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■娘たちの衣裳準備(4)

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お店を出てから龍虎が彩佳に訊いた。
 
「なんでオーダーを保留したの?」
「龍、サイズの控えを見せてごらんよ」
「え?これ?」
 
「ここにスカート丈と書かれているんだけど」
と彩佳が指摘すると
「男子制服のスカート丈って、どこの長さだっけ?」
などと龍虎は訊く。
 
「男の制服にスカートがある訳無い」
と桐絵。
「へ?」
「つまり龍は女の子と思われたんだな」
 
「うそー!?」
と龍虎が驚いているのを、本当に驚いているのか、驚いたふりをしているのか、彩佳も桐絵も判断に迷った。
 
「龍、だから女子制服を着たいのなら、そのままオーダーを入れればいい。男子制服を作ってもらいたいのなら、そう連絡しないといけない。私付いていって説明してあげるよ。さっきは、あの場で話してもすぐには龍、決められないかもと思って、取り敢えず保留してもらった」
と彩佳は説明した。
 
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すると龍虎は困ったような顔をして
「ボクどうしよう?」
と言った。
 
「迷うのかい?」
と桐絵が呆れるように声をあげた。
 

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龍虎たち3人がお店を出たのと入れ替わりくらいに、淑子と成美がこのお店に採寸に来ていた。
 
「どちらの中学ですか?」
「XT中学です」
と言って淑子は成美の就学通知を見せる。
 
「では採寸しますね」
 
「身長169 バスト85 ウェスト61 ヒップ84 肩幅44 袖丈59 スカート丈65」
と係の人はメジャーを当てながら言った。
 
「この子、結構身長高いですけど、大丈夫ですか?」
と母が尋ねる。
「大丈夫ですよ。もっと身長の高いお嬢様もおられますから。最近の身長の伸びはどんな感じですか?」
「今年くらいに入ってからは身長の伸びは緩くなった気がします」
「生理は来てます?」
「来てますよ」
「だったら、だいたいこのあたりでストップかも知れませんね。中学の制服はプラス10cmくらいで作られる方が多いのですが、お嬢さんの場合は多分2-3cmの余裕で作っていいかも知れませんね」
「では余裕3cmで」
「分かりました。これはこのまま注文を入れていいですか?」
「はい、お願いします」
 
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結局龍虎が
「セーラー服を着るのは恥ずかしいから学ランにする」
と言ったので、彩佳と桐絵は龍虎に付き添ってお店に戻った。
 
もっとも「セーラー服を着るのは恥ずかしい」というのは絶対嘘だと彩佳も桐絵も言った。
 
「こんにちは」
「いらっしゃいませ。あら、さっき採寸した子たちね。何かあった?」
 
「こちらの田代の採寸なんですけど」
「はい」
「よく見たらスカート丈と書いてあって、もしかして女の子かと思われちゃったのではないかと思いまして」
「え?女の子じゃないの?」
「この子男の子なんですけど」
「嘘!?」
 
「この子、身体が小さいから、既製服の学生服が着られないんで、オーダーで作って欲しいんですよね」
「あら、そうだったの?ごめんなさいね」
 
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「本人はセーラー服が着たいらしいですけど、男子のセーラー服はたぶん校則違反になるのではないかと」
「もしかして、女の子になりたい男の子?」
「本人は別に女の子にはなりたくないと言ってますが、結構な疑惑はあります」
 
「分かりました。ではさっき採寸した寸法で、学生服の上下を作ればいいですね?」
「はい、お願いします」
 
そういう訳でここまでの説明は全部彩佳がしてあげた。
 

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係の人は端末に向かって注文の修正をしてくれたが、言った。
 
「でもあなた完璧に女の子体型よね?」
「そうなんですよね。この子、おっぱいもあるし」
「ブラジャーしてたよね!」
「ブラジャーしてないと歩いていて痛いらしいです」
 
「・・・あの、もし気が変わってセーラー服の方がいいと思ったら電話入れてくださいね。すぐ注文を切り替えますから」
 
「あ、はい」
と龍虎は返事をした。
 
結局ふつうの形でオーダーを入れると、龍虎の特殊な体型では、着られない服になってしまうかも知れないというので、龍虎は再度詳細な採寸をされた。
 

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「これはもしかしたら、女子のコスプレ用の学生服に近いかも知れない」
と係の人。
「あ、たぶんそれで行けます。この子、ちんちんも無いからズボンの前開きは不要だし」
と彩佳。
 
「へー!もしかして取っちゃったの?」
「この子のヌードは女の子のヌードにしか見えません。だから温泉とかでも女湯に入るんですよ」
 
「・・・あなた、本当に学生服でいいんだっけ?セーラー服着ない?」
と係の人は再度念を押した。
 
「悩むけど、学生服でいいです」
と龍虎は答えた。
 
「でも前開きを使わないのなら、これは多分女子用の制服ズボンが使える」
と言って、係の人は試着用の服を出して来て穿かせてみた。実際女子用W55cmのズボンで全く問題無かった。
 
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それでズボンは女子用の既製服を使用することにし、学生服上衣だけ制作することにした。これで費用を抑えられるのである。なお、上衣はバストにゆとりのある体型で制作する。
 
それで龍虎もオーダーを入れたので制服注文票の控えをもらったが、注文票は、女子冬服・女子夏服という所にいったん丸が付いていたのが二重横線で消され、男子冬服というところに丸が付けられた。
 
「男子の夏服って無いんだっけ?」
「男子はワイシャツだけだから。ズボンは冬服のがそのまま使える」
「女子はお金掛かるね!」
「全くだよね〜」
 

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2013年12月21-23日の3日間、国士館でXANFUS, KARION, ローズ+リリーのライブが行われた。青葉は★★レコードとのコネでKARIONとローズ+リリーのペアチケットをもらったので、それを見るために出てきた。
 
12/21 高岡6:32-8:41越後湯沢8:49-9:55東京
 
また千里が22日のKARIONのチケットを2枚ゲットしたということで、22日は一緒に見ることにした(実際には千里はKARIONに多数の楽曲を提供しているので、その関係でもらった)。
 
朋子はローズ+リリーの方は彪志さんと一緒に見たらいいと言ったので、氷川さんに連絡したら、名義を書き換えてもらえることになった。それで青葉は東京に着くとそのまま青山の★★レコードに行き、ビル1階のレストランで氷川さんと待ち合わせした。
 
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ところが氷川さんを待っている間に、相席になった女性2人組がフライング・ソーバーと同じ横浜レコードからCDを出しているということが分かり盛り上がる。彼女たちのユニット《ゴールデンシックス》のCDを1枚頂いてしまったのだが、それをちょうどやってきた氷川さんと一緒に聴いたら、物凄く出来がよかった。氷川さんは彼女たちに興味を持ち
 
「ちょっとお仕事しません?」
と誘い、これがきっかけでゴールデンシックスは★★レコードからデビューすることになるのだが、それはもう少し先のお話である。
 

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千里は20日14:00-21:00(=日本時間20日22:00-21日5:00)にスペインでチーム練習に出て、日本時間の21日11時すぎまで寝る。起きた後、ミラで千葉駅に朋子を迎えに行き、桃香のアパートに連れて行った。夕食を作り、東京から戻ってきた青葉と一緒に夕食を取る。
 
その後バイトがあると称してアパートを出て、スペインに移動。スペイン時間18:00-20:00(JST 12/22 2:00-4:00)にカナリア諸島ラ・パルマで今年最後の試合に出場した。試合後《すーちゃん》を身代わりに置いて日本に戻り、葛西のマンションで10時頃まで眠る。葛西の駐車場からインプレッサを出して千葉市内で桃香・朋子、青葉・彪志を拾って、建設中の神社を見に行った。朋子が
 
「あら。昨日の車と違う」
と言ったが
「借り物ですよ〜」
と言っておいた。実際ミラでは5人乗らない!
 
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神社を見た後は、彪志をバイト先まで送って行き、そのあと千葉駅に行って駅近くの駐車場にインプレッサを駐め、4人で総武線に乗り両国駅まで行き、国士館でKARIONのライブを見る。ライブは21時過ぎに終了し、22時過ぎには千葉駅に戻る。千里は「今日もバイトがあるから」と言って、インプレッサで青葉を彪志のアパート、桃香と朋子を桃香のアパートに置いてから、関空に転送してもらった。
 
実は貴司が3日前から韓国に出張に行っていて、今夜帰国したのである。うまい具合に貴司の帰国便(仁川21:00-22:45関空)と時間が合った。
 
それで貴司を迎えて、一緒に電車で移動して、予め《いんちゃん》にチェックインしておいてもらった、Nホテルに入る。1時間ほど部屋の中でイチャイチャしてから、大阪市内で深夜まで営業している居酒屋に入って“非結婚1周年”のお祝い(?)をした。そのあとまたホテルに戻り、紙婚式ということで、紙製品を贈りあった。
 
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貴司から千里へは韓国で買ってきたマッコリのフェイスシート、千里から貴司へはスペインの雑貨屋さんで買ったバスケット模様のメモ帳であった。
 
「まあ日常的に使ってしまえるものがいいよね」
 

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「ところでセックスできないよね?」
と貴司が言うので千里は吹き出した。
 
「結婚している男性とセックスとかできません」
と千里は言う。
 
「そこを1周年記念で」
「これに今すぐサインしたら考えてもいい」
と言って見せるのは離婚届の用紙である。
 
「うっ・・・」
と貴司は声をあげる。
 
「これはちょっと保留させてね」
と言って、貴司はその離婚届用紙を自分のカバンにしまった。
 

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ふーん。捨てるとか私に返すとかじゃなくて、しまうのかと千里は思った。それで千里は“妥協”することにした。
 
「私が男役ならしてもいいけど」
「え!?」
「貴司、実はそちらが好きなんじゃないの?」
「そちらの趣味は無いよぉ」
「そう。残念ね」
と千里が言うと
 
「待った!今夜はそれでもいい」
「ふーん」
 

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それで貴司が持っていた避妊具を出してもらうとそこに指を入れる。
 
「3本くらいがいい?4本?」
「そんなに入らない気がする。取り敢えず1本で」
「遠慮しなくてもいいのに」
 
それで指1本で入れてあげると、何だか物凄く悦んでいるようである。
 
「全然痛くない。千里、入れ方うまい」
「貴司こそ、こんなにスムーズに入るってふだんから開発してるんでしょ?」
 
それで10分ほどしてあげていたら
「逝った気がする」
と貴司が言う。
 
「え?出てないのに」
「たぶんこれドライというやつ」
「ドライ?」
「射精せずに逝くことをドライというんだよ。射精するのはウェット」
「へー!!」
「前立腺を刺激されて逝く場合、ドライで逝くこともあるんだよ」
「それは知らなかった」
 
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「女性の場合はほとんどドライ逝き」
「ああ。女は射精しないもんね」
 
と言いながら、桃香はあれ絶対射精してる、などと思う。
 
「女性のウェット逝きがいわゆる潮吹きだよ」
「なるほどー!」
 
「潮吹きって精子が入っているんだっけ?」
「まさか。女に精子は無いよ」
「なるほどー」
 
しかし桃香のは絶対精子が入っているよなと思う。
 

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1本で気持ち良くいけたので、気を良くして2本入れるとさすがに痛いと貴司は言っていた。それで3本入れてあげると「痛い、痛い、やめてー」と本格的に痛がっていたようである。
 
痔になったらたいへんなので、終わった後オキシドールで拭いた上で、ナプキンを1枚恵んであげた。
 
「何ならタンポン入れておく?」
「それは抜けなくなって更に痛い思いをする気がする」
「なるほどー。入れてみたことがあるのか」
「無いよぉ!」
「いや。抜けなくなるというのを知っているということは絶対経験がある」
 

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結局3時頃、いつものように下着になり5cm間を空けて並んで寝た。先に寝たふりをしていたら、千里の手を勝手に使って自分でしていた。あれだけしてあげたのに、やはり射精したいのかね〜?と少し呆れたものの、男の子ってそういうものなのかもね〜、と微笑ましく思った。それで千里も気持ち良く眠ることができた。
 
 
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娘たちの衣裳準備(4)

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