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■女子大生たちの男女混乱(4)

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2009年11月28日(土)。千里たちローキューツのメンバーは、いつも練習をしている千葉市内の体育館に集合した。ただし今日は練習ではなく、関東総合バスケットボール選手権大会という大会である。
 
これは1月に行われる全日本総合選手権、通称オールジャパン(天皇杯/皇后杯)の予選であり、今日・明日の大会で優勝すれば、そのオールジャパンへの出場権を獲得できるのである。
 
千里はオールジャパンの予選に参加するのは2年ぶりである。高校1年と2年の時に全道総合選手権に出ているが、高1の時は男子チーム、高2では女子チームに参加した。高1の時は「性別審査中」であったのでベンチには入っていない(メンバー表には入っていた)のだが、男子と女子の両方に参加した人ってさすがに少ないだろうなと千里は思った。
 
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今回の大会参加チームは関東8都県(東京・千葉・茨城・栃木・群馬・埼玉・神奈川・山梨)から1チームずつである。男子の方は企業チームと大学生チームばかりだったが、女子の方はクラブチーム2、大学3、高校2、企業チーム1という構成だった。やはり女子の企業チームが少ないからだろうが県予選を勝ち上がった高校チームは凄いなと千里は思う。2校ともインターハイの常連校である。
 
なお、ローキューツ以外に出て来たクラブチームというのは東京の江戸娘である。激戦区の東京で勝ち上がってきたのが凄い。江戸娘とはシェルカップ、関東選抜でも対戦しているが、恐らく前回より更にパワーアップしているだろうし、多分メンバーも増えているのではと千里は想像した。
 
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関東選抜で対戦した時は「次は関東総合か関東選手権で」と言って別れたのだが、そのことば通り、関東総合に上がってきたし、既に関東選手権の出場権も獲得しているので、2月にもまた会うことになる。
 
「おお、そちらも上がってきたね」
と言って、ロビーで向こうのメンバーと遭遇した時、お互いを称え合った。
 

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「今日は出席率がいいね!」
とキャプテンの浩子がご機嫌である。
 
「いや、関東総合に出るというから嘘!と思ってバイトを代わってもらって出て来た」
などと最近出て来ていなかった美佐恵が言う。
 
「何か新メンバーも入ったというから顔を見なきゃと思ったし」
 
そういう訳で、今日の出席者は
6.浩子ひろこ(PG) 7.茜(PF) 8.玉緒(SF) 9.夏美(SF) 10.沙也加(SF) 14.夢香(PF) 15.美佐恵(PG) 17.菜香子(PF) 18.麻依子(C) 19.千里(SG) 20.誠美(C) 21.来夢(SF)
 
と12人も居るのである。他に在籍はしているメンバーが6人居るものの入院中の国香以外は実質幽霊部員であり、今日は稼働できる部員が全員出席していることになる。
 
「関東選抜は7人で戦ったからね」
「それで優勝したのが凄いね」
「だけど今回は大会の名前は似てるけどレベルが全く違う」
「まあ、やれるだけやるしかないね」
 
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1回戦の相手は埼玉の大学チームであった。
 
例によって最初に向こうのチームから「すみません。大変失礼ですが、そちらの20番の選手は女性でしょうか?」という質問が入るので、誠美が登録証を見せて性別を確認してから試合を始める。
 
ティップオフは貫禄で誠美が取り、浩子が攻め上がる。相手の守備体制が整う前に麻依子が華麗にレイアップシュートを決めてローキューツが先制する。
 
向こうが攻めてくる。こちらは取り敢えずマンツーマンで守る。取り敢えず近くにいる選手に付く。誠美がマッチアップした人(何だか体格が良い)が、小さなフェイントを入れてから、ほとんど強引に誠美を押しのけるようにして中に進入してシュートを撃つ。麻依子がフォローに来てジャンプしたもののブロックはならずゴール。
 
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2対2の同点。
 
序盤は点の取り合いで始まった。
 

向こうは最初はマンツーマンで守っていたものの、どうもこちらがかなり強そうだとみて、すぐにゾーンディフェンスに切り替えた。ゾーンはかなり練習しているようで、連携がうまい。
 
そこで浩子は千里にパスする。即撃つ。
 
きれいに決まる。
 
このあと千里がスリーを撃つパターンを更に2回やって千里は2本とも入れる。それで向こうはセンターの人がローポストから離れて、千里のマークに付き、残りの4人でゾーンを作る体制に変更する。
 
しかし千里は背の高いに人にガードされるのは慣れている。タイミングを外してシュートを撃つので、相手のガードはほとんど効かない。状況によっては相手を抜いて内側からも撃つ。
 
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更にセンターの人が千里に付いていると、誠美が内側に侵入してシュートする場合に誰もブロックできない。
 
そういう訳で、第1ピリオドの後半は、千里と誠美が点を取りまくり、16対29と大差を付けた。
 

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第2ピリオドになると、千里にはいちばん器用そうなスモールフォワードの人が付き、センターの人は誠美がだいたい居る(こちらから見て)左側のローポストを守る方式に切り替えた。
 
この人はかなり千里のシュートタイミングを読み、最初2度続けてブロックを成功させた。しかし千里もすぐ「ロジック」をランダムに変更するようにする。すると相手はこちらのシュートタイミングを読めなくなってしまう。それでその後は向こうは千里のシュートを2割くらいしか停めることができなくなった。
 
一方でこの器用な人が千里に付き、センターの人は誠美を警戒していると、実質麻依子がフリーになってしまう。それで第2ピリオドでは麻依子を使っての攻撃が、かなりうまく決まった。
 
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結果的には第2ピリオドも14対23とこちらがリード。前半で30対52である。
 

第3ピリオドでは、誠美と浩子を休ませ、夢香と菜香子を入れる。長身の菜香子がセンターで、来夢がポイントガード役を務める。
 
しかし184cmの誠美が下がっていても、176cmの麻依子、173cmの菜香子、169cmの千里が居ると、向こうはなかなか空中戦で対抗できない。夢香だって165cmあり、彼女は高校時代はセンターであった。それでリバウンドは7割菜香子と麻依子で押さえていた。結局このピリオドも18対19とこちらの1点リードで持ちこたえ、ここまで48対71である。
 
最終ピリオドはここまで頑張った来夢はお疲れ様でしたということで下げて、夏美を入れる。誠美と浩子が戻り、浩子から千里または麻依子を使ってシュートして、リバウンドは誠美が押さえるパターンを多用する。
 
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結局このピリオドは16対26と圧倒して、合計64対97でローキューツは1回戦を制した。
 

「凄い、凄い。勝っちゃった」
とずっとベンチに居た茜が拍手する。
 
「ごめんねー。コートインさせてあげられなくて」
と浩子。
 
「いや、私とか玉緒が出たら、そこが穴になっちゃう。とてもこのレベルの相手には出られないよ」
と茜。
 
「いや、こういうハイレベルな試合をベンチで見られるだけでラッキー」
と沙也加も言う。
 
「右に同じ。バイトをキャンセルして出て来た甲斐があった」
と美佐恵。
 
「何かよく分からないけど凄いんだよね」
と玉緒は言っている。
 
「しかし次は厳しいかもなあ」
と浩子は言った。
 

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翌日11月29日。この日は準決勝と決勝が行われる。
 
昨日1回戦を勝ち上がったのは大学1、企業チーム1とクラブチーム2である。江戸娘は高校チームと当たって圧勝して準決勝に上がってきた。そしてこの日千里たちが午前中の準決勝で対戦するのは、群馬県の企業チーム・赤城鐵道・レッド・ルーク・レイルウェイ・ロビンズ(Red Rook Railway Robins)であった。RRRRというロゴが四連の電車のような形になっていて格好いい。
 
Wリーグ/W1リーグには属していないものの、来夢が「あの人と、あの人と、あの人と、あの人は、元Wリーグ」などと言っていた。プロレベルに近いチームのようで、1回戦は大学チームをダブルスコアで破って勝ち上がってきている。
 
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(名称が分かりにくいがW1はWリーグの二部リーグ相当である。男子サッカーで言えばWリーグがJ1で、W1リーグがJ2になる。1999年に発足したが、その後、参加チーム数が減ってW1は2012年度以降は開催されていない)
 
「向こうもこちらにWリーグの選手が2人入ってると言ってるかも」
 
「向こうは全開で来るだろうな」
「まあ大学生チームに勝ったチームに油断はしないよ」
 

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試合を始める。
 
ティップオフでは誠美が取ったものの、その後攻め上がると、素早く防御態勢を整える。浩子からのパスを受けて麻依子が侵入するのだがガードがむちゃくちゃ堅くて、シュートが撃てない。たまらず外に居る来夢にパスする。来夢はさすがに貫禄で相手ディフェンスを押しのけて!中でシュートを撃ったもののブロックされる。誠美がリバウンドを取りに行ったのだが、ポジション取りで負けてしまう。
 
それで結局相手ボールとなる。
 
向こうが攻めあがって来る。こちらはゾーンで守る。しかし相手はゾーンなど全く問題にせず強引に突破して中に入って来て華麗にジャンプシュート。入って2点。
 
試合は向こうが優勢の状態で始まった。
 
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ディフェンスがひじょうに堅いので、中に入ってシュートを撃つのがなかなか厳しい。Wリーグで揉まれてきた来夢や誠美でも、そう簡単に進入を許してくれない。そうなるとこちらは千里のスリーが頼りなのだが、こちらにスリーがあるとみると、向こうのいちぱん強そうな人がすぐ千里に付いた。
 
ファウルすれすれの厳しいチェックをする。正直ここまで厳しい相手との対戦は千里も初めてであった。それでも千里は相手との心理戦を制してかなりスリーを放り込んだ。しかし千里以外を使っての得点が抑えられていると、どうしてもこちらは不利であった。
 
前半だけで36対24と大差を付けられる。
 
ここで試合中も練習中もあまり発言しない!?西原監督が言う。
 
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「おまえら、勝とうと思うな。勝敗忘れて全力で行け。目の前の攻撃機会をひとつずつ確実に取っていけ。相手も無理なガードしたらブロッキングとかになるんだから、堂々とプレイしろ」
 
それで後半は麻依子にしても浩子にしても開き直りができる。それで前半より積極的に突撃して、何度かはこちらのチャージングが取られたものの、相手のブロッキングが取られたり、シュートを停められてフリースローをもらうケースも出て来た。
 
それで後半だけ見ると、結果的には 28対26というかなり良い勝負をした。それでも合計64対50で敗れてしまった。
 
 
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