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■女子大生たちの男女混乱(9)

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(C)Eriko Kawaguchi 2014-10-26
 
翌日は誠美と来夢にも出て来てもらった。準々決勝は9時の開始である。相手は関女2部の大学生チームであった。取り敢えず浩子と来夢を温存し、
 
美佐恵/千里/薫/麻依子/誠美
 
というラインナップで出て行く。さすがに関女のチームだけあってけっこう強い。しかしこの相手なら、夏美たちも行けそうというので第2ピリオドでは夢香と菜香子を入れて千里と誠美は休んで
 
美佐恵/夢香/薫/麻依子/菜香子
 
とし、第3ピリオドでは麻依子を休ませ夏美と玉緒(前半のみ)を入れて
 
千里/玉緒/薫/夏美/誠美(後半は玉緒は夢香に交代)と、
 
として適宜主力を休ませつつ、第4ピリオドはスターティング5に戻して、54対76で勝利した。
 
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男子の準々決勝をはさんで準決勝が行われる。その男子の準々決勝を客席で見ていたら、主催者の人がチームの所に来る。
 
「すみません、千葉ローキューツのキャプテンさん、監督さん」
と言うので、浩子が
「はい。何でしょう?」
と言う。
 
「すみません、ちょっとこちらへ」
 
と言うので浩子と西原さんが少し離れた場所に行く。浩子は
「はい、OKですよ」
と言って、主催者さんと一緒にこちらに来る。
 
「あのね。準決勝・決勝では、できたら男性メンバーは遠慮してもらえないかって」
 
「ああ。全然問題無いよ。私も充分楽しんだから」
と薫が言う。
「申し訳ありません。何かクレームが出ると面倒なので」
と主催者さん。
 
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「気にしないで下さい」
と薫。
 
男女混合チームの参加を元々容認しているのに、こんなことを言ってくるというのは、過去に実際問題として上まで勝ち上がってきた男女混合チームが存在せず、こういう事態を想定していなかったからであろう、と千里は思った。今回も女子の部に参加した混合チームは全て1回戦で敗退している。男子の部でも2回戦までで敗退したようだ。
 
「それでは準決勝、準々決勝では20番の森下さんはベンチには座っていいですからコートインしないように自粛していただければ」
 
「いえ、森下は女性ですが」
「え・・・・?」
「女性のIDカードが2月から有効になるのは私です」
と薫が手を挙げて言う。
 
「えーーーー!?」
と言ってしまってから
「失礼しました。あの、あなた本当に女性ですか?」
と主催者が誠美に向かって訊く。
 
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「バスケ協会の登録証お見せします」
と言って誠美がカードを見せる。
 
「この子、インターハイのリバウンド女王ですから。間違い無く女ですよ」
 
もしかして長身の誠美がゴール下で圧倒的にリバウンドを取るのを見て、彼女を事前に言っていた男性選手と思い込み、それで男のセンターが入っていたらアンフェアではと言い出した人がいたのかも!?
 
「大変失礼しました。では22番の歌子さんが自粛して下さるんですね」
「はい」
 
と言って薫は2月20日から有効の登録証を見せる。
 
「なるほど。でもすみません。いったん許可出していたのに」
「いえいえ。ここまで出場させて頂いただけでも嬉しいですから」
「申し訳ありません」
 
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と言って、主催者さんは戻って行った。
 

「私、昨日もたくさん出たし、準々決勝もフル出場したから気にしないで」
と薫は言う。
 
「よけいな気を回す人がいるんだろうな」
と千里は言うが
「いや、オカマ嫌いが主催者の幹部の中にいたのかも」
と麻依子は言う。
 
「まあ、私はそういうの今更気にしないから。千里もでしょ?」
と薫。
「そんなの気にしてたら、今まで生きて来られなかったね」
と千里も答えた。
 

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それで11:40から行われた準決勝では、浩子/千里/来夢/麻依子/誠美というスターティング5で出て行く。
 
「薫ちゃんが出なくても凄いメンツのような気がする」
と夢香が言う。
 
「うちも層が厚くなったね」
と浩子。
 
「ローキューツが発足した時も層は厚かったんだけどね」
と浩子は更に言う。
 
「ただ初期のローキューツって全然試合してないよね?」
と玉緒。
 
「そうなんだよね。確かに凄い選手は集まっていたんだけど、なんかみんな土日が忙しくしてて、5人揃わなくて全然試合に出られなかったんだよ」
と西原さんは言った。
 
「大会の日にオフィシャルだけするのに出て行ったことあったね」
などと夏美が言う。
 
「それもバスケできる友人に頼んで何とか4人そろえてね」
と浩子も笑って言う。
 
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大会では相互に審判やテーブル・オフィシャルズを担当して運営されるので、不参加になってもオフィシャルだけは求められることが多い。それをする人数も揃わない場合は、迷惑料を払って他のチームの人にお願いするルールになっている場合もある。
 

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準決勝の相手は多摩ちゃんずというクラブチームで昨年の東京クラブ選手権で準優勝して関東クラブ選手権にも出場しており、今年の東京総合でも江戸娘に敗れて準優勝だったという所であった。今年の選手権は3位で関東クラブ選抜(裏関)に回ることになったようだが充分強いチームだ。
 
来夢・誠美を抜いたメンツなら恐らくかなり拮抗した試合になるところだが、この2人が入っていると、こちらが優勢に進められる。特に誠美がいる限り、リバウンドはこちらが圧倒的である。
 
むろん一瞬たりとも油断はできない相手だ。実際、第1ピリオドでは、麻依子が相手のいちばん目立たない感じのスモールフォワードさんに、まんまとスティールを決められる場面もあった。
 
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「オーラを隠しているタイプだよね」
とインターバルに薫が言った。
 
「千里なんかもそうだからね。対戦相手がうちのチーム見たら、最初に来夢さんと誠美を警戒する。次いで麻依子を警戒する。ところが一番警戒しないといけないのは、実は千里なんだ」
と夢美が言う。
 
「まあ2点取られるのと3点取られるのではダメージが違うから」
と千里。
 
「千里が実は凄いオーラを持っているのは、実際にマッチアップした人だけが分かるんだよなあ」
と麻依子も言う。
 
「結構千里に気合い負けして何もできずに抜かれてしまうディフェンスは多いよ」
と浩子。
 
「千里があっちゃん(花園亜津子)とマッチアップした動画とか、いとも簡単にあっちゃんを抜いているように見えるから、なんで?と思う人も多いだろうね。あっちゃんを抜ける選手なんてWリーグにもそうそう居ないのに」
と誠美も言う。
 
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「あれは相性もあると思う」
と来夢。
 
「まあ、あの6番、だてにこの強いチームのスターティング・メンバーじゃないってことだね」
 

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それで第2ピリオド以降は、みんなこの選手に結構な警戒心を置いておくようになった。この選手といちばんマッチアップの機会が多かったのは来夢だが、かなり抜かれていた。フェイントの掛け方もうまいが緩急の使い分けが凄い。前半は28対40という得点差になったが28点の内の13点がこの人による得点だった。
 
第3ピリオドでは来夢を休ませて夢香を出し、第4ピリオドでは浩子を下げて代わりに夏美にポイントガードをさせたが、得点差は順調に開いていき、結局54対72で勝利した。
 

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試合後男子の準決勝があっている間に軽いお昼御飯を食べる。「軽い」はずが、けっこう食べている子もいる。
 
「そんなに食べて大丈夫?」
「OKOK。1時間あればこなれる」
と誠美。
「まあ牛丼2杯くらいは普通だよねー」
と麻依子。
 
「やはり運動した後はカロリーと蛋白質を補給しておかないとね」
などと薫も言っている。
 

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女子の決勝は14:20の予定だったが実際は14:40までずれ込んだ。決勝戦は静岡県から参加した、伊豆銀行ホットスプリングスというチームである。企業名は冠しているものの、組織上クラブチームのようである。
 
準決勝で茨城県から参加したTS大学メロディアンズというチームを破って勝ち上がってきた。ここはTS大学バスケ部の2年生有志で結成されたチームである。1年生の数人がシェルカップでTS大学フレッシャーズを名乗って優勝したのに刺激されて2年生で結成したらしい。コーヒーフレッシュ→メロディアンという発想のようだ。件(くだん)のメーカーからクレームが来たら名前は変えるなどと言っているらしい。
 
シェルカップでローキューツはTS大学フレッシャーズに2点差で負けている。あの時は佐藤さんが入っていた。今回は佐藤さんは居ないが、誠美と来夢が入っている。実力的にはあの時と大差ないだろうなと千里は思った。薫も出られたら違ってくるのだが。今日の相手はあの1年生チームよりもしかしたら強いかも知れない2年生チームに勝ったのだから、相当強いチームと考えるべきだろう。
 
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「まあ向こうも関東クラブ選手権に出たチームを破ったチームだからこちらは相当強いだろうと言っているよ」
「お互い様だね」
「思いっきりやろう」
「自分たちのバスケを忘れないように」
 
などと言って出て行く。
 

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序盤から激しい点の取り合いになる。向こうは守備は軽めにしてどんどん点を取ることに熱心な感じである。こちらもそういうスタイルは好きだし、ハイレベルな相手だとあまり交代要員も使えないので、深追いせず疲れないようなディフェンスを心がけてプレイした。
 
強さとしては先日の関東選手権準決勝で対戦した赤城鐵道RRRRに近い強さを感じた。ただあのチームは守備に重きを置いていたが、こちらは攻撃主体で、この方がやっている者として心地良い。誠美が最初から戦闘モードになっていて相手のパワーにめげずリバウンドを頑張ったのもあり、前半は46対43と3点差の接戦となった。
 
第3ピリオドは消耗の激しい来夢をいったん休ませて、前半は夢香、後半は夏美を使って、それでも20対19で持ちこたえる。ここまで66対62.
 
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第4ピリオドは来夢が戻ってまた激しい点の取り合いである。残り1分を切ったところで疲れの見えてきた相手ディフェンスの隙をついて千里のスリーが決まり90対89と1点差に詰め寄る。
 
相手が攻めて来る。うまく相手のピック&ロールが成功して2点を取り92対89.残り40秒。浩子が攻め上がっていく。向こうは千里のスリーを警戒して千里にいちばん強い人が付いている。そこで来夢にパス。来夢はマーカーを強引に振り切って中に進入していくが、カバーに来たディフェンスに行く手を阻まれる。そこでローポスト側にいる麻依子にパス。麻依子が自らドライブインするのでそちらにディフェンスが集中する。そしてゴール近くからジャンプシュート。
 
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と見せかけてハイポストに居る千里に速いパス。
 
千里がスリーポイントラインの外側から撃ちゴール。
 
92対92の同点!残り20秒。
 
向こうはゆっくり攻めあがって来る。24秒を切っているのでショットクロックも既に止まっている。ここで得点して時間をほとんど残さなかった場合、向こうの勝ちがほぼ確定する。万一得点できなくても延長になるから不利なことはない。それで、わざとパスを回している。時間稼ぎが明らかなので、来夢や麻依子がパスカットを試みるが、簡単にカットされるほど無警戒ではない。
 
試合時間が残り7秒となった所で相手フォワードが制限エリアに侵入してくる。誠美が目の前に立ちはだかるのでシュートはできない。そこで自分に続いて中に入って来た味方にそちらを見ないまま真後ろにパス。
 
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それでその人が最初に進入した人を壁に使ってシュートする。
 
ボールはゴールに飛び込んだ。笛が鳴る。
 
しかし・・・・
 
審判は指を三本立てて腕を水平に伸ばしている。得点を認める場合はツーポイントゴールなので指を2本立てて上に伸ばす。
 
3秒ルール違反のヴァイオレーションである。
 
最初に進入した選手が壁になって留まっていたことで制限エリアに長居しすぎた形になったようだ。あそこはすぐに走って出なければならなかったのだが、実際問題として前に誠美、左に来夢、右に千里が居て、後ろからは味方が入って来たし、逃げ道が無かったのである!
 
当然ゴールは認められずローキューツのボール。しかし残り時間は僅か2秒である。
 
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