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■△・Who's Who?(4)

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なおK門主が席を立ち、千里3が彼をトイレに案内した後、お堂には千里1が入って来て壁際に立った(きーちゃんがナビしている)。
 
そこに薬を飲みに席を立っていたC門主が戻ってくる。お堂に入ったところで千里に気づきギョッとした顔をしている。廊下を振り向くが千里2の姿は見ない。
 
「どうかなさいましたか?」
と千里1が声を掛けた。
 
「いや。なんでもない。さっきはありがとう」
「私は何もしておりませんが、何か御用事がございましたら、遠慮無くお申し付け下さい」
「うん、よろしく」
 
C門主がそんな会話をしていた所にK門主が戻ってくる。K門主も壁際にいる千里を見るとギョッとした顔をし、思わず廊下を振り返るが千里3の姿はその付近には無い。
 
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「どうかなさいました?」
「あ、いや、なんでもない。さっきはありがとう。君も無事女人成仏できるといいね」
「ありがとうございます。私みたいな罪深き者でも成仏できますかね」
「もちろん。さっきも言ったように阿弥陀様は全ての人を救うのだよ」
「だったらいいですね。何か御用事がございましたら、遠慮無くお申し付け下さい」
「うん、よろしく」
 
それでK門主は席についたがC門主が声を掛けた。
「何かあったの?」
「いや。何も。Cさんこそ何かあったの?」
「何も無いよ」
 
ふたりが会話をしている所を見て顔を見合わせる人が多くあった。そもそも長年対立している**寺の門主と**寺の門主が並んでいる姿を見ること自体が極めてレアである。それが更に会話しているとなると、何十年に一度の出来事ではないかと多くの人が思ったのであった。
 
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そしてこの法事の席に3人の千里が出没していたことは、誰にも気づかれなかった。(虚空や子牙さえも気づかなかった)
 

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「なんかやっと揃ったね」
「まあ私はまだしはらく日本と韓国とを行き来しないといけないけどね」
 
「でも全員揃ったのは80年ぶりくらいかなあ」
「南と北に別れちゃったからね。中国も一時は日本と行き来ができなかった」
 
「私の言葉変じゃない?ずっと文化語(ムンファオ:北朝鮮の標準語)になじんじゃったから、標準語(ピョジュノ:韓国の標準とされる言葉)とは色々違って通じにくいかも知れないけど」
 
「そんなのどこの国にも地方地方のことばがあるから問題無い」
「うん。千里なんて本人は東京が長いから東京方言だけど、千里の彼氏は大阪が長いから大阪方言で話して、それでちゃんと話通じているし」
 
「言葉は通じているけど、話の中身に問題があって、しょっちゅう彼氏はおしおきをくらってるけどね」
 
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「だいたい私なんて韓国語あまり分からない」
と片言の韓国語で言っているメンバーもあるし
 
「誰か中国語に翻訳してよ」
と中国語で話している子もある。
 
そういう訳で、この日は数十年ぶりに“コシネルズ”(中国語:紅娘)のメンバーのほとんど(一部欠席者あり。実はメンバーかどうか微妙な子もいる)が日本の仙台に集まったのである。コシネルズの世話人である千里3も来ている。実は和実のお店・クレール(若林店)で、集まりをしている。
 

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多くのメンバーが300-500歳くらい(人間でいうと20-30歳?)で、多くが鳥族の性転換女性である。それで女の子の鳥族→lady bird→coccinelle という連想である。鳥族なので・・・実は全員元々ペニスを持っていない!!が、人間体の時はペニスがあったのを多くは手術して除去している。人間体の状態で手術を受けると、鳥体の時は元々ペニスは存在しないが、睾丸が無くなっていたらしい。鳥体で睾丸を除去した場合、人間体ではどうなるのかは、試した者が居ないので不明。
 
英語のlady birdはテントウ虫を表し、フランス語ではコシネルになる。フランスで性転換ダンサーを多く使用したことで知られるキャバレー“カルーゼル”(回転木馬の意味)にコシネル(1931-2006)という性転換美女がいたのも背景にある。
 
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テントウ虫は中国語では瓢蟲(ピャオチョン)あるいは日本語でもこういう漢字を書くが紅娘(ホンニャン)ともいう。紅娘は発想がlady birdと似ている。現代ではlady birdのladyとは聖母マリアのことでマリア様のドレスに描かれていた7つの模様に似ているからと説明され、7は7つの美徳(知恵・勇気・節制・正義・信仰・希望・愛)を表す、ともいうのだが後付けっぽい。紅娘は赤くて小さな虫だからということ、テントウ虫(天道虫)はお天道様(おてんとうさま)に向かって飛んで行く虫だからと説明されている。フランス語のcoccinelleはラテン語のcoccineus(紅色)に由来して、つまり紅娘と同じ発想である。
 
以下はこの日集まったメンバーである。
 
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キム・ソンミ 本地は鷹。昨年夏にアクアの家庭教師をした人。1615年生まれ。ここ30年ほどは韓国国内で中学教師をしていた。1960年代にモロッコで性転換手術を受けて女性になった。女性になったのは「男として生きるのに飽きたから」らしいが「女になってとても調子がいいわよ。あなたもちょっと性転換してみない?」などと男性時代の友人たちを唆している。2012年に来日し、↓美恵の家に居候。
 
金子美恵(キム・ビヘ)本地は鷹。ソンミの父の姉(元兄)。1272年生まれ。ずっと女装男性として生きて来たが、1930年にドイツで性転換手術を受けて女性になった。1970年代に来日して日本人と結婚。宮城県丸森町で夫と大規模な農園を営んでいる。このチームのスポンサーで“部長”の肩書きでしばしばベンチにも座る。日本バスケット協会のコーチライセンスも所持している。
 
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金子由貴(キム・ハウン)美恵の娘。1989年生。遺伝子上は美恵の夫(人間)と亡くなった前妻(人間の韓国人)の娘。由貴の実母は由貴を産んですぐに亡くなった。生まれながらの日本国籍だがハウンという韓名も持つ。高校卒業後アメリカに留学してNCAA/WBCBLのバスケットチームで活躍する傍らアメリカの会計士の資格を取った。身長も175cmあり、見た目も男っぽく、声も低いため、しばしば男に間違えられ、女湯などで悲鳴をあげられたのは数限りない。スパなどでは普通に男性用ロッカーの鍵を渡されて困る。女だと主張してパスポートなどを見せると、概ね性転換した元男なのだろうと思われ、ガールズオンリーバーには入場できなかった!千里などもてっきり元男性と思い込んでいるが、実はこのチームで唯一の天然女子である!そして実は唯一の人間である!!
 
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チャン・スヤン 本地は鷲。この時点でまだ韓国在住。慶州(キョンジュ)に自宅がある。2019年夏には青葉が光州(クァンジュ)の世界選手権の会場から日本までピンポイントリターンする手伝いをしてくれた。彼女は若い頃に自分で男性器を切り落として男を廃業したのだが、ずっと後の1750年頃にフランス人医師の手で女性器の形成手術を受けている。
 
イ・ヘラン 本地は鷲。スヤンの300年来の友人。1800年頃、イギリス人医師の手により性転換手術を受け女性になっている。ずっと釜山(プサン)に住んでいたが、朴正煕(パク・チョンヒ)政権の圧政を嫌って1973年に日本に移住。
 
リ・スッチー 本地は鷲。イ・ヘランの従妹。イ・ヘランもリ・スッチーも苗字は「李」だがこの苗字は韓国標準語では「イ」と読み、北朝鮮文化語では「リ」と読む。北朝鮮の清津(チョンチン)にずっと住んでいたが、金正恩(キム・ジョンウン)政権になってから身の危険を感じて脱北した。ヘランと連続して手術を受けたので女性の身体になってからもう200年以上経っている。
 
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ソ・ヨンシル 本地は鷲。スッチーの友人。長年北朝鮮に住んでいた。1750年頃の生まれ。この子は女の子みたいに可愛いから女にしてしまおうと言われて、まだ物心もつくかつかない内に、イギリス人医師の手で性転換手術を受けさせられたので、実は男の子時代の記憶がないが、別に男に戻りたいと思ったこともない。彼女も最近の圧政で身の危険を感じ、実は先月“空を飛んで日本海を横断して”日本にやってきた(密入国)。
 
王風玲(ワン・フォンリン) 本地は隼。北京近郊に長く住んでいた。1500年頃の生まれ。150歳頃、友人に宦官にならないかと誘われ、一緒に手術を受けた。ずっと親しんできた男性器を(専門の“刀子匠”に)切断してもらったが、切った後でかなり後悔したらしい。美貌だし声変わり前に去勢しているので“美少女”扱いされ、女の服を着るのに味をしめた。男にも女にも愛されたが本人としてはあまり恋愛感情は無いらしい。辛亥革命で清朝が倒れた後は、女の振りをして女装で生活している。胸も女性ホルモンを摂って大きくした。実はまだ女性器は作っていないので現時点では中性。もっとも周囲からはさっさと完全な女になればいのにと言われている。このチームのキャプテンである。
 
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陳洋梅(チン・キャンメイ) 本地は隼。フォンリンの長年の友人で、夫婦だった時期もある。文化大革命の時期に粛正されそうな予感から、当局の追及を逃れるのに闇の性転換手術を受けて女性に生まれ変わった。最初は性転換を後悔し、男に戻りたいと思っていたもののフォンリンから“女性化教育”を受けて次第に女も悪くないなと思うようになった。性転換に伴い夫婦関係は解消し、友人ということにしたがそのまま一緒に住んでいる。
 
陳月麗(チン・ユエンリー) 本地は隼。実は洋梅と風玲が夫婦だった時期にできた?娘。どうやって月麗ができたのかについては、両親ともに語らない。しかし両親の愛をたくさん受けて育っているので月麗としては特に問題にしない。物心ついた頃から自分は女なのではと悩み、母に相談したところ、性別移行を勧められた。女の子の服を着て生活するようになり、話し方や歩き方・仕草などは母からしっかり教育を受けてすっかり女らしくなった。1970年にモロッコに渡り、性転換手術を受けて、息子から娘に生まれ変わった。母同様に声変わり前に去勢したため、とても女らしい。実は月麗が性転換した後で父が性転換して女になったのでびっくりしたが、母と2人で男っぽさの残る父を教育して少しずつ女らしくしていった。父は最初女湯に入るのも恥ずかしがっていたが、風玲と月麗で強引に女湯に連れ込んで慣れさせた。
 
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龍佳晶(ロンチャーチン)本地は隼。月麗の友人。男の子だった頃からの友人で、月麗が性転換手術を受けて女の子になったので「いいな、いいな」と羨ましがり、月麗の2年後にモロッコで性転換手術を受け、男の子から女の子へ華麗な変身を遂げた。手術後「本当に女の子の身体って素晴らしい」と感激した。「男の子は生まれたらすぐに手術して女の子に変えてあげるべきだよ」などと過激なことを言っている。
 
ダシュツェレンギーン・サラントヤ 本地は宙飛(ちゅうひ。沢鷹とも書く)。ここで“ダシュツェレンギーン”は苗字ではなく父称である。ダシュツェレンの子供という意味。モンゴル人には苗字は無い。サラマントヤは女の子によくある名前で月光という意味。200歳頃に魔術師兼医師に手術してもらい男性器を除去して、族長から新たな女子としての名前サラマントヤを与えられ、その後、女として生きてきている。近年になって中国の病院で女性器を形成する手術を受け、男性と性交できる身体になった。初めての女性としての性交では嬉しくて涙が出たという。中国でコンピュータの勉強をしている内に陳洋梅と親しくなった。白鵬の熱烈なファン。
 
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