広告:國崎出雲の事情-8-少年サンデーコミックス-ひらかわ-あや
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■女子高校生・冬の夜なべ(3)

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その夜、和弥は自分の部屋で寝ようとしてその前にトイレに行った。むろん個室を使うのだが、いつものように広告紙を切った物をペニスと陰嚢の間にはさみ、陰嚢が濡れないようにして排尿した。
 
そして部屋に戻り布団に入って寝ようとした時、全身金色の服の女の子が枕元に座ってゲーム機で遊んでいた。和弥はその服装からてっきりオーリタかと思った。
 
「和ちゃん、何かおしっこで困ってない?」
と彼女は訊いてきた。
 
普通の女性には話せないけど、オーリタならこんな話をしても大丈夫かな、と和弥は思った。
 
「いや実は最近何でかちんちんが短くなっちゃって、おしっこする時に陰嚢におしっこが掛かってしまうんだよね。だから。広告紙を小さく切ったのをちんちんと陰嚢の間にはさんでおしっこが陰嚢に掛からないようにして、してる」
「ちょっと見せてみて」
「うん」
 
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それで和弥はパジャマのズボンとショーツを脱ぎ、そこを露出する。金色の女性がこちらを向いてそこを見る。その時和弥はそれがオーリタでは無いことに気付いた。オーリタより若い。年齢は16-17歳という感じである。ちょぅど千里ちゃんと同じくらいの年齢だと思った。
 
「あれ?君はオーリタじゃ無いのか」
「私はオーリタの妹のオーロラだよ。あ、確かにこれは不便だろうね。だったら、おしっこが陰嚢に掛からないようにしてあげるよ」
「ほんと?」

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「要は陰嚢があるから掛かっちゃう。陰嚢が無ければおしっこが掛かることも無い」
「ちょっと待って」
「大丈夫。睾丸は取ったりしないから」
と言うと、彼女は和弥のお股に手を当てた。
 
「はい、調整したよ」
と言われるので見ると陰嚢が無くなってる!
 
「睾丸無いと困るよぉ」
「睾丸は消してないよ。消去したのは陰嚢だけ。睾丸はちゃんとあるから触って確認してごらん」
 
それで和弥が指で触って確認すると、睾丸は皮膚の下に存在しているようである。純粋に陰嚢だけが無くなっている。しかしできたら、陰嚢はそのままでペニスを少し長くして欲しかったのだが、(そう言えば良かったのに。オーロラならしてくれたと思う)
 
まいっか。睾丸は存在してるんだし。それでもう一度トイレに行ってみると、陰嚢が無いからペニスは垂直に垂れ、そこからどこにもぶつからずにおしっこは落ちて行く。これ悪くないかもと思った。
 
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それでちんちんの先をペーパーで拭いてからショーツを上げパジャマのズボンを上げて部屋に戻る。もうオーロラは居なかった。居たら
「陰嚢を消すんじゃなくてちんちんを長くはできない?」
と言ってみるつもりだったのだが、まあいいかと思った。
 

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千里Rと玲羅は25日の夜にサハリンの運転する車で旭川から留萌に移動した。玲羅は村山家に、Rはrの家に入った。
 
「あ、お母ちゃん」
「うん」
「これ姫路のお姉ちゃんからお母ちゃんに、私の高校進学で色々大変だろうからって」
と言って玲羅が封筒を渡すと母は嬉しそうだった。
 
実は授業料は旭川の千里が出してくれるという話だったが、入学金・寄付金・制服代・教科書代とかをどうしようかと悩んでいたので、助かった!と思ったのである。
 
「それからこれ美輪子叔母ちゃんに福引きにでも当たったとか言ってあげなよって」
と言ってVISAの商品券の束を渡した。
「ありがとう。そうする」
 
実は“東の千里”が美輪子のアパートに下宿しているが、千里が入学する時、母は毎月3万下宿代として払うと言っていたのに実は入学した時に3万払っただけで、その後は一度も払ってなかったのである。
 
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それでこの商品券については津気子もそのまま全部美輪子に郵送した。
 

12月25日(火).
 
杉村桂花が留萌市内の産婦人科病院で男の子を出産した。ただし桂花は法的な妻である“杉村真広”の名前で入院していたので、出生証明書には母:杉村真広、父:杉村桂助と記載され、戸籍にもそう記載された。
 
「でもお前の種でできた子だよな」
と真広の父・杉村蜂郎は真広に確認した。
「もちろん」
「でかした。ふたりともよくやった」
と蜂郎は嬉しそうだった。
 
これで北海道新鮮産業の次期社長は真広になることがほぼ確定した。もとより弟(実質妹)の古広も「真広姉ちゃんのほうが経営者に向いてる」と言っていた。いちばん上の初広は経営者には全く向いてないのが明らかだった。蜂郎としては、しっかりした真広に継がせるか、戸籍上の唯一の息子となってしまった古広に名目だけでも継がせるか悩んでいたのである。
 
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しかし今や女になってしまった真広が男性時代に保存していた精液で男の子を作ったことから次は真広でその次は今日生まれた孫、という流れが固まった。
 

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2008年1月1日0:00。留萌では港に停泊している船が一斉に汽笛を鳴らした。
 
白石たちの第八潮見丸も鳴らしたし、桜鱒プロジェクトで使っている第十山女丸も微力ながら鳴らした。
 

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武矢と津気子・千里Bは紅白、行く年来る年とテレビを見てから
「今年はいい年だといいね」
と言って寝た。
 
玲羅は紅白とか見たくないので紅白が始まるのと同時に「おやすみ」と言って奥の部屋に入り寝た。
 
↓村山家の寝る位置(再掲)

(玲羅の隣に寝ているのは千里B)
 
そして玲羅は0時の汽笛で目を覚まし、その後は母が消してしまったエアコンを点け、3時間くらい数学の勉強をしていた。
 

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「しかし難しいなあ。円柱(えんちゅう)の体積がπr2hになるのはまだ分かるとして、なんで円錐(えんすい)はそれを3分の1するんだろう」
などと呟いていたら
「それは積分したからだよ」
という声がした。
 

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「え?」と思って見ると千里姉?であるが全身金色の服を着ている。そしてよく見ると、千里姉より少し年齢が高い気がする。18-19くらいである。
「お姉ちゃん!?・・・じゃない??」
 
「私は10人くらい居る千里の中で金色グループの一人“オーリタ”だよ」
「へー」
「千里は本来6歳で死ぬはずだった。しかしP大神が寿命を倍にしてくれた。それで6歳の時、千里はいったん死んで金銀銅の3人に分かれて再生した。銀色は本来の寿命通り6歳で死んで、銅は12歳まで生きて、そこで赤青黄に分裂した。金は生まれてすぐ、アイン、アイン・ゾフ、アイン・ゾフ・アウルに再分裂した。私はそのアイン・ゾフ・アウルだよ」
「ふーん」
「アイン・ゾア・アウルって長いから普通は“オーリタ”と呼んでもらえばいい」
「オーリタね」
「アイン・ゾフがオーロラ、アインがオーリン」
「へー」
「オーロラは赤や青の千里と同年齢、私はオーロラより2つ年上、オーリンは死んだ時のまま6歳」
「ああ」
「私やオーロラは呼んで良いけど、オーリンは呼んじゃダメだよ。あの子、思い違いや物忘れが酷い上に人をすぐ性転換させたがる」
「あはは」
「玲羅ちゃん、あの子に関わったら男に変えられちゃうかも」
「男になるのは嫌だなあ」
「男なんて良くないよね。男の子はみんな10歳くらいでちんちん取って女の子にしてあげればいいのよ」
「男が居なくなると人類が滅亡する気が」
「女が倍になれば子供産む人が増えて人口倍増するよ」
 
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微妙だなと思った。でも男の半分くらいは女に変えてもいいかも??
 
あるいは基本的には女ばかりだけど、ごく少数の男を精液採取のため飼育しておくとか???
 

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「まそれで円錐の体積の公式に1/3が出てくるのは積分したからなんだよ」
とオーリタは本題に戻って説明した。
 
「x3を微分したら 3x2になる。微分すると冪(べき)の数が係数に降りてきて冪の次数はひとつ減る。だから逆にx2を積分すると 1/3 x3になる。それで1/3 が出てくるのね」
「へー」
「円錐の頂点を原点にしてそこから x 降りた所の断面の円の半径は r/h・x になる」
とオーリタは黒板に図を描いて説明した。
「ああなるほど」
これは玲羅も分かった。
「だからこの微少部分dxの体積はπ(r/h・x)2・dxで表される」
「それ円柱の体積だよね」
「そうそう。円錐というのは凄く薄い円柱をたくさん積み重ねたものなんだよ」
「なるほどー」
「だからこれを全部足し合わせると円錐の体積が出てくる。こういう無限小を無限に足し合わせることを積分というのね」
「へー」
「だから円錐の体積は∫0-h π(r/h・x)2dx となりx2の積分が1/3 x3であったことを思い出すとこれは ∫0-h π(r2/h2・x2dx = [1/3 π(r2/h2)x3]0-h となって1/3 π(r2/h2)h3 = 1/3 π r2h となる」
 
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とオーリタは積分の考え方を使い、円錐の体積を求める公式を導出してみせた。
 

玲羅は積分そのものを知らないのでオーリタの説明は厳密には分からなかったもののなぜ1/3 というのが唐突に出て来たのか理由は分かったし、公式が出て来た過程も何となく分かったような気がした。実は数学ではこの“分かったような気がする”という感覚が大事である。しかしともかくそれで玲羅は円錐の体積の公式をしっかり覚えることができたのである。玲羅はこのあとオーリタと数学の勉強を3時間くらい続けた。お腹も空いたが、金色のセーラー服を着た、オーリタより少し若い、赤の千里や青の千里と同年齢くらいの千里が適宜、お餅とか串カツとかを持って来てくれたので、それを食べていた。この人がオーロラかな?と思った。
 
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4時頃
「そろそろ寝た方がいいよ」
と言われて寝ることにする。玲羅はトイレに行ってから布団に入り、ハリーポッターのDVDを聞きながら寝た。
 
オーリタはこの後もしばしば夜中に出て来てはたくさん勉強を教えてくれた。
 

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P神社では今年も和弥と常弥が1日交代で祈祷を担当した。笛は千里、太鼓は善美か花絵が叩いた。年末年始のおみくじ係は、由梨子または貞美が担当した。
 
また3ヶ日に福引きを実施したら凄い売上だった(担当:セナ)。
 
1等 TDR旅行券
2等 東京旅行券
3等 トマム旅行券
4等 札幌ガトーキングダム旅行券
5等 層雲峡旅行券
6等 ムーミンのお皿セット
7等 ムーミンのぬいぐるみ
8等 七福神人形
9等 招き猫黒白セット
10等 熊手と破魔矢
参加賞 開運暦
 
セナは一時期はQ神社にとられそうだったが、最近はP神社に結構居てくれるのでP大神はご満足である。セナと美那は大神の声が聞けるので便利に使われている。
 
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美那は神様の雑用をするお手当ももらっているが、セナは何ももらってない!
 
小鳩は千里(r)や美那よりセナの方が気安く色々頼めるので何でもセナに相談している。(千里には叱られそうで恐い。美那はなかなか説明を理解してくれない)
 

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姫路の立花K神社ではまゆりが妊娠中なので越智さんがだいたい祈祷を担当した。笛は弓佳さんか千里Y2(夜梨子)が担当した。
 

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ところで年末に千里と公世が北海道に行ってしまったあと、清香は今年は市内の両親の家には行かず、橘丘新町の家で、ひとりでお勉強をしていた。
 
12月24日の晩、トイレに行った時、人影を見た気がしたので百合さんかな?と思い、
「百合さん、おにぎりか何か作ってくれない?」
と呼びかけたら、百合さんでは無い。
「千里?」
 
“その”千里は全身銀色の服を着ていた。また年齢が22-23歳の感じがした。
 
「千里の・・・お姉さん??」
「私は15人くらい居る千里の中の銀色グループの一人、シルビア」
 
「ああ、千里って何人か居る気はした」
「基本的に金色グループと銀色グループと虹色グループに分かれるんだよ」
「ふむふむ」
「金色は最低3人。銀色は最低5人、虹色は赤・橙・黄・緑・青・藍・すみれの7人は居る」
「ああ、そのくらい居るかもしれない気はする」
「あと何人かの千里にはコピーもいる。少なくとも赤・黄・緑にはコピーが居る」
「ほほお」
 
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「そうだ。君も千里なら、これ分からない?」
と言って、清香は悩んでいた英語の発音問題を見せる。
「ああ。これは実際に発音してみれば分かるんだけどね」
と言ってシルビアは各単語を発音してみせた。
「ああ、これとこれが同じ発音だ」
 
「学校の授業では英語の先生の発音が悪いからよく分からないよね」
「言えてる言えてる」
 
このあと清香はシルビアと楽しくお勉強をしたのである。
 

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千里Rと公世は1月6日(日)の桜ジェットで神戸空港へフライト、姫路に戻った。北海道では1月20日くらいまで冬休みが続くところが多いが、姫路では7日から3学期が始まる。冬休み期間中清香は今年は両親の家には行かず、ずっと勉強していたらしい。気合入ってるなと思った。やはりこの子は頑張る時は頑張る子だ。
 

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1月7日、NTTドコモがPHSサービスを終了した。
 

1月8日、福岡地方裁判所は、2006年8月に福岡市東区で幼児3人を死亡させた追突事故を起こした元福岡市職員の被告に対し、危険運転致死罪(最高刑25年)を適用せず、業務上過失致死罪(最高刑5年)を適用、懲役7年6月の判決を下した。(道路交通法違反との併合罪で1.5倍にされる)
 
検察・被告の双方とも判決を不服として福岡高等裁判所に控訴した。
 
この第一審では検察は当初危険運転致死罪のみで起訴していたが、同罪は成立要件が厳しすぎるため無罪になる可能性があるとして、途中で業務上過失致死罪を訴因に追加した。そちらが適用された。(裁判所が追加を要求した:こんな要求をした時点で裁判所は危険運転罪を適用しないことが想像された)
 
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この裁判以降、危険運転罪の適用条件を緩めるべきとする議論が盛り上がることになる。
 
この事件の加害者の福岡市職員は当初分限免職(退職金が出る)になっていたが、市に多数の苦情が寄せられて山崎市長が陳謝。懲戒免職に切り替えられていた。
 

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女子高校生・冬の夜なべ(3)

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