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■女子大生・夏の恋(8)

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ところで飛鳥が中村家・吉田家で奧さんの入浴介助をしている間、母屋では波多が掃除をしている。そして吉田家で入浴介助をしたあと、飛鳥は介助用の服から普通の服に着替える。この時、波多の居る近くで着替えるし声を掛け合っている。(脱衣場の戸は閉めているし、更に波多は後ろを向いている:波多はむしろガードのために近くに居る)
 
それで吉田さんに訊かれた。
 
「あんたたちご夫婦?」
 
波多は答えた。
「フィアンセなんです」
 
突然波多から“フィアンセ”と呼ばれて飛鳥は赤くなった。
 
へー、私たっくんのフィアンセだったのか。
 
「あんたたちいい夫婦になるよ」
「ありがとうございます」
 

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鹿無島の湊は島の南側にあり、この近くに吉田・田中・中村の家や灯台管理室もある。灯台自体は標高100mの“兔丘”の上にある。水源の小原池は民家のある所から10mほど高い台地状の“小原”の西寄りにある。小原は東側が高く西側が低い。但し砂状の土で保水力が無い。(小原池は水源化する際にコンクリート敷設している)ここは昔はブナやミズナラの森で“小森”と呼ばれていたが、木が無くなって“小原”と呼ばれるようになった。
 
人がたくさん居た頃はこの南面に多数の住宅・アパート・商店などもあった。
 
島の東部は磯になっており、ここで昭和初期の頃は海藻採りが行われていた。今はゴミが散乱して荒れている。海藻なども無いという。西部は砂浜で人がたくさんいた頃は海水浴もおこなわれたが、今は汚れていてクラゲもいるから泳がないほうがいいという話だった。昔の小学校は西側にあったらしい。北側は崖が続く。
 
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雨水を集める“浜池”は島の北に作った。転落事故防止のため、南側の住人の生活圏から離して設置したのである。また池の周囲には壁も設置している。また海の崖のところにも木の手摺りを設置した。
 
また東の磯や西の浜を含む海岸全体でゴミを拾って清掃した。60人の北海道組を集めひとり100mずつ担当させて競争で掃除させ優勝者には一斗樽をプレゼントした。参加者全員に一升瓶も配った:結局全員で宴会したようである。宴会では60人で小形のクジラ(多分600kgくらい)を一頭食ってしまったようである。よく食うものだ。
 
千里は水路の設置工事と並行して島の北側に多数の風車を設置して電気を起こした。これによって島内の電気は全部まかなえるようになった。そして本土と島の間の送電ケーブルを使って、今までとは逆に島から本土へ電気を送れるようになった。これで小平町では電気代が随分安くなった。
 
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これは鹿無島が本土のお役に立てるというので、島の住人たちが喜んでいた。これまでは本土側の人たちの税金で自分達が支えてもらっているというので申し訳なく思っていたと言う。
 
また千里はほとんど植生の無い小原(町有地)で砂質の土の下に高分子吸収体を敷き、その上に元の土をかぶせて、ここに蕪(かぶ)やラディッシュなどの種を蒔いた。これによって土を改良し、数年後には木も植えるつもりでいる。蕪の次には、ヒマワリを育てることも考えている。蕪にしてもヒマワリにしても寒さに強いので、こういう島にはピッタリである。
 

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飛鳥は卓也に訊いた。
 
「たっくん、スカート穿く時、パンツはどうしてたの?」
「どうって普通だよ」
「普通にショーツ?」
「ブリーフだよぉ」
 
嘘はいかんなあ。
 
「中途半端な。女の子ショーツを穿こう」
と言って、飛鳥は卓也にショーツとついでにブラジャーも買ってあげた。アパートに帰ってから着せるが、卓也はショーツを穿く時、ペニスを後ろ向きに収納した。
 
「そういう穿き方を知っているということは、よくショーツを穿いていたということだ」
「そんなことない」
 
更に卓也は後ろ手でブラのホックを留めた。
 
「かなりブラジャーに慣れてるね」
「こんなの着けたの初めてだよお」
「初めての人がホックを後ろ手で留められるわけがない。嘘つく子はちんちん切っちゃうぞ」
「やだ」
 
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「でもたっくん女の子になりたかったのでは」
「別になりたくない」
「それかあれでしょ。女の子だったら良かったのにとか、男になるのもったいないとか言われていたとか」
「それはあーちゃんの話でしょ」
 

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多くの男の娘は小さい頃から
「女の子に生まれてたら良かったのにね」
「こんな可愛いのに男になるのもったいないよ。ちんちん切ってもらって女の子になりなよ」
などと言われて育っているのに、飛鳥にはその類いの記憶が無い。
 
それどころか不思議な記憶がある。
 
飛鳥が子供の頃温泉に行った。母と一緒に(だから多分女湯に)入ったのだが、浴槽に浸かっていたら
 
「あら可愛い」
「お嬢さんですよね」
とか言われる。
 
母は飛鳥の身体を持ち上げた。お股が水面の上に出る。すると周囲のおばちゃんたちに
「ああやはり女の子だったね」
「こんな可愛い子にちんちんとか付いてたら大変だよ」
などと言われた記憶があるのである。
 
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この件については合理的な解釈が困難で、よく分からない記憶である。
 
(つまり小さい頃からちんちん無かったのでは?)
 

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↓以下は多分本人の妄想
 
「でも最近じゃ可愛い子にちんちんが付いてたら何かの間違いだろうということで小学校に入る前に手術して取ってあげることが多いらしいね」
「ああ、それが親切だよね」
「そういう子はどっちみち二十歳(はたち)くらいになったら自分で女の子になる手術受けるだろうしね」
「どうせなら早い時期に性別変更したほうがいいもんね」
「小さい内に手術しとけば女子中生・女子高生できるしね」
「小学校入学前に女の子になっちゃえば最初からみんなに女の子として受け入れてもらえるよね」
 
「去年1年間で未就学の男の子が全国で3000人、手術受けて女の子に変わったらしいよ」
「ああ、女の子に変えてあげたい男の子はそのくらいは居る」
 
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ところで、“女の子になりたかった”けどならなかった男の子と、女の子になった元男の子のカップルというのは実はよくある。心理学的には“代理性転換”と呼ばれるものである。自分が性転換する代わりにパートナーに性転換してもらうのである。
 
お母さんが果たせなかった音楽家への道を娘に託すとかと似たような原理である。
 

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ローゼンが“スオミの勇者たち”に間伐をさせ、お疲れ様といって宴会を開いていたら突然、高貴なお方が示現した。
 
「これは、けだかき御方様、いらっしゃいませ」
とローゼンはフィンランド語で言った。
「お前がこいつらの首領か?」
「はい。私はチサトと申します」
「東洋人だな」
「はい。ヤパニから参りました」
「そのヤパニ人が荒っぽい連中を集めて何をしておる?」
 
それでローゼンは趣旨を説明した。
 
・友人のスオミ人女性に頼まれたこと
 
・彼女の祖父がずっと林業をしていたが、年を取って体力が衰え、作業ができなくなった。
 
・現地は急傾斜面で普通の人には現地に入ること自体が困難である。
 
・彼女は日本の忍者なら作業ができるのではと考え、日本で忍者をスカウトしようとした。しかし日本ではもう忍者は居なくなっていたので彼女は忍者をスカウトできなかった。
 
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・しかし体力のある者はスオミにも居るのではないかと思い来てみてこの子達と出会った。
 
・この子たちには基本的に友人の祖父を始めとして委託した人の林で保守や伐採の仕事をさせている。
 
・もし彼らが誰かの財産などを侵害したら自分が責任もって金銭的補償をする。
 

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「ふむ。相わかった。ヤパニにはもう忍者は居ないのか。残念だな。しかしそなたかなり強いな」
と御方が言うと
「チサトさんは強いです。ヒグマくらい指一本です」
とメイセーが言った。
 
長老のカジャも出て来て心配そうに見ている。
 
「お前の首なんかも簡単に刎ねられそうだな」
「まだ首を刎ねられた奴はいませんけど、大木を簡単に輪切りにしますよ」
「ほほお。そして、かなり優秀なナンナ(修道女)だ」
 
「ヤパニでは巫女(みこ)と申しますが、私は3歳の時から神に仕えております」
「ふむ」
 
などと言っていた時、ローゼンが持っていたH大神の御札からH大神自身が示現した。これにはローゼンも仰天した。
 
「スオミのけだかき御方、私はヤパニのアルキエンケリ(大天使)のひとりでHと申します」
 
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一神教の文化圏であることに配慮して“神”ではなく“大天使”という単語を使ったのであろう。
 
「これははるばるのご足労感謝します。私はこのあたりの精霊たちの管理をしているアルキエンケリでフィオーラと申します」
 
それでフィオーラ様とH大神の直接ビッグ対談により、千里と“勇者達”の活動は容認してもらえたのである。その後はむしろフィオーラ様に庇護してもらえるようになる。勇者達が損害を与えた場合の補償もフィオーラ様が直接にはしてくださることになり、千里はケウルの大聖堂に毎年寄付をすればいいことになった。
 

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8月、滋賀県のローカルスーパー“ビーナ”がエレガントに接触してきた、社長が病気で、後継者が居ないのでエレガントに経営を引き継いでもらえないかという話であった。
 
それで小川社長と雅夫さん、それに千里の3人でビーナのオーナーが住む高島市に赴いて話し合い、千里がビーナの全株を1億円で買収し、天野産業の子会社にすることにした。常務(社長夫人)の妹の典恵さん(雅東山店店長)にビーナの社長を務めてもらうことにした。
 
これでプリンスプリンセスグループは兵庫・和歌山・京都・大阪・奈良・滋賀・福井の2府5県にスーパー事業を展開することになった。
 
プリンス:和歌山北部・大阪南部
ホリデイ(プリンス):和歌山南部
サカス(プリンス):大阪南部
カモン(プリンス):大阪北部
ソーラ(プリンセス):大阪北部
プリンセス:兵庫県西部
ハーバー(プリンス):兵庫県東部
エレガント:京都府
ポニー:奈良県
ビーナ(エレガント):滋賀県
みかた(プリンス):福井県南部
 
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(ポニーはプリンス・プリンセスの共同買収案件)
 
大阪北部にはプリンセス系のソーラとプリンス系のカモンが並立している。後継者が居なかったソーラはプリンセスにヘルプを求め、またカモンの筆頭株主だった不動産会社がカモン株をプリンスに売った結果このようなことになった。
 
ライフが絶対的に強い地域で1円の競争をしている。みんなその日のチラシを見て買物に行く。むろんポイントは共通に使える。片方で発行された割引券を他方で使うことも可能。土用の丑の日にはどちらの店頭にも鹿児島新鮮産業社長の写真が「うちん会社で育てちょいもす」というメッセージと共に貼り出されていた。
 
 
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