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■娘たちの開店準備(2)

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2010年4月17-18日(土日)、岡山県全県で、中国高校バスケットボール選手権の地区予選が行われたが、新人戦でBEST8に入っている、倉敷K高校、岡山H女子高、岡山E女子高は、いづれも予選免除で県大会進出となった。
 
岡山県では倉敷K高校と岡山H女子高の2強時代がここ数年続いていたのだが、昨年の「お家騒動」の結果、K高校の生徒の一部がH女子高に転校して現在、H女子高の方が強くなっている。またK高校に居た高梁王子はE女子高に転校したものの、現在まだアメリカ留学中である。しかし高梁がE女子高に入ったという情報から、昨年も今年もE女子高に強い子が何人も入っており、E女子高もかなりの強豪となっている。
 
翌週24-25日に県大会が行われ、岡山H女子高が優勝、倉敷K高校が準優勝、岡山E女子高が3位で、この3校が中国高校バスケットボール選手権の本大会に出場した。5月8-9日に同大会は開催され、H女子高が準優勝、K高校はBEST4, E女子高はBEST8であった。
 
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この大会で県BEST8になった学校はインターハイの地区予選(5月1-2日)を免除になる。県大会はその8校と地区大会を勝ち上がった16校との合計24校で、6月11-12日、19-20日に行われる予定である。
 
そして高梁王子は6月4日(金)に向こうの学校での終業式を終えて翌日6月5日の午後の便で帰国する予定である。到着は日本時間で6月6日(日)の夕方になる。
 

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男は精根尽きて、もうこのまま行き倒れしてもいいかもという気がし始めていた。
 
もう一週間ほど何も食べていない。雪解けの水を飲んで、喉の渇きだけは何とかしているものの、しばしば視界がグレイアウトしている。その度に座り込んで体力を回復させていた。
 
北海道の4月はまだほとんど「真冬」である。
 
今日はもう既に4回くらいグレイアウトが発生していた。
 
「あんた、そこに座ってられたら迷惑なんだけど」
と声を掛けられた。見るとお肉屋さんの店先だ。
 
「済みません」
と言って立ち上がり、ふらふらとしながら立ち去る。
 
しかしそこから50mも行かない内に、男はまた倒れてしまった。
 
起き上がる力が出ない。ああ、ここでもう終わりかなあ、と男は思った。親戚と元恋人の所に置いてきた2人の子供の顔が浮かぶ。やむを得ずヤクザの所に置き去りにしてしまった末の息子の顔が目に浮かぶとともに心が痛む。あのヤクザ、子供は助けてやると言ってたけど、無事かなあと心が痛む。そして元恋人の顔が浮かぶ。
 
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「みち、ごめん」とつぶやいた。
 
そのまま意識が遠くなりかけた所で、すぐそばで引き戸の開く音がする。
 
「あれ?ここに人が倒れているよ」
という声がする。
 
同時に何かどぶのような臭いがしてきた。何だこの臭いは!?
 
「どれどれ」
と言って、別の人が出てくる。
 
「食べ物屋の前で倒れられているのは迷惑だなあ」
などという声もする。
 
ああ、ここは食べ物屋さんだったのか。しかし、なんつー臭いだ。
 
「あんた生きてる?」
という声がする。かなりの老人のようである。
「はい」
と男は答えたものの、あまり声らしき声になっていなかった。
 
「体調が悪いの?」
と老人が尋ねる。
 
「いえ。もう一週間ほど何も食べてなくて」
と男は何とか腕と膝を立てて OTL のような形を取りながら答えた。
 
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「ほんとに疲れ切ってるようだね。うちのラーメンでも良ければ食べる?おごってやるよ」
と言われた。
 
ラーメン!何て素敵な言葉だろう!!
 
すると客らしき人が1人言った。
「もっともここのラーメン食ったら、あまりの不味さにショック死するかもね」
 
へ?と思ったものの、ラーメンがもらえるという話に男は最後の力を振り絞って立ち上がり、ふらふらとした足取りで店内に入った。
 
「適当な所に座って」
と老主人に言われるので、いちばん近い所にあるテーブルの所の椅子に座る。
 
それでラーメンを出してもらった。
 
嬉しい。食べ物が食べられるなんて。客が不味いとか言ってたけど、どんなに不味いものであっても食べ物であるなら、ありがたい。きっと、この状況なら、どんな食べ物でも美味しく感じるだろう。
 
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男は神に感謝する気持ちになっていた。
 
そして割り箸を取って、1口食べた。
 
その瞬間言った。
 
「不味い!!!」
 

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2010年4月28日(水)。ローズ+リリー、およびケイ・マリの権利関係を管理するための会社《サマーガールズ出版》が設立された。当初の資本金は1億円で、株主構成は、唐本冬彦4900万円、中田政子1500万円、マリ&ケイ・フレンズ1800万円、RPL匿名組合1800万円であった。
 
マリ+ケイが64%で66%以下であること、ケイ個人は49%で50%以下であること、フレンズと匿名組合はいづれも18%で20%未満であることが“ミソ”である。
 
出資比率が20%以上になると出資者はその会社を連結会社として経理処理する必要がある。50%を越える出資者は株主総会で決定権を持つ。3分の2(66.67%)以上の出資者は株主総会で重要事項を単独で議決できる。逆に3分の1(33.33%)を越える出資者は重要事項の決定に関する拒否権を持つ。
 
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マリとケイの出資比率はその後の増資の際に調整され、最終的には2人は同額を出資(32%ずつ)する形になるが、この時点では1500万円がマリの出せる限界だった。実際にはマリはケイから700万円借りて出資している。
 
「マリ&ケイ・フレンズ」とは、マリとケイの友人や親戚たちが出資したもので、参加している人数は100人を越える。1〜2万円の出資者が多いが、この会社の利益が凄まじいので、毎年参加者に結構な「お小遣い」を提供している。ただ、金額的には山吹若葉が大半を出しており、結果的に若葉は設立時にはケイに次ぐ第2株主だったし、現在でもケイ・マリに次ぐ第3株主である。
 
このフレンズは経営方針を下記の匿名組合に左右されないための絶対的味方として策定した。つまり若葉はケイにとってホワイトナイトなのである。当時そんな話をしていたら
 
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「うん。冬がお姫様で私が白馬の王子様でいいよ〜」
と若葉は言っていた。
「あんたたちの性別がよく分からん」
と前村貞子などは言っていたが。
 
「冬、私の赤ちゃん産んでね」
「さすがに産む自信は無い」
「若葉は精子あるのか?」
「努力してみる」
 

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RPL匿名組合は誰が参加しているか自体を公開しておらずケイも知らないのだが、実際は、下記の6つの共同体が300万円ずつ出資している。
 
§§オータム、ζζパイン、○○△△、$$ストレジ、アクアDP、★★レコード。
 
6者にしたのは1者あたりの出資比率を20%未満にするためである。
 
§§オータムは紅川社長の§§プロが280万、秋風メロディー・コスモス姉妹が10万ずつ出資したもの、ζζパインは兼岩会長のζζプロが250万、松原珠妃個人が50万出資したもの、○○△△は、丸花社長の○○プロが200万、津田邦弘社長の△△社と姉の津田アキさんの津田民謡教室が50万ずつ出資したもの。$$ストレジはドリームボーイズやAYAの事務所$$アーツと蔵田孝治の個人会社ストレジが150万ずつ出資したものである。
 
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この会社に秋風姉妹が出資したのは、紅川さんが「こういう会社作るけど、誰か出資したい人いる?」と何気なく事務所内で訊いた時、たまたまその場にいたコスモスが「ケイ先生にはたくさんお世話になっているし」と言って出資を表明。最終的に「この会社有望そう」と言った姉と10万ずつ出しあったものである。それでふたりはこの会社の0.1%ずつの株主となった。
 
アクアDPは雨宮三森の個人事務所アクアシュライン(Aqua Shrine)200万、三宅行来の個人事務所ドラゴンフォックス(Dragon Fox)60万、村山千里の個人会社フェニックストライン(Phoenix Trine)40万と出資したものである。
 
この会社設立の話が出た時、雨宮は千里に
 
「私は2本出すつもり」
と言って千里にも出資に乗らないかと誘った。
 
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千里はアイドル歌手の運営会社なら、きっと資本金も100万円程度だろうから、先生は20万円出すつもりなのだろうと考え、4-5万円くらいなら出してもいいかと思って
 
「じゃ、取り敢えず先生がお出しになる額の2割程度で」
と言った。
 
しかし実際には雨宮先生の出資額は200万円だったので千里は40万円出すことになってしまった。それで千里はマリ&ケイの運営会社の0.4%の株主となった。最終的には匿名組合の1名義あたりの出資額が300万円に調整されたので、差額60万円を雨宮先生の“内縁の夫”である三宅先生が出した。それで三宅先生も0.6%の株主になった。後の増資で3人の出資比率は雨宮4:三宅3:千里3の比率になっている(つまり千里は0.9%の株主になっている)。
 
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雨宮先生は、新島さんと毛利さんにも出資を誘ったが、新島さんは「そんな危険な投資はできない」と言い、毛利さんは「俺金無いです」と言った。
 
なおサマーガールズ出版の経理事務はζζプロが代行、営業業務は○○プロが中心になっておこなっている。経理事務をζζプロが担当した主たる理由はこの会社の初期の収入の大半が、実は松原珠妃の制作に関するものだったからである。
 
最初の2年間、この会社の収入は、1位松原珠妃、2位スリファーズ、3位篠田その歌で、実はローズ+リリー関連の収入は微々たるものであった。この会社を作った時雨宮は「桃栗3年柿8年」と言ったが、ローズ+リリーが莫大な利益を上げ始めるのは3年目の2012年度からである。
 
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