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■女子大生・夏の恋(6)

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8月23日(月)、鹿無島の吉田さんが退院した。吉田さんを“どこに”帰宅させるかについては、かなりの議論があった。
 
(1) 鹿無島の自宅:本人はここに帰りたいと言った。
 
(2) 留萌市の民間アパート:病院の看護師さんのお勧め
 何かあった時に交通の不便な離島ではどうにもならない。定期的に病院を受診して欲しいから、留萌なら市民病院でフォローしてもらえる。
 
(3)小平町の町営住宅:ケースワーカーさんの提案
 離島だと病院に行くのも大変だが、あまり環境が変わりすぎるのも受け入れにくいだろう。それで同じ町内で本土側の公共住宅で暮らしてはどうか。
 
それで看護師(師長)さん、ケースワーカーさん、奧さん、娘さん(札幌在住)、町の福祉課長さん、更には千里まで呼ばれて加わり会議をして、次のようなことが決められたのである。
 
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a.帰宅先は鹿無島の自宅とする。
 
b.毎朝、体温・血圧・血糖値を測定して電話・FAX・携帯サイトのいづれかを使って報告して欲しい。(お婆さんが頑張って携帯サイトの使い方を覚えることにした。娘さんにもサポートしてもらう。お婆さんには血糖値の測り方も憶えてもらう)
 
c.朝晩、食後に渡された薬を飲む。
 
d.お酒、漬物、砂糖入りのコーヒー、甘いジュースなどは禁止。お茶(無糖の紅茶・烏龍茶なども可)をたくさん飲む。夜10時までには寝る。塩分や脂分の多い料理は避ける(入院期間中にお婆さんに講座を受けてもらっている)
 
e.毎月1度、留萌市民病院を受診してほしい。
 

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通院の時の交通は千里が協力することにし、協力費として町から月1万円払う。
 
燃料代は3000円程度だがパイロットの時給・ヘリの利用費用を考えると、このくらいは支援すると町側は言った。旅客運送業をしているわけではないので有料運送はできない。あくまで協力費である。
 
千里は真広からも月10万円もらっている。彼(彼女)は週一度くらい旭川まで往復している。札幌・函館・根室などに行く場合もある。彼(彼女)の利用がヘビーなので、高速ヘリのエキュレイユなどの導入も検討している。
 

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8月24日、福岡市で朝日たちの結婚式が行われた。午前10時から市内の住吉神社で挙式が行われる。出席者は朝日の両親・姉、従妹の光、和彦の両親、弟たち、叔父夫婦、それに雅福岡店の店長夫妻である。祖父母などは呼んでない。余計なこと(*1)を言われないためである!性別の件に触れられると物凄くまずい。
 
そしてお昼から天神近くのホテルで食事会をする。これには雅福岡店の全員が出席してくれた。小倉の篠崎夫妻も来てくれた。司会は春日君がしてくれた。
 
(*1) 筆者の結婚式の時、88歳の祖母が唐突に「前の嫁さんはどうした?」と言い出して焦った(私は初婚である)。新妻は笑い飛ばしてくれたが、向こうの親族の居る場でなくて良かった。
 
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“披露宴”ではなく“お食事会”という形式にしたので、ウェディングケーキ入刀とか両親への手紙などといった演出や余興の類いも無く、出席者がひとことずつメッセージを述べるだけのシンプルなものとなった。しかし料理は美味しかったし、良いお披露目だったよと店長などは言っていた。
 
光がお祝いのスピーチ代わりにと言って、フルートで『ハッピー・サマー・ウェディング』を吹いてくれた。フルートでメロディーを吹いたのだが、セリフを「紹介します。呉服屋さんに勤めている広中さん」などと入れてくれた。また雅で仕入れている博多織の帯屋の店長さんが『博多祝い歌』(祝いめでた)を歌ってくれた。
 

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博多祝い唄
 
祝いめでたの若松様よ、若松様よ。枝も栄ゆりゃ葉も繁る。
 
斉唱
エーイショーエ、エーイショーエ、ショーエ、ショーエ、ションガネ。アレワイサソエサソエー、ションガネー。
 
こちの座敷は祝いの座敷、祝いの座敷。鶴と亀とが舞い遊ぶ。
(斉唱。以下同様)
 
さても見事な櫛田の銀杏、櫛田の銀杏。枝も栄ゆりゃ葉も繁る。
 
こちのお庭に御井戸を掘れば御井戸を掘れば、水は若水、黄金(かね)が湧く。
 
旦那大黒、御寮さんな恵比須。御寮さんな恵比須。出来たその子は福の神。
 
舟は大黒船、船頭さんな恵比須。船頭さんな恵比須。乗せたお客は福の神。
 
ああた百まで、わしゃ九十九まで、わしゃ九十九まで。共に白髪の生ゆるまで。
 
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博多ではイベントに欠かせない歌で、たとえば大学生のサークルでライブをしたらライブ終了後に会場のロビーで友人達も一緒にこの歌が大合唱になる。
 
また博多祇園山笠のフィナーレ“追い山”では先頭を走る一番山が櫛田入りの時にこの歌(の1番)を歌う。その歌唱時間のため、一番山の櫛田入りの時刻は4:59に設定されている。
 
しかし、たいてい歌うのは1番のみであり、全部歌われるのは希。結婚式の時くらいである。全国的に歌われている民謡ではあるが、多くの地域では先頭が「めでためでたの若松様よ」であり「祝いめでたの」という歌い出しは博多独特のもの。
 

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花束は、坂口君に渡そうかとも思ったが、雅福岡店の女性スタッフの座っている所に投げ、岩崎さんがキャッチした。
 
引き出物には博多銘菓“千鳥饅頭”の“花千鳥”を配った。普通の千鳥饅頭より小ぶりの製品で、少しおしゃれな贈答品として人気がある。親しい友人へのお土産としてよく使われる。
 

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食事会の後は同じホテルに一泊したあと、北海道旅行に行って来た。旭川→層雲峡・黒岳→アトサヌプリ(硫黄山)・川湯温泉→摩周湖→知床五湖→釧路湿原→札幌という北海道の黄金コースである。
 
層雲峡温泉では女の身体になって初めての温泉体験となった。朝日は学生時代にもナガシマ・スパーランドなどで女湯に入っているが、当時はお股はタックだった。姉が言っていた小学生の時の宮島での入浴は朝日もよく憶えてない。確かに女湯に入った気はするが真相不明。ちんちんの付いた小学生は女湯には入れないはずだが:つまりちんちん無かったのでは?
 
旭川空港に降りてあとはレンタカーで時間にとらわれずに回った。お陰で知床五湖を全部見ることができた。観光バスでは時間制限が厳しく2つか頑張っても3つくらいしか見られないことが多い。でも阿寒湖やオンネトーとか原生花園をスキップした。
 
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(知床五湖の付近にはヒグマが出ることもあるが、オーリンはグレースに頼んで北海道組の羅山という子にガードしてもらった。幸いにも(ヒグマにとっても幸いにも!)ヒグマは出なかった)
 

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お土産には定番の白い恋人を買ってきてお店の人たちに配った。また京都の親戚には“ふくや”のめんたいこを直送で配った。写真付きのハガキも送った。
 
多くの親戚は、ハガキを見て普通に朝日は女でお嫁さんになったと思ってくれたであろう。朝日は小さい頃の年賀状の家族写真でも女物の和服を着て姉と姉妹のようにして写っている。
 
ごく一部の親戚が「朝日ちゃんって男の子じゃなかったっけ?」と思いはしたが、男が嫁さんにはならないだろうから勘違いだろうと思った。
 
光の母は光に
「朝日ちゃん女の子になったの?」
と訊いた。
「そうそう。法的な性別もちゃんと女に直したから男の人と正式に婚姻できたんだよ」
「法的な性別が変更できるようになったのは知ってたけど、性別変更すると男の人と婚姻もできるんだ?」
「当然。だから私は花婿の男の親戚ではなく、花嫁の女の親戚として結婚式に出て来たんだよ」
「あんた服装は?」
「朝日ちゃんが貸してくれた振袖」
「へー。まあ朝日ちゃんも類友(るいとも)で心強かったかもね」
「私も性別変更するからね」
「まあいいんじゃないの?あんたが女の子と結婚したらレスビアンだよ」
 
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千里は公世から相談された。
 
「ぼくの女性化は停止した気がするんだけど、おっぱいが大きくなったままなんだよね。これ小さく出来ないかなあ。手術とか受けるんじゃなくて」
 
「できるけど、るりちゃんの意見聞いてみよう」
 
それで千里はるりに尋ねた。
「公世がおっぱい小さくしたいと言ってるんだけど、どう思う?」
 
すると、るりは言った。
「そんなの駄目です。きーみんのおっぱいは私の物です。優しく愛してあげます。小さくしてはいけません」
 
「だって。きみちゃんのおっぱいは維持決定」
「やった」
「えーん」
 

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飛鳥は自宅デートしていてパソコンのPhotoフォルダ内の1999から2004というフォルダ内にセーラー服や高校の女子制服を著ている飛鳥の写真を見られて追及されていた。
「誰が男子制服で中学高校に通ったって?女子制服着てるじゃん」
 
飛鳥がセーラー服や高校女子制服で、玄関前に立っている写真(入学時の写真?)、学校の玄関前に立っている写真(卒業の時の写真?)、セーラー服でフルートを吹く写真、高校女子制服でサックスを吹く写真などが発見された。そして詰め襟とか高校の男子制服を著た写真は一枚も見付からない。
 
「それ女子制服を譲ってもらったからその記念撮影なんだよ。通学は男子制服で通ってるよ」
 
「いや絶対嘘だ。きっと女子制服で通ってる」
「そんなの認めてもらえるわけないじゃん」
 
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修学旅行の写真とみられる2001フォルダ内の雪の美術館・札幌時計台前での集合写真でも飛鳥はセーラー服を着ている。2004フォルダ内にあった、興福寺五重塔前、金閣寺前、清水寺(きよみずでら)の集合写真でも女子制服を著ている。
 
「修学旅行では特例で女子制服の着用を認めてもらったんだよ。トイレの問題もあって。私が男子トイレに入ったら絶対注意されるといわれて」
「女の子が男子トイレ使ってはいけないよ。きっと普段から女子制服着てる」
「着てないよぉ」
 
「ちんちんが付いてたなんてのも、きっと嘘だ」
「ほんとだよぉ」
「嘘つく子はちんちん切っちゃうぞ」
「私はちんちん無いから、たっくんのちんちん切ってね。ちんちん無くてもいいんでしょ?スカート穿いてるくらいだし」
 
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「別に女の子になりたくて穿いてたわけじゃないよ。ただのファッションだよ。あとロック」
「ロック?」
「高校時代やってたバンドのライブではたいていスカート穿いてた」
「へー。パートは?」
「キーボード」
 
「ああ。キーボードが女の子ってバンドはよくあるよね」
「ぼくは女の子じゃないけどね」
「いやきっと女の子キーボードのバンドだと思われてる。歌も歌ってた?」
「いやボーカルはベースの人」
「なんでキーボードの女の子に歌わせないの?とか言われなかった?」
「こいつ歌下手なんですよと言われてた」
「つまりやはり女の子と思われてたんだ?」
「あれ?」
 

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飛鳥は中学でも高校でも修学旅行の間はオーリンに一時的に女の子に変えてもらった。高校の修学旅行は3〜4人単位の個室で部屋付きの風呂に入ったが、中学の時は層雲峡、札幌でクラスメイト女子と一緒に大浴場に入っている。
 
「やはり性転換手術は済んでたのね」
「6年生の時に仙台の大学病院で手術受けたんだっけ?」
 
なぜ仙台?
 
ちなみに飛鳥は睾丸を取って卵巣を入れたのは中1の春なので中3の時には既にAカップサイズのバストができていた。お風呂に入る前から「飛鳥ちゃんのおっぱいは本物っぽい」とクラスメイトたちからは言われていた。かなりみんなに触られている。
 
オーリンは
「君のこともっと早く知ってたら声変り前に睾丸取ってあげられたのに」
と言っていた。
 
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しかしオーリンのお陰で女の子の声も出せるようになっていた。それで、ブラックビスケッツとかモーニング娘。の歌を原キーで歌っていた。本人も
「中学に入る前にこの声が出せるようになってたらコーラス部に入りたかったなあ」
と思っていた。男の子の低い声しか出ないから吹奏楽部に入ったのである(本人主張)。
 
でも高い声が出るようになったのでコーラス部の大会に出てソプラノを歌ったこともある。セーラー服を着たが、この時の写真はまだ卓也に見付かってない。
 

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飛鳥は小学校の修学旅行は欠席している。行き先は函館でやはり大浴場に入っているが、クラスメイトたちは言った。
 
「ちんちん見られたくないから休んだのかな」
「違うよ。きっと、ちんちんが無いの見られたくないから休んだんだよ」
 
飛鳥は学校のトイレではいつも個室を使っており、小便器を使ったことはない。だから飛鳥のちんちんを見たことのある子は存在しない。
 
「低学年の頃から、島本さんはちんちん無いのではという噂があった」
 
飛鳥は小学校の時は水泳の授業は見学にしている。中学の水泳の授業では、保健室の先生の指示で女子水着を着けていたが、胸に膨らみがあり、お股には突起物が見られなかったので「飛鳥ちゃんおっぱいあるね」「飛鳥ちゃん、ちんちん無いんだ」と言われていた。実際は胸はヌーブラだしお股はアンダーショーツで隠していただけである(本人主張)。
 
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女子大生・夏の恋(6)

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