広告:椿姫彩菜フォトブック C'est ma vie
[携帯Top] [文字サイズ]

■女子大生・夏の恋(11)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

その日は、飛鳥はそのまま実家に泊まったのだが、寝室に
行くのに廊下を歩いていたら、お化けが出て来て足首を引っかけた。転んだ飛鳥が睨むと、お化けは「やべ」という顔をして逃げて行く。
 
うーん。これは何とかしないと性別問題以前の問題だなと飛鳥は思った。部屋に入ってからチョコパイを用意して
「オーリン」
と呼ぶ。
「この家に棲み着いてるお化けたちを何とかできない?」
と訊くとオーリンはチョコパイを食べながら
 
「うちの神社に頼むといいよ」
と言った。
 
「へー」
 
オーリンが電話番号を教えてくれたので飛鳥は三泊P神社に家祓いを依頼した。すると80歳くらいのおじいさんの宮司さんと30歳くらいと20歳くらいの巫女さんが来てくれた。飛鳥は若いほうの巫女さんに見覚えがあった。会釈すると向こうも微笑んで会釈を返す。あ、この人電話したらヘリポートまで来てくれて熊を気功で倒した人じゃんと思い出した。神社の巫女さんだったのか。
 
↓ ↑ Bottom Top

年上の巫女さんが太鼓を叩き、若い巫女さんが笛を吹いて、老齢の宮司さんが祝詞(のりと)を唱えると光の玉が生まれ、それが家中に広がっていった。すげー!と飛鳥は思った。
 
その後、巫女さん2人が
「変な物がある」
と言う。行ってみると何か仏像のようなものである。実は以前頼んだ拝み屋さんが置いていったものである。
 
「この像はよくないです。処分してもいいですか?」
「お願いします!」
 
すると巫女さんたちは、その像をアルミの保冷バッグ?に入れていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

料金は3000円以上お気持ちでということだったので、母は3000円払うつもりだったようだが、飛鳥は3万円払った。このお祓いは“効いた”という確信があった。実際それ以来、この家にお化けは出ないようになったのである。
 
飛鳥はオーリンを呼んだ。
「どうだった?」
「凄い効いた。でもオーリンは出て来られるんだね」
「ぼくはお化けじゃ無いからね」
 
似たようなものかと思ってた!
 
お祖母ちゃんは
「お化けが居なくなったけど、家守(いえもり)さんはちゃんと残ってるね」
と言ってたので、たぶん“人にあらざるもの”には、正統派と邪なものがあるのだろう。お祓いで祓われるものは邪なもの。そしてオーリンは正統派なのか!
 
↓ ↑ Bottom Top


一方、波多が女の子と付き合っていると聞いて父は言った。
「お前、性転換手術はもう終わってるんだっけ?」
「そんなのしないよ」
「だったらすぐにでも手術しなきゃ」
「お父ちゃん、ぼくがお嫁さんになるんじゃなくて、お嫁さんをもらうんだよ」
「お前レズだったんだっけ?」
 
(レナちゃん、よく理解してもらってるじゃん。性転換しちゃいなよ)
 

↓ ↑ Bottom Top

2010年度の§§プロのフレッシュガールコンテストは中学3年生の八重夏津美が優勝した。
 
彼女は“海浜ひまわり”の芸名で2011年3月中旬にデビューすることになり、デビューに先行してファンクラブが結成され、特別会員証が作られることになった。
 
これは生徒手帳の形をしていて、“ひまわり女子高”O年O組OO番という身分証明書蘭が付属する。特に10月までに申し込んだ人には固有の出席番号を付与し、写真付きの生徒手帳が交付されることになった。年内に撮影会をおこなう。
 
むろんファンクラブに入るのはほとんどが男の子と思われるが、男の子でも“ひまわり女子高”の生徒になってもらう。写真撮影の時には“ひまわり女子高”の制服を著てもらう。むろんボトムはスカートである。この制服は写真撮影の時にレンタルすれば、クリーニング代で1000円だけだが、買えば2万円である。しかしレンタルの選択者は少数で、購入申し込みが殺到した。
 
↓ ↑ Bottom Top

それでウェスト85とかのスカートがたくさん作られることになったのである!
 

「可愛い子だよ。駿馬ちゃんもファンクラブに入らない?」
と紫微は言った。
 
「本名が八重ってもしかして・・・」
「うん。あの歓喜の遠縁の子なんだよ」
「へー」
「八重家庭化学という会社の社長の娘だね」
「社長の娘さんがアイドルデビューするんですか」
「まあ25歳くらいまでアイドルで売って、そのあとどこかの御曹司あるいは有力社員と結婚するんじゃないかな」
「なるほどですね」
「デビュー曲は上島雷太が書くらしい」
「ああ」
 
あの人は粗製濫造だからなあと思う。
 
「ひまわり女子高の制服がまた可愛いんだよ。駿馬ちゃんも買わない?」
「あいにく女装趣味は無いので」
 
↓ ↑ Bottom Top


9月下旬にヘリコプター学校に行っていた坂本・松下が卒業予定だが、それと入れ替わりに10月からヴィクトリアが同じヘリコプター学校に入り、半年間訓練を受けることにした。
 
千里たちの中でロビンやグレースはヘリコプターの操縦ができるが、正式にライセンスを取っておいたほうがいいだろうと考えた。
 
最初は現在神職課程に通っている夜梨子が来年3月卒業するから、その後ヘリコプター学校に行ってもらおうかと思った。
 
ところが夜梨子はあまり目が良くない。それではパイロット学校に、そもそも入れてもらえないので、視力のあるヴィクトリアが受講することにしたのである。
 
ヴィクトリアがヘリコプター学校に行く半年間は、関西司令室のアイリーンが関東司令室に行き、ヴィクトリアの代わりにグレースの助手を務める。そして関西司令室には姫路の夜詩子が入ってアイリーンの代理を務める。姫路司令室は小糸と銀児の夫婦も交替で入っていてくれるが、きつねだけでは心許ないので、半年間は千葉分室のミニー(ミッキーの妹)に見てもらうことにした。ミニーは本来千葉司令室の勤務(ゆきの助手)だが、しばらく姫路司令室勤務とする。千葉にはミニーのお友達のマキシーに入ってもらう。
 
↓ ↑ Bottom Top

アイリーンはグレースから「ヴィクトリア」とか「Vちゃん」と呼ばれても「アイアーイ」と返事して、半年間しっかりグレースの助手を務めた。
 

↓ ↑ Bottom Top

グレースは視力の弱い夜梨子の視力訓練のため、岡山県赤磐市(岡山市の近く)に30m×300mほど(約3000坪)の土地を買い、ここに道路を作り、信号を設置して自動車練習場を作った。ここで思いっきり車の運転練習をしてもらうのである。練習場までの往復はコリン、星子、ミニーあたりの空いている子に頼む。また練習の時は助手席に同乗してもらう。
 

↓ ↑ Bottom Top

桜水産の陸上養殖場の排水を再利用して鰺の養殖をしている小平町の“小平ファーム”が桜水産に接触してきた。鹿無島に関わる話ということだったので柳里君から呼ばれて千里も打合せに出た。
 
「鹿無島で牛を育てるんですか!」
 
小平町の肉牛“おびら和牛”はわりと名前が通っている。しかし飼育舎を作る場所が町内で限界に近づきつつあるらしい。それでたまたま町役場の人と話していて鹿無島なら、タダ同然で土地が使えると聞いて興味を持ったらしい。
 
「でもコンビニも無い島での暮らしは辛いですよ」
「交替での勤務を考えています。それでスタッフの交替に協力してもらえないかと思って。もちろん適当な対価をお支払いします」
「なるほど。それでこちらに話が来たわけか」
 
↓ ↑ Bottom Top

それに実は現在小平町の本土から鹿無島へ物資を運んでいる漁船が船員に給料を払いきれないとして、もうやめたいと言っているので、町側は引き継いでくれるところを探していたらしい。それで小平ファームでその船を買い上げ、出荷する牛を運ぶことを考えているという。千里は牛を最初に島に運ぶのはこちらでやってあげますよと言った。
 
(小平ファームは結局新しい船を作った。前の船は型式が古すぎて若い人には使いにくかった。燃費も悪かったし傷みも多かった)
 
結局補給船をこれまでと同様水曜日に運航し、ヘリコプターを土曜日に飛ばして、水木金土に勤務するスタッフと、日月火に勤務するスタッフで交代制にするのである。
 
(こちらは日曜日に補給のヘリを飛ばすが、定員の関係で小平ファームの人まで運べないので、小平ファーム用には土曜日に飛ばすことにした)
 
↓ ↑ Bottom Top


結局このようなことをすることにした。
 
(1) 鹿無島南面にある1haほどの休耕田に牧草の種を蒔き、また牛の飼育舎も建てる。
 
(2) スタッフが泊まるためのアパートを建てる。
 
(3) 水曜日に補給船を運行し、土曜日午後にヘリコプターを運行して、スタッフの交替と物資の補給をおこなう。
 
最初にアパートの寝具・備品などおよび牛を運ぶのは第八西海丸を臨時に鹿無島に運航して運ぶことにした。
 
それで千里はまずは先遣隊を運んで牧草の種まきをしてもらい、翌週までには飼育舎とアパート(子鹿荘)を建ててしまったので向こうがびっくりしていた。しかしこういう事業が可能になったのも、千里の活動で水と電気が充分利用できるようになったおかげである。
 
↓ ↑ Bottom Top

また実際には毎日夕方にヘリを往復させた。それで島勤務のスタッフは(人数制限はあるが)毎日留萌の町に出ることができるようになった。これは鹿無島の天野航空スタッフの買い物名目で、小平ファームスタッフはそれに便乗させてもらうという形式である。
 
なおアパートの建築費として町から3000万円もらったので千里は放牧地に3mほどの鉄骨を立て、ビニールシートを掛けてビニールハウス化した。ヒーターも入れる。これで結構遅い時期まで放牧が可能になる。
 
しかし島に若い人が常駐してくれていたら住人の老人達も心強い。彼らは「雑用とか何でも言って下さい」と言っていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

第八西海丸を鹿無島に入れるため、千里は鹿無島の湊の浚渫(しゅんせつ)を行った。出た土砂は北鹿島の西の土砂捨て場に捨てた。これでここはほぼ一杯になり、フォーゲル半島が出来上がった。ここは大半が海の土砂で出来ていて塩分が強いため植物が育たない。後の映画撮影では北極圏の島という設定だったので、丁度良かった。
 
(ここは北緯44度くらい。北極圏は北緯66度33分から。22度33分は2500kmくらいに相当する。北極圏は意外に遠い。スオミのヘルシンキは北緯60度、サンタクロース村は北極圏ぎりぎりにある)
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
女子大生・夏の恋(11)

広告:マリーエウィッグ-シャギーセミロングストレート(激安ウィッグ-ストレート)-ダークブラウン