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■八犬伝(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-10-08

 
語り手(明智ヒバリ):時は室町時代、“人の世虚しき”1467応仁の乱が起きる少し前の1438年(永享10年)、鎌倉公方(かまくらくぼう)足利持氏は関東管領・上杉憲実と対立し、武力衝突に至りますが、室町幕府の6代将軍・足利義教は上杉を支持し、幕府と上杉の連合軍に持氏は敗れました。これを永享の乱と言い、持氏は殺害されます。
 
しかし結城持朝らは、持氏の子、春王・安王を奉じて1440年、幕府に対して反乱を起こしました。これを結城合戦と言います。これも幕府により鎮圧されますが、この時、結城方で参戦して敗れた里見義実(桜野レイア)は家臣の杉倉氏元(青木由衣子)・堀内貞行(斎藤恵梨香)とともに落ち延びます。
 

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ところで安房の長狭と平群を領する神余光弘(安原祥子)は側室の玉梓(坂田由里)の色香に溺れ、国は乱れていました。玉梓と密通していた山下定包(桜井真理子)は自分を暗殺しようとする忠臣を利用し、自分の馬に主君・神余光弘を乗せて彼らに暗殺させます。山下定包はむろん暗殺した家臣を処刑し、自分が領主になってしまいました。
 
里見主従は、神余光弘を諫めたものの聞いてもらえなかった遺臣・金碗八郎(かなまり・はちろう:かなワン!ではない:三田雪代)と偶然遭遇します。金碗八郎は里見たちと組み、山下定包に不満を持つ住民たちをまとめて山下定包を倒します。この時里見義実は、山下の側近たちは処刑したものの、玉梓は女ゆえに助命しようとしました。
 
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しかし、金碗八郎は、この女こそ諸悪の根源であり、許すことはあり得ないと強く主張。里見義実も考え直して、処刑することにします。
 
玉梓(坂田由里)は死を覚悟していたのが助けると言われて喜んだのにやはり死刑と言われて納得がいきません。
 
「末代まで呪ってやる」
という言葉を残して処刑されました。
 
(要するに里見義実の優柔不断が全ての元凶)
 

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今回、戦に出てくる兵士たち、捕り方役人、などで多数のエキストラも動員している。彼らはファンクラブを通して募集した熊谷市近辺の人たちで、撮影が行われた10月に、熊谷・郷愁村のホテル“赤城”に4日間滞在してもらい(その間の外出禁止)、4日目に撮影に参加してもらっている。
 
一応、公共交通機関を使わずに熊谷駅・武蔵嵐山駅あるいは直接郷愁村に来られることが条件であったが、自分の車やバイクで来た人が多かった。武蔵嵐山駅からは“未開業”で郷愁村のスタッフだけを乗せている郷愁ライナーで運んだのだが、これに乗りたいためにわざわざ武蔵嵐山駅に来た鉄道マニアたちも結構居た。郷愁ライナーは現在、武蔵嵐山駅−郷愁飛行場−郷愁村−農大前までの区間が工事完了している(荒川を渡る橋を工事中)が、“営業”しているのは郷愁飛行場−郷愁村のみ。但し武蔵嵐山駅−郷愁飛行場(−郷愁村)の間は“試験運転”の名目で嵐山町内に住むスタッフを運ぶのに使用している。
 
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彼らには撮影予定日の3日前から赤城に入ってもらった。そして毎日検温して報告してもらい、撮影日には簡易検査キットでコロナ陰性を確認してから撮影に参加してもらった。実際には期間中2人陽性が判明して、ホテルから病院に移動することになった人がいた(2人とも3日経過する前に発熱があり、検査して陽性と分かる)。
 
彼らは4日間の拘束だが、5日分として一律5万円を払っている。陽性が判明した2人にも5万円と御見舞金で3万円渡している。
 
ホテル代も含めて1人あたり10万円かかっており、かなり割高なエキストラである。予算の潤沢な長時間ドラマでなければあり得なかった。
 

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語り手:里見義実は結局、長狭と平群の領主となります。一方で安房館山の城主・安西景連(山下ルンバ)はこの混乱に乗じて平館の城主・麻呂信時(日野ソナタ)を倒して、2郡の領主となりました。それで、しばらく、安房は里見義実と安西景連が2郡ずつを領有する形になるのです。
 
(安房の2大領主を桜野レイア・山下ルンバという§§ミュージックの最年長の2人が演じることになったがこれは“配役ドミノ”の結果で特に意味は無い。放送時には結構深読みしようとした人もあったが)
 
里見義実は、金碗八郎に一部の領地を預けようとしましたが、金碗八郎は
「自分の主君(神余光弘)の死に乗じて領主になるのは義が通らない」
と言って謝絶します。それでも義実が強く勧めると彼は切腹してしまいました。
 
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義実はこの義臣の死を悼み、彼の遺児・金碗大輔(後の丶大法師)を大事に育てました。
 
そして大輔(高崎ひろか)が20歳頃になった時のことです。
 

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丶大法師は、いわば八犬士の霊的な父に相当するので、男らしいイメージから品川ありさをアサインしていたのだが、度重なる“玉突き”の結果、高崎ひろかに回ってきた。高崎ひろかは当初は伏姫の予定だった。でもひろかは後に
 
「私、全然伏姫のイメージじゃ無いですよぉ。私ならもっと図太く生きるもん」
と笑って言っていた。
 
「まあこの物語は簡単に死を選ぶ人が多すぎるよね」
と品川ありさも言った。
 

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その年、安西が領する2郡で極度の不作となり、人々は食料が無く苦しんでいました。幸いにも里見の領内は何とかなっていたので、里見義実は家臣たちの反対を押し切って、安西に食料を貸し与えました。
 
ところが翌年は、今度は里見領内が不作で人々が苦しみます。里見は金碗大輔を使者に立てて、安西に昨年貸した分の食料を返してもらえないかと頼みます。ところが、安西は、里見領内が不作で力が衰えているなら、攻める好機として、里見領内に攻め入ってきました。
 
そしてあっという間に攻め立てられ、滝田城は落城寸前になります。死を覚悟した里見義実(桜野レイア)は、ふと目に入った、飼い犬の八房(常滑舞音!)に
 
「お前が安西景連の首を取ってきたら、(娘の)伏姫をやってもいいぞ」
などと呟きます。
 
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(義実という人は本当に考え無しにとんでもないことを言う。トップに立つ人間としては極めて不適格)
 
すると、常滑舞音・・・じゃなくて八房はどこかに行ったかと思うと、しばらくして人間の首を咥えて戻って来ました。
 
驚いた義実が見ると、確かに安西景連の首です。
 
大将を失った安西軍は総崩れになり、里見側が劇的な逆転勝利を収めます。
 
この結果、里見義実は安房四郡を全て領有することになりました。
 

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"Playback Video"が挿入される。
 
舞音扮する八房は安西景連の陣まで走って行くと、ドロンと煙が出て、美女(常滑真音!妖艶なメイクをしている)に変身する。それで安西景連の傍に寄っていくと、安西(山下ルンバ)は思わず目尻が下がる。それで彼に酌をする振りをして、女装?の八房はいきなり安西の首を掻いた。(ルンバのフィギュアを使って撮影している)
 
周囲の家臣が「あっ」と声を挙げた時には、美女は安西の首を持って陣から抜け、元の八房の姿に戻って、里見の陣まで走って戻ったのである。
 

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千葉県の安房も四国の阿波も“あわ”である。これは実は四国の阿波出身の人たちが、千葉県南部の地域を開拓したので、故郷と同じ名前を付けたためと言われている(『古語拾遺』の説)。
 

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語り手:里見義実は、大手柄の八房に、上等の寝床を用意し、最上の食事を与え、家来まで付けて!厚遇しました。
 
しかし八房は不満な様子で、伏姫(東雲はるこ)の部屋の近くに行きたがります、
 
(ここで八房を演じている常滑舞音が本当に不満そうな顔をしているのが名演技と言われる。こういう表情は、本物の犬やロボットでは表現できなかった)
 
伏姫は言いました。
 
「父上は、安西景連の首を取ってきたら、私を八房に与えるとはっきりおっしゃいました。武士、しかも一国の主ともあろうものが、一度言ったことばを違(たが)えるということはあってはなりません。国主が嘘を言ったら、国中の者が嘘をつくようになります」
 
「だったらお前は八房と結婚するというのか?」
と義実。
 
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「国主の言葉は重いのです」
と伏姫。
 

伏姫は幼い頃に役行者(えんのぎょうじゃ)から頂いた八珠の数珠(*1)が、元々「仁義礼智忠信孝悌」の文字が入っていたのが「如是畜生発菩提心」の文字に変化しているのに気付いていました。
 
それで自分は畜生と結婚する運命なのだと感じていたのです。
 
(*1)どちらも花ちゃんお手製の数珠。「仁義礼智忠信孝悌」の方は、粒の揃った水晶に文字を入れた。「如是畜生発菩提心」のほうは安物のガラス玉に文字を入れたもの。
 

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伏姫(東雲はるこ)は八房(常滑真音)に言いました。
 
「父上の約束ですから、私はあなたを夫にします。しかし私は人間であなたは犬です」
(そう言われて「ワン」と返事する常滑真音が可愛い)
 
「人間と犬が交わることはこの世の摂理に反することです。ですから私はあなたの妻にはなりますが、決してあなたに身体は許しません。いいですね?」
 
八房は少し考えてから「ワン」と鳴き、伏姫の言葉を受け入れました。
 
それで伏姫は八房と一緒に城を出ることになります。伏姫(東雲はるこ)は八房(常滑真音)の背中に乗り、数珠を手にして、観音経を唱えながら、富山(とみさん *2)の奥に入っていったのです。
 
(東雲はるこは35kgと、とても軽いので、舞音 158cm 52kg は充分彼女を背中に乗せて四つ足で歩くことができた。東雲はるこは本職のお坊さんの指導で、3日掛かりで観音経を暗記した。この長いお経を暗記できるのはさすが15歳である)
 
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(*2)“富山”は“とやま”ではなく“とみさん”。房総丘陵にある、猫の耳のようにふたつの峰が並ぶ、いわゆる“双耳峰”である。標高は349m/342m.そんなに高い山ではないが、この物語では聖地として扱われ、伏姫がここに入るし、親兵衛はここで育てられるし、物語の最後(今回はそこまでしない)では八犬士がこの山奥に隠棲する。
 

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八房は伏姫を富山(とみさん)の奥の洞窟に案内しました。それで伏姫はここで毎日法華経の読経と写経をしながら暮らすことになります(ちなみに観音経は法華経の一部 *3)。
 
食料は八房が木の実などを取ってきてくれました。八房は伏姫との約束通り、ずっとそばにはいますが、決して姫を襲ったりすることはありませんでした。姫の読経の声を聞いておとなしくしていました。
 
伏姫はある時期から月の者が停まってしまいました。そしてお腹が張ってくるので、自分は病に罹ったのかも知れないと思っていました。しかし山中で笛を吹く不思議な童子(松梨詩恩)(*4)に会ったことから、自分が妊娠していることに気付きます。
 
「月の者が停まり、お腹が大きくなってくる。それは普通に妊娠の症状です」
「でも私は誰とも交わっていないのに」
 
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「檜はただ重ねておくだけで自然発火することがあります。植物にも雌と雄がありますが、交わるわけでも無いのに実を結び種を残します。鶴は特に交尾をしなくても卵を産むことがあります。秋の男子は嫁を貰わなくても魂が通い、春の女子は結婚しなくても妊娠するのです」
 
「確かに姫君は誰にも犯されてなく、八房も今は情欲がありませんが、八房は姫君を愛するが故に姫君の読経を聞くことを喜び、姫君は八房が喜び信じるものが自分と同じであることによって八房を可愛がっています。両者のこうした感情が感応しあえば、交わりを持たなくても子供は生じるものなのです」
 
「姫君のお腹の中には8人の子が入っています。しかしそれは実体のあるものではありません。彼らは身体を成さないまま生まれ、そして生まれた後、再び生まれ直すでしょう。8という数字は法華経の巻数とも一致します(*4).そしてその8人の子たちはいづれも里見家を盛り立てていくことになるでしょう」
 
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(*3) 撮影には篠笛(唄用:日本音階)を使用したが、松梨詩恩は元々フルートが吹ける:§§ミュージックの研修所でピアノ・ギターとともに習っていた:ので篠笛はすぐ吹きこなした。楽曲は若山鶴海(ケイの従姪の今田七美花)が書いてくれたもので、このドラマのサウンドトラックに収録された。
 
(*4) 法華経には異本が多いが、8巻というのは、鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』の8巻28品と思われる。伏姫が富山に行く最中に唱えていた観音経はこの妙法蓮華経の第8巻第25品の別名である。
 

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ショックを受けた伏姫(東雲はるこ)は、自害しようとして遺書を書きました。
 
するとこれまで「如是畜生発菩提心」となっていた数珠の文字が「仁義礼智忠信孝悌」に戻ったのです。
 
そして川に入水して死のうとした時、一発の銃声が響きます(*5).
 
伏姫を奪還しようと山に入った金碗大輔(高崎ひろか)が火縄銃で八房を射殺したのです。ところが大輔の銃弾は、八房の身体を貫通し、伏姫にまで当たってしまいました。
 
(舞音の死んでる演技が美事で「さすがマネキンの達人」と言われた)
 
(*5) 1458年頃になぜ火縄銃があったのか?という問題は、発表当時から時代考証ミスではと指摘されていたらしい。しかしここは弓矢では伏姫まで傷つける展開にはできない。なお、種子島に鉄砲が伝来したのは1543年。但しヨーロッパでは火縄銃は少なくとも1411年には存在していた)
 
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この物語では信乃たちが荘助を救出する時に鉄砲隊が出て来たり、木工作(第2の浜路の養親)が鉄砲で射殺されたり、鉄砲が随分出てくるが、今回の翻案では、この大輔が八房を射殺するシーン以外では消去させてもらった。
 

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