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■八犬伝(10)

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そんな話をしていた時、庵を訪問する者があります。“一角”の妻ということになっている船虫(坂田由里)です。
 
小文吾が船虫には欺されかけたのを危うく難を逃れたのですが、現八はそのことを知りません。船虫はあの時、馬加の手の者に逃がされてから、ここに流れてきて“一角”の妻になっていました。それ以前の“一角”の人間の妻がみんな早死にしたり、食われたり、(勘のいい者は)逃げ出したりしたのに、平気で妖怪と2年も夫婦をしているというのは、船虫自身が妖怪ではと思いたくなるほどです。
 
船虫は現八を見て怪訝な顔をしていますが、一角から角太郎と雛衣に話があるので来て欲しいと言います。それで角太郎は何事だろうとは思ったものの、結局、現八も連れて3人で赤岩家に行くことにしました。
 
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赤岩家に行くと“一角”(品川ありさ:二役)が左目を怪我しています。角太郎はさっきの現八の話を思い出して、現八と視線を交わしました。これで角太郎は現八の話を信じる気になったのです。またこの時、現八は“一角”が着物の前を左合わせに着ていることに気付きました。そして昨夜妖怪を見た時に覚えた違和感の正体にも思い至ります。あの妖怪も服を左前に着ていたのです。
 
“一角”は現八を見ると、こう言いました。
 
「かなり腕の立つ方とお見受けする。私の門人たちと手合わせ頂けないだろうか」
 
それで出て来たのが、こういう面々でした。
 
玉坂飛伴太(たまさかひばんた)(豊科リエナ)
月蓑団吾(つきみのだんご!)(三陸セレン)
八党東太(やっとうとうた)(山鹿クロム)
屹足溌太郎(きったりはったらう *33)(箱崎マイコ)
 
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そして“一角”の息子・牙二郎(夕波もえこ)。
 
現八(白鳥リズム)は5人全員を叩きのめします。“一角”が腕を組んで悩んでいます。
 
(リズムは剣道二段の免状を持っているので上手い!)
 

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(*33) この人の苗字は正確にはニンベンで“仡足”。この文字は山偏の“屹”と同じ意味。“仡立”(=屹立きつりつ)の“仡”。
 
しかし“つきみのだんご”なんて名前はお月見しながら団子食べてて思いついた名前だろうか?“切ったり貼ったろう”って Cut & Paste ? 昔は小説を書いていると原稿を相当切り貼りしたはずです。(私も手書き時代は原稿用紙をセロテープだらけにしていました)
 
しかし小説を書く時は実在の人物とぶつかると面倒ですし、昔なら万一有力大名御家人などとぶつかると大変なので、有名人の名前に通じた人に確認の上で、現実にはまず居ないだろうという名前を考えたのでしょう。
 

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「それより父上、話は何だったのでしょうか?」
と角太郎は尋ねます。
 
「実はこの目の怪我なのだが」
と“一角”は話し始めます。
 
「昨夜山中で修行をしていたら、何者かが私に矢を射て目に当たった。目の怪我を治すには、4-5ヶ月の胎児の胆と、その母親の心臓が必要なのだ。だからそなたの妻・雛衣の心臓と胎児を私にくれ」
 
角太郎が
「そんな馬鹿な話は聞いたことがない。父上殿はご乱心なさったか」
と言います。
 
しかし船虫は
「そなた、親の恩を忘れて、不義の妻をかばうのか?雛衣も孝行のため、自分の心臓と胎児の胆くらい差し出せ」
と雛衣に迫ります。
 
するとずっと“不義”を責められ思い詰めていた雛衣(木下宏紀)は
 
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「分かりました。どうぞ、私の心臓と赤子の胆、お取り下さい」
と言って、懐刀(ふところがたな)を取ると自分の腹に突き立てようとします。
 
しかし一瞬早く、現八の刀が雛衣の懐刀を叩き落としました。
 

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止めようとしたものの出遅れた角太郎が
「すまん」
と現八に感謝します。
 
しかし船虫は
「えーい、この親不幸者め。私が胎児の胆を取ってやる」
と言って刀を抜き、雛衣を斬ろうとしました。が、これは角太郎が船虫を殴り倒し!船虫は刀を落とします。そしてその勢い余って船虫の身体は雛衣にぶつかりました。
 
この時、船虫の刀で角太郎は腕を少し切りました。その血が、角太郎が持っていた髑髏に掛かりますと、髑髏から赤岩一角の姿がうっすらと現れます(立体映像)。そして角太郎に
 
「我が子よ、仇敵を必ず倒してくれ」
と言って、ニセ赤岩一角を指さしました。ここで角太郎も現八の話を完全に信じることにしたのです。
 
雛衣の方ですが、ちょうど船虫の頭が雛衣のお腹を直撃した形になり(*34)、雛衣は思わず「うっ」と声を挙げます。その時、雛衣の口から1個の珠が飛び出します。そしてその珠はそのまま“一角”の方に飛んで行きましたが、ニセ赤岩一角にぶつかると、ニセ一角の姿はたちまち、山猫の姿に変身しました。
 
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「本性を現したな!」
と角太郎は言い、刀を抜いて、一角に化けていた山猫に対峙します。
 
山猫は刀は持てないもののその鋭い爪を出して角太郎と向かい合います。しかし片目なので距離感がつかめないようで空振りします。
 
それでも牛のように大きな“山猫”はその大きさ自体が武器です。突進してこられると脅威ですが、角太郎は冷静に山猫の首筋に刀を当て倒します。そしてその首を切り落としたのです。
 
(巨大なぬいぐるみにセレンとクロムが入って動かしている)
 
首を切り落とされた山猫はしばらくは鋭い爪を出した四つ足を動かしていましたが、やがて動かなくなります。こうして角太郎は、父の仇を討ったのでした。
 

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そして!山猫が倒れると、“門弟”たちの姿が変わります。
 
玉坂飛伴太(豊科リエナ)の姿はアナグマに、屹足溌太郎(箱崎マイコ)の姿は貂(てん)に、そして月蓑団吾(三陸セレン)の姿は赤鬼、八党東太(山鹿クロム)の姿は青鬼になり、ついでに赤岩牙二郎(夕波もえこ)の姿も若い山猫になりました。みんなニセ赤岩一角の神通力が消滅したことから、本来の姿に戻ったのです。
 
いきなり5人(3人+2匹?)相手にするとなると大変だと思い、現八も刀を抜きます。
 
が、意外なことが起きました。
 
赤鬼・青鬼がアナグマと貂を捕まえ!(*36)
 
「角太郎殿、ありがとうございます。これで長年の山猫の支配から解放されました。私たちは山の神と土地の神です。こいつらは連れて帰っておしおきします」
と言うと、角太郎に一礼して出て行きました。
 
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残るは山猫の姿になった赤岩牙二郎のみです(夕波もえこがかぶりものをして演じている)。
 
現八は刀を納めました。角太郎は山猫を斬り、事件は解決したのです。
 

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角太郎は雛衣に謝りました。
 
「そなたが、不義などしていないことは私は分かっていた。ただ、船虫と父の偽物が私の命を狙っているようだったので、お前を巻き込まないように遠ざけていたのだよ」
 
雛衣は珠を吐き出した後、お腹が平らに戻っています。その珠“礼”はニセ一角を倒した後、角太郎の手元に戻りました。
 
角太郎の言葉を聞いて彼女は泣き、角太郎(常滑真音)は雛衣(木下宏紀)を抱きしめました(*38)
 
「あれ?そういえば船虫は?」
と現八があたりを見回しますが、姿が見えません。
 
「あいつも本性を現して、山の神殿、土地神殿に捕まったのでは?」
「そうかもしれん。あいつはきっとキツネか何かだろう」
 
「キツネ七化け、ムジナ八化け、貂(てん)九化けというからなあ」
 
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(ムジナは、タヌキ・アナグマの類いを指す。地域によって、言葉の使い方に混乱がある。アナグマをムジナと呼ぶ地域、ハクビシンをムジナと呼ぶ地域、ムジナはタヌキの別名とする地域、タヌキとアナグマをまとめてムジナと呼ぶ地域などがあり、それを背景に大正13年には“タヌキ・ムジナ裁判”(*37)が起きた)
 

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語り手:ところが船虫(坂田由里)はどさくさ紛れに逃げ出していました。
 
それで
「参った、参った。妖怪の女房も面白かったけどなあ」
などと言いながら、歩いていたら、向こうから思いがけない人物が来ます。
 
籠山逸東太(花貝パール)でした。
 
「貴様!小笹・落葉を返せ」
「あ・・・・」
 
(嵐山が千葉家に戻ったことは伝え聞いている)
 
それで船虫は籠山に捕まり、連行されていったのでした(でも途中で籠山を欺して逃亡する!)。
 
(原作では籠山もニセ一角の門弟になっていたことになっているが、それなら船虫を放置していたのはおかしい。それでこの翻案では今来たことにした)
 

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犬村角太郎はこの機会に名前を犬村大角と改めることにしました。そして雛衣と久しぶりの夫婦の語らいをした上で、現八とともに、犬士たちの集まりに参加することにしました。
 
1ヶ月後。
 
「しばらく留守にするが、必ず役目を果たしてからお前を迎えに来るから」
と出発する犬村大角は言います。
 
「はい。お待ちしております」
と雛衣は笑顔で夫を送り出しました。
 
雛衣が大角の子供を産んだことを大角は10ヶ月後に手紙で知ることになります。
 

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(*34)雛衣には最初は原町カペラ、その後、鹿野カリナがアサインされていたが、最終的に木下宏紀になった。それは次の理由により“女性ではない”人に演じさせることにしたからである。
 
・雛衣が受ける要求が胎児の胆を寄こせという女性に対してあまりに過酷なものであり、それを女性に演じさせるのは可哀想であること。
 
・原作ではその要求に応じて雛衣が腹を切ってしまうこと。ここで角太郎も現八も居て雛衣を止めきれないのはおかしいと思う。今回のドラマ化では船虫が雛衣のお腹に衝突して珠が飛び出す展開にしたが、お腹にぶつかる演技も女性にさせるのはよくない。
 
ということで、本人が「子宮は無い」と主張している木下宏紀にやってもらうことにして、カリナは糠助に回り、糠助にアサインしていた三田雪代は金碗八郎に回った。
 
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「でもボク、信濃町ミューズは卒業したのに」
と木下君は言ったが
 
「あら、知らなかったの?信濃町ミューズを卒業した人は信濃町エルフに自動的に所属するんだよ」
と川崎ゆりこ。
 
「初耳です!」
 
ということで木下君が使われることになったので、“ついでに”篠原君も出演することになり、彼には泡雪奈四郎がアサインされることになった。泡雪に最初アサインされていた中村昭恵は手束に回ったが、中村は演技力はあるものの(多分アクア・葉月・ビーナの次に上手い)、立ち回りは自信が無いと言っていたので、結果的にはうまくまとまった。
 
彼女は『源平記』では阿野全成(*35)を演じており、指揮官なので戦闘シーンは無かった。
 
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(*35) 阿野全成は、義経の同母兄で平家打倒に功があり、頼朝による幕府成立後も有力御家人となる。頼朝死後に、頼家・実朝が対立すると、実朝側に付き、その争いの中で死亡した。子孫は公家の阿野家となり、後醍醐天皇の側室(中宮内侍)で後村上天皇を産んだ阿野廉子はその子孫である。
 

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(*36)原作では「猯(まみ)と貂(てん)」と書かれている。猯(まみ)は基本的にはアナグマの異称とされるので、ここではアナグマと書いた。
 
撮影で使用したアナグマと貂(てん)は山村マネージャーが
 
「飼ってる人を知ってる」
と言って連れて来たが、その飼い主の指示に従って演技?してくれたので、スムーズに撮影ができた。
 
「この子たち、人間のことばが分かるみたい」
などと花ちゃんが不思議そうに言っていた。
 
なぜかアクアがおかしそうにしていた!
 

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(*37)完全に物語から脱線するが、「タヌキ・ムジナ裁判」というのはこういう事件である。
 
・栃木県の猟師が1924年2月29日、“ムジナ”2匹を洞窟の中に追い込んで閉じ込め、3月3日にその穴を開いて射殺した。
 
・この行為が3月1日以降は“タヌキ”の狩猟を禁じた狩猟法に違反するとして告発された。
 
被告側は「自分が狩ったのはタヌキではなくムジナだ」と主張した。またムジナは既に2/29に確保していたのだから、狩猟をしたのは2/29であり、3/3ではないとした。
 
こんなアホな裁判を大審院(現在の最高裁判所)まで争ったのである。大審院の判決はこうである。
 
・“タヌキ”と“ムジナ”は動物学的には同じ動物を指すとされるが、そのことが国民一般に認識されているとは言いがたい。従って被告人がそれを認識していなかったとしても不思議ではない。つまり「事実の錯誤による故意責任阻却」(刑法38条)が認められる。
 
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・被告人は2/29にムジナを既に占有しているのだから、狩猟日は2/29と認められる。
 
ということで被告人側の全面勝利だったのである。
 
つまり被告人は禁猟動物である“タヌキ”を狩る意志は無かったのだから、“犯罪の故意”は無かった、というものである。つまり被告人はムジナとタヌキは似ているが別の動物だと思っていた(錯誤)。これが同時期の“むささび・もま事件”との決定的な違いである。
 
この裁判は、刑法38条に関する法解釈の問題として現在でも法学生が必ず教えられる事件である。
 

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おなじくムジナと呼ばれるタヌキとアナグマは外見がひじょうに似ているので、狩猟者でも両者の区別が付いていない人も多い。ただ昔から「タヌキには美味いタヌキと不味いタヌキがある」と言われてきた。
 
実はその“美味いタヌキ”が草食性のアナグマであり、“不味いタヌキ”は肉食性のタヌキである。
 
筆者は田舎に住んでいるので車を運転していると年に3〜4回はタヌキあるいはアナグマを見かける。一度はタヌキの家族!(親ダヌキの横に子ダヌキ3匹)が道端に並んでこちらを見ていたこともある。
 
私もタヌキとアナグマの区別がつかないが、1度だけ、確実にアナグマのような気がしたものもあった(顔が普通のタヌキと違った)。タヌキは車が近づくと驚いて“固まってしまう”(狸寝入り)ので、こちらが停止しないと轢いてしまいかねず、神経を使う。これがキツネだと、さっと逃げる。
 
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(*38)木下宏紀は、本人は「ボクは男の子ですよ」と主張しているものの、今回常滑舞音が彼(彼女?)を抱きしめても、普通に女の子の感触なので「やはり」と言われた。女子寮の寮生たちの間では、木下君は既に性転換手術済みという認識がされており、この春には川崎ゆりこに欺されて、男子寮の“女子エリア”に部屋が移動されてしまった。しかし本人は性転換どころか去勢もしていないし、女性ホルモンも飲んでいないと主張している。
 
「ホルモンは飲まなくても注射とか貼り薬もあるよね」
「注射も貼り薬も使ってません!」
「分かった!卵巣を移植したんだ」
「手術とかしてません!」
 
彼は男声も出るが、ふだん女声で話している。こちらの方が楽なのでと本人は言っていた。男子寮の“女子エリア”の住人には生理用ナプキンが無料で支給されているが、木下君もそれは受け取っているようである。
 
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なお彼(彼女?)は放送局などでは“かなり注意されたので”女子トイレを使用している。
 
町田朱美は彼はアクアと同様に、睾丸の機能不全なのではと推測している。
 

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八犬伝(10)

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