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それでふたりはその状態で貝合わせをした。じゃんけんで飛鳥が勝ったので飛鳥がタチで、卓也(レナ)がネコである。卓也は気持ち良さそうだった。飛鳥はレナの乳首を舐めたり揉んだりしていた。更に入れてあげると、それも気持ち良さそうだった。彼がとても入れやすい体勢を取ったので経験者?と一瞬思ったが、過去の恋愛は気にしないことにした。
「これでレナちゃんが性転換して女の子になってもぼくたちレスビアンでやっていけそうだね。姓転換してもいいよ」
「しない」
「取り敢えず女性ホルモン飲んでおっぱい大きくするとか」
「そんなことしたら、ちんちんが立たなくなる」
「別に使わなきゃいいじゃん」
「使いたい」
「結婚式はウェディングドレス同士で挙げようよ」
「そんな恥ずかしいことできない」
「いやきっとそのほうがレナちゃんの女の子のお友だちをたくさん呼べる」
ほんとにそうかも、と一瞬卓也は思った。確かに卓也には男の友人が少ない。でもそんなの親戚とかには見せられない!
でも夕方くらいまでタックは続けた。その間にはレナは何度かトイレにも行った。
「このおしっこの出方も変な気分だよね」
「ちょっと治療して女の子と同じおしっこの出方にする気無い?」
「しない」
「女の子のおしっこは凄く楽なのに」
飛鳥はクンニもしてあげた。
「何か生殺しされてる気分。あとでフェラもしてよ」
「じゃ男の子に戻れたらね」
京都北区の明星ニュータウン・あけぼのニュータウンが完売したので、千里は更に“東雲(しののめ)ニュータウン”の開発をおこなった。つばめニュータウンはまだ3割ほど残っている。
田代と辻口は相変わらずスカートを穿いて勤務している。本人達もすっかりスカートに慣れて、プライベートでも結構穿いているようである。
辻口など母親に見られて
「いつまでも結婚しないと思ったらそちらに行ったのか」
と嘆かれたらしい!
田代の方はFTMの女装っ娘と交際中らしい。(FTMの女装者というのは割りといる)結婚式ではどちらがウェディングドレスを着るか話し合い中らしい。ふたりは事実上田代の方が奧さんだが(料理も田代が作っているしセックスでも田代が女役)、彼氏が戸籍の性別を直してないので彼らは法的な婚姻は可能。彼氏はまだ生理があるので子作りも恐らく可能。ふたりは精神的にはゲイだが、見た目はレスビアンに見える。
社員は5名まで増えていて全員男だが、スカートで仕事をしている。川井は元々男の娘でスカートを穿けるのを喜んでいる。菊池は元ヴィジュアル系でスカートに抵抗が無い。彼はスカートをかっこ良く穿きこなすので他の4人も社長も感心している。彼は城北開発唯一の男性社員になるかも!?
栗原は(自称)ノーマルだが、お姉さんが面白がって、色々買ってくるので下着も女物に変えてしまいパンティとキャミソールを着けている。髪も美容室で切っている。ヒゲと脚の毛はレーザー脱毛し、お姉さんからお化粧も習っているらしい(既にノーマルでは無い気がする。多分もう普通の男には戻れない)。きーちゃんは彼に喉仏の除去を勧めている。本人も喉仏は無くてもいいと言っているので除去の実行はもう時間の問題。
「睾丸も取ってあげようか」
「ぼく女の子と結婚したいので」
島本・波多・山門の3人は、鹿無島への補給のついでに住人の入浴介助をしているが、その日は老人介護の講習会を受けてくれと言われて札幌に出て来た。講習は2日に及び、ホテルで1泊する。
(講習は土日だったので、日曜日の補給は令明・追風と絹恵に代行させた)
山門が渡された鍵番号の部屋に入るとツインである。彼は椅子に腰掛けて携帯を見ていたのだが、ドアが開く音がするので
「波多君?」
と言って見ると、入ってきたのは島本である。
「島本さん、この部屋なの?」
「1118号室」
と言って、島本は鍵を見せる。
取り敢えず2人は部屋の外に出た。山門が波多の携帯を呼ぶ。隣の部屋から波多が出てくる。
「僕と島本さんが同じ部屋に割り当てられてたみたい」
「なんでそんなことが」
「僕と波多君が同室でも、波多君と島本さんが同室でも問題無いのに、よりによって」
と山門君。
「3人だから2部屋でいいだろうと単純に考えたんだろうな」
と波多。
「3人いれば、常識的にはその内最低2人は同性だからね」
「大丈夫だよ。僕たち全員男だからどういう組み合わせでも問題無いよ」
と島本。
「でもこうすればもっと問題無い」
と言って山門は波多と鍵を交換した。
それで波多と島本が同じ部屋に泊まることになった。
夕食は3人で一緒に1階のレストランに行ったのだが、島本が
「なぜこういうことが起きたんだろう」
と言うと山門は
「僕の名前が女性と間違われたんだと思う」
と言った。
「間違われやすい名前なんだっけ?」
「“はるよし”というんだけど、春夏秋冬の“春”に桑田佳祐の“佳”の字」
と言って手帳に書いてみせた。
“春佳”
「ああ」
「“はるか”ちゃんと思われたのか」
「以前ファミレスでバイトした時も女の子と間違われて女子の制服渡されたから、仕方無くスカート穿いてフロア係したよ」
「それ見てみたかったね」
「これ記念写真」
と言って携帯を見せる。
「ほんとに女子制服着たのか」
「女の子たちに着せられた」
「ああ何となく状況が分かる」
「結構似合ってるじゃん」
「このまま道を誤ったらどうしよう?と思った」
「誤れば良かったのに」
「今頃は性転換手術も終えて二児の母かもね」
「性転換手術って凄いね。凸を凹に変えてしまうんだから」
「バットをバッグに変える技術だね」
「最初に性転換手術を実施した医師は男性の死体を使って練習したらしいよ」
「練習台になった人は、天国に着いたら女になってた、というパターンだな」
「変成女子(へんじょうにょし)か」
「天国の住人は全員女だったりして」
「天国女湯説だな」
「女湯は天国だという説ならある」
「未就学男児の話だな」
「小学校にあがったら性転換手術でも受けない限り、もう二度と女湯には入れないからね」
「男の子が小学4年生くらいになったら女湯に再度入れるように性転換手術してあげよう」
「まあなんて親切な」
「中学校にはセーラー服で通えるし」
「それ全員性転換するの〜?」
「投票制で」
「はるかちゃん、名前に合わせて性転換して女の子になったらとか言われなかった?」
「言われた。それで18歳の誕生日にちんちん切られたから仕方無くその後高校卒業まで女子制服で通ったよ」
「ほほお」
「波多君とかあれだよ。女子高に入っちゃったから、女子高に入る以上女子になってくださいと言われて入学式の前日に性転換手術受けて女の子になったらしい」
「あはは。ぼくの場合は中学の制服頼んだらセーラー服ができてたから、これ着るならちんちん切りなさいと言われて女の子になる手術されちゃった」
と飛鳥。
「セーラー服着るならちんちん切るというのは、けだし名言」
(紫微に言ってやりたい:女房のお許しが出ないからまだ性転換できないとか言い訳にしてるけど奧さんは多分諦めてる。但し昨年の浮気はマジで怒って「今すぐちんちん切りなさい」と言われている。結局“貞操帯(*2)1ヶ月”の刑に処された上、ダイヤの指輪と、一緒にドイツ旅行に行くことで手打ちした。貞操帯1ヶ月は凄く辛かったらしい。更に浮気相手に手切れ金1億円払ったと知り「私は2億円で別れてあげるよ」と言われたが「3億円あげるから別れないでください」と言って許されたらしい。更に1億円でヴァイオリンと練習室を用意したので全部で5億2千万くらい使っている)
(*2) 説明不要かも知れないが貞操帯とは、取り付けるとペニスに触れなくなり、自慰ができなくなる道具(おしっこはできる)。
道具自体は通販などで容易に購入可能。引きちぎったりすることはできるが、管理番号が付いていて新しいのを着けていると前のを壊したことがばれて“おしおき”されることになる。これは“射精管理”と言われるが、とても辛いらしい。(男の子って大変ネ)
“奴隷”になった人が御主人様の許可無く射精しないように取り付けられる。
「あーちゃんに関してはセーラー服を渡されたから女の子になりなさいと言われたって、それ事実かも知れんと思っちゃう」
と波多。
「島本さんが制服買いに行ったらお店の人は間違い無く女子制服売るだろうね」
と山門。
「ホームセンターでも女子制服だね」
土曜日に3人は紙製品を納入しているホームセンターで販売のお手伝いをしている。
「あれ渡されたから仕方無く着てる」
「女子制服渡すのは当然」
「トイレも女子トイレ使うように言われたし」
「当然」
「じゃ私たち3人性転換姉妹ね」
と波多。
「女3人ならどういう組合せで泊まってもOKだね」
と飛鳥。
「でも今日は卓子ちゃんと飛鳥ちゃんが同室で」
「了解。たっくんレスビアンごっこしよ」
「なんか身の危険を感じるな」
「ちんちん優しく痛くないように切断してあげるから、明日の講習はスカート穿いて受けてね。お化粧もしてあげるよ」
「スカートまではいいとしてお化粧は勘弁してほしい」
「スカートまではいいということは、ちんちんも切断していいのね」
「やだ」
「いや切っていいと聞こえた」
「ね?」
「スカートだけなら穿いてもいい」
「ちんちんなんて邪魔なものは切っちぉおうよ。パンティ穿いた時みっともないじゃん」
「切りたくない。付けときたい」
「波多君が第八西海丸の紅一点になる日は近いな」
飛鳥の中学進学の時
「全く。桐人と進助は3年ずれてたから、桐人の着た制服を進助が着れたのに」
と飛鳥の母。
「でも3年差は進学のタイミングが重なるから入学金とかで大変だよ」
と飛鳥。
それで飛鳥は母に連れられて町の指定洋品店に行く。
「今度中学進学なので学生服が欲しいんですが」
「はいはい。お嬢さんどちらの中学ですか」
「**第二中学です。あ、これ男の子です」
「ごめんなさい。**第二中学ですね。じゃ採寸しましょう」
と言って、飛鳥はバスト・ウエスト・ヒップ、裄丈、首回り、肩幅、スカート丈!などを測られた。
「できあがりはだいたい2週間後です」
「分かりました。お願いします」
それでその日はワイシャツとか学生鞄とか買って帰った。学生鞄は飛鳥が黒は嫌だと言うので青を選んだ。
さて、2週間後、入学式の5日前に、取りに行ってくれたのは父である。
「お前これ着るの?」
と言って父が見せたのはセーラー服である。
「なんでセーラー服が。私ちゃんと男の子ですと言ったのに」
と母。
「私これ着たい」
と飛鳥は言った。
「こんなの着て行ったら叱られるよ。何ふざけて女子制服とか着てる?って」
と母は言うが
「いや多分何も言われない」
と進助。
「むしろ詰め襟を着てたほうが何ふざけて男子制服とか着てる?と叱られるね」
と桐人。
しかし入学式までもう日数も無いので、とりあえずこれを着て行くことにした。
すると兄たちの言う通り、何も言われなかった。
人は不自然なものを見ると注意するが、飛鳥のセーラー服姿には不自然さがまるで無いから誰も注意しないのだというのが桐人の説である。(*3)
なお、あの日母は“ワイシャツ”を買ったつもりだったが実際に渡されていたものはブラウスだった。
(*3) 筆者が中学に入った時、誤って女子として登録されていた男子がいたが、本人を見て、先生はすぐ書類の性別を訂正した。男女どちらとも取れる名前の子だった。この手の登録ミスはわりとよくあるもの。彼は小柄でセーラー服着せたら女の子に見えるかも知れない気もした。
それで飛鳥は3年間セーラー服で中学校に通ったのである。その間、飛鳥の性別が問題にされたことは一度も無かった。
玄関前などでの記念写真は兄たちが撮ってくれた。
なお飛鳥は女子のクラス委員と保健委員にヌードを見せたが
「やはり女の子じゃん」
と言われた!?
「小学校の時も神居岩温泉で飛鳥ちゃんと遭遇したという噂あったし」
「でもおっぱい無いし」(温泉問題には答えてない)
「いやもっと小さい女の子も居る」
「そんな悲惨な子が居るの!?」
飛鳥は中学の水泳の授業では女子用スクール水着を着ているが飛鳥の水着姿を見て数人の友人が頷いていた。