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■女子バスケット選手の日々・2017オールジャパン編(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-09-15
 
その日なぜそういうメンツが揃っていたのかはよく分からない。
 
「何かその内さあ」
と暢子(40 minutes)は言った。
 
「女子バスケ界には男の娘枠とかが創設されたりしてな」
 
「何それ?」
と愛沢国香(Rocutes)が訊く。
 
「いや、やはり多くの場合、男から女になってIOC基準によって女子選手として認められた選手、特にホルモン状態の経過観察で女子と同等と認められた選手の場合、筋肉は女子並みでも、骨格が男子じゃん。だから、外国人枠と同様に、選手登録2名まで、オンコート1名の制限」
 
「それはあっていいと思う」
と自分自身がその《男の娘選手》である湧見昭子(Joyful Gold)もいう。
 
「私とか、千里さんとかは体格的に元々男の子としては華奢な類いだったから、そうでもないけど、例えばロッドマン(203cm 105kg)みたいな人が、性転換して2年間女性ホルモン優位の状態にあったからというので女子バスケ選手として登録してきたら、そういう選手を受け入れたとしても、せめて最大1人にしてくれと言いたくなりますよ」
と昭子は言う。
 
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「女の子になったロッドマンというのは、あまり想像がつかんな」
 
「しかしそれを言い出すと、生まれながらの女だが、男の娘枠に入れてくれと言いたくなる選手もいる」
 
「それ、凄く心当たりはあります」
と高梁王子(Joyful Gold 182cm 90kg)が言っている。
 
「そんな選手いたっけ?」
と森下誠美(40 minutes 186cm 82kg).
 
「外国には多いよ」
と松崎由実(40 minutes 178cm 80kg).
 
「まあ国内にも若干いるかもね」
と母賀ローザ(Joyful Gold 184cm 86kg).
 
「まあ正直、あんたは身体が女子だから、女子の試合に出てくれといわれて男子バスケ部から女子バスケ部に移籍させられた当初は、けっこうな罪悪感を感じながらプレイしていたんだけどね。日本代表活動で凄い体格の外人選手をたくさん見た後は、性別なんて関係無いと思うようになった」
 
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と少し離れた席にいた千里は言っている。
 
「でも男の娘枠はあってもいいかもね。変なことをしようとする国を出さないためにも」
と千里。
 
「確かにどうかした全体主義国家なら、女子の部で金メダルを取るために、男子のトップチームを全員強制的に性転換させたりしかねん」
と暢子。
 
「金(メダル)を取るために金(玉)を取るんだな」
と星乃(40 minutes)が言うと
 
「ステラ、絶対それ言うと思った」
とみんなから言われていた。
 
「ご期待にお応えして」
と星乃。
 
「でも外国人でも日本国内の小中学校を出ている人は外国人枠ではなく日本人扱いじゃん。だから男の娘でも、小中学校の時点で既に女の子だった人は、男の娘枠外で、純粋に女子選手扱いでいいかもね。実際そういう人は体格的な優位は全く無いはずだし」
と水嶋ソフィア(Rocutes)が言うと
 
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「それは千里のようなケースだな」
と暢子は言った。
 
「確かに。千里さんはそもそも中学時代は女子バスケ部に入っていたんだし」
と原口揚羽。
「結局千里ちゃんって、小学4年生の時に性転換したんだっけ?」
と近江満子が訊く。
「いや性転換そのものは小学2年生の頃で、4年生の時に卵巣移植したんじゃなかったっけ?」
と前田彰恵。
 
すると留実子(Snow fairies 184cm 96kg)が言う。
 
「千里のちんちんを目撃した人は存在しない。つまり千里は生まれてすぐに性転換したとしか考えられない。実際小学生の頃、千里の病院の診察券を見たけど性別は F になっていた。卵巣移植は4年生の秋だよ。当時千里、そういう手術を受けたと言っていた。中学の頃はナプキンも一緒に買いに行っていたし」
 
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この《証言》で
 
「おお、やはりそのくらい早期に性転換していたのか!」
と声があがっていた。
 
千里は投げ遣りな表情で苦笑していた。
 
「でもサーヤ、私サーヤと一緒にナプキン買ってない。いつも私が自分のとサーヤのと両方買って渡してた」
と千里は微妙な点を主張する。
 
「だって僕が生理用品売場に居たら、店員さんから『男の子はこの付近を見たらだめ』と注意されるんだもん」
と留実子。
 
「なるほどー!!」
「納得」
という声があがっていた。
 

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12月31日の夕方から1月1日の0:20に掛けて、ローズ+リリーのカウントダウンライブが宮城県M市で行われたが、このイベントの前座トップに出演したのが近日中にメジャーデビューを予定しているボニアート・アサドである。彼女たちは宮城県栗原市の女子高生3人組だが、出番前に会場に出店を出していた和実のお店クレールのコーヒーとオムライスを食べにきたことから、クレールで定期的にライブをやろうという話がまとまる。
 
「じゃ、取り敢えず1回ライブやってみましょう。いつやりますか?」
とその場で和実は彼女たちに尋ねた。
 
「そうだなあ。1月2日とか無理ですよね?奏和の誕生日なんだけど」
と美穂が言ったのに対して
 
「おお、誕生日とはめでたい!やろうやろう」
と和実もノリで答えて、ボニアート・アサドの“初単独ライブ”が公演のわずか2日前に決まってしまったのである。
 
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それでボニアート・アサドもこの日の前座のステージの最後に
 
「私たちの単独ライブが1月2日、仙台市内であります。詳しくは今夜中にホームページに掲載しますから、よかったら見に来て下さい」
 
と言ってしまったのである。
 
マネージャーさんとレコード会社担当者が慌ててその情報を記載する。淳も頑張ってその夜のうちに
 
「1月2日13:00女子高生トリオ《ボニアート・アサド》on stage」
 
という記事をできたてのクレールのホームページに掲載した。写真は彼女たちのマネージャー米長さんから送ってもらった。
 

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「ところで何人くらい来るものでしょうか?」
と淳が1月1日の午前中に米長さんに尋ねた。
 
「全く見当が付きません。ほとんど来ないかも知れないし100人くらい来るかも知れないし」
 
「何人くらい来るかによって、通常のカフェの配置にするか、テーブルを取り払って椅子のみにするか、オールスタンディングにするかというのがあるのですが・・・」
 
「じゃ、念のため椅子席ということにしておいて、お昼くらいの人の集まり加減を見て対応お願いできませんでしょうか?」
と米長さんが言うので
 
「いいですよ」
と淳も了承した。
 
クレールが仙台市中心部からけっこう外れた場所にあるので、仙台駅から臨時バスを運行することにし、これはプロダクション側が手配してくれた。その情報も追加で各々のホームページに記載した。
 
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カウントダウン・ライブの出店を運用したクルーはライブ終了後和実の家に寝泊まりして、翌朝お屠蘇とおせちに雑煮を食べ、お昼に焼肉をしてそれから解散したのだが、そのお昼の席で翌日1月2日に女子高生トリオのライブをすることを言い、出てきてくれる人がいないか尋ねた。
 
「何時から何時くらいですか?」
「ライブは13時から1時間くらいになると思うんだよね。でも準備と後片付けがあるから11時から16時くらいまで。5時間拘束。報酬は時給1200円で6000円の所をお正月相場で1万円」
 
「だったらしますよ」
と6人のメイド全員が言うので、6人もは必要無いかもと思ったが、念のためお願いすることにした。
 
「その中で2人くらい可能だったら9時くらいから出てきてくれると助かるんだけど」
 
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「ああ、だったら私、来ますよ」
とマキコが言うと
 
「だったら私も」
とライムが言い、この2人が早めに出てきてくれることになった。
 
「ねえ、男手が欲しいんだけど、伊藤君も来れない?」
「ああ、いいよ。休み中だし」
「僕も手伝おうか?」
と紺野君が言うので
「うん。お願い」
と和実は照れるような顔で言った。
 
淳が軽い嫉妬の視線を送っているのだが、気付いたのは若葉と伊藤君くらいであった。もっともふたりとも過去の和実と紺野君のいきさつを知っているのでふたりの間に恋愛関係ができることはあるまいと踏んでいる。
 
ともかくもそれで結局紺野君と若葉はその日も和実の家に泊まり2日のライブの手伝いをして、そのあと東京に戻ることにしたのである。
 
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2017年1月2日。オールジャパン(皇后杯・全日本総合バスケットボール選手権)が開催される。
 
ちなみに「全日本総合バスケットボール選手権」の名前で開催されるのは今年が最後で来年度からは「全日本バスケットボール選手権」という名前に変更される。
 
千里がオールジャパンに出るのは今回で4度目である。しかし千里はここまで毎回違うチームのメンバーとして出場している。
 
2008年1月には旭川N高校のメンバーとして出場。3回戦まで勝ち上がってプロの強豪・ビューティーマジックと激戦を演じて敗れ、BEST16に留まったものの、得点女王・スリーポイント女王を獲得している。
 
2012年1月には千葉ローキューツのメンバーとして出場。三木エレンを擁するサンドベージュを倒して準々決勝に進出する快挙をあげるも、レッドインパルスに敗れ去り、BEST8に留まった。しかし千里はまたスリーポイント女王に輝く。
 
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2016年1月には東京40 minutes(フォーティーミニッツ)のメンバーとして出場。1回戦で九州代表、2回戦でWリーグ9位のシグナス・スクイレル、3回戦でWリーグ7位のブリリアント・バニーズを倒して準々決勝まで勝ち上がる。ブリリアント・バニーズの監督は2010年に千里が日本代表のフル代表候補に召集された時の代表監督・田原幸次郎さんであるが試合終了後、千里の肩を叩いて「完全に復活したね」と言ってくれた。
 
そして40 minutesは更に千里を知り尽くしているレッドインパルスをも倒して準決勝まで進出した。レッドインパルスとは日々一緒に練習しているのだが「サン、ずるい。普段の練習では手を抜いてたろ?」と彼女たちから言われるほど、千里は進化していた。
 
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なお、トッププロチーム以外が準決勝まで出たのは1999年の日本体育大学以来17年ぶりの快挙であった。しかし準決勝ではエレクトロウィッカの花園亜津子との死闘に敗れ、あと少しで決勝進出の夢を逃した。
 
3位に終わったものの、千里は三度スリーポイント女王を獲得するとともにベスト5に選ばれた。この年のベスト5は、千里と亜津子という2人のシューティングガードが選ばれるという異例のラインナップとなった。
 

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そして千里は2016年春、オールジャパンで自らが倒したレッドインパルスに移籍。プロチームは自動的にオールジャパンに出場できるので、4度目のオールジャパン出場を果たしたのである。
 
■千里の在籍チーム 
2003.4-2006.3 留萌S中(女子) 
2006.3-2009.3 旭川N高校(2006.4-11は男子.12以降女子) 
2009.6-2012.3 千葉ローキューツ 
2013.10-2016.3 東京40 minutes 
2016.4- レッドインパルス 
 
 
今年オールジャパンに出てきたのは次の32チームである。
 
Wリーグ(12) 1.サンドベージュ 2.レッドインパルス 3.ビューティーマジック 4.エレクトロウィッカ 5.ブリッツレインディア 6.ブリリアントバニーズ 7.フラミンゴーズ 8.ステラストラダ 9.フリューゲルロースト
10.ハイプレッシャーズ 11.シグナススクイレル 12.バタフライズ
 
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大学(8) 1.栃木K大 2.東京MH大 3.大阪HS大 4.東京W大 5.愛知AS大 6.川崎C大 7.茨城TS大 8.西宮KG大 
高校(1) 愛知J学園(インターハイ優勝)
 
社会人(2) 1.ジョイフルゴールド 2.東京40minutes
 
地域代表(9) 北海道.クロックタワー 東北.山形D銀行 関東.千葉Rocutes 北信越.金沢H大学 東海.岐阜F女子高 近畿.和歌山K銀行
中国.岡山H女子高 四国.愛媛みかんず 九州.福岡W大付属高校
 

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この1年間を振り返ってみる。3月までは40 minutesの一員として活動し、全日本クラブ選手権で優勝(2連覇)して自らの花道とした。4月からレッドインパルスの一員にはなるものの、実際には8月までは日本代表としてリオ五輪に向けての活動に終始する。
 
5月にはオーストラリア代表を迎えて強化試合をおこない、5月後半から6月頭に掛けてはヨーロッパ遠征(フランス・ベラルーシ)で5ヶ国と対戦。更に6月下旬にもチェコ遠征。7月下旬には南米に渡り、アルゼンチンで調整した上でブラジルに入り、オリンピックに出場した。
 
オリンピックでは、予選では3勝2敗となるも、極めて複雑な順位付けルールのため準々決勝でアメリカと当たることになる。ユニバーシアードで日本に苦戦していたアメリカは最初から超本気で、ダブルスコアで日本を下した。日本はこの大会ではBEST8に留まることになった。
 
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一方4-5月には40 minutesの運営会社、選任ドライバーさんたちの会社、体育館の運営会社と、続けざまに会社設立に関わっている。
 
体育館の建設は★★レコードの内紛に伴い株価が激しい上昇と下落を繰り返したのに乗じて、雨宮先生が盛大な株の売買をして巨額の利益を得たので、その株売買の資金を提供した冬子と千里に、利益の分け前をくれたので、その資金で建設したものである。それで千里と冬子が主として資金を提供。上島雷太とKL銀行も巻き込んで(40 minutes, Rocutes, Joyful Gold, 江戸娘の)4者共同の建設となった。冬子が関わったことから音響的にもかなり良い設計をしており、ライブ会場としても優秀なものに仕上がった。この体育館は11月に竣工した。
 
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春から秋にかけては、千里や玲央美たちが中心になって創設したクロスリーグも実施された。参加したのは40 minutes, Rocutes, Joyful Gold, Red Impulseで、近くに存在するのに対戦する機会の少ない、クラブチーム、実業団、プロの垣根を越えてお互いを切磋琢磨することを目的としている。11月からはここに江戸娘も参加することになった。これは冬季はレッドインパルスがWリーグで忙しいこともあって、代わりに参加する形になったのだが、来春からは東京W大学も参加する意向を表明している。
 
2018年からはクラブ協会、実業団連盟、教員連盟、家庭婦人連盟が社会人連盟として統合され、地域リーグが創設されることにはなっているが、それでもプロ・社会人・大学生の交流試合は少ないので、2018年以降も形を変えて継続しようと、玲央美や広川さんとは話をしている。
 
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オリンピックが終わった後、9月はバスケット活動は実質お休みのようなものであったが、この間北海道に2度、沖縄、仙台などとあちこち飛び回っている。
 
10月からはいよいよWリーグが開幕。レッドインパルスは最初のサンドベージュとの連戦こそ落としたものの、その後は順調に白星を重ね、優勝を狙える位置に付けている。
 

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■女子バスケット選手の日々・2017オールジャパン編(1)

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