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■少女たちの入れ替わり大作戦(3)

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やがて3年生の女子が終わって4年生になる。その頃には4年2組の女子もやってきた。千里を見てギョッとしている子もいるが、リサなどは手を振ってきたので、こちらも手を振っておいた。
 
「4年1組の子は保健室の中に入って」
と保健室の佐々木先生が言うので千里まで入れて12人の女子が保健室内に入る。この佐々木先生も今年赴任してきた先生である。
 
すると蓮菜が佐々木先生に言った。
「村山が急用があるらしいんです。最初にやってもらえませんか?」
「うん。いいよ。村山さんの診断票ある?」
「すみません。プリンタの調子が悪くて彼女のだけ出力できなかったらしいんです」
「あらあら」
 
と言って先生は蓮菜・千里と一緒にクロススクリーンの向こう側に行く。そして蓮菜は他の子には「もう服を脱いでて」と言った。
 
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クロススクリーンの内側で先生はパソコンのモニターを見ながら
「出席番号は?」
と訊くので
「23です」
と千里が答える。
 
それで佐々木先生は4 1 23 と入力して千里のデータを画面に呼び出した。
 
「はい、村山千里さんね。じゃ身長・体重を測ろう」
 
ということで、千里はすぐにセーターと上着、ズボンを脱いだ。その下には女の子シャツと女の子パンティを着ている。女の子パンティに特に膨らみなどは無い。普通の女の子のシルエットである。蓮菜がそれを見て頷いている。身長計に乗る。
 
「身長138.1cm」
 
続いて体重計に乗る。
「体重29.4kg」
 
先生はその数値を直接パソコンに登録していた。
 
「じゃ村山さん、そちらで先生の診察を受けて」
と言われるので白衣を着た女性のお医者さんの前にあるパイプ椅子に座る。蓮菜はクロススクリーンの向こう、に声を掛けて「先頭の恵香入って」と言った。恵香の身長と体重を測定して先生に告げ、先生が数字を入力する。その間に千里は医師の診断を受けていた。
 
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シャツをめくって、聴診器を胸、おなか、背中に当てられる。背中を調べられる時は後ろを向くがその時は視線を下向きにして恵香の下着姿を見ないようにしていた。
 
「どこか体調の悪い所とかはありませんか?」
「特にないです」
「生理は来てますか?」
「まだ来てないです」
 
千里が生理のことを訊かれても顔色ひとつ変えずに答えるのを横目で見ていて、蓮菜は「ふーん」と思っていた。
 
医師の診察が終わると、診断票代わりに保健室の先生が書いてくれた「4年1組23・村山千里」という紙を持ち、自分の着替えを抱えたまま、保健室の外に通じる扉から出て、外に駐まっているレントゲン車に入る。扉と車の出入口の間には目隠しが立てられていて、他からは見えないようになっている。
 
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女性の技士に紙を渡してから部屋の中に案内される。
 
「このシャツならそのまま問題ないな。ブラジャーは?」
「してません」
「だったら、このまま撮れるね。この機械に抱きついて」
 
といわれるので指示されるままに機械に抱きつく。
 
「大きく息を吸って止めて」
「はい、OKです」
 

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レントゲンの撮影が終わり、部屋を出ると、恵香が入ってきた。手を振り合う。恵香とはいつも仲良くしているので、下着姿を見てもわりと平気であるが、千里はできるだけ彼女の首から下を見ないようにした。しかし恵香は千里の下着姿をしっかり見ている感じだ! 頷くようにしてから恵香が撮影室に入り、千里は服を着る。
 
恵香は「このシャツは悪いけど脱いで」などと言われていた。女子の下着の場合、飾りなどが付いているものはそれが映り込んでしまうので脱ぐ必要がある。千里は服を着終わるとそのまま校舎の外側を通って正面玄関から中に入り教室に帰還した。千里がレントゲン車の外に出たのを見てから蓮菜は次の子を保健室から送り出したようであった。
 
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要するに今回蓮菜は千里を先頭にすることで、恵香以外の子の下着姿を千里が見ることがないようにコントロールしたのであった。
 

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4月下旬のある日、千里たちは6時間目が体育で、体育館でマット運動と跳び箱をしていた。マット運動の前には念入りに柔軟体操をさせられたが、女子体育の桜井先生は千里を留実子と組ませた。お互いに問題の少ない相手である。
 
マット運動では前転と補助倒立をする。留実子は長身のリサと組んで補助倒立をしていた(留実子は本当は補助されなくても倒立できる)。千里は恵香と組んだ。跳び箱はまだ6段を飛べる子はおらず、運動神経の良い穂花と留実子が5段を飛べたのが最高。千里も4段までしか飛べなかった。リサは身体が大きいので運動神経も良さそうに思われがちだが、わりと鈍いので3段でも引っかかったりしていた。
 
授業が終わって用具を片付けていたら、放課後部活をする上級生が入って来て少し交錯する。その中に剣道部の子が数人いて、ふざけてチャンバラのまねをしていた。千里が恵香たちと一緒に跳び箱を用具室に運び出てきた所にひとりの男の子が「やぁ!」などと言って竹刀(しない)を振ってくる。
 
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どうもその子は誰か別の子と間違えたようであった。
 
しかし彼が竹刀を振り下ろしてきた時、千里は瞬間的に反応してその竹刀を右手で払った。
 
「わっ」
と彼が声をあげる。竹刀は向こうの方に飛んで行った。
 
「あ、ごめん」
と彼は間違いに気付いて言ったのだが、それを向こうの方で見ていた剣道部部長の鐘江さんが寄ってきた。
 
「君、放送部の子だったね。何か気合い凄いね」
と千里に言う。
 
「そうですか?」
「怪我は無かった?」
「ええ、平気です」
と千里は竹刀に接触した右手部分を確認してから答えた。
 
「ね、ね、ちょっと対戦してみない?」
「へ?」
 
それで千里は竹刀を借りて、鐘江さんと勝負(?)することになる。お互い防具は付けていないものの鐘江さんは上手(じょうず)で「当て止め」ができるし、千里は初心者だから当たっても大したことないだろうと踏んだようである。
 
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竹刀の握り方を教えてもらった後、簡単にルールを説明される。
 
「頭に当たったら『面』、手首付近に当たったら『小手』、お腹付近に当たったら『胴』。それ以外の部分は攻撃禁止。特に喉に当てる『突き』は絶対禁止で。面も耳から下には当てないように」
 
一度鐘江さんと、副部長の森山さんとで模範演技を見せてくれた。森山さんが面を狙ったのに対して鐘江さんが鮮やかに小手を取って勝った。
 

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それで千里と鐘江さんの対決となる。
 
鐘江さんは中段に構える。千里も見よう見まねで同じく中段に構える。千里は対峙してみて、相手に攻められそうな場所が見当たらないので「どうすりゃいいんだ?」と思う。こちらが攻めないので、向こうから迫ってきた。
 
小手を狙ってる!
 
と思った千里はさっと横に動く。軽く突くようにしてきたのをこちらの竹刀で払う。その瞬間、向こうは大きく振りかぶった。が千里は後退して逃げる。向こうも深追いしてもと思ったのか、いったん下がって中段の構えに戻す。こちらも少し前に出る。
 
その後何度か鐘江さんが攻撃してきたものの、千里はひたすら逃げた。
 
「なんで逃げるの?」
と鐘江さんは竹刀をいったん納めてから訊く。
 
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「だってカウンター狙っても勝てそうにないから」
と千里も竹刀を下に垂らして言う。
 
「さっき鐘江さんが振りかぶった時、こちらが胴を狙いに行けば身をかわして脇から面を取ってましたよね」
と千里。
 
「そこまで読めるのは凄いよ」
と鐘江さんは言った。
 
「君、剣道部に入らない?」
と鐘江さんは誘ったが
 
「うち、貧乏だから道具を買うお金が無いです」
と千里は答えた。
 

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この年のゴールデンウィークは4月29日・みどりの日が土曜で、前半は連休の雰囲気が全くなく、5月3日(水)から7日(日)までの5日間がかろうじて連続休みになる日程だった。千里の父はだいたい月曜日に出港して木曜か金曜に帰ってくるパターンなのだが、5月1-2日は漁を休んだので、結果的に父だけ29日から7日までの9連休になった。
 
母はこの春からパートに出始めたので、5月1-2日は父だけ家にいる形になり機嫌が悪かったようである。玲羅が
 
「お父ちゃんだけ居るうちに帰りたくない。お兄ちゃんが帰るまで学校で待ってる」
などと言ったので
「お姉ちゃんと呼ぶなら一緒に帰ろう」
と千里は言った。
 
「うーん。じゃ今日と明日は特別に『お姉ちゃん』で」
などと玲羅は言っていた。
 
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それで5月1日は千里の授業が終わるまで玲羅は学校の図書室で待っていて、それから一緒に学校を出る。母から買物を頼まれていたのでいったん町に出る。
 
「私ハンバーグ食べたい」
などと玲羅が言うが
「予算が足りないから無理」
と言って、100円ショップでスパゲティ500g入り2つとミートソース1袋を買う。それからスーパーで値引きシールが貼られた豚挽肉200g、タマネギ3個入り98円を買った。
 
「おやつ欲しーい。チョコのファミリーパックは?」
と玲羅が言うが
「お金が無いからごめんね。食パンとジャムで」
と言って、88円の食パンと100円のジャムを買う。
 
これで母から渡してもらっていた1000円の内831円消費して残りは169円である。
 
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(消費税は1989年4月に3%で施行され1997年に5%に上げられた。その後2004年に総額表示が義務付けられたものの2013年10月、増税準備のためいったんこの義務が解除されて外税表示に戻り、2014年4月に税率は8%に上げられた。つまりこの2000年当時は外税5%の時代である)
 
「その余ったのはどうするの?」
「白猫の貯金箱に入れるよ」
「入れてどうするの?」
「給料日前のお金が足りない時に使うんだよ」
「うち、お金足りないの?」
「うん。でも玲羅はあまり心配しないで。何とかなるからさ。でもあまり高いおもちゃとか買ってあげられないかも知れないけど」
 
「まあ私はお人形さんとか特に欲しくないし」
「玲羅は外で遊んだりする方が好きみたいだもんね」
「うん。お父ちゃんがお兄ちゃんに買ってくれたサッカーのボールとか私が使ってるし」
「今日はお姉ちゃんで」
「はいはい。でもお姉ちゃん、本当にお姉ちゃんだよね?ちんちん無いでしょ?」
「うーん。そのあたりのことは内緒で」
 
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少女たちの入れ替わり大作戦(3)

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