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■娘たちの悪だくみ(2)

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3月1日(金).
 
全国の多くの高校で卒業式が行われた。
 
磐田市内の高校では中山洋介(ハイライトセブンスターズのヒロシ)が、ごくふつうに!?女子制服で登校してきて、教室に入っていった時
 
「誰?」
と言われた。
 
「中山だけど」
「うっそー!?」
「どうして女子制服なの?」
「中山、性転換したの?」
「あ、性転換するのもいいなあ。女になったら女湯も入り放題、女子更衣室も入り放題」
と言ったところで女子のクラスメイトで幼馴染みの弥生からぶん殴られる。
 
「いってぇ」
「ヨウがたとえ性転換していたとしても、女湯に入って来たらその場でマグナム.44(フォーティーフォー)をお股にぶち込んでやるから」
などと弥生は言っている。
「ヤンこそ、男に性転換するの推奨する」
 
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「ふざけてないでちゃんと男子制服に着替えてこい」
と弥生は怒った顔で言っている。
 
「卒業式くらい女装で出ようと思ったのに」
 
「言っとくけど、中山君が女子トイレに入って来たら痴漢として警察に突き出すからね」
と別の女子も言っている。
「弥生に殺される前にね」
と彼女は付け加えた。
 
一方、男子のクラスメイトからは
「中山、その格好では男子トイレは進入禁止だからな」
と言われている。
 
「え?だったら俺、トイレはどちらに入ればいいの?」
「だからさっさと男子制服に着替えろよ」
 

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長岡市内の高校では鹿島信一(後のリダンダンシー・リダンジョッシーのnobu)がごくふつうに男子制服で登校してきて、普通に卒業式の式典に出席し、ごくふつうに男子制服のまま、教室で先生のお話を聞いた。
 
それで解散ということになった時、信一は
「かかれ!」
という女子の声とともに5〜6人の女子に取り押さえられる。
 
「何?何?」
「信一君、君には男子を廃業してもらおう」
「へ?」
「連行せよ!」
「おぉ!」
 
それで信一は女子更衣室に連行されてしまったのである。
 
「ちょっとぉ、まずいよぉ、ここは」
「君はもう男子を廃業してしまうから、今日からは女子更衣室でいいのだ」
 
などと言われて、よってたかって男子制服を脱がせてしまう(完璧なセクハラである)。
 
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「あれ〜。男の子下着を着けてる」
「信ちゃんは絶対、女の子下着を着けてると思っていたのに」
「僕、別に女装趣味は無いよぉ」
「いや、それは嘘だ」
 
「おっぱいも無いね」
「そんなの無いよぉ」
「信ちゃんはおっぱい大きくしているのではという説も根強かったのだが」
「女性ホルモンは飲んでるんでしょ?」
「そんなの飲んでない」
 
「でもブラジャー着けてた日は何度かあった」
「こっそり女子トイレを使っているのを見たことがある」
「お代官様、お見逃しを」
 
「こんな時のために女子下着を用意しておいてよかった」
「え〜〜!?」
 

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それで信一は女子たちに裸に剥かれそうになったのを勘弁してもらい、壁を向いて男子下着を脱ぎ、渡されたパンティとブラにキャミソールを自主的に着けた。
 
「ブラジャーのホックを後ろ手で留めた」
「何か変?」
「ブラジャーを着けたことのない人がそんなことできる訳ない」
「え?そう?」
「ブラジャー普段から着けてるでしょ?」
「ブラジャーなんて着けたことないよぉ」
「それは間違い無く嘘だ」
 
「ブラウスも着よう」
「うん」
 
「ちゃんとブラウスのボタンが留められるね」
「え?留められない人いるの?」
「ふつうの男子は女子仕様の左側にボタンが付いた服を留めきれない」
「そうなの!?」
「やはり女子仕様の服に慣れてるな」
「そんなことないと思うけど」
 
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「スカートも穿こう」
「穿くよ」
「すね毛が無いのは?」
「剃ってることは認める」
「じゃこの制服の上も着て」
「分かった」
 

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「やはり女子制服を着せると女の子にしか見えない」
「信ちゃん、女の子の服着るの好きでしょ?」
「恥ずかしいよぉ」
「いや、全然恥ずかしがっていない」
「けっこう普段から女装しているんでしょ?」
「女装なんてしたことないよぉ」
「嘘つかなくてもいいのに」
 
「今日から信一あらため信子(しんこ)ということで」
「その字なら信子(のぶこ)でいいんじゃない?」
「ああ、それでもいいね」
 
「性別変更届けも用意しておいたよ」
と見せられるのはプリンタで印刷した書式である。
 

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性別変更届
 
****殿
 
私は性別を(男)から(女)に変更しましたので右届け出します。合わせて氏名も(鹿島信一)から(鹿島信子)に変更しました。
 
生年月日:平成7年3月2日
住所:長岡市**町**−**−**
氏名:
 
2枚あって宛名は1枚は「長岡市長殿」、1枚は「( )大学殿」になっている。
 
「これ署名捺印して」
「え〜〜!?」
「署名は新氏名でね」
 
それで信一(信子)は「鹿島信子」とサインし、持っているシャチハタを押した。実はけっこうドキドキしている。
 
「じゃそれ市役所と入学する大学に提出してね」
「あははは」
 

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「取り敢えず記念写真撮ろう」
 
それで信一は外に連れ出され、女子のクラスメイトや部活(吹奏楽部)の女子友人と一緒にたくさん記念写真を撮ることになったのであった。
 
「スカート穿いてちゃんと歩けるね」
「え?歩けない人っているの?」
「スカート穿いたことのない男子はだいたい膝がスカートにぶつかって転ぶ」
「嘘!?」
「やはり、かなりスカート穿いてるな」
 
「あ、そうそう。その女子制服も女子下着もあげるから」
「この制服誰の?」
「私の洗い替え用の服。もう卒業するし使わないから」
「そう?じゃ記念にもらっておこうかな」
「今日はちゃんとそれで帰宅してね」
「うーん。頑張ってみる」
「その前に一緒にロッテリア行かない?」
「あ、それは一緒しようかな」
 
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「男子制服は新入生で欲しがっている子にあげていい?」
「うん。そういう人がいたらあげて」
「男子下着は廃棄しておくね」
「まいっか」
 

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それで信一(信子)は女子の友人たちと一緒にロッテリアに行き、楽しく1時間ほどおしゃべりしたのであった。
 
「信子ちゃん、今日、トイレは女子トイレを使ってね」
「使わせてもらう。この格好で男子トイレには入れない」
「今後はいつも女子トイレを使えばいいよ。信子ちゃんなら女装していなくても、女子トイレに入ってとがめられない」
「・・・・・」
 
「大学に入ったら、もう完全女装生活するんでしょ?」
「そんなのしないよぉ」
「でも下着は女の子下着を買うといいよ」
「・・・買っちゃうかも」
「うん。頑張れ頑張れ」
 

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札幌市内の高校では成宮真琴(Rainbow Flute Bandsのフェイ)が女子制服を着て登校してきた。
 
「まこちゃん、今日は女の子なんだ?」
「サイコロを振ったら2、偶数だったから、女の子にした」
 
「マコちゃんファンクラブの統計によると、マコちゃんがこの3年間で登校した日数は今日を含めて598日。うち男子制服で来た日が299日、女子制服で来た日が今日を含めて299日」
 
「おっすごい!」
「あ、だいたい半々くらいかなあと思ってたけど、うまく行ったね」
と本人は言っている。
 
「結局まこちゃんの性別ってよく分からないなあ」
 
「全校生徒による予想投票では、男の子説92票、女の子説243票、男の娘説84票、女の娘説23票、ふたなり説148票、無性説15票」
 
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「女の子説が多いな」
 
「ボクふつうの男の子なのに」
「それ女子制服着て言っても全く説得力が無い」
「だって生理とか無いし」
「生理が出てくるべき場所はあるよね?」
「それはあるよ」
「だったら、まだ初潮が来ていないだけだよ」
 
「今日は男子制服は持って来てないの?」
「持ってるよ〜」
「だったら私と男子制服着て記念写真撮ってよ」
「いいよ」
「あ、それ着換える前に私と女子制服のまま記念写真を」
「いいよ」
 

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長崎市内の高校では久保早紀(後の丸山アイ)が男子用ブレザーにズボンという格好で登校してきた。
 
「早紀ちゃん、今日はそちらで出るの?」
とクラスメイトに訊かれる。
 
「式典はこれで出ようかな、と。式典が終わったら女子制服に着替える」
「結局早紀ちゃんの性別は最後まで分からなかった」
「ボクは男の子だよ」
「それだけは嘘だ」
 
「睾丸は無いんでしょ?」
「それは小学2年生の時に取ってもらった」
「睾丸が無いなら男の子じゃないよ」
「ちんちんはあるよ」
「ちんちんなんて、ついてても些細なことだと思う」
 
「取り敢えず早紀ちゃんにはおっぱいがあるし」
「おっぱいのある男の娘とか結構いるよ」
 
「早紀ちゃんにはヴァギナがあるというかなり信頼度の高い情報がある」
「早紀ちゃんとセックスしたという男の子が数人いるし」
「その時、早紀ちゃんにはちんちんなんて無かったという証言が」
「隠していただけだよ〜。まあヴァギナはあるけどね」
「ヴァギナがあるなら、やはり女の子でいい気がする」
「生理もあるよね?」
「生理くらいあるよ」
「だったらやはり女の子だと思う」
 
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「早紀ちゃんって、しばしば、まるでふたなりか何かのような発言をするけど、多分実はふつうの女の子のような気がする」
「うん。ふたなり偽装ヌードの写真は撮ったことある」
「やはり偽装なんだ?」
 
「FTMかと思ったこともあるけど、明らかにFTMの人とは雰囲気が違う」
「そうそう。むしろMTFの人に近い」
 
「性転換手術しました、と聞いた時はもったいない!と思ったけど、結局あれは嘘だったみたいだし」
「赤ちゃん産んだという話も嘘だったみたいだし」
 
「ボク性転換手術もしたし、赤ちゃんも2人産んだけど」
「それはどう考えても両立しない」
 
「でも女子制服に着替えた後で記念写真撮ろうよ」
「OKOK」
 

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3月3日(日)。昨年8月に解散したドリームボーイズのリーダー蔵田孝治が、ダンスチームのメンバーだった“女性”葛西樹梨菜(歌手名:高木倭文子)と結婚式を挙げた。
 
このニュースは世間にかなりの衝撃を与えた。蔵田は常々ゲイであることを公言しており、そのゲイの蔵田が女性と結婚するなんて!?と驚かれたのである。
 
「蔵田、転んじゃったのかなあ」
「女性には全然関心無いみたいだったのに」
「実はバイだったのかも」
 
とネットでもかなり騒然としたやりとりがおこなわれた。
 
不穏な空気もあったこともあり、また直前の結婚発表だったこともあり、結婚式は人前式、披露宴は招待客を100名限定にして、放送局や雑誌記者もシャットアウト。入口に警備員を配置するというものものしい雰囲気の中で行われた。
 
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千里はこの“招待客”の頭数には入っていなかったのだが、雨宮先生から“鞄持ち”の名目で同行するように言われた。実態は新島さんに頼んだら「忙しい」と言って振られたので千里にお鉢が回ってきたようである。
 
「ケイに頼もうかと思ったんだけど、ローズクォーツのアルバムの発売準備で忙しいと断られた」
「ケイはまだローズクォーツやってるんですか?」
「プレイズ・シリーズなのよ」
「ああ」
「Rose Quats Plays Girls Soundというアルバム」
「へー」
「ケイを初めとして全員女装させて制作した」
「なぜ女装するんです?」
と言いながら千里はローズクォーツのサトが女装した所を想像して顔をしかめた。
 
まるで高梁王子の女装(?)みたいになるぞ。
 
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「やはり女の子の歌は女の子の気持ちで歌わないとね」
「はぁ」
 
披露宴では余興で歌を歌う人の伴奏者を命じられてピアノで伴奏した。
 
「どんな曲でも弾きこなせる伴奏者は少ないから」
「そんなもんですか?ポップス弾きならある程度売れた曲は何でも伴奏できると思うけど」
「あまり売れてない曲も歌われるから」
「なるほどー」
 
「そういう曲まで伴奏できるのは、あんたかケイか、フェイくらいだな」
と雨宮先生。
 
この時点で雨宮先生は丸山アイのことをまだ知らない。
 

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娘たちの悪だくみ(2)

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