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■女子大生・秋の実り(8)

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朝7時頃、姫奉燈の出発式が行われる。翠花が笛を吹き善美が太鼓を叩いて和弥が祝詞を奏上した。
 
今年の先導巫女は昨年と同じメンツである。2年目の玲羅がリーダーを務め、先頭で扇を持つ。笛は今年も貞美である。
 
歴代の先導巫女
1994 文代L 梨花 花絵 小春
1995 花絵L 梨花 美輪子 小春
1996 美輪子L 花絵 梨花 小春
1997 梨花L 乃愛 美輪子 小春
1998 乃愛L 洋子 美輪子 小春
1999 洋子L 守恵 美輪子 小春
2000 守恵L 朱理 美輪子 小春
2001 朱理L 純代 守恵 美輪子
2002 純代L 守恵 広海 千里
2003 広海L 純代 守恵 千里
2004 千里L 広海 純代 守恵
2005 守恵L 千里 広海 純代
2006 広海L 千里 守恵 貞美
2007 貞美L 広海 千里 守恵
2008 千里L 守恵 貞美 広海 2009 守恵L 貞美 広海 玲羅
2010 玲羅L 貞美 守恵 広海
 
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今年の行列はこうなった。
 
先導巫女4人−祭主(和弥)−姫奉燈を曳く氏子さんたち−姫奉燈−副祭主(まゆり)−末尾巫女(善美)
 
末端巫女は羽衣を着て、豊受姫の旗を持つ。姫奉燈を曳く氏子さんたちは全員男性ではあるが、女物の赤い小袖を着て、お化粧もしている。ロングヘアのウィッグを着け、奈良時代風に額には花鈿(かでん)まで入れている。
 
この姫奉燈というのは、弘前(ひろさき)のねぷたを少し小さくしたようなものである。扇形の枠の中に灯りがともっている。外枠に貼られた和紙に描かれている武者と姫は源義経と浄瑠璃姫とも伝えられる。(アイヌの英雄オキクルミ(アイヌラックル)と奥様のレタッチリという説もある。しかしそもそもオキクルミは義経であるという説もある:時代的には一致する)
 
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1994年にこの祭りが復興された時は姫奉燈には武者と姫の間に小さな女の子が描かれていたが、数年前に姫奉燈が2代目になった時、この女の子は省かれてしまった。多くのお年寄りが、そんな女の子が描かれていた記憶が無いと言ったからである。女の子が描かれていたと言ったのは佐藤さんのお爺さんだけだったが、2代目奉燈を作る前年に亡くなっていた。女の子は義経の娘の薄墨姫だと言っていた。義経に娘がいたことは多くの伝承がある(但し平泉で義経と共に亡くなったとされる)。オキクルミにも武芸に秀でた女の子がいたとされる。後に弟を助けて一緒に屈斜路湖のアメマスを退治している。
 
今年はまゆりが3年ぶりに副祭主を務めることになった。(2008花絵 2009千里)これは実は、まゆりが3月いっぱいで権禰宜を退任予定なので、最後のお勤めなのである。千里が3月に神職の資格を取ったらP神社の権禰宜に任命される予定なので、それと入れ替わりに、まゆりは退任して姫路の専任になることにした。もっとも禰宜の妻として関わりは続くことになる。
 
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今年の秋祭りで副祭主が初日に腰に付けた剣は3Dプリンタで作ったものに貞美が着色したものである。本物は拝殿に展示されている(体格の良い西風が警備員風の服を着てそばに座っている。西風は医学的には女であるが、背が高くいかにも強そうでパッと見には男に見えるのでこういう仕事にはとても役に立つ)。
 

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姫奉燈が巡行されるコースは夏祭りで神輿(みこし)が巡行されるコースとほぼ同じである。(人の手で運ぶ神輿は通れるが車輪の付いた姫奉燈は通れない道が迂回される)
 
そしてこの沿道にこの日の昼間に多数のカンデラ(実際にはLEDランプ)が設置される。
 
姫奉燈は町内を巡行したあと御旅所の神輿殿に収められる。
 
また学校や幼稚園の校庭・園庭、公園などにはカンデラアートが作られる。
 
また昼間、様々な奉納が行われる。箏の演奏、日本舞踊、アイヌ舞踊、篠笛愛好会の合奏、千里のフルートの曲の奉納(プラチナフルート使用)、
 
千里が今日吹いた曲:小さい秋みつけた、里の秋、紅葉、赤とんぼ、虫の声、うさぎうさぎ、月(出た出た月が)(*6)、秋桜(コスモス)、月の光に(フランス童謡)、枯葉(フランス歌謡(*7))、
 
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出店は夏祭り同様10軒出ていた。ホタテ串、イカの丸焼き、牡蛎フライ、唐揚げ串、鈴カステラ、おでん、海鮮汁、豚汁、ジンギスカン鍋、と出ていた。
 
温かいものも多くみんなよく売れていた。峠の丼屋さんは今年もホット桜丼(馬肉)、ホット牡丹丼(猪肉)、ホット紅葉丼(鹿肉)、ホット柏丼(鶏肉)、ホット月夜丼(菟肉)を出し、今年も桜丼がいちばん売れた。馬肉は身体が温まるらしい。山形でやっている災害用の備蓄品製造でも馬肉おこわの缶詰をたくさん作っている。
 

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(*6) 本日(2010/10/23)は偶然にも満月である。秋の歌というのは少ない(更に寂しい歌や悲しい歌が多い)ので月の歌を入れた。しかし『十五夜お月さん』などはあまりに悲しすぎるので飛ばした。また『証城寺の狸囃子』や『炭坑節』は賑やかすぎて静かな秋祭りにはふさわしくないのでこれらも翔ばした。『村祭り』などは夏祭り向きである。
 
(*7) 枯葉(Les Feuilles mortes) はフランスのシャンソンのヒット曲だが、この歌のルフラン(JPOPのサビに相当)部分のみを抜き出したものは Autumn Leaves のタイトルでジャズのスタンダードナンバーにもなっている。
 

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千里はまた食べ物以外に、“2011年のえとは卯です”と掲示した出店を出し、各種のうさぎ人形を売った。ミート人形店のウサギ桐のこ人形、常滑焼きの陶器人形、留萌の“しらかば工芸”の木製人形、イーグレットの紙人形などである。
 

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15時から小学生の巫女舞が行われた。今年も舞手は10人だった。
 
雅楽の奉納などの後、18時から21時まで1時間置きに、先導巫女4人による巫女舞が奉納される。1日目はこの21時の巫女舞で終了する。
 

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今年の小学生の舞いで3列目の中央で待ったのは今年苫前町から転校してきた1年生の男の子だった。空良(そら)君という。お姉さんの3年生のみどりちゃんも舞いに参加している。お姉さんの練習を見ていたのだが、彼が優しい顔立ちなので「君もしない?」と言ったら「面白そう」と言ってやってくれた。
 
祭りの前日、指導してくれた5年生の茉里さんから言われた。
 
「空良ちゃん、凄くうまくなった。来年もしてくれない?」
「いいですよ」
「じゃよろしくー」
「巫女衣裳着けてる時は女子トイレ使ってね」
「はーい」
 
同級生の女子が言う。
「空良ちゃん、学校にもスカート穿いてきたら女子トイレ使っていいよ」
「スカートで学校行くとか恥ずかしいよー」
「スカート似合いそうなのに」
 
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お姉さんにまで言われる。
「あんたスカート穿くなら、私の小さくなったのあげるよ」
 
「運動会のダンスで穿いたスカートは似合ってた」
と同級生の子が言う。
 
「あれ恥ずかしかったぁ」
 
運動会で女子の人数が足りなかったので彼は女子の役に回された。その時赤いスカートを穿いたのである。もっともスカートの下にショートパンツを穿いている。これは他の女子も同じである。
 

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彼はお祭りでの着替えは他の子とは別の部屋を使っている。練習が終わって着替えていたら金色の巫女衣裳を着たおとなの巫女さんが入ってきた。
 
「あ、この部屋使いますか?すぐ着替え終わりますから」
「ううん。ゆっくり着替えていて。でも君可愛いね。女の子になればいいのにとか言われたことない?」
「よく言われるー」
「女の子に変えてあげようか」
「そんなことできるんですか?」
「とりあえず祭りの期間中だけ女の子にしてあげるよ」
 
それで巫女さんが彼の身体に触ると身体の感覚が変わった。
 
「お祭りが終わったら元に戻るから」
「はい」
「女の子になっている間はこのパンツ穿いてね」
と言われて「女児用ショーツ3枚セット」と書かれたビニールのパッケージを渡された。
「着替えた下着はこれに入れて」
と言われてビニール袋ももらった。
「この袋はお祭りが終わったあとこの部屋に置いといて」
「はい」
 
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「じゃ2日間女の子を楽しんでね」
と言って巫女さんは部屋を出て行った。
 

それで空良はこの2日間を女の子の身体で過ごした。トイレはどうやってするんだろうと思ったが、便器に座っておしっこを出す気持ちになったら自然に出て来た。ちょっとふしぎな感覚だった。お風呂に入って手に石鹸を付けてお股を洗ったが、女の子のお股はちんちんとたまたまが無い代わりに割れ目ちゃんがあって「これ面白ーい」と思った。割れ目ちゃんの中におしっこの出てくるところがあるようだった。何かうしろのほうに穴があるのは何だろう?と思った。また前のほうには小さなおちんちんのようなものがあるのを発見した。女の子にもちんちんがあったのか。
 
渡された女児用ショーツも穿いてみた。ちんちん出す穴が無いけど、ちんちん自体が無いんだから、ちんちん出す穴もいらないよなと思った。
 
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その日はお姉ちゃんのおさがりのプリキュアのパジャマを着て寝た。翌日の巫女舞では
「空良ちゃん、すごく女らしくて、まるで本当の女の子になったみたい」
と言われた。お姉ちゃんが悪乗りして
「ちんちんはさみで切ってあげたから」
と言っていた。
 
「ああ、女の子になったんだ?おめでとう」
「ちんちん無くなって良かったね」
と女子たちが祝福する。2年生のアキは「この子、ほんとに女の子になったのかな?」と思いながらドキドキしていた。
 

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2日目も1日目と似たような順序で行事は進行する。姫奉燈は今日は御旅所を出発して町内を巡回し、本社に戻る。出発式も御旅所でおこなわれた。
 
この2日目の運行で副祭主が腰に付けた剣は松田春秋さん製作のレプリカである。(刀身は樫の木にアルミ箔を貼ったもの/昨日のは刀身も樹脂:銀色に塗装)
 
本社には拝殿前に藁で作った大鹿の像がある。姫奉燈が神社に戻って来たところで千里は本物のクトネシリカを抜くと大鹿の4本の足を切り、首を落として、最後は胴体を切った。拍手が沸き起こる。(オキクルミの大鹿退治をモチーフにしたもの)
 
鹿の藁には火番の弓枝により火が点けられ、そのまま焚き火となる。これは夕方まで維持される。追加燃料はブナやミズナラなどの雑木の薪(たきぎ)である。
 
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10月末の北海道はかなり寒いが、この焚き火のおかげで結構暖かくなる。
 
火を焚いたことで上昇気流が生じ、浜から風が吹いてきて拝殿の屋根に取り付けてある風車がカラカラと音を立てて回った。
 

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このあと、鹿肉の串焼き(峠の丼屋さん提供)と暖い甘酒(神居酒造提供)が振る舞われた。
 
拝殿では真っ白い衣裳を着けた高校生巫女の“白鳥の舞い”が奉納され、そのあとまた様々な奉納が行われる。
 
わりと笛の上手い神様のお使い(雑用係)小市がドレミ調律の篠笛で唱歌の類いを吹いた。
 
そのあと今年もS高校吹奏楽部のピックアップメンバーによる木管五重奏が奉納される。(玲羅がピンクのアルトサックスを吹いたほかクラリネット・フルート・オーボエ・ホルン)
 
千里は今日もフルートを吹いたが昨日とは曲目が違う。
 
今日吹いた曲:ペールギュントの朝、アルルの女のメヌエット、二人の天使、ロシア風ロンド、トルコ行進曲
 
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今年も16時半から最後の姫奉燈運行が行われた。この日(10/24)の日没は16:36である。夕暮れの中、カンデラの灯る道を扇形の姫奉燈が静かに運行されていく、美しい風景である。観光客っぽい人たちがたくさん写真を撮っていた。
 
戻って来た先導巫女4人は今年はチャルメラを作って食べて休憩していた。拝殿では18時からは、大人の巫女による巫女舞“五節舞(ごせちのまい)”が奉納された。今年これを舞ったのは千里・蓮菜・世那・善美・梨花である。「来年は頼む」と言われた玲羅が見学していたが「何てすけべな舞いなの?」と言っていた。
 

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今日は19時から21時まで1時間置きに3回、先導巫女4人による巫女舞が奉納される。これで祭りの公式行事は終わりであり、道路に置かれたカンデラや境内のLEDは消灯される。三泊灯台の上部の灯りも消える。神殿の燈台はこのあとは燃料補給せず、燃え尽きるにまかせる。この時、最後に燃え尽きるのは必ずいちばん奥の燈台である。
 

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この燈台が燃え尽きると、神殿前に、和弥(祭主)・善美(巫女長)・小市(神様のお使い)の3人が並び和弥が〆の祝詞を奏上する。これで秋祭りは本当に終了する。千里と常弥もこの〆の神事に付き合った。
 
梨花さんが暖かいおでんを持って来て、番の人たちをねぎらう。それを食べると番の人たちは帰宅するので、和弥と常弥で見送る。そのあと和弥と常弥は燈台に火が残ってないのを確認(火の用心)して、部屋に下がる。
 

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千里(ロビン)は大神様から呼ばれた。
 
「今年も神様会議に行って来るから一週間留守番を頼む」
「はい、いってらっしゃいませ」
 
それで大神様は飛んで行かれた。千里はいつものように深部に行き、大神様の座の横の座に座った。(千里の担当は夜間で、昼間は小市がお留守番するが邪霊とかが来た時はロゼが処理する)
 
同時刻、姫路の夜梨子はK神社の深部に行き、K大神様がお出かけになるのを見送り、やはり大神様の座の横の座に座った。夜梨子は姫路で一週間(夜間の)お留守番である。京都北邸には夜梨子の代わりにゆりが入り、京平と遊んで國學院に通う:夜詩子はK神社で昼間のお留守番(寝てるだけだが)である。
 
ロビンも夜梨子もジェーンに差し入れを頼んだので、缶コーヒーやカップ麺、おでんや牛丼などを差し入れしてあげた。
 
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留萌のP大神も姫路のK大神も10月31日(日)の夜にお戻りになった。
 
 
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女子大生・秋の実り(8)

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