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■少女たちの代役作戦(4)

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その後も4人で一緒に行動したが、千里は更に2個見つけ、何も見つけきれずにいた、鞠古君と元島君のペア、恵香と佳美のペアにも1個ずつ分けてあげた。
 
宝のカタログに書かれているのは数字だけなのだが、宝探しが終わった所でそれを桜井先生の所で実際の賞品と交換してもらう。
 
千里と留実子がゲットしたのは、運動靴の交換券とショートケーキの交換券でいづれも地元のお店で交換可能なものである。千里も留実子も今履いている靴がけっこう痛んでいたのでちょうど良かった。
 
蓮菜たちに譲ったのが北海道グリーンランドの入場券とカードキャプターさくらの映画チケットで、まるでデートしろといわんばかりの賞品だ。
 
「まあせっかく当たったし、あんたと一緒に行ってやってもいいよ」
などと蓮菜は言っていた。全く素直じゃない。
 
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鞠古君たちに譲ったのは旭川のレジャープールの入場券、恵香たちに譲ったのは和菓子屋さんの交換券であった。
 
「あんたたちでいちばん豪華な賞品を独占してるね」
と桜井先生が笑って言っていた。
 
宝のカタログは全部で50本あったらしいが、10本が金賞で、この4組でその内の6本を見つけ出したのである。
 

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宝探しの後はキャンプ場内の集会所に入って、キャンプ場のスタッフさんの指導のもと、木の枝とドングリで人形作りをした。鞠古君が器用で、このグループは各々の人形に楽器を持たせて、合奏のようにした。蓮菜と田代君の人形がヴァイオリン、留実子のがヴィオラ、鞠古君のがチェロ、高山君のがクラリネット、千里のがフルートという感じである。
 
人形作りの後は、男子はキャンプファイヤーの薪割り、女子は夕食の調理ということになった。
 
もっとも教頭先生は
「最近こういうの男女で分けると苦情が来るらしいので、女子でも薪割りしたい人はしていいし、男子でも調理に参加したい人はしていいから」
 
と言った。それで蓮菜が「よし、薪割りに参加しよう」と言って田代君と一緒に頑張っていたし、鞠古君は「俺は調理に参加しようかな」と言って、参加して華麗な包丁さばきを見せていた。
 
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「鞠古君、うまーい」
「おうちでもしてるの?」
「うちは共働きだからね〜。けっこう俺が作る日もあるよ」
「凄い、凄い」
 
「でも鞠古君、お姉さんいなかったっけ?」
「姉貴は全然料理はしない」
「ほほぉ」
「いい主夫になれるね」
「うん。料理苦手だけど可愛い女の子とか歓迎」
「ほほぉ」
 
なお、千里は当然調理組、留実子は当然薪割り組に入っていた。
 

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お昼はキャンプっぽくするのに、河原にかまどを組んだのだが、夕食は集会所に付属する調理室でガスを使い、豚汁を作った。ご飯も電気ジャーで炊いた。この日は一般のキャンプ客も結構来ており、調理室を使う人たちもあるのでN小の児童たちは調理室内の2つの調理テーブルの内1つだけを使い、2個のコンロで煮たので、材料を切っては煮て少し煮えたらその鍋は下ろして次の鍋を煮るという形で進めることにした。余熱で煮えるのも計算に入れた調理である。
 
夕食の調理を始めたのが4時半すぎであったが、作業をしていたら教頭先生が回ってきて
 
「これお風呂の時間割ね」
と言って紙を数枚調理室に置いていった。
 
一般男性 16:30-17:30
N小男子 17:30-18:10
N小女子 18:20-19:00
一般女性 19:00-20:00
 
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となっている。浴室がひとつしかないので、それを交代で使用するのである。
 
「男子の入った後に入るのか」
「でも私たちの入った直後に男子に入られるよりいい気がする」
「確かに確かに」
 
「でも18時20分からなら、だいたい調理のきりがついたあたりで行けばいいね」
 
「うん。そんな感じだね」
と鞠古君まで言っているので
 
「あんたはそろそろ行かなきゃ」
「あら、女子は18:20からでしょ?」
と鞠古君が言うので
「女子の時間帯に入りたければ手術してチンコ取ってからにしろ」
と恵香に言われて、ついでに美那に蹴りを入れられていた。
 
それで鞠古君は17:25くらいに調理室を出てお風呂に入りに行った。
 
そしてこの時点で誰も千里のお風呂問題のことに気づいていない。
 
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そのあと、他の女子たちはまだおしゃべりしながら豚汁作りを続けていたのだが、18時近くになってから、様子を見に来た教頭先生が「あっ」と小さい声をあげて千里のそばに寄り
 
「村山君、ちょっと」
と小声で言って調理室の外に連れ出す。
 
「君、お風呂は?」
「うーん。どうしようかと思ってたんですけどね〜」
「男子の入浴時間はもう終わっちゃうよ」
「ちょっと他の男子のいる所には入りたくなくて」
「気持ちは分かるけど、汗かいてない?」
「かなり掻いてます。汗は流したいんですよね」
「だったら、18:10ぎりぎりを狙って行ったら?そしたら他の男子とあまり接触しなくて済むでしょ。女子は18:20からだから、少し時間オーバーして、それまでにあがればいいよ。10分間では慌ただしいけど」
 
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「あ、その方式いいですね。じゃ、私。それで行きます」
「うんうん」
 

それで千里はそのまま離脱して集会所の隅に置いている自分の荷物からタオルとシャンプーセット(シャンプー・コンディショナー・ボディソープ)に替えの下着の入ったビニール袋を取り、管理棟の反対側の方にある浴室方面に向かう。千里が集会所を出る時、時計は18:03であった。
 
この管理棟は左端に集会所と調理室があり、途中に事務室や用具室、それに玄関と小ホールをはさんで、向こう側には若干の宿泊ができる部屋が並んでいる。そしてその先にトイレと浴室があるのである。浴室はだいたいおとな17-18人程度が同時に入れる広さだということであった。今回のN小の参加者は男子25名・女子19名だが、小学生なので十分収容能力がある。
 
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それで浴室のドアを見て、少しためらった末にそこを開けようとしたら
 
「あ、ダメダメ」
と声を掛けられる。
 
25-26歳の男性だ。どうもキャンプ場のスタッフさんのようである。
 
「君N小学校の生徒?」
「あ、はい」
 
「女子は18:20からだから、もう少し待って。今はまだ男子が入っているよ」
「すみませーん!」
「男子があがった後で、スタッフが簡単に清掃した上で、女子を入れるから」
「分かりました」
 

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ということで千里は男子が入っている時間帯にお風呂に突撃することはできなかったのである!
 
それでどうしようと思っていた所に、管理棟右端の通用口の所から30代くらいの女性が入って来た。一般の利用者さんのようである。
 
「すみません。キャンプ場のスタッフの方ですか?」
「あ、はい」
と風呂場のそばに立っていた男性は答える。
 
「散策していたのですが、子供とはぐれてしまって」
「お子さん何歳ですか?」
「小学1年生なんです」
「男の子?女の子?」
「男の子です。カオルというのですが」
「カオル君? どのあたりではぐれたんですか?」
「双子沼まで往復してきたんです。帰り、私と夫は疲れてしまって。子供だけ先に走っていくもので、ひとりでそんなに走って行ったら迷子になるよ、と言っていたのですが、こちらに戻って来ても見当たらないもので」
 
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「それはいけない。何人か出て探しましょう」
とスタッフさん。
 
その時、千里は言った。
「私も協力しましょうか? 私、人探すの得意なんです」
「ほんとに?」
 

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しかし千里が小学4年生なので、君自身が迷子になられては困ると言われ、結局千里はそのお母さんと一緒に探しに行くことにした。
 
日没は18:50である。30分程度以内に見つけ出さないと捜索作業自体が危険になってしまう。
 
千里はタオルや着替えなどを浴室近くにある洗面台の所に置くと、そのお母さんと一緒に外に出た。
 
千里は目をつぶって自分の感覚を研ぎ澄ます。
 
スタッフさんが数人動き回っているのを感じる。邪魔だなと千里は思った。その人たちの「波紋」のおかげで目的の波紋を探しづらいのである。
 
「カオル君の持ち物が何かないですか?」
「あ、はい。えっと持ち物はないですけど写真なら」
「見せて下さい」
 
お母さんが自分の携帯を開くと、待受画面に子供の写真が写っている。千里はじっとその子を見つめた。そして再度目をつぶって感覚を鋭敏にしていく。
 
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「こちらに居ます」
と言って左手を指し示す。
 
「行ってみましょう」
「はい」
 

それで千里はその子の「波紋」を感じ取りながら道を歩いて行く。波紋が少しずつ強くなっていくのを感じる。
 
「だいぶ近づいてきましたよ」
「本当ですか?」
「泣いてますね」
「ああ・・・」
 
そして千里は管理棟を出てから10分ほどで、あまり人が通って無さそうな雑草で覆われた道の途中で、その子が崖からすべり落ち斜面途中に引っかかっているのを発見したのである。
 
「カオル!」
「おかあちゃん!」
 
と子供は泣きべそ顔である。お母さんが助けに降りようとするのを千里は止めた。
 
「これ危険です。男の人に任せましょう」
 
それでお母さんは自分の夫と、キャンプ場のスタッフさんに携帯で連絡を取る。
 
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カオルは母親の顔を見て安心したのか動こうとしたのを千里が制止する。
 
「カオル君、動いたらダメ。今おとなの人が助けに来るからね。君、男の子だろ? 我慢してじっとしてなさい」
「でもぉ・・・」
「じっとしてなかったら、男の子らしくないと言われて、おちんちん取って女の子にされちゃうぞ。名前もカオリとかにされちゃうぞ」
 
「ちんちん取られたくない」
「だったら、じっとしてる。いいね?」
「うん。我慢する」
 

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そんなことを言っていた時、ひとりの初老の男性が通りかかった。
 
「どうしたの?」
「子供が滑り落ちてしまって」
「おお、それはいけない。僕が助けてあげるよ」
「危ないですよ?」
「大丈夫。僕は山には慣れてるから」
 
そう言うと、男性は斜面をゆっくりと降りて行き、カオルを確保した。彼を背中にしょって斜面を登ってくる。
 
「はい、お母ちゃんとお兄さんだよ」
と言って、カオルを下に降ろす。
 
「お母ちゃん」
と言ってカオルが母親に抱きついた。
 
「お兄さんと一緒に歩いてたの?」
と初老の男性が千里に訊く。
「あまりお兄さんと言って欲しくないなあ。私は通りがかりのものです」
「ああ、今気づいた。君って魂が女の子だもんね。女の子になりたいの?」
「なりたいです」
「ふーん。僕の弟子になるなら女の子に変えてあげてもいいけど」
「変える?」
「僕は男を女に変えたり、女を男に変えたりできるんだよ。僕自身も去年までは女だったんだけどね。飽きたから男になってみた」
「それすごく興味あります」
 
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そんな会話をしていた時、キャンプ場のスタッフさんがやってきた。やがて父親もやってくる。それで騒がしくなってしまったので、千里は初老の男性が言ったことは気になったものの、そっとその場を離れた。
 
 
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少女たちの代役作戦(4)

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