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■女子大生・春は出会い(9)

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6月11日(金・ひらく)、深川留萌自動車道唯一の休憩施設である秩父別(ちっぷべつ)PAに商業施設がオープンした。ここは上下線集約型で、上下線のどちらからでも利用できる(Uターンも可能である!ちなみにここは無料区間)
 
施設は旭川近郊の比布町(ぴっぷちょう)を本拠地とする“ぴっぷらうめん”と、留萌市幌糠を本拠地とする“峠の丼屋さん”の共同店舗である。スタッフは双方から2人ずつ入っている。食事がメインだが、留萌のお土産お菓子数種類と、桜水産の駅弁“桜鱒弁当”も取り扱う。
 
峠の丼屋さん(の幌糠本店)は2006年11月の留萌幌糠IC開通後、利用者が激減していた。一方で高速道路会社はPAに食事のできるところを作りたかったので勧誘をおこない、そのお誘いに乗った。
 
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幌糠の本店は閉めずに運営者兄弟のお母さんが店番をする。御近所の集会所と化している。兄が留萌駅前店、弟が秩父別PA店を担当する。全員天野産業の子会社天野フーズの社員であり、売上とは無関係に給与を払う。ほぼ千里の道楽でやっているお店である。
 

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6月12-13日(土日).
 
学生剣道の近畿大会(*7)がおこなわれた。京教は関西大会(*7)と同じメンバーで出た。
 
女子1〜3回戦
先鋒:樋口えり
次鋒:樋口るり
中堅:村山千里
副将:島根双葉
大将:木里清香
 
女子準々決勝以降
先鋒:木里清香
次鋒:島根双葉
中堅:村山千里
副将:樋口えり
大将:樋口るり
 
男子
先鋒:工藤公世
次鋒:高井龍馬
中堅:井出武蔵
副将:佐藤琢司(副部長)
大将:木村道長(部長)
 

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(*7) 関西大会と近畿大会の違いについて確実な資料を発見できなかったのだが、関西大会は全日本の予選であること、また一般的な“関西”“近畿”の使い方から次のように推測した。
 
関西大会:京都・滋賀・奈良・大阪・和歌山・兵庫の6府県
近畿大会:上記+三重
 
三重県は全日本の予選は東海大会に出るのではないかと想像する。
 
以上間違ってたら御免なさい。
 

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女子は準決勝まで順調に勝利する。
 
「決勝戦、同志社はオーダー組み変えてくるかな」
「きっと椎田さんを次鋒に置いて双葉にぶつけてくるよ」
「それでるり・えりに、南野・林葉だろうね」

「私が椎田さんとやりたい」
「きっと向こうも本当は清香とやりたいよ」
「こちらもオーダー組み変えるか」
「双葉、先鋒を頼む。私が次鋒に回る」
「OK」
 
などと言っていたのだが、その同志社が準決勝でK女子大に敗れてしまったのである。
 
「え〜〜!?」
 
それで決勝戦は京教とK女子大の対戦となった。結局オーダーを組み変えることもなく、準々決勝・準決勝と同じオーダーで対戦、最初の3人で勝って京教が優勝を決めた。主将の清香が優勝の賞状をもらってきた。
 
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男子は関西大会同様、準々決勝まで行って敗れた。BEST8である。
 
大会後は南邸にみんなを招き、バーベキューで打ち上げをした。
 
熊肉・鹿肉・猪肉を提供した(元手ゼロ)。
 

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「猪旨いです」
「豚肉と似てるね」
「鹿も旨い」
「熊はやや微妙かも」
などという評である。
 
「え?夢野の鹿を知らないの?」
と双葉は言った。
 
「夢野の鹿なんて話がありましたね」
と龍馬君が言ったのに対し、明美が
「なんだっけ?」
と言ったのである。
 
「割と有名な話なんだけどな」
「日本書紀(仁徳天皇38年)や風土記(摂津国)にも載ってるからね」
 
「昔、兵庫の夢野という村に鹿の夫婦が住んでいた。夫の鹿には愛人がいて、しばしば彼女のところに通っていた。ある夜雄鹿は夢を見た。夢では自分の背中に雪がつもり、ススキが生えていた。それを聞いて雌鹿は言った。『それはあなたが死んでしまう予兆よ。もう彼女のところには行かないで。あなた死んでしまう』と。しかし雄鹿は彼女が恋しくて出掛けてしまう。そしてその途中人間に遭遇して矢で射られてしまった」
 
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「男の浮気は死ぬまで治らないということか」
「男は馬鹿だということだな」
 
「兵庫県のどのあたりですか?」
「いやだから兵庫村」
「今は神戸市兵庫区だね」
「安政年間に日米通商条約が結ばれて長崎以外に4湊開港することになった。兵庫、神奈川、新潟、函館を開けるつもりだったけど、兵庫も神奈川も既に町ができあがっていて新たな施設を作る余裕がなかった。それで各々近くで当時は何も無かった神戸、横浜を代わりに開けた。すると横浜も神戸も交易の拠点として栄えた。そして結局横浜・神戸の市街地が元の神奈川・兵庫を飲み込んでしまった。今では神戸市兵庫区、横浜市神奈川区になっている」
 
「何も無いというのは強みなんですね」
「うん。イオンの岡田家では『タヌキが出るような所に店を出せ』という家訓がある」
「確かにイオンタウンはタヌキが出そうなところに作られる」
 
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6月13日(日・たつ)、雅の金沢店がオープンした。場所は山環(金沢外環状道路山側)沿いのショッピングセンター内である。現地の友禅工房“卯辰(うだつ)”との共同店舗で看板の名前は“移(いろどり)”となった。
 

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千里の事業資金の元手はいくつかある。一番大きかったのが2004年に出羽のH大神から預かった30億円(山形資金)で、天野産業はこの資金で設立されたものである。これは桜水産、西日本新鮮産業、桜製菓などに投資され、その大半は株式だが、交野片倉田上らの活動により、また雅の成功によりその評価額は既に400億円を越えている。
 
H大神としては京平の養育資金のつもりがあったのだが、運命の悪戯で京平が最初期は貧乏な阿倍子のもとで暮らすことになってしまったのは大神にとっても誤算だった。それで大神は京平が千里のもとに引き取られるよう色々工作するようになる。
 
もうひとつ大きいのが北海道のA大神から託されたミンタラ北海道およびカイ林業をベースとするもの(カイ資金)で当初預かったのは10億円程度相当だったが、ほぼ無価値に近かった森林を多数買収した結果現在は200億円程度に達する。これは大半が土地の形式である。
 
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このほかに霊的な仕事や音楽活動で得た資産が約10億円ある。これは現金または容易に現金化可能な有価証券(投信や国債など)になっている。
 
このほかに別会計として災害対策資金としてH大神から100億円預かっており、多数の食料・木材・ハウスユニットを備蓄している。この活動をしているのは羽黒産業という会社で社長は藤島月華である。この時期は藤島月華にしても美鳳たち、また虚空なども「近いうちに何かとんでもないことが起きる」というのは感じていたものの、何が起きるかは分かっていなかった、H大神でさえ具体的なことは分からなかったという。ただ大神や虚空の口ぶりから、どうやら福島県の被害が最も大きいようだというのは千里も感じていた。備蓄用の倉庫を岩手北部に作れという指定があったのも倉庫そのものが被災しないようにだろう。この当時千里は直接の面識が無かったが、十大霊能者の一人で強い予知能力を持つ“沙本”だけが「大地震」と断言したと千里は秋頃になって彼女の遠い親戚に当たる歓喜から伝え聞くことになる。(神様にも分からなかったことを予言するとは凄い人だ)
 
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北鹿島では稲の種を蒔いてから半月経ったので、赤石たちは上石たちのグループにも手伝ってもらい、田植えを行った。田植えに先立ち、水田の西側に土手を作り、風を防いだ。土手の内側には赤松も植えている。赤松は成長が速いのでやがてそれも風を防いでくれるようになるだろう。
 
そして水田の周囲に木の支柱を立て透明のビニールシートを掛け、水田をビニールハウス化してしまった。
 
確かにこんな寒い島で米作りするなら、この方がいいかもと千里も思った。ビニールのために雨も降り注がないが、水は川からの水路で供給されているから問題無い。なお、この島の土は安山岩質で保水力は結構高い。農耕向きの土である。
 
苗床を撤去した後の麓のビニールハウスでは別のプランターにトマトやピーマンの種を蒔いた。
 
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また彼らは水田に多数の合鴨を放した。合鴨君達も暖かい場所で快適なようである。頑張って虫や雑草を食べてくれているようである。(合鴨は飛べないから、どこかに行ってしまう心配は無い)
 
「鴨旨そうですね」
と子分たちが言うが
 
「稲の収穫まではダメ」
と赤石は言った。ネギも育てたほうがいいかな?と千里は思った。
 
また田んぼの西の土手の所には風車を多数並べて発電機を回した。これで風のエネルギーを奪うのが主たる目的だが結構な電気も得られた。電気は水田を温めるのにも使う。
 
また千里は兵庫県で稲作をした経験がある元山という関西組の子をここのアドバイザーとして招いた。
「こんな寒い島で米を作るの?」
と呆れていたが、ビニールハウスを見て
「うん。これしか方法は無いだろうね」
と言っていた。ビニールハウスの支柱を木にしたのは褒めていた。金属の支柱は錆びやすく、錆が水田に落ちると作物に良くないらしい。実態は木が簡単に手に入るから使っただけである。ハウス内に温風を通したり夜間に電熱器で温めているのも褒めていた。ビニールハウスは陽が当たる昼間はいいが、夜間の温度低下が課題である。
 
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またビニールハウス水田は耕作機械が使いにくいのが欠点らしいが、作業は彼らが何とかするだろう。田植えも楽しそうだった。雑草や害虫は合鴨が食べてくれるし。キツネたちも雑草取りに動員している。田植えの後でキツネは男の狐を10人増員した。
 
千里の周囲では女の狐(おんなのこ)を多数使役しているので実は男の狐(おとこのこ)は割と余っている。
 

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島内でたくさん土木工事をして土もたくさん出たので、島の北西の海にも100m×100mの区画を区切り水門を設置して土砂の捨て場とした。ここも西の土砂捨て場と同様、やがて埋め立て地となるはずである。西のを鳥半島(50m×100m, Vogel Halbinsel フォーゲル・ハルプインゼル)、北西のを犬半島(100m×100mm Hund Halbinsel フント・ハルプインゼル)と称する。(鳥犬は方角を表す酉戌の字を換えたもの:ドイツ語のままフォーゲル半島、フント半島でもいいかも)
 
2022年の映画では、隕石落下前の半島の情景を犬半島(100m×100m)で、落下後のシーンを鳥半島(50m×100m)で撮影している(隕石衝突の衝撃で半島が半分吹き飛んだという設定)。
 
この島は丸いドーム形(おっぱい型)で、どの方角から見ても山の形がほぼ同じに見えるので違う角度から撮影しても違いが分かりにくい。(海上の船からは方角を見誤りやすい:後述のように実は南にだけ森林があるのだが映画では南面を映してない)
 
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6月18日 - 改正貸金業法が施行される。
過剰貸し付けを予防するための総量規制(借りられる金額を年収の1/3までとする)などが導入された。(源泉徴収票を提出させる)また執拗な取立行為も規制された。グレーゾーン金利も廃止された。
 
貸金業規制をめぐっては、あまりきつくしすぎると零細事業者がお金を借りられなくなるという反対意見もあったが、いくつかの例外を除いては厳しい枠がはめられた。
 
住宅ローン、自動車ローン、有価証券担保ローン、医療費のための緊急貸し付け、段階的返済のための借り換え、メインのローンが降りるまでのつなぎ融資などが例外とされる。
 

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