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■娘たちの世界挑戦(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2018-02-03
 
7月7日(木)。
 
七夕なので、全員に短冊が配られ、願い事を書こうということになったが、みんなだいたいこの大会での成績を書く。
 
彰恵は「U21世界選手権優勝」、江美子も「金メダルGet」と書いた。千里は「残り全試合勝利」、玲央美は単に「Vitory」である。
 
若手3人は、絵津子が「必勝」、純子が「win win win win win」、そして王子は「ステーキ食べ放題」と書いた。
 
「なんでステーキ食べ放題なの?」
「いや、高校の理事長から優勝したらステーキ食べ放題と言われたんで」
 
「ああ、それは頑張らなきゃね」
 
「性転換したいというのは書かなくてもいいの?」
「うーん。それはもしちんちんが生えて来たら受け入れるということで」
 
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この日、U21世界選手権の予選リーグは4日目を迎える。今日の日本の相手はウクライナである。試合は11時からである。この日は日本もわりと楽な気持ちで臨むことができた。
 
ウクライナとしては今回の予選リーグでラトビアに負けてしまったので、残りどこかに勝てるとしたら日本しかないというので必死に掛かってきたものの、こちらはかなり精神的な余裕のある試合運びをすることができた。
 
68-90の大差でウクライナに勝利する。
 

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この日の結果はこのようになった。
 
UKR68×−○90JPN RUS79○−×64LVA AUS77○−×74BRA
 
暫定順位 1.RUS(4勝) 2.AUS(3勝) 3.BRA(2勝) 4.JPN(2勝) 5.LVA(1勝) 6.UKR(0勝)
 
これでロシアの1位、および、ウクライナの6位と予選リーグ脱落が確定した。
 
オーストラリアが明日勝って4勝になってもロシアに負けているので1位にはなれない。ウクライナが明日勝って1勝をあげても、ラトビアに負けているのでラトビアの順位を上回れない。
 
そしてオーストラリアの決勝トーナメント進出も確定した。
 
ラトビアが明日勝っても2勝にしかならないのでオーストラリアはそれを上回っている。
 
つまりB組はロシアとオーストラリアが決勝トーナメント進出確定で、残りの2枠を、ブラジル、日本、ラトビアが争う形になる。
 
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A組の結果。
CHN57×−○88FRA CAN81○−×35EGY USA89○−×72ESP
 
暫定順位 1.USA(4勝) 2.FRA(3勝) 3.ESP(3勝) 4.CAN(1勝) 5.CHN(1勝) 6.EGY(0勝)
 
こちらもアメリカの1位、および、エジプトの6位と予選リーグ脱落が確定した。
 
フランスもスペインも既にアメリカに敗れているので、明日勝って4勝になってもアメリカを上回れない。エジプトは明日勝って1勝にしても中国に既に負けているので中国を上回れない。
 
またフランスの決勝トーナメント進出も確定した。
 
カナダ・中国は明日勝っても2勝にしかならないので、フランスの成績を上回ることができない。
 
つまりA組ではアメリカ・フランス・スペインが確定で、残り1枠をカナダと中国で争うことになる。明日両者は直接対決するので、その試合に勝った方が決勝トーナメント進出である。
 
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3ポイント成績
日本・村山 27本
アメリカ・フィオリーナ 21本
オーストラリア・ハモンド 16本
スペイン・フェルナンデス 14本
 
フィオリーナは昨日2本しか入れられなかった分を挽回しようとかなり撃ったようである。それで成功率も落ちたものの7本入れた。しかし日本は今日は実力差のあるウクライナとの試合だったので千里は8本放り込んでおり、両者の差は6本に拡大している。
 
このまま行くと千里の勝利が有力だが、日本がもし決勝トーナメントに進出できなかった場合は、試合数が異なるため、アメリカ有利になる。また日本も問題のガスレスタの居るフランスとの対戦がある可能性もある。
 
(予選リーグは5試合である。決勝トーナメントに進出するとその先3試合ある。しかし決勝トーナメントに行けず9-12位決定戦に回ると2試合しか無い)
 
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「明日は勝てばいいんですかね?」
と、この日の夕食をロサンゼルス市内の寿司レストランで取りながら誰ともなく質問が出る。
 
「うん。明日とにかく勝てば、日本は決勝トーナメントに行ける」
と高田コーチは言う。
 
「日本は勝てば3勝になるから、現在1勝のラトビアも0勝のウクライナもそれを上回ることができない」
 
「なるほど」
 
「もし負けた場合は?」
 
「その場合、もしラトビアがブラジルに勝った場合は、ブラジル・ラトビア・日本で3〜5位を争う得失点率の勝負になる。ブラジルが勝てば、日本が4位」
 
「ブラジルに頑張ってもらえばいい訳か」
「ただし4位通過になると、準々決勝でアメリカとぶつかる」
「わっ」
 
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「だからとにかく勝つことを考えよう」
と高田コーチは言う。
 

「明日私たちが勝った場合、何位で通過できるんですか?」
 
「ラトビアがブラジルに勝った場合は、日本は2位、オーストラリア3位、ラトビア4位でブラジルが落選」
 
「ブラジルはこの成績から落選してしまうのか!」
「暫定3位なのに」
「だったら必死になるでしょうね」
 
「ブラジルがラトビアに勝った場合はラトビアの落選。オーストラリア、ブラジル、日本の3ヶ国で2〜4位を得失点率の勝負で争う」
 
「うーん」
 
「その場合に、日本がブラジルを得失点率で上回って3位になるためにはオーストラリアに2点差で勝つ必要がある。1点差勝ちなら4位」
 
と高田コーチはメモを見ながら言った。
 
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「要するにオーストラリアに5〜6点差くらいで勝てってことですね」
と純子が言う。
 
「まあそのくらいで勝てたらスッキリするね」
 
「どうせなら10点差くらいで勝ちましょう」
とお銚子者の絵津子が言う。
 
「オーストラリアさん、自分たちはもう決勝トーナメントに行けるんだから手を抜いてきてくれませんかね?」
 
「それはありえない。自分がオーストラリア選手の立場ならどうする?」
「そりゃアジアの弱小なんかに負けたら恥ずかしいから全力で来ますよ」
 
「2年前のU19世界選手権の時も、オーストラリアは日本に勝ちはしたものの、かなり本気だったよ」
 
「あの記憶があるだろうから、きっと今回は前回以上に本気で潰しに来ると思う」
 
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「でも日本はそれに勝たないと、アメリカと準々決勝でぶつかるハメになる」
 
「頑張って20点差で勝ちましょう」
 

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玲央美は夜寝る前に喉が渇いたので、自販機でAQUAFINA(水のペットボトル)でも買おうと階下に降りて行った。そこでバッタリ、高田コーチに会う。
 
高田コーチは札幌P高校のコーチ(現役)なので、玲央美とは高校1年の時以来、5年3ヶ月の付き合いである。
 
「コーチ、明日2位になるケースを言いませんでしたね」
「まあ今の段階では言わない方がいいでしょ」
と高田コーチは苦笑して言う。
 
「多分自分で計算してみて気付いているのは私とアキ(前田彰恵)くらいだと思いますよ。千里とかキラ(鞠原江美子)とかは計算が苦手だもん」
 
「まあ、あそことやるのも楽しいんじゃない?」
「ええ、楽しみにしています。だから明日は3点差以上で勝ちますよ」
と玲央美は笑顔で言った。
 
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「うん、頑張ろう」
 

7月7日。平良真紗(たいら・まさ)は導尿が終わり、初めてトイレに行ってきた。
 
飛び散るよと言われていたので、慎重に出したのだが、幸いにもあまり飛び散らずに済んだようである。
 
しかし真紗は感動していた。
 
おしっこする感覚が全然違う!
 
だいたいタックしていたので、おしっこが出てくる位置は以前と同じなのだが《抵抗感》が無いのである。尿道がとっても短くなっているので、抵抗なく身体から直接落ちていく感覚である。
 
傷跡が全然治ってないので、しみて痛いのだが、それよりも真紗は幸福感を感じていた。
 
おしっこした後は、しっかり消毒液で拭いてからガーゼなども当て直したがこれ早く傷が治ってふつうにできるようになるといいなと真紗は思った。
 
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病室に戻ってから母に訊かれた。
 
「おしっこどうだった?」
「幸せな気分」
「良かったね。飛び散らなかった?」
「それは大丈夫だった」
「それは良かった。この先生うまいみたいだしね。どうかするとおしっこする度に全身ずぶ濡れなんて人もあるみたいだよ」
「それは辛いなあ」
 
と言ってから、真紗は訊いた。
 
「お母ちゃんも女になった時はどう思った?」
「やはり私も手術が終わってから3日目くらいに、初めておしっこした時が凄く感動したよ。出てくる感覚が全然違うじゃん」
「そうそう。全然違うんだよ。お母ちゃんは飛び散らなかったの?」
「全身ずぶ濡れになるほどではないけど、わりと飛び散ったよ。方向も定まらないから2〜3ヶ月は指で蛇口をおさえてコントロールしてた。その後は安定して、大丈夫になったけどね」
 
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「そうか、あれは蛇口か」
「まあ手術前はホースだったからね」
「これってホースを蛇口から取り外す手術だよね?」
「まあ簡単に言うとそういうことだよね。あれってゴムみたいに伸びるでしょ?」
「ゴムホースだったのか」
 

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7月8日は9時からの第1試合でそのブラジルとラトビアの試合が行われ、ブラジルが88-82でラトビアを下した。この結果、ラトビアの落選が決まり、日本とブラジルの決勝トーナメント進出も決まった。
 
日本チームは練習場所の中学校の体育館で練習している時にこの報せが入り、思わず歓声があがっていた。これで少なくとも前回のU21(10位)よりは良い成績になることが確定した。残りの試合全てに負けたとしても8位である。
 
11時からの第2試合ではロシアとウクライナの試合が行われ、86-62の大差でロシアが勝利した。この2チームは既に順位が確定していたので、この結果は順位表に影響を与えない。
 
13,15,17時からはA組の試合が行われた。結果は下記である。
 
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ESP84○−×78FRA CAN82○−×70CHN USA98○−×38EGY
 
確定順位 1.USA(5勝) 2.ESP(4勝) 3.FRA(3勝) 4.CAN(2勝) 5.CHN(1勝) 6.EGY(0勝)
 
A組はきっちりと勝点(かちてん)で順位が付いた。
 
そして19時から、予選リーグ最後の試合、B組のオーストラリアと日本の試合が行われる。
 

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