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■女子大生・夏の恋(9)

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前々回の千里の演奏で『恋はみずいろ』という曲が出て来ました。この曲は最初ヴィッキー・レアンドロスというギリシャ人の女性歌手がフランス語で歌ったものですが、ポール・モーリア・グランドオーケストラのカバーでヒットし、アメリカで5週連続1位の成績を出しています。ポール・モーリア・グランドオーケストラの代表作であり、またイージーリスニング自体の代表作のひとつになっています。ヴィッキーのオリジナルとポール・モーリアのアレンジは少し雰囲気が違ったのですが、ポール・モーリア版がヒットしたので、以降ヴィッキーもポール・モーリアっぽく歌うようになりました。
 
『恋はみずいろ』は世界中で実に様々なバンドや歌手にカバーされています。日本でも漣健児(さざなみけんじ)の歌詞で、森山良子などがカバーしています。
 
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例によってこの日本語歌詞は元のフランス語歌詞とは全く無関係のオリジナル歌詞です。洋楽の日本語カバーにはこういうのが多い。
 
そもそも原題はL'amour est bleu で直訳すると「愛は青」なのになぜか「みずいろ」にされちゃってる。ただこれはむしろ良かったと思います。英語ではLove is blue と直訳していますが、英語のblue には憂鬱とか辛いという意味があるので、悲しい恋の歌かと誤解されてしまった。が、この曲はむしろ恋の楽しさを歌った歌なんですね。フランス語のbleu には憂鬱とかの意味は無い。
 
原詩では「恋は甘い」とか「揺れる心」とか歌っている。日本語の歌詞はなんか恋とも無関係ですね。「青い空がお日様にとける。白い波が青い海にとける」という感じで、“みんなのうた”とか唱歌的世界に行ってしまいました。
 
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8月3日、千葉の“東の千里”は呉服屋さんで声を掛けられ、和服講座などにも出てから、17日、桃香と一緒に振袖を注文した。
 
(この物語のそもそもの出発点:最初は成人式に振袖を着たい男の娘の話だった)
 
 
 

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8月15日、北海道の日高山中で東京理科大学ワンダーフォーゲル部の一行が突然増水した川に流され、3人が死亡。
 
(なお同じ日高山中でヒグマに襲われて3名が死亡したのは福岡大学のワンダーフォーゲル部。19070年7月の事件)
 
8月18日、香川県多度津町佐柳島(さなぎじま)沖に、海上保安本部所属のヘリコプター「あきづる」が墜落。乗っていた5人全員が死亡した。
 

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8月21日(土)、玲羅はサハリンが運転するヴィッツに乗って札幌に出て来た。受験を予定している札幌文化大学のオープンキャンバスがあるので、それに参加するためである。サハリンは流星荘の前面駐車枠に車を駐めた。101号室の鍵は既に姉から受け取っている。赤の千里は言っていた。
 
「流星荘というアパート作ったから。101号室を自由に使って。ピアノ練習室は3月にアパートのうしろの空き地に設置予定だから」
「サンキュー」
 
それで玲羅はアパートに入った。中はごく普通の安アパート風である。わざわざ安アパート風にするのは、青のお姉ちゃんが見た時不審に思わないようにだろう。
 
布団は1セット置いてある。台所には、電子レンジ、オーブントースター、炊飯ジャー、ケトル、IHヒーターなどが置かれている。包丁、まな板、シリコン製のターナー・お玉などもある。居室に置かれたカラーボックスにはFAX電話機、wi-fiルータ、などが置かれている。また洗濯機、冷蔵庫もあるし、防音室内にクラビノーバも置かれている。wi-fiは既に設定されているので、書いてあるパスワードをパソコンとDSに設定した。どちらも問題無くネットに接続できた。玲羅は室内にあるものを確認した上で、町に買い物に出掛けた。
 
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8月27日(金)、第八西海丸は北鹿島への航海をおこなったが、尾鍋所長は船に同乗し、向こうの休憩所に入ってから言った。
「遅くなりましたが、賞与を支給します」
 
思わず歓声があがる。
 
武矢などは賞与などというものはもらったことが無かった。勤め人をしていた人も、この仕事は6月から始まったばかりなので今年は夏の賞与は無いだろうと思っていた。期待してなかったものがもらえるのは嬉しい。
 
計算は今後は貢献度を加味していくが今回は原則として7〜8月の平均給与の1.5倍で計算しているということだった。
 
武矢は7月の給与は8万、8月は9万で平均が8.5万円、それで賞与は12.75万もらった。手取りは10万弱である。全部津気子に渡し「助かる〜」と言われた。津気子は滞納していた家賃の支払いに充てた。督促が来ていたので、また千里に頼まないといけないかもと思っていた。
 
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卓也の場合は7月が24万、8月は25.5万で平均は24.75万、賞与は37.125万もらった。手取りは30万ちょっとである。
 

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29日に20代の3人は鹿無島への補給の仕事をしたが、この時、波多は飛鳥とご夫婦ですか?と訊かれて「フィアンセなんです」と答えた。飛鳥は突然彼から“フィアンセ”と言われて赤くなった。それで勤務終了後彼に訊いた。
 
「ぼく、たっくんのフィアンセだったの?」
「後先になっちゃったけど、結婚しない?」
と彼は言った。
 
「男同士で結婚するの?」
と飛鳥は訊く。
「僕はそれでもいい」
と卓也は言った。
 
「そうか。たっくんゲイだったんだっけ?でもごめーん。ぼくもうちんちん無いんだよ」
「ぼくがまだちんちん持ってるから大丈夫」
「へー!“まだ”ってことは、その内取るんだ?」
「ちんちん取ったら?と言われたことはあるけど、取るつもりは無い」
「よしよし少しは正直になってきたな」
「明日ちょっと付き合って」
「いいけど」
 
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明日月曜日はふたりとも休みである。
 

その夜、卓也は古い友人で、こういうのに詳しそうな久美に電話した。最初お母さんが出た。こちらは女の子っぽい声を使う。実は彼は10年
くらい両声類をしている。
 
「私、久美さんの高校の時の友人で波多と申しますが」
「ああ、レナちゃんでしたね。あの子結婚したんですよ」
「おめでとうございます」
 
でも携帯の番号を教えてもらったので、そこに掛けた。
 
「レナちゃんお久!よくこの番号分かったね」
「お母さんに教えてもらった」
「なるほどー。そちらはもう完全に女の子になった?」
「当面その予定は無い。女の子と結婚しようと思ってる」
「レナちゃんレスビアンだったっけ?」
「実は男から女に変わった子なんだよ」
「それなら分かる。男性同性愛転じて女性同性愛にってカップルは多いよ」
「多いの!?」
「同じ先生に手術してもらったりするらしいよ」
「へー」
「だからレナちゃんも早く手術受けちゃいなよ」
「うーん。その内ほんとにふらふらと手術受けちゃいそうで自分が怖い」
「女の子になって後悔する人はいないから」
「そうかなあ。あ、それでさ、くみちゃん宝石の安いお店知らない?旭川でも札幌でも函館でも室蘭でもいいから」
「ああ。彼氏に買ってあげるのね」
「うん」
「札幌の**堂が安いし品質いいよ」
「へー。それどこにあるの?」
 
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久美はその場所を詳しく教えてくれたので、卓也はそれをカーナビに登録した。但しここは、すすきの界隈の適当な駐車場に駐めて歩いて行ったほうがいいなと思った。それで駐車場を行き先として設定した。
 

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翌日は卓也が飛鳥のアパートに迎えに行く。
 
「あ、女の子の服着てよ。お化粧もして」
「たっくんが女の子の服着ればいいのに」
「今日はあーちゃんの女の子姿を見たい」
「まあいいよ」
 
それで飛鳥は着替えてメイクもしてきた。でも卓也もスカートを穿かせられた!スカートのまま運転席に就く。スカートでの運転ってスカートの上に物を置けて便利なんだよな、と卓也は思った。(よくスカートで運転してるんだ?)
 
「どこに行くの?」
「札幌」
「へー」
 
それで高速を通って札幌に行き、予定の駐車場に駐めようとしたが満車である。仕方無いので別の少し遠めの駐車場に駐めた。ふたりで歩いて、その宝石店に行った。飛鳥は行き先が宝石店とは知らなかったのでびっくりした。
「指輪買おうよ」
「うん」
 
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それで卓也は店員さんに言った。
「サファイヤの指輪が欲しいんですが。予算30万くらいで」
「リングの材質は金になさいますか?プラチナになさいますか?」
「プラチナで」
「でしたら、このあたりはいかがですか?」
 
いくつか見せてもらった中で飛鳥の気に入ったものを選ぶ。その場で指輪のサイズも調整してもらった。卓也の手で、飛鳥の左手薬指に填めてもらった。
 

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そのあとレストランに入り、ランチを食べてから車に戻る。しかし宝石店の人もレストランの人も卓也のスカート姿を見ても変な顔はしない。卓也も恥ずかしがっている様子は無いので、かなりスカートに慣れてるなと飛鳥は思った。だいたい卓也のスカート姿には違和感が無い。穿きこなしている。頻繁に穿いているのは確実だ。
 
なおレストランで波多は男子トイレを使っていた。
「女子トイレ使わないの?」
「スカート穿いてても男だから。女子トイレに入ったら通報されるよ」
「いや。たぶん何も言われない」
 
レストランを出てから駐車場まで歩くが、途中の道で青いサンバイザーのお姉さんが何か配っていた。飛鳥が受け取り、卓也も何気なく受け取る。ティッシュかと思ったら何だか違う!?正体が分かって卓也はそれを飛鳥に渡した。
 
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「あげる」
「ありがと。やはりたっくん女の子に見えてるね」
「うーん・・・」
 
卓也は飛鳥に「生理があるのか?」と訊くタイミングを逸した。
 

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帰りは飛鳥が運転したが卓也はうるさい!
 
「合流のタイミングがよくない」
とか
「左に寄りすぎ。もう少し右を走ろう」
とか、文句を付ける。
 
「大丈夫だよ。もし壊したら保険で新しい車を買えるよ」
「それ全然大丈夫じゃない」
 
ということで、早くも最初のPAである野幌(のっぽろ)PAで運転は卓也に交代することになった。
 
しかしPAでトイレに入ったらスカートを穿いている卓也は
「君こっち違う」
と中年男性に注意されて
「すみません」
と言って飛び出してきたので、飛鳥は彼の手を取って一緒に女子トイレに入った!
「女子トイレに慣れてる気がする」
「まさか」
「怪しいなあ」
 
でもアパートに戻ってから、飛鳥はフェラをしてあげた。卓也は気持ち良さそうだった。
 
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