広告:まりあ†ほりっく1(MFコミックス)
[携帯Top] [文字サイズ]

■娘たちの悪だくみ(5)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

(C)Eriko Kawaguchi 2018-10-26
 
■貴司が千里に贈ったもの
2006.04 クレーンゲームの人形(九条ひかり)
2007(高1)誕生日 LizLisaのハート柄のお財布
2007(高2)10月 雪だるまのイヤリング
2008(高2)結婚1周年 Suntoの腕時計
2008(高2)誕生日 ミッキーマウスのトートバッグ
2009(高3)誕生日 エスティローダー・ビギナーズセット
2009(大1)11月 アクアマリンのプラチナリング
2010(大1)2月 携帯に取り付けるリング(酸化発色ステンレス)
2010(大1)誕生日 エスティローダー限定セット
2010(大2)XMAS アクアマリンの18金イヤリング
2011(大2)誕生日 ミュウミュウのピンクの財布
2012(大3)婚約 ダイヤ(1.2ct)の18金リング
 
■千里が貴司に贈ったもの
2007(高3)誕生日 G-Shockの時計
2008(高3)卒業祝 コーヒーメーカー
2008.06 フレンチのコース/菓子(たいせつ)+テンガ
2009.06 20THと配列したクッキー
2010.06 スポーツバッグ(スポルディング限定品)
2011.06 マドリードで買ったレザージャケット
2012.02 "適当な服"として買ったラルフ・ローレンのスーツ
2012.06 婚約 タグホイヤーのクロノグラフ
 
↓ ↑ Bottom Top

これ以外にも2人はお互いにしばしばお菓子を贈っている。
 
2012年の3月,6月の誕生日プレゼントはお互いに婚約の記念品で兼用ということにした。婚約指輪は1月6日にオーダーし2月25日に受け取っている。クロノグラフは5月にふたりでお店に見に行き、6月6日の結納の際に渡した。
 

↓ ↑ Bottom Top

2013年3月3日の千里の誕生日に関しては貴司は2月17日に会った時、
 
「何か欲しいものない?」
と訊いた。すると千里は
 
「1.2カラットのダイヤが入った18金の指輪と、プロポーズの言葉」
と言った。貴司は「うっ・・・」と声を挙げ
 
「その件は再度話し合うとして、以前イヤリング贈ったし、ネックレスかブレスレットとかは?」
と訊いた。
 
「お金でいいよ」
「そうなの?」
「最初の日は1円」
「1円?」
「翌日はその倍」
「へ?」
「その翌日はその倍」
「待った」
「その翌日はその倍」
 
「勘弁して〜」
「1年間それを続ける」
「それ世界中のお金を全部集めても足りないよぉ」
 
「まあ1年後には0.3010×365=110くらいだから、恒河沙円の恒河沙倍
くらいになるかな」
 
↓ ↑ Bottom Top

「あははは」
 
2365=10xとすると、365×log 2 = x となり、左辺を計算すると↑のように110となる(log2=0.3010)。つまり1年後には10110円となる。恒河沙は1056なので、正確には0.1恒河沙円の0.1恒河沙倍である。世界に流通しているお金の総額はせいぜい20京円=2×1017円程度である。上記の冪乗ゲームでは2ヶ月も行かない内にこの金額に達する。
 

↓ ↑ Bottom Top

結局貴司は3月23日に千里に会った時、アクアマリンのペンダントの付いたプラチナのネックレスを渡した。多分20万近くしたなと千里は思った。“誕生日のプレゼント”というレベルを遙かに越えている。千里は貴司の意図を図りかねた。
 
「素敵なネックレスね」
と言って千里は早速それをつけてみた。
 
「似合うよ」
「そう?私も結構好きだな」
「気に入ってくれてよかった」
 
「それでプロポーズの言葉は?」
「済まない。それについてはまた後日話し合いたい」
 
「私と貴司の結婚式の予約をしたいんだけど」
と言って千里はゼクシィ関西をドーンと置く。
 
「済まない。またあらためて話し合いたい」
 

↓ ↑ Bottom Top

「そういえば阿倍子さんの誕生日っていつ?彼女にも贈り物くらいしたんでしょ?」
「え?」
と言って貴司は考えているが
「ごめーん。分からない。彼女へのバースデイ・プレゼントって考えたこと無かった」
と言う。
 
「彼女何歳だっけ?」
「うーん。。。。34-35歳くらいじゃないかなあ。ごめん。よく分からない」
「生まれたのは神戸?」
「そうかも。よく分からないけど」
 
「ふーん。。。」
 
ホロスコープが書けないと“悪だくみ”がしづらいじゃん、と千里は思った。
 

↓ ↑ Bottom Top

青葉が★★院に行ったのが2013年3月29日で、その後5人で瞬嶽の庵に行き、一行は30日のお昼頃、★★院に戻った。そしてこの後のことを31日午後まで掛けて話し合い、瞬嶺が今後の長谷川一門のリーダーを務めること、★★院の主座は瞬醒が継承することなどが決まった。青葉は31日の夜遅く高岡に戻った。
 
4月1日、青葉は新しく入るT高校から呼び出されて出て行く。自分の性別のことで何か話があるのかと思ったら、そうではなく、呉羽大政のことであった。
 
来ていたのはT高校に合格した同級生、青葉・日香理・美由紀の3人と、もうひとり呉羽と小学校の時の同級生だったという清原空帆だった。
 
呉羽は男子学生として受験していたのだが、保護者を伴って来校し、女生徒として通いたいと申し入れ、学校側も(青葉のことで校内にコンセンサスが作られていたこともあり)受け入れることになったことが説明される。
 
↓ ↑ Bottom Top

それで彼女は女子として通学するのが初めてなので、旧知の4人に、他の生徒とのパイプ役になって欲しいというお話だったのである。
 

↓ ↑ Bottom Top

2018年4月2日、桃香と千里は、上越新幹線+はくたかで、高岡に移動した。
 
「青葉、中学卒業おめでとう」
「桃姉とちー姉も大学卒業おめでとう」
 
それで桃香が持って来たお土産のケーキをみんなで食べた。桃香はシャンパンも持ち込んでおり、青葉に飲ませようとしたが朋子がダメと言い、結局桃香と千里の2人で飲んでいた。青葉と朋子はサイダーを飲んだ。
 
「忘れない内にこれを渡しておく」
と言って千里が青葉に博多織の袋に入った龍笛を渡した。
 
「メンテが終わったんだ!」
「職人さんもかなり苦労したみたい。吹いてみて」
「うん」
 
それで青葉が少し吹くと、物凄くいい音がした。
 
「凄い音だな」
と桃香が言うが
 
↓ ↑ Bottom Top

「これまるで花梨ではないみたいな音だ。竹でもこんな音が出るのは滅多に無いと思う」
と青葉。
 
「私はよく分からないけど、いい音だね」
と千里。
 
「これメンテ代高かったでしょ?」
と青葉が訊くが
「それは青葉の中学卒業祝いということで」
と千里は言った。
 
「ああ、そういうことでいいよな」
と桃香は言っているが、千里がこのメンテ費用代わりに1000万円の寄付をしたことを知ったら、さすがに仰天するだろう。
 

↓ ↑ Bottom Top

「あ、でも私、ちー姉や桃姉に卒業祝いあげてない」
 
「中学生の妹からもらったりしないから心配するな」
と桃香。
 
「じゃ私からあんたたち2人に卒業祝い」
と言って朋子が千里と桃香に1枚ずつ祝儀袋を渡した。
 
「わっ、ありがとうございます!」
「おぉ、母ちゃん、ありがとう」
 
「青葉には図書カードで」
と言って朋子は青葉には紙の入れ物に入った図書カードを渡した。
 
「ありがとう!」
 

↓ ↑ Bottom Top

落ち着いた所で桃香は“本題”に入った。
 
「私は青葉の負荷を心配している。中学時代、青葉は頻繁に霊的な相談事に応じるためあちこち走り回っていたし、岩手方面での相談事の処理のため、毎月2度、岩手と高岡を往復していた」
と言って少し言葉を切った。
 
「これは青葉にとってオーバーワークになっていると思う。このままでは青葉は身体を壊す」
と桃香は言う。
 
「それ私も心配していた」
と朋子も言った。
 
「それで私と桃香で話あったんだよ。将来青葉が霊能者として活動していくのなら、その仕事で全国飛び回るのも仕方ない。でも学生のうちは、学業優先でいくべき」
と千里が言う。
 
「だから提案。少なくとも高校を卒業するまでの間は原則として霊的相談事に乗るのは禁止」
 
↓ ↑ Bottom Top

「え〜〜〜!?」
 
「どうしてもという場合は、月に1件を最大とする」
 
「青葉が岩手にあまり行かなくなれば、それなりに誰かが相談事に乗るようになると思う」
 
「それはそうかも知れない」
 
「結果的に青葉はシェアを失うかも知れないけど、青葉が身体の健康を失うよりは、ずっとマシだと思う」
と桃香。
 
「うーん・・・」
 

↓ ↑ Bottom Top

結局桃香が雄弁を振るい、千里も朋子もその意見に賛成という中、青葉もその“学業優先”という方針を受け入れることにした。
 
また最低料金を定めて、それで依頼が入ってくるのを抑制する。
 
そしてその件を現在富山方面で仕事の受け口になっている水口詩子さん、そして大船渡で受け口になっている佐竹慶子さんに、直接言いに行こうということで4人の話し合いはまとまった。
 
詩子さんの家はすぐ近くなので、桃香と青葉の2人でそちらに行き、趣旨を説明すると、詩子さんは言った。
 
「それは私もちょっと気になっていた。私が色々細かい相談を持ち込むからそれが青葉ちゃんの負荷になっているかも知れない気がして」
 
と彼女は反省するように言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

それで彼女も青葉の高校在学中は基本的に仕事を受けないが、どうしてもという場合は月に1件(岩手の方のと合算)以内、最低料金5万円以上ということにしようと話がまとまった。
 

↓ ↑ Bottom Top

4月3日は、千里・桃香・青葉の3人で大船渡に行き、慶子と会った。
 
(新幹線で一ノ関まで行き、その後はレンタカー。運転は千里)
 
「分かりました。青葉ちゃんの負荷にならないように、できるだけこちらで処理します。ハニーポット(蜂蜜の壺:霊的能力のレンタル)だけ貸してもらえませんか?」
 
「まあ、そのくらいはいいでしょう。でも試験中とかは使わないでね」
と千里。
 
「青葉さんの予定表をこちらにメールして頂けます?それで使ってもいい日と使わないで欲しい日を区別できれば」
 
「それは青葉本人ではなく、お母さんに頼もう」
と千里。
 
「うん。そうしよう」
と桃香も言った。
 

↓ ↑ Bottom Top

それで3人はその日は平田さんの家に泊まった。
 
「ここは広い」
「部屋もたくさんあるんだよね〜」
「寝具もある」
「時々陰干ししてるから使えるはず」
「確かにかび臭くない」
 
「でもここ勝手に使っていいの?」
と桃香が訊く。
 
「この家を継承する人が誰もいないから、私が掃除とか風通しとかをシルバー人材センターに依頼しているんだよ。泊まるくらいはいいと思う」
と青葉。
 
「電気は来てるね」
「うん。電気と水道はずっと私の口座から自動引き落としで払っている」
「だったら、そのまま青葉のものにしてしまえばいい」
「そんな訳には」
「バレないって」
と桃香は言っていたが、この家の権利問題については後でまた検討することになった。
 
↓ ↑ Bottom Top

3人は翌4月5日レンタカーで一ノ関に戻り、新幹線で東京方面に向かう。そして桃香と千里は東京まで乗って総武線で千葉に戻り、青葉は大宮で上越新幹線に乗り換え、越後湯沢から《はくたか》に乗って高岡に帰還した。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
娘たちの悪だくみ(5)

広告:俺、オンナのコになっちゃった!?-1)-KATTS-DISTANCE-ebook