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■八犬伝(6)

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犬士たちの中で小文吾(西宮ネオン)は曳手と単節を馬に乗せ、落馬しないようにしっかり縛りつけた上で、安全な所に移そうとしましたが、目の前にまたもや巨田助友(坂出モナ)が現れて、馬を弓矢で射ます。
 
それで馬は倒れて小文吾は投げ出されてしまいました。曳手と単節は縛りつけられていたおかげで無事です。馬がクッションになって衝撃も小さかったのです。
 
(この撃たれて倒れる馬は模型)
 
ところがそこに死んだはずの力二郎と尺八郎(水谷姉妹)が現れ、巨田助友を斬り倒します。2人は自分たちの妻を介抱します。
 
「大丈夫か?」
「はい」
と答えながらも2人は戸惑っています。
 
「小文吾殿は?」
「気を失っているが命に別状は無いようだ」
 
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「曳手・単節、お前たちには頼みがある」
「はい」
「取り敢えず行こう」
 
「馬を2頭調達してきたぞ」
「よし」
 
それで、力二郎と尺八郎は自分たちの妻(大仙イリヤ・美崎ジョナ)を各々馬に乗せると、どこへともなく走り去っていったのでした。
 
(この場面の撮影のため、水谷姉妹は10月の第一週は熊谷のオープンセットには行かず、乗馬クラブで1週間乗馬のレッスンを受けた。小文吾役の西宮ネオンと大仙イリヤ・美崎ジョナの3人は8-9月にレッスンを受けている。水谷姉妹は忙しすぎて、9月まではレッスンに行く時間が無かった)
 

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小文吾は意識を取り戻すと、曳手たちの行方を心配しながら、取り敢えず古那屋に向かおうとします(小文吾は妙真たちが安房に向かったことを知らない)。
 
そして武蔵の浅草寺の近く、阿佐谷(あさがや)まで来た時、向こうから猪が突進してくるので、小文吾はこの猪を素手で倒します。
 
(この猪はぬいぐるみにモーターを付けて動かしただけ)
 
そして少し先に男が倒れているのを見ます。どうも猪にぶつかってしまったようですが、介抱すると息を吹き返しました。男は鴎尻並四郎(夢島きらら)と言いました。彼は御礼を言い、良かったら一晩泊まっていってくださいと言います。
 
それで小文吾は並四郎の家に行ったのです。家には美人の奥さん・船虫(坂田由里・二役)が居て、彼を歓迎してくれました。
 
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その夜、小文吾は自分を見詰める視線を感じ、そっと寝床を抜け出し、布団はあたかも人が寝ているような形にしておきました。すると男が入ってきて、自分が寝ていた布団にいきなり刀をずぶっと刺します。
 
小文吾はすかさずその男を斬り捨てました。
 
燈台(*23)を持って入ってくる者がいます。船虫です。
 
「首尾はどうだい?」
と声を掛けてから、立っているのが小文吾であることに気付いてギョッとした様子。そして船虫の持っていた灯りで、小文吾が斬り捨てたのが、並四郎であることも分かりました。小文吾は「なるほど。最初から追い剥ぎ目的で俺を泊めたな」と察しました。
 
(*23)燈台(とうだい)というのは、皿に油を入れ、糸や布を縒って作った燈心を浸して燈心に火をつけたもの。毛管現象で吸い上げられた油のみが燃えるので、燈心は燃えない。当時既に提灯(ちょうちん)は存在したが、中に入れる蝋燭(ろうそく)が極めて高価なもので、祭事などの時のみ使用された。また当時の提灯はまだ折りたためなかった。行灯(あんどん)は江戸時代頃に生まれたもので、この時期はまだ無い。
 
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室町時代の燈台は、風除けの反射板が付いたもので、平安時代より消えにくく、また照度も明るくなっている。
 

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船虫は言い訳します。
 
「お侍様、ありがとうございます。私はこの男に毎日のように暴力を振るわれていました。この男は本当に性悪男なんです。この男が死んでくれて、やっと私も解放されました。この御礼はどうしたらいいでしょう。そうだ。これをお持ちください」
と言って、船虫は戸棚の中から上等の絹に包まれた尺八を取り出します。そして小文吾が辞退するにもかかわらず、この尺八を小文吾に押しつけたのです。
 

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船虫は並四郎の葬儀の手配をしてくると言って外出しますが、小文吾はその間に尺八を別の布に包んで元の戸棚に戻し、代わりに船虫が渡した袋の中には棒を1本入れておきました。
 
やがて船虫が戻って来たので小文吾は出発します。しかし少し行った所で大勢の捕り手が現れます。
 
「何でしょうか?」
と小文吾は冷静に尋ねます。
 
捕り手の頭は、千葉家の眼代・畑上高成(羽鳥セシル)と名乗ります。
 
そなたが所持している尺八は千葉家で以前盗まれた名笛・嵐山(らんざん)で、それを疑った鴎尻並四郎が殺されたと船虫から訴えがあった、と畑上は説明しました。
 
それに対して小文吾は冷静に昨日からのことを全て話しました。すると船虫は
 
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「その人が持っている尺八を見れば分かります」
と言います。
 
「これですか?」
と言って、小文吾が包みを取り出しますが、その中に入っているのはただの棒です。
 
「それよりこの人の家を調べてみてはどうです」
と小文吾が言うので、畑上は船虫の家を調べます。すると戸棚から嵐山が出てくるので、船虫は畑上により捕縛されてしまいます。
 
(だいたい胡散臭い船虫の言葉より、武士の小文吾の言葉の方が一般的には信用されやすい!船虫たちは引っかけようとした相手が悪すぎたのである)
 

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この話を聞いた領主、千葉介自胤(秋風コスモス)は小文吾を歓待し、小文吾はしばらく城で過ごすことになります、
 
しかし船虫は連行されていく途中を何者かにより奪われて行方不明になります(実際は馬加大記が配下の者に奪わせた:実は元々嵐山を船虫に盗ませたのが馬加だったので船虫が取り調べられるとまずい)。すると、馬加大記(花咲ロンド)は畑上を責め、彼は獄に繋がれてしまいました。更には小文吾は敵の間者かも知れないと領主に讒言し、小文吾まで軟禁されます。軟禁は最終的に1年ほどに及びました。
 
小文吾は親しくなった老僕の品七(城崎綾香:出産復帰後の初仕事!)から、馬加大記常武(まくわり・だいき・つねたけ)が出世した経緯を聞きます。
 
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先代領主・千葉介実胤が弟の自胤に家督を譲ろうとした時、馬加はこの機会にライバルの粟飯原胤度と籠山逸東太を一掃しようと企んだ。手の者に命じて嵐山を実胤の倉庫から盗み出させ、粟飯原胤度(あいはら・たねのり)(広沢ラナ)に渡し、足利成氏殿に献上して来るように言う。また自胤は彼に名刀小笹・落葉をお土産にと渡した。彼が出発した翌日、馬加は自胤に讒言し、粟飯原は成氏と組んで千葉家の領地を奪い取るつもりだと言う。それで自胤は籠山逸東太(こみやま・いっとうだ)(花貝パール)に粟飯原を連れ戻すよう命じる。この時、馬加は粟飯原を斬るよう言った。籠山は粟飯原を斬ったが、嵐山・小笹・落葉は、並四郎と船虫が盗んでいた。それで籠山は笛と刀を回収できなかったことから逃亡してしまう。
 
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馬加は粟飯原をすっかり謀反人ということにしてしまい、彼の妻子を皆殺しにした。ただ、粟飯原には調布(たつくり)という妾がいて“3年も前から妊娠中”だった。さすがにこれは妊娠ではなく、腫瘍か何かだろうということで、この女は見逃され、足柄の犬坂村に移った。ところがここで調布は女の子を産んだ。伝え聞いて仰天した馬加は探させたが、母娘ともに行方が知れなかった。
 

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語り手:小文吾が軟禁されてから1年近くが経った翌年1479年5月。城下に女田楽(おんな・でんがく)の一座がやってきました。美人揃いという評判なので、馬加は彼女たちを城内に招き入れて演奏させます。
 
(ここで女田楽を演じているのは“1人”を除いて、ColdFly5のメンツである。彼女たちは昨年は雅楽器のお稽古を受けたが、今年は田楽の歌と踊りのお稽古を1ヶ月ほど受けた)
 
馬加はその中に美人の旦開野(あさけの)という娘がいたので、彼女たちに自分の邸にしばらく滞在し、今宵は宴に出るよう命じます。
 
小文吾もこの宴に招かれました。小文吾は宴に乗じて自分を殺すつもりではと考え、予備の脇差しを衣服の中に隠し持って馬加の邸に向かいました。
 
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ここは隅田川(*24)の畔に建てられていて、臨江亭(りんこうてい)といい、眺望のために建てられた高楼は牛島の海岸を望めるので対牛楼(たいぎゅうろう)(*25)といいました。
 
(*24)この当時の隅田川というのは、利根川の河口付近の呼称であり、かなり大きな川である。
 
(*25)対牛楼は今回のセットで芳流閣と並ぶ目玉である。3000万円の予算で建築された。朱塗りの2階建ての楼閣。静岡県の富士山本宮浅間神社の楼閣や京都・平安神宮の白虎楼などを参考に、花ちゃんが大まかなデッサンを描き、播磨工務店の青池、花咲ロンド、ミューズセンターの大原主任の3人でコンピュータでシミュレーションしながら設計を行なった。
 
眺望を楽しむだけのものなので、面積はそう無いものの高さがある。上の階に行くには、ハシゴで登る仕様であり、階段は無い。
 
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「階段が無いのならエレベータは?」
「君はマリー・アントワネットのような人だ」
「室町時代にエレベータがある訳無い」
 
などとビーナ・パール・愛心が会話していたが不正解!エレベータはアルキメデスがBC3世紀にも作っている。それ以前に存在したたかどうかは不明。(確認されている)日本最古のエレベータは水戸偕楽園の好文亭に江戸時代末期の天保13年に作られたものである。
 
但し昔は手動である!
 
動力で動くエレベータで日本最古は恐らく明治23年に東京浅草の凌雲閣に設置さたもの。偶然にも対牛楼の近くということになる。
 
むろん今回の対牛楼にエレベータは無い!
 
この楼閣は2階建てではあるが、眺望のための建物なので高さは10m近い。1階から展望階までのハシゴの高さは7m近く段数は25段もある。
 
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(700cmでハシゴの角度を75度とすると 700÷sin(75)=725 | 725÷29=25)
 
当初馬加大記役にアサインされていた川崎ゆりこはこのハシゴを見て
 
「別の役になって良かった」
と言った。
 
若い子たちはみんな楽しそうに登り降りしていた。記念写真も撮って
「これインスタにあげていいですか?」
とか訊くので
「放送終了後なら」
と言っておいた。
 

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語り手:この宴の席で小文吾は馬加常武の妻・戸牧(直江ヒカル)、娘の鈴子(古屋あらた:今回が初仕事!)、息子の鞍弥吾(直江アキラ)、更には側近の“四天王”渡部綱平・白井貞九・坂田金平太・卜部季六(演:長浜夢夜・鈴原さくら・立山きらめき・花園裕紀)を紹介されます。
 
(源頼光の四天王なら、渡辺綱、碓井貞光、坂田公時、卜部季武)
 
(この場面“きれいどころ”として宴に臨席しているのは Flower Sunshineのメンバー:桜井真理子・安原祥子・立花紀子・竹原比奈子・神谷祐子・山道秋乃・水端百代、である。桜井真理子は山下定包役、安原祥子は神余光弘役もしているが男役だったので、ここは女装で再登場である)
 
宴がかなり進んだ所で女田楽(おんな・でんがく)の一座が入ってきます。座長(米本愛心)が馬加大記に挨拶し、小文吾に挨拶してから、演奏を始めます。楽器はこのような構成になっています。
 
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米本愛心:田楽笛(唄用)
花咲鈴美:篠笛(唄用)
木原扇歌:腰鼓
田倉友利恵:銅拍子(小型のシンバル)
栗原リア:びんざさら
 
この伴奏に合わせて旦開野(水森ビーナ)が歌いながら踊りますが美事です。
 
(ビーナは数年前のドラマで女田楽の役をしたことがあったので今回は簡単なお稽古できれいに演じることができた。なお、びんざさらというのは多数の板をつないだ楽器で、コキリコの“ささら”と同系の楽器。腰鼓は横にして首から紐で吊り、腰の位置で両手で叩く鼓)
 
この演奏もサウンドトラックに収録された。演奏したのは田楽の指導をして下さった方から習ったもので、古い時代からある楽曲ということであった。
 

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語り手:旦開野たちが褒美をもらって退出します。小文吾もそれを機会に帰ろうとしますが、馬加はぜひ対牛楼からの眺めを見ていってくださいというのでそこに登ることにします。
 
この時、刀を持とうとしたら刀の紐に白銀の簪(かんざし)が引っかかっていました。近くに侍(はべ)っている女たちに
「誰のだろう?」
と尋ねると
「旦開野さんのじゃないかしら?きっと踊っている時に落ちたんですよ」
と言いました。
 
「だったら、あの者たちの部屋に届けてやってくれないか?女ばかりの所に男の私が行くこともできないし」
と小文吾が言うと、ひとりの侍女(立花紀子)が
「では私がお届けします」
と言って部屋を出て行きました。
 
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そして小文吾(西宮ネオン)は馬加(花咲ロンド)と2人でハシゴを登って対牛楼の上に行きます。
 
すると対牛楼の上で馬加は「一緒に千葉介自胤(秋風コスモス)を殺(や)らないか」という相談を持ちかけてきました。むろん小文吾はそれを断りました。
 
(この場面、ロンドの目がマジなので、本当にコスモスに下剋上を狙ってないかと放送時には言われた)
 

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