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■娘たち・各々の出発(6)

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由里浜さんとの話が終わる。彼女が退席すると、入れ替わりで日本代表監督の田原さんが入って来た。
 
「ご無沙汰しておりました」
「うん。ご無沙汰、ご無沙汰」
 
田原さんともここ1年ほどの千里の活躍のことを話した。実際にはそのほとんどの出来事がここ3ヶ月ほどの間に起きたものなので“こそばゆい”感じである。
 
しばらく話している内に、田原さんがこんなことを言った。
 
「これ昨日佐藤(玲央美)君とも話したんだけどね」
「はい」
「花園、佐藤、村山という3人は今回選ばれた候補選手の中でもひときわ若い」
「そうですね」
「だから、この3人は単純に練習相手、兼、次世代の中核選手になってもらうために代表の雰囲気を感じ取ってもらうのに今回は招集されたと思っているかも知れないけど、僕としてはそんなつもりはないから」
「はい?」
 
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「追加招集予定の横山君を含む24名の中の誰が選ばれるかは今の時点では誰も分からない。三木エレンや馬田恵子だって落ちるかも知れない。むしろ君たち若い人たちがそういうベテランや身体能力の高い選手を蹴落として代表枠を手にするくらいでなかったら、日本は今年の世界選手権、2年後のロンドンオリンピックで優勝することはできないと思うんだよ」
 
千里は監督の言葉を少し考えた。
 
「世界選手権やロンドンオリンピックで優勝するんですか?」
「それが君たちに掛かっていると思う」
 

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田原さんからは、麻生太郎会長(前首相)名の選手招集協力依頼書をもらったので、千里はバスケ協会を出ると千葉に移動してC大学に行き、担任の華原准教授の部屋を訪れた。そして、依頼書と合宿予定のコピーを渡し、日本代表候補に選ばれたので、できたら配慮をしてもらえると助かるということを言った。
 
「ああ。大丈夫だよ。去年も代表やってたからね。あの時と同様の対応になると思う。あれ?今度はU19とかじゃないんだ?」
と准教授は依頼書の文面を見て言う。
 
「U20の方にも呼ぶと言われています。ですから今年の前半は両方の合宿に参加しないといけないみたいで」
「大変だね!」
「U20の方も公式に招集されたら、また協力依頼書を持って来ますので」
「了解了解」
 
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「それで早速4月1日から合宿なので、実は前期の履修票が提出できないのですが」
「おお、それは僕が手続きを代行しておくよ。何を履修したいかは決めてる?」
「はい。一応こちらに書いてきました」
 
と言って、リストを准教授に渡す。実は履修票の提出のみなら、朱音あたりに頼んでもいいのだが、教官を通しておかないと、講義への出席問題で大学側から言われかねないと思ったのである。
 
「授業日程が発表されたら、それをメールででも教えて頂きましたら、それで希望の講義を書いて先生にお伝えしようかとも思ったのですが」
「ああ、それでいいけど、日程はもう決まってるよ」
「そうなんですか!」
 
「ちょっと待ってね」
と言って准教授が日程表を出してくる。
 
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「履修票の用紙もあげるよ」
「ありがとございます!じゃ、今書いていいですか」
「うんうん」
 
それで千里はその場で履修希望の講義を履修票に書き、華原に渡した。例によって金曜日の午後の講義を入れないようにして、週末大阪に行って来やすくする。
 
「じゃこれで提出するね。枠があふれて取れなかった場合は報せるから」
「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします」
 

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千里は大学を出ると電車で羽田空港まで移動し、17:45の旭川行きに乗った。これが19:25に旭川空港に着き、そのまま空港連絡バスで市内に入ると、赤坂司法書士事務所に行く。
 
「こんばんは。遅い時間に済みません」
「こんばんは。こちらはどっちみち10時頃までは毎日仕事してますから」
 
と赤坂さんは笑顔で千里を迎え入れてくれた。
 
「今日の15:23に登記申請しましたから」
と言って彼女は千里に申請の受付票を見せてくれた。
 
2010.3.23 15:23なら数理は4になる。幸先良いなと千里は思った。
 
「今ちょうど会社設立の多い時期なので、登記完了には少し時間が掛かるようです。一応4月4日までには完了するということでした」
「では、それが終わったら会社印を登録して、税務署と社会保険事務所の手続き、そして銀行口座の開設と進めて頂けますか?私は合宿中なので電話がつながらないと思いますが、状況を逐次メールして頂けると助かります」
 
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「ええ。じゃ、その線で進めましょう」
 

司法書士事務所を出ると、千里は予約していたホテルにチェックインし、その後、食事に出た。近くの居酒屋に入り、スタッフさんに案内されて店内に入っていくと、手を振る子がいる。
 
「あれ〜、蓮菜だ」
「千里〜」
 
「お知り合いですか?」
とスタッフさんが訊く。
 
「ええ、でもデートのお邪魔してはいけないから」
「こちらは大丈夫だよ。俺たち恋人じゃないし」
と蓮菜の隣に座っている田代君が言う。
 
「じゃ相席でいいです」
と千里が言い、ふたりの向かい側の席に座った。
 

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「いつ、こちらに戻ったんだっけ?」
と千里は訊いた。
 
「2週間くらい前から。春休みだしね。月末に東京に戻る」
と蓮菜が答える。
 
「千里もずっとこちらに居るの?」
「私は先週おばちゃんの結婚式でこちらに来て、そのあと一度東京に戻って福島で大会に出た後、今日はまた別の用事できた。明日はまた東京にとんぼ返り」
 
「忙しいね。新学期はいつから?」
「1日からだけど、その1日からバスケの合宿がある。初っぱなから講義に出られない」
「なかなか大変そうだ」
 

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「田代君、今年はベンチ枠行けそう?」
「なかなか厳しい。さすが2部の大学だけあって競争が厳しい。今まだ2軍と3軍のボーダーラインって感じなんだよ」
 
「でも1部の大学よりは出場機会が得られる可能性はあるよね?」
「そうそう。そう思ってH大学を狙ったんだけどね。やはり全国大会とかの実績がない選手はどこでアピールするかというのが難しい」
 
「ちょっとした機会をうまく使ってアピールしていくしかないよね」
「うん。まさにそういう所なんだよ。3年生4年生になると温情で出してもらえる可能性もあるけど、そういうのは情けないと思うんだよね。やはり2年生の内に実力でベンチ枠を取りたいよ」
 
「ベンチ枠じゃなくてスターター枠を取りなよ」
「そうだよなあ。でもまだ俺そこまで言い切れないよ」
「そのあたりはハッタリで」
 
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「村山もレンも結構ハッタリがあるよな」
「人生なんて全部ハッタリでいいんだよ」
「私もそれ賛成」
「うーん。。。お前たちを見習わないといけないなあ」
 

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「あれ?でももしかしてふたり恋人に戻った?」
「ううん。お互いに彼氏彼女がいるから、見つからないように遠くでデートしようと」
 
「蓮菜たちの感覚はいまいち良く分からない!」
「実は旭川市内にウィークリーマンションを借りたんだよね〜」
「本格的だね!」
「そこで俺はB大旭川校の練習に混ぜてもらってる」
「鞠古君の所か!」
「そうそう。そのツテで。H大というから凄い奴が来るかと思った、と言われたけど、ここ1ヶ月ほど練習していて、自分の中で何かが芽生えていっているような気がする」
「それを伸ばしていきたいね」
「うん」
「蓮菜は?」
「詩を書いて、勉強してかな」
「主婦もしてんの?」
「してない。してない。外食とかコンビニ弁当ばかりだね」
「なるほどー」
「マサは不満みたいだけど、別に私を奥さんにするつもりはないんでしょ?と言っておいた」
「でも同棲してんだ!」
「ただの同居だよ」
「セックスしないの?」
「気が向いたらしてる」
「一応お互いの関係はセフレということにしてるし。でも日に1〜2回しかしてないよ」
「恋人になれば良いのに」
「恋人はお互い他に居るし」
「やはり、さっぱり分からない」
 
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千里はふと、ビールを飲んでいるのが蓮菜だけであることに気づいた。
 
「あれ?田代君はお酒飲まないの?」
「ドライバーだから」
 
「ああ。車で来てるんだ?」
「車無いと不便だからさ。レンタカー1ヶ月半借りたんだよ」
「なんか色々お金掛かっている気がする」
「まあお金はあるし」
「税金辛かったでしょ?」
「びっくりしたー!でも全然使ってなかったから無事払えたよ」
「まあ勉強してたら使う暇も無いよね」
 
「でも何借りたの?」
「ヴィッツ。安かったし」
「ヴィッツ1ヶ月半借りるなら、中古車一台買える気もする」
「それも考えたけど、駐車場契約したり、あれこれ手続きしてたりしたら、それも面倒でさ」
「じゃ夏休みになったら買うとかは?前もって少し準備しといて」
「ああ。それもいいかな」
 
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「村山は何か車買ったの?」
「インプレッサ・スポーツワゴンだよ」
「いい車だな。もしかしてMT?」
「もちろん。ATなんて女の車だよ」
「村山って男なんだっけ?」
「知ってるくせに」
 
「ATに乗ってるマサは女なんだっけ?」
「知ってるくせに」
 

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蓮菜が面白そうに笑うので千里は尋ねた。
 
「何かしたの?」
「いや、こないだマサをタックしちゃったんだよね」
「へー!」
 
「寝てる間にやられたからさ。無くなってる!と思って焦った!」
 
「そんな乱暴なことしたらおちんちん切っちゃうぞと言ったのにやめなかったからね。その罰」
「まああれは悪かった。でもどうしてもやりたくてさ、あの時は」
 
「このまま一緒に女湯に入ってみない?と唆したけど逃げた」
と蓮菜。
「だって、チンコが無くてもおっぱい無かったら女湯には入れないよ。ちょっと入ってみたい気はしたけどさ」
と田代君。
 
「スカート穿けるように足の毛も全部剃ってあげたのに」
「あれはハマリそうなくらい良かった」
「また剃ってあげようか?」
「ちょっと考えさせてくれ」
「取り敢えずマサが穿けるサイズのスカート買ってあげたのに穿かないし」
「さすがに恥ずかしい!」
 
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「おちんちん無くなった感想は?」
と千里は田代君に訊く。
 
「すっごい変な気分だった。チンコがあるべき場所を触っても無いし、見てみても無いから。小便もしてみたけど、それも変だった。思っていたのより随分後ろの付近を拭かないといけないし」
 
「マサはけっこう女になる素質あると思うよ。スカート抵抗あるなら、キュロットとか穿いてみない?」
と蓮菜は楽しそうに言う。
 
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娘たち・各々の出発(6)

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