結婚した男と女は、男がおちんちんを大きくして、女のこの穴に入れて、子種を体内に入れるのです」
 
「うっそー!?」
 
「だから男と女で結婚するのですね。男同士・女同士で結婚すると、そういうことができないので」
「うーん・・・」
 
「このおちんちんをここの穴に入れるのは、まぐわいと言いますが、お互いにとても気持ちいいんですよ」
 
「へー!」
「気持ちいいから、するんですね。それでしていたら、赤ちゃんができます」
「すごーい!」
 
「赤ちゃんは、女の人の身体の中にある赤ちゃんの卵と、男の人の身体の中にある赤ちゃんの種がくっつくとできます。それを結合させるためにまぐわいをする訳です」
 
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「だったら、帝の妻になったら、帝のおちんちんをそこに入れてもらわないといけないの?」
と桜姫が訊きます。
 
「そうですよ。姫様は本当に帝の女御にという話になるかも知れませんから、しっかりお務めしてくださいね」
 
「僕、そういう穴が無いけど、どうしよう」
「そうですね。結婚するまでには、穴ができるかも知れませんね」
と少輔命婦は少しおかしそうに言いました。しかし橘君も
 
「うん、姉上だったら、きっとそういう穴ができるよ」
などと言っています。
 

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少輔命婦は“月のもの”の話をします。
 
「女の身体の中には周期ができていて、だいたい28日に1回、女の身体の中にある卵の巣から、1個だけ卵が出てきて、赤ちゃんを育てる場所である子袋に辿り着きます。ちょうどこの時に、まぐわいをすると、子種は卵と結合して赤ちゃんになります。でも結合しなかった場合は、半月後に流れてしまいます。流れたものは血の塊となって、赤ちゃんを産む穴から出てきます。これを“月のもの”と言い、だいたい女が12-13歳くらいになった時から始まり、40歳頃まで続きます」
 
「じゃ、赤ちゃんになれなかったものなんだ?」
「そうです」
 
「月のものって、結構苦しいと聞いた」
「そうですよ。結構辛いのですよ。個人差があって、軽い人もあればかなり重い人もあるのですが。だいたい出血は3〜4日続きます」
「その間、どうしてんの?」
 
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「布を当てたりしていますが、あまり動き回れないので、ずっと部屋の中に閉じこもっていることが多いですね。村々では《女の家》という所があって、そこに一緒に籠もって過ごす所もあります。宮中に出ている女官たちも月の物の間は、宮から下がって実家で過ごす人も多いです」
 
「なるほどー」
 

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「男の方はやはり12-13歳頃から凄くちんちんをいじりたい気分になって、自分でちんちんをいじって、大きくして、その大きくなったちんちんの先から、子種を含んだ白い液体が飛び出してくるようになります」
 
「それもしかして、女の人とのまぐわい?をしなくても出てくるの?」
「そうですよ。まぐわいとは無関係に女は月に1回卵が出てきて、月の物が来ますが、男の人もまぐわいとは無関係に、毎日のようにちんちんをいじりたくなって、気持ち良くして子種を出すのです」
 
「へー!」
とふたりとも言うので、橘君が桜姫に訊きます。
 
「姉上はちんちんいじりたくならないの?」
「ちんちんって、湯とかお風呂に入って洗う時くらいしか触ってない。僕、おしっこするのにも尿筒を使わなくなったし」
 
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虎子でおしっこをする場合はあの付近に触る必要は全くありません。
 
「そんなに触らないというのは珍しいですけど、姫様もその内、とっても触りたくなりますよ」
 
桜姫のおちんちんは肌に貼り付けられているので、実は元々触りにくい上に少しでも大きくなりかけると激痛が来るので結局触らないようにしていて、それに慣れてしまったので、触らなくなったということを当の桜姫本人も忘れてしまっています。そして実は桜姫のタマタマはいつも体内に押し込まれていて高い温度状態にあるため、あまり活動しておらず、男性ホルモンもあまり出ていなくて男性的発達も遅れているのですが、そのことには誰も気付いていません。
 
「ふーん。でもその頃には、橘も月の物が来るようになるのかな?」
 
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「そうだと思いますよ。ですから、若様も出仕している時に月の物が来たら私か少納言にお申し付け下さいね。ちゃんと処置しますし、公の行事などは欠席させてもらうことになると思いますし」
「分かった」
 

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