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■娘たちの開店準備(7)

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千里は浴室の流し場で身体を洗い、髪を洗って、髪はアップにしてまとめ、クリップやバンスで押さえた上で浴槽につかる。
 
「その髪、洗うの大変そうですね」
と先に入っていた従妹の杏梨・桜花が寄ってくる。
 
「うん。だからどうしてもお風呂入るの、私時間掛かるんですよ。でも貴司さんと一緒に銭湯とかに入ると、たいてい私が先に出るんですよね〜」
 
「兄貴はいったいどこを洗っているんだ?」
と美姫が言う。
「あの子は確かに昔からお風呂が長かったよ」
と保志絵。
 
「なんか『神田川』みたいな話だ」
と杏梨たちの母・麗子が言っている。
 
「ああ、あの曲聴いて、私と貴司さんみたいだと思いましたよ」
と千里は笑顔で言った。
 
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「あなたの優しさが恐かった・・・か」
と理歌が言った。
 
「そう。貴司さんは、優しいのが長所でもあり欠点なんですよ。寄ってくる女の子みんなに優しくしてしまうから誤解される」
と千里は言った。
 
「それ、女としては困った彼氏かも」
と麗子も言った。
 
「でもビシバシ、私が排除しますから大丈夫です」
「おお、頼もしい」
 

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温泉から帰ると、温泉までの往復で疲れそうだからと言って、代わりにこの家の内風呂に入って部屋で休んでいた淑子(貴司の祖母)が千里に声を掛けた。
 
「ねえ、千里ちゃん。京平って、いつ頃産まれるの?」
 
「お祖母ちゃん、御免なさいね。期待だけさせて。多分5年後だと思うんですよ。2014年が世界選手権、2016年がオリンピックだから、その隙間に産んじゃおうかと思っているんですけどね」
「あと5年か・・・私、生きてるかなあ」
 
「お祖母ちゃんはあと40年くらい大丈夫ですよ」
と千里は言った。
 
「さすがにそんなに生きる自信は無い!」
 
千里は少し考えるようにしてから言った。
 
「お祖母ちゃん、今はゲーム三昧でしょ?」
「うん。そんな感じ」
 
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「お散歩でもしてみません?普通に歩くのが辛かったら、最初の内はシルバーカーとか押しながらでもいいと思いますよ」
「できるかなあ」
 
「最初は1日1kmとかでもいいと思います。お祖母ちゃん、心臓が強いからたぶんすぐに2〜3km歩けるようになりますよ」
 
(名前が紛らわしいが手押しの買い物籠兼椅子のようなのがシルバーカーで、電動の車椅子のようなのがシニアカーである)
 
「あ、私確かに健康診断ではいつも心臓がしっかりしてますねとは言われる」
「だから、少し運動していると、寿命も延びると思いますよ。お祖母ちゃんはたぶん京平の孫娘の顔まで見ることができると思います」
 
「ほんとに?」
「あ、私、今京平の孫娘って言いましたね?」
「うん。言った」
「京平に孫娘ができるのかな?」
「あんた、分からずに言ったの?」
「私、時々これがあるんですよ〜。なんかどこかから降りてくるんです」
 
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そんなことを言っていたら、千里の少し後から来て、会話の後半だけ聞いた保志絵が言った。
 
「この子って天性の巫女なんですよ。しばしばこの子、この手のお告げを言うんですよね〜。だから、お母さん、きっと京平の孫娘の顔を見るまで生きてますよ」
 
「そっかー。だったら少し頑張って毎日散歩してみようかな」
と淑子。
「ええ。それがいいです」
と千里。
 
「シルバーカー、留萌に帰る途中、旭川あたりで見ましょうか?」
と保志絵も言った。
 
「でも千里ちゃんの産む子の孫だったら、お母さんからは何に当たるのかな?」
と保志絵が言う。
 
「貴司さんが孫、京平が曾孫(ひまご)、博美が玄孫(げんそん・やしゃご)で」
と千里が言った時、保志絵が
「ひろみ?」
と言う。
 
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「え?それ誰だろう?」
と千里自身が驚いている。
 
「京平の子供の名前かしら」
と言って、淑子も笑っている。
 
「あ、すみません。分かりません」
「でも、ひろみって、女の子かしら?」
「男の子かも知れないですね。どちらもありますよね」
 
「京平は男の子?」
「女の子で京平はない気がします」
「まあ女装くらいはさせてもいいけど」
 
「で、とりあえず、玄孫の子供は来孫(らいそん・きしゃご)ですね」
 
「じゃ、その子たちに会えるのを楽しみにして、私も頑張ろうかな」
と淑子。
 
「はい。無理しない範囲で頑張ってください」
と千里は笑顔で言った。
 

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その日は車で稚内まで来ている人たちが夕方のフェリーで稚内に戻ったが、千里と貴司は夕方のフェリーで移動しても飛行機が無いので、その日も芳朗宅に泊めてもらった。結果的に理歌や保志絵たちもそれに付き合った。
 
千里は翌6月7日(月)朝の朝御飯作りにも協力して、この日まで残っている親戚たちと一緒に朝御飯を食べ、更に食器の片付けをした上で、8:45の稚内行きフェリーに乗った。
 
稚内に10:40に着く。ここで保志絵たちは車で留萌に向かい、貴司は関空行きの飛行機に乗ったのだが、千里はレンタカーを借りて旭川に向かった。方向が同じになるので、結局理歌と美姫は千里の車の方に乗った。
 
「でも今回は芳朗さんちでは男女別の部屋割になったから、Hできなくて兄貴悶々としていたみたい」
と理歌が言う。
 
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「まあお預けにしておいた方が次にする時燃えるかもね」
と千里は言っておく。
 
「確かに確かに」
 
「でも悶々としすぎて浮気に走らない?」
と美姫が心配するも
 
「あいつは悶々としてなくても常に浮気しようとしているからいつもと変わらない」
と千里が言うと
 
「なるほどー!」
 
「お母さんは言うなと言ってたんだけど・・・」
と理歌がためらいがちに切り出すと
 
「緋那さんがそちらに顔出したんでしょ?」
と千里が言う。
 
「ご存じだったんですか!? そうなんですよ!びっくりした」
と理歌。
 
「お父ちゃんがよく分かってなくて家にあげちゃったんですよ。でもお母ちゃんが戻って来るなり追い出しましたから」
 
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「あの子も諦めたみたいなこと言ってて、全然諦めないなあ」
と千里は言う。
 
「実際問題として兄貴はどう考えてるんでしょうね」
と理歌が半ば嘆くように言ったが
 
「あいつは何も考えてないよ」
と千里は言う。
 
「ああ」
「まあ貴司が誰と浮気しようと、誰と結婚しようと、私は貴司の妻であり続けるし、貴司は私自体を捨てることはできないから」
と千里が言うと
 
「達観してますね〜」
と理歌も美姫も感心している。
 
「兄貴、緋那さんとも関係を継続しているんでしょうか?」
「緋那さんが貴司を待ち伏せしてキャッチしようとしたことはあるけど私が排除した」
「おぉ」
 
「私たちと玲羅ちゃんの3人で兄貴におまじない掛けたんですよ。兄貴が千里さん以外とはセックスできないように」
と理歌が言う。
 
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「貴司は自分でもそんな暗示掛けちゃったみたい。自分でも解き方が分からないんじゃないかな」
 
「へー」
「私が貴司の浮気に怒ったとき、反省して、さすがに罪悪感を感じて、その後、夢の中で暗示を掛けてしまったみたい」
 
「ほほお」
 
「だから、あいつは他の女の子とセックスしようとしても、できないだろうね。たとえ、その人と結婚したとしてもね」
 
「じゃ、兄貴のおちんちんはもう千里さん専用なんですね」
「そうそう。私が名前書いちゃったようなもの」
 
「面白ーい」
 

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「でもそのアクアマリンの指輪、兄貴にしてはセンスがいい」
と理歌。
 
「見てみる?」
と言って千里は運転しながら左手薬指の指輪を外し、後部座席の理歌に渡す。ふたりには正月に来た時にも見せているのだが、内側の刻印までは見せていない。
 
「何か文字が書いてある。Takashi to Chisato Love Foreverか。やはり兄貴としてはエンゲージリングのつもりで贈ったんだ?」
 
「うん。エンゲージリングとして受け取ってくれと言われた。でも緋那さんと完全に切れるまでは受け取れないと言った。それでだったらファッションリングとしてでも受け取ってくれと言うから受け取った」
 
「なるほどー」
 
「でも貴司がこの後、浮気しなかったらそのままエンゲージリングということにしてもいいよ」
と千里は言う。
 
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「お姉さん、お言葉ですが」
「やはり、無理だよねぇ」
「兄貴のは病気ですよ」
「だと思う」
と千里も首を振りながら言った。
 

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途中名寄で(保志絵の車に乗っている人達も一緒に)昼食を取り、15時半頃旭川に着く。理歌たちは街で買い物をしてから帰りたいと言っていたので、駅前の商店街で降ろして千里はまず市内の伊川税理士事務所を訪れた。千里の設立した会社の最初の決算をしなければならないので、その打ち合わせをすることにしていた。
 
「これで特に問題無いですね」
「それでは株主総会は来週の日曜日に」
「村山さんも千葉と旭川の往復で大変ですね」
「いや、これはこれで機内で色々構想を練られるからいいんですよ」
「なるほどですね」
 
千里はその後、会社設立でお世話になった赤坂司法書士の所にも顔を出して挨拶をしておいた。
 
夕方からは旭川N高校に顔を出して、練習風景を見学する。
 
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「千里先輩!1on1やらせてもらえませんか?」
と絵津子や紫が言う。
 
「OKOK。やろうよ」
と言って千里は練習用のバスケットウェアに着替え、バッシュを履く。
 
「それやはり練習する予定で持って来ていたんですか?」
と胡蝶が聞いたが
 
「これはいつも持ち歩いているんだよ。持ち歩いてないと変な気分なんだよね。ギタリストが用事が無くてもいつもギターを持ち歩いているようなもの」
 
「なるほどー」
 
「まあピアニストはグランドピアノ持ち歩けないけどね」
「それで電車に乗ると、ちょっと迷惑ですね」
 
この日は絵津子、ソフィア、不二子、紫、胡蝶たちとたくさん手合わせしたものの、千里を本気にさせたのは絵津子だけで、紫やソフィアには千里は八分くらいの力で対峙していた。また胡蝶や宮坂智加・宮口花夜などのスリーも見てあげた。
 
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「来週も来るから、みんなレベルアップしといてね」
と千里は言う。
 
「はい!頑張ります」
とみんな大きく息をつきながら言っていた。
 

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千里はこの日、旭川空港から20:20の羽田行き最終便で戻った(22:05着)。
 
空港で待っている時に保志絵から電話があった。
 
「貴司の名前で香典を供えたの、たぶん千里ちゃんよね?」
「はい、そうです。貴司さん、何も考えてないみたいだったし。念のため用意していたんですよ」
「なんか凄い金額が入っていたってんで鶴子さんがびっくりしてたみたい」
「だって、この法事、物凄い費用が掛かってますでしょ?」
「実はそうなのよ。だから助かったと言ってた」
「私も貴司さんも昨年の一周忌に行けなかったし、ご無沙汰賃も兼ねて」
「香典返しに悩んでいたけど」
「じゃ、香典返しは、淑子さんに5000円くらいのビットキャッシュでも」
「ああ、喜ぶかも!」
 
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なお、この日、大学には千里の代わりに《きーちゃん》が出席していた。千里はこの年、代表活動で特別扱いしてもらっているので、それ以外では絶対に休まないようにしようと考えていた。
 
「だから私が出席するわけ〜?」
と《きーちゃん》は文句を言っていたが。
 
この日はプログラミング実習があったが、《きーちゃん》がノーミスでモンテカルロ法のプログラムを書いたので「おお。村山もやればできるじゃん」といつも千里の奇抜な?プログラムに呆れていた指導教官が言っていた。
 

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娘たちの開店準備(7)

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