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■少女たちの入れ替わり大作戦(2)

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2000年4月。千里は小学4年生になった。
 
千里を小学1年から3年まで担当してくれた山口先生は千里の性別問題に寛容で、千里のあり方をそのまま受け入れてくれた感じであった。おかげで同学年の子の中には、千里の性別に問題があること自体に気づいていない子もいた。(タマラやリサなど)
 
その山口先生の姿勢は3年生の12月に転校してきた留実子にとっても快適だった。留実子は前の学校では女であることを強制されてかなりのストレスを感じていたようである。転校してきた当初何だか暗い顔をしていた留実子が山口先生の寛容な態度の中でみるみる元気になっていったのを千里は感じ取っていた。山口先生は留実子に「男の子はもっと短い髪でもいいぞ」などと言ったので留実子はそれに勇気付けられて、髪をかなり刈り上げ(お母さんが見て最初悲鳴をあげたらしい)、ますます男らしくなった。
 
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これに対して4年生で千里や留実子の担任になった我妻先生はむしろ千里や留実子の性別問題自体に気づいていなかった。
 
我妻先生は50歳になるベテランの女先生で、今年小平町の小学校から転任してきた。北大の国文科を出たらしく、国語が専門で中学で国語や英語を教えていたこともあるらしい。出身は江差という話で漁師の娘だと言っていたが、そのせいか強烈な「浜言葉」を使う先生で、転校生や道外出身者の子供が多い千里たちの学校では我妻先生の言葉が聞き取れない児童も結構おり、「今先生何て言った?」などという会話が教室の中で小声で交わされていた。
 
これまで小さな町村での勤務が多かったということで、市という名前の付く所に勤務するのは12年ぶりだなどと言っていた。
 
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先生は物事を素直に見る性格のようで、その姿勢は児童たちに好感された。そういう先生なので、児童たちを見ていて千里は女の子、留実子は男の子と思い込んでしまったようであった。しかし千里の名前はまだ男女ともあり得る名前だからいいのだが、留実子については首をひねった。
 
「花和君、まるで女の子みたいな名前ね」
 
と先生が言ったのに対して、留実子は
 
「僕の名前は留実子と書いてルービッシュと読むんです。僕、ロシア人とのクォーターなので」
 
などと冗談(?)を言ったが、先生はそれを真に受けてしまったようであった。
 

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最初の学活の時間に、クラスの委員を決めるとき、千里は田代君と2人保健委員に指名された。
 
千里もさすがに保健委員はやばくないか?と思ったら蓮菜が
「私、保健委員やりたいです」
と言ってくれたので、結局田代君と蓮菜が保健委員をすることになり、千里は放送委員に横滑り。留実子と千里の2人で放送委員をすることになった。
 
「これって男子1人・女子1人だよね?」
「うん。男子1人・女子1人で合っている気がする」
 
という会話が教室の中では小声で交わされた。
 

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各委員ごとの全体集会があったので、千里と留実子は職員室の隣にある放送室に一緒に行った。4〜6年生の合計6クラスの放送委員で1日交代で昼休みの放送を担当してもらうということだった。
 
この当時は学校は第2・第4土曜が休みで、第1・第3・第5土曜には授業があるが、どっちみち半ドンなので放送委員がお昼に放送室に入るのは月〜金の5日間である。それで4年生は2週間に1度水曜日を担当すれば良いことになった。
 
放送委員の委員長さんは6年男子の鐘江さんで、初めて放送機器を扱う4年生の4人に丁寧に操作方法を教えてくれた。彼は剣道部の部長さんでもある。
 
「じゃ4年生1人ずつ練習してみようか。最初は1組の女子から」
と言われて、千里は留実子と顔を見比べた。
 
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やはり女子って私かな〜と思って千里はマイクのスイッチを入れて声を出してみる。
 
「ただいまマイクのテスト中。東京特許許可局、隣の客は良く柿食う客だ、竹藪に竹立て掛けた。She sells seashells by the seashore. Who buys the seashells she sells by the seashore?」
 
などとマイクに向かってしゃべったら
「英語の発音がきれーい」
「アメリカ人みたい」
と言われた。
 
「英語教室とか行ってるの?」
「外国出身の友達と遊んでたから覚えたんですよ」
「なんかあのグループは英語・フランス語・ポルトガル語とか飛び交ってたね」
と留実子も言う。
「タガログ語とか、ドイツ語、スペイン語にルーマニア語もあったよ」
「それ全部分かるの?」
「分かりません。お互い言葉は分からなくても何となく意思は通じる感じで」
「それも凄いなあ」
 
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「はい、次るーちゃん」
 
それで留実子もマイクに向かって話す。
「岡田武史、名塚善寛、佐藤洋平、高木琢也、山瀬功治、播戸竜二、大森健作、アウミール、エメルソン、田渕竜二、村田達哉、池内友彦、中尾康二、.....」
 
「おお、凄い」
「コンサドーレのメンバーだ」
「サッカー好きなの?」
「好きです」
「5年生になったらスポーツ少年団のサッカーに入るといいよ」
「うん、花和君、雰囲気的に強そう」
「ある程度強い子は3〜4年生でも入れてくれることあるよ。花和君、一度行ってみるといいよ」
 

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始業式の翌日には体育の授業があった。
 
この学校では体育は全学年とも男女合同の授業である。ただし実際には男女を分けて試合をしたりすることはある。また3年生までは担任の先生がそのまま体育も教えるのだが、4年生以上は体育の先生(この年は男子は三国先生、女子は桜井先生)が教えることになっていた。
 
しかし授業が合同でも着替えは当然男女別である。体育の時間は1組・2組が合同になるので、1組で男子が、2組で女子が着替えることになっていた。
 
千里はクラスメイトからは「一応男子」と分類されているので、他の男子と一緒に1組で着替えたものの、千里が上着を脱いで下着姿になると他の男子がギョッとする。それで田代君が千里に
 
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「村山、お前、ちょっとこっち来い」
と言って教室の隅に連れていき、教室の後ろに置かれている移動式の黒板を持ってくる。
 
「村山、お前はこの黒板の陰で着替えろ。良いな?」
「うん」
 
千里は3年生までは「妥協」して体育のある日は男の子下着を着けていたのだが、この春からふだんと同じ女の子下着で通すことにしたのである。
 

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それで体操服に着替えてその日は体育館に集合した。校庭はまだ雪で覆われている。
 
この日は1組男子対2組男子、1組女子対2組女子でポートボールをやりますと言われた。それで千里が1組男子の方に行ったら、男子体育の三国先生から言われる。
 
「こら、そこ何やってる。女子は向こうのコートだぞ」
 
千里はどうも自分が言われているようなので、周囲を見回す。すると田代君が
 
「村山、女子は向こうだって」
と言うので、千里はおそるおそるそちらのコートに行った。すると千里の性別のことは一応知っている女子体育の桜井先生が笑って
 
「自分の性別を間違わないようにね」
 
などと言っているし、蓮菜は
 
「千里、何やってんのさ?あんた少なくともちんちんは付いてないよね?」
などと言った。また同じコートの反対側のハーフコートにいるリサが
 
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「シサト、さっき着替えの時居なかったから遅刻してきたのかと思った」
などと言っていた。
 
リサは千里のことを普通の女子だと思い込んでいる。
 

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ちなみに留実子も性別疑惑を持たれたものの桜井先生が留実子の性別も把握していたので「あんたは一応こっちにおいで」と言って、女子の方に参加させていた。男子と一緒にさせてもあまり問題は無いだろうが、競技中に他の児童と身体の接触が発生した時に他の男子がやりにくいだろうという配慮である。
 
それで千里は女子の方に参加してポートボールの試合が始まる。実は1組女子は11人、2組女子は12人なので、千里の参加でちょうど12対12になってちょうど良かった。
 
コートの中は24人もの女子がうようよしていて、かなり身体の接触が生じる。しかし千里は女子たちとの身体接触は何も気にしなかったし、他の子も全然気にしていない様子だった。試合の途中で玖美子など千里の身体をあちこち触って
 
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「ほんと千里って女の子っぽい体付きだね」
などと言っていた。
 
さて試合だが、タマラのお父さんが作ってくれたバスケットゴールで遊んでいるメンバー、千里・留実子・蓮菜・恵香にリサはみんなドリブルがうまいしシュートもうまい。みんなゴールマンがほとんど身体を動かさずにボールをキャッチすることができた。
 
一方の2組には(中谷)数子ちゃんと言って、ミニバスに入っている子がいて、その子がさすがに凄かった。それで1組は千里・留実子・蓮菜に恵香、2組はリサと数子が中心になって、試合はかなり白熱したものになっていた。
 
「あんたたちハイレベルだよ。これなら男子と試合してもいい勝負になる」
などと桜井先生は言っていた。
 
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試合は結局40対36で1組が勝った。
 
「あんたたち強ぇ〜〜!」
とミニバスに入っている2組の数子が言っていた。
 
「ねえ、あんたたち、特にその背の高い子(留実子)、ミニバスに入らない?」
と勧誘までしていたが
 
「僕はサッカーしたいからバスケはしない」
と言って留実子は断っていた。(数子はこの春にリサと同じクラスになった時、彼女も誘ったらしいが、リサは断ったらしい)
 
「ちなみに女だよね?」
と言うので
「お股触ってみてもいいよ」
と留実子は言う。
 
すると数子は本当に留実子のお股に触って
「確かに付いてない」
などと言っていた。
 
2組の一部の女子からは
「千里も性別チェックした方がいい」
などという声が出ていたので
 
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「え?この子?」
などと言いながら数子は千里のお股にも触って来た。
 
「別に何も付いてないよ」
と数子が言うので
「やはりね〜」
という声が千里のことを以前から知っている子の間で起きていた。
 

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始業式の翌週には体重測定と、年度の初めなのでレントゲンおよび内科検診も一緒に行われた。我妻先生は生徒の健康診断票をプリントして男女に分けてから保健委員の蓮菜と田代君に渡したのだが、蓮菜は女子の方に入れられていた千里の診断票を「これはそちらね」と言って田代君に渡し、田代君も男子の方に入っていた留実子の診断票を代わりに渡していた。
 
男子は理科室、女子は保健室で身体測定を行います、という話だったので千里は当然理科室の方に行く。ところが他の男子と一緒に理科室に入ろうとしたら理科室の入口の所に立っていた牟田先生が
 
「こらこら、お前何やってんの?女子の体重測定は保健室だぞ」
と千里に言う。
 
牟田先生は大学を出たばかりで今年新任だったので、三国先生や我妻先生同様、千里のことを知らなかった。
 
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えー?そんなこと言われてもと思っていたら、近くに居た元島君が
「ほんとだ。村山、なんでこちらに来たのさ?女子は保健室に行った行った」
などと言う。
 
それで千里はやむを得ず理科室のある東校舎の2階から降りて西校舎1階の保健室の方に行ってみた。まだ4年1組の体重測定は始まっていないようで、同じクラスの女子たちが廊下に並んでいる。
 
「千里、なぜこちらに来る?」
と恵香に言われる。
 
「理科室に入ろうとしたら女子は保健室だと言われて追い出された」
「なぜ自分は男だと言わない?」
「だって同じクラスの男子まで『女は保健室に行け』と言うし」
「うーん・・・」
 
すると少し考えるようにしていた蓮菜が言った。
「千里はこちらでもいいかも。私に任せて」
「う、うん」
 
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それで千里は蓮菜の隣に並んだ。
 

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