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マクドナルドにも行ってみる。
「入る前に訊きたいけど、何食べる?」
と紀恵は訊いた。
「そうだなあ。クォーターパウンダーのセット2個にアップルパイ、シャカシャカチキンくらいかな」
と里子。
「それ、女の子のオーダーじゃない」
「ぐっ」
「女の子はセット2個も一気に食べたりしないよ(若干例外的な人もいるけどね)」
「じゃ、のんちゃんは何頼むの?」
「私はそうだなあ。ベーコンレタスバーガーのサラダセットかな」
「だけ?」
「女の子の食欲はそんなものだよ」
「その程度じゃお腹空くよー」
「少しダイエットした方がいい。今ウェストが75cm?せめて69cmにしよう」
「そんなに!?」
「69cmでもサイズとしてはLだよ」
「ひー」
「で、さとちゃんオーダーは?」
「じゃ・・・てりやきマックバーガーのLLセット、ポテトとコーラで」
「サラダと爽健美茶のMMセットにしよう」
「う・・・。お腹空きそう」
「それで満腹できるように頑張ろう。ポテトのLは570kcalもある。これだけで食事1回分のエネルギー。日本人女子の1日の必要カロリー量は1500klcalくらいだからね。基本的にマクドナルドでポテトは食べてはいけない。コーラLも180kcal。基本的に飲み物はノンカロリーのもので」
「ひぇー!女の子って大変だ!」
女の子としてオーダーするのも練習と言われて、里子が2人分注文して席で食べたが、全然食べ足りない感じだった。
「やはりお腹空きそう」
「おうちに帰ったらサラダでも作って食べようよ。お野菜色々買って帰ってさ。お野菜でお腹を埋めれば結構持つんだよ。野菜はノンカロリーだから幾ら食べてもいい」
「それで女の子ってサラダを良く食べるんだ!?」
「そういう訳でもないけど、食生活って、結構惰性なんだよ。少ないカロリーでの食事に身体を慣らしていこう」
女子トイレにも一緒に入り、列に並んだ。
「いつもあんなに列ができるもんなの?」
とトイレを出た後で訊くと
「女子トイレに列はつきもの。だからギリギリで行くんじゃなくて早めに行っておかないといけないんだよ。漏らしたくないでしょ?」
「うん」
「それに、女性は尿道が短い分、男性よりもおしっこが近くなるはず。今までの感覚でいると、絶対漏らす羽目になるよ」
と紀恵。
「あ、それは手術した先生からも言われた気がする」
と里子。
「トイレついでに言っておくと、大の方をした後、紙で拭くとき、前から後ろに拭くようにして」
「へ?」
「多分、さとちゃん、後ろから前に拭くよね?」
「そうしてた」
「それやると、女の子の場合、お尻を拭いた紙が、割れ目ちゃんの付近に当たって衛生上、とっても問題があるから」
「そうか!気を付けるよ」
3日目の午後。お昼を食べた後で、おしゃべりしながら歩いていたら、いつの間にか何だか派手な外装の建物が並ぶ一帯に来ている。
そして笑顔で紀恵は言った。
「ね、さとちゃん、ここに入ってみない?」
「え!?」
「私、こういう所来たことないけど、さとちゃんは経験あるよね?」
「でも、私、おちんちん無いけど」
「無くても気持ち良くなることはできるはずだよ」
それで2時間の御休憩で入る。
「取りあえずシャワー浴びようよ」
ということで交替でシャワーを浴びてきた。先に里子がシャワーを浴びてきて一応、裸のままベッドに入って待つ。それから紀恵がシャワーを浴びてきた。
紀恵はバスタオルで身体を隠している。そしてそのままベッドの中に入り、中でバスタオルを外して、里子に抱きついた。
「今日でお互いヴァージンは卒業ということにしようよ」
「え?でも私、入れるようなものが無いし」
「それはお互い様だね」
そう言って紀恵は里子を強く抱きしめた。
その後の1時間ちょっとのプレイは紀恵主導で進んだ。
紀恵は里子の新しいクリちゃんを優しく、でも高速に指で刺激した。それで何度か里子は《逝く》感覚があった。
「私もしてあげる」
と里子は言ったが
「いいよ、いいよ。今日は私がたっぷりさとちゃんを刺激して女の喜びを体験させてあげるから」
と言って、紀恵はほんとにその日、攻めに徹していた。
留置式のダイレーターも外して、代わりに紀恵が指を入れて来た。それで刺激されると、また《逝った》感覚がある。
「ここが、さとちゃんのGスポットなんだよ」
と言われる。
「わたし、Gスポットもあるの?」
そんなものも性転換手術で作るのだろうか??
「ふふふ。女のGスポットは実は男の前立腺だよ」
「え?そうなの?」
「元々前立腺が女性の場合未発達なんだけど性感帯としては働いているんだよね。それがGスポットの正体。その前立腺は性転換手術でも摘出しないから、そのまま残ってるんだよね。だから自分でも指を入れてこの付近刺激してみるといいよ。気持ちいいから」
「うん。試してみる」
また紀恵は里子のクリちゃんを舌でも舐めてくれた。これがまた気持ち良くてまたまた里子は逝ってしまった。
「もしかしたら女の方が男より気持ちいいのかも」
とホテルを出た後、里子は言った。
「ふーん。それなら良いね。両方体験できる人は少ないから」
「女の歓びにハマっちゃったら、どうしよう?」
「多分ね。女同士だから気持ち良いんだよ」
「へ?」
「だって男の人は出したら終わりでしょ?女の子が気持ち良くなるまでしてくれないから」
「そっかー。でも、私、多分もう、のんちゃん以外とセックスすること無いから」
「私もさとちゃん以外とセックスすることは無いよ」
女同士なのでインサートということはできなくても、その日里子は確かに紀恵と結ばれたという感覚だった。そしてそのことがお互いの信頼関係を深めたように思った。
翌日。
「今日はプールに行こう」
と言ってまずは連れてこられたのはショッピングセンターの水着売場である。
「えっと・・・・」
「女の子なんだから、可愛いビキニの水着でも着る?」
「勘弁してー」
「と言うだろうと思ったな。まあいきなりビキニ姿を人前に晒したら、たぶん着こなせなくて、変態さんに見えちゃいそうだし。ふつうの競泳用水着から始めようか」
「うん。それがいい気がする」
それでお腹の肉もあるしということで、サポート機能のあるワンピース水着をチョイスする。そのほか、アンダーショーツ、ゴーグル、水泳帽も買った。
「私も新しい水着買っちゃおう」
などと言って紀恵は上下セパレート式のを買っている。
「ちょっと変わったビキニだね」
と言ったら
「これはタンキニと言うんだよ。上がタンクトップでしょ?」
と言われた。
「へー」
「さとちゃん、女の子の服の名前もあまりよくわからないよね?」
「うん。パンツの名前もなんだか色々あって、さっぱり分からない」
「ああ。確かにあれは女の子でも分からないくらい色々名前がある。まあ少しずつ教えていってあげるよ」
「お願い」
それで市民プールに行くが、
「まずはチケット買おう。大人・女を2枚だよ」
と言われる。
あはは。里子は男性時代にもここに当時のガールフレンドを連れてきたことがあったが、その時は「大人・男1枚と大人女1枚で買っている。
でも今は女2枚で買うしかない。この体では男子更衣室には行けない。それでチケットの「大人・女」という赤いボタンを2度押してチケットを買った。
受付で渡すと、赤い続き番号のロッカーの鍵をもらう。それで更衣室の前まで来るが、さすがにためらう。すると紀恵はニコッと笑うとそんな里子の腕を取り、女子更衣室に連れ込んだ。
きゃー。こんなところに入るなんて。まるで痴漢にでもなった気分だ。だいたいたくさん女の人が着替えてるし、真っ裸になったまま歩き回っている人もいる。無防備に曝しているおっぱいがまぶしい。昔ならきっと、チンコが立ってしまっていたところだろうだが、今は立つようなものも無い。
「さあ、私たちも着替えよう」
と紀恵は言って服を脱ぎ始める。
「うん」
と言って里子も服を脱ぐ。
紀恵はさっさと服を脱ぎ、ブラとパンティも脱いで裸になり、それからタンキニの水着を身につけた。里子も服を脱ぎ、下着も脱ぎ、まずはアンダーショーツを穿いた上で、ワンピース水着を・・・
「これ、下から穿けばいいの?」
「そうだね。下からの方が楽だと思うよ」
それで両足を通し、上にあげて肩紐部分を両肩に掛けた。
「うん。違和感無いよ」
と言われる。バスト部分にCカップの胸が収まっている。水着のバスト部分にはカップが入っているので、乳首が外側には響かない。へー。女の子の水着って、こうなっていたのか、と思った。男はこういう「女の子の運用方法」について無知である。
しかし・・・・
女の子水着を着た姿を人前に曝すのが凄く恥ずかしい気がした。ひとりだときっと途中で逃げ帰っているところだが、紀恵が手を引いてくれるので、ひーーーと思いながらも一緒にシャワーを浴びてプールに行った。
「さとちゃん、泳げるの?」
「去年までは泳げていたけど、どうだろう?」
「別におちんちんで推進力が出てた訳じゃないだろうし、大丈夫だよ。やってみなよ」
「うん」
それで水に入り、恐る恐る泳いでみると、普通に泳げる。紀恵に言われた通り、別にチンコが付いてるかどうかは運動能力には関係無さそうという気がした。ただホルモンの関係でどうしても今後筋肉は落ちていくよとも言われた。しかし今のところはそう変化は無いようである。
紀恵の方も結構泳ぎは得意なようで、隣のコースで泳いでいたが、里子が休憩して見ていると、かなりの距離を休まずに泳いでいた。へー凄いと思ってその泳ぎを見ていた。
一緒にスライダーにも行く。これは並んでいる時間の方がメインという感じだ。ここ数日、女性らしい話し方というので結構指導されていたのだが、人が周囲にいる状態で紀恵と色々おしゃべりするのも、だいぶ気恥ずかしくなくなって来た気がする。これって他の人には女の子の友だち同士で話しているような感じに聞こえるかな?