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■夏の日の想い出・1羽の鳥が増える(7)

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ところで、ゴールデンウィークに、もうひとつ私が色々と関わったアーティストのライブツアーが行われることになっていた。
 
それは昨年春に《ローズ・クォーツ・グランド・オーケストラ)》として発足した《渡部賢一グランド・オーケストラ》である。元々は昨年秋までで活動終了する予定だったのが、団員さんたちから手弁当ででも続けたいという希望が出てきたので、一部のメンバーを入れ替えて(主としてローズクォーツとスターキッズが抜けた後の補充)継続することになったのである。
 
今回のツアー日程は札幌・仙台・東京・福岡・大阪・名古屋・金沢という全国7ヶ所で、公演地はローズ+リリーとは5月5日の名古屋を除いて一切ダブっていない! ので私が顔を出さないことは確定的ではあったが、それでも昨年1年間の活動でイージーリスニングのファンがにわかに増殖した感じで、チケットは東京・大阪はソールド・アウト、他もだいたい8−9割売れてくれた。
 
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4.26(土)札幌 27(日)仙台 29(祝)東京
5.3(土)福岡 4(日)大阪 5(祝)名古屋 6(振)金沢
 
KARIONやローズ+リリーの公演地は、営業的な見地から決定されているが、グランドオーケストラの場合は、団員の都合が優先されている。29日に東京なのは東京近辺の団員が多いので、平日の中に孤立している休日では遠くには行けないからで、3日から6日までの日程は移動距離をできるだけ小さくするように設定された。
 
このオーケストラ用の曲を私は最初自分で選曲・編曲していたのだが、周囲から「負荷的に無理」と言われ、結局、編曲は全部下川工房のイリヤさんに投げてしまうことにした。
 
選曲もイリヤさんに案を作ってもらって私と七星さん・渡部さん・桑村さんにイリヤさんも含めて5人で調整した。
 
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11月頃から3月くらいまで掛けて20曲ほど新しい曲を編曲して練習してもらったが、その内12曲を3月から4月に掛けて主として土日祝日を利用して録音してアルバムも制作した。(メンバーの半分くらいが会社勤めや学校の先生などなので、休日しか動けない)
 
選曲したのは2000年以降の国内外のヒット曲である。
 
いきものがかり『YELL』、ポルノグラフィティ『メリッサ』、中島みゆき『地上の星』、Alexandra Stan『Mr.Saxobeat』、Vanilla Ninja『Blue Tatoo』、保坂早穂『ブルーラグーン』、松原珠妃『硝子の迷宮』、ワンティス『秋風のヰ゛ィオロン」、スイート・ヴァニラズ『祭り』、篠田その歌『青い写真』、KARION『スノーファンタジー』、ローズ+リリー『影たちの夜』 
 
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選曲基準はとっても単純で《オーケストラで演奏して格好良いまたは美しい曲》である。一般にアイドル歌謡は、音域が狭く、オーケストラで演奏すると映えない曲が多い。最近流行の打ち込み系の曲は概して単純な繰り返しが多く微妙である。また歌として聞いた場合と音だけで聴いた場合で優劣が逆転することも多い。松原珠妃も最初は『黒潮』を使うつもりだったが、実際には曲のみで聴くと『硝子の迷宮』の方が良いという判断をした。
 
しかしこの曲『明太子の迷宮』という名前にしなくて良かったと思った!
 
ちなみに町添さんからは「ケイちゃん、ちゃっかり自分の作品を4つ入れてる」
などと言われたが・・・。むろん選曲したイリヤさんは私がヨーコージの一部で秋穂夢久でもあることを知らない。
 
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4月3日の木曜日、和泉が引越をした。私も小風・美空も、手伝ってと言われたので一応行ったのだが・・・・
 
「ねぇ、呼んだの私たちだけ?」
「一応お昼からは運送屋さんが来てくれる。梱包もしてくれる」
「女の子ばかり集めても大して役に立たないと思うけど」
「男の子を呼べば良かったのに」
 
「だって私、男の子の友だち、いないもん」
と和泉は言う。
「楽器とか楽譜とかパソコンに、盾・トロフィーの類は運送屋さんに触られたくないから、それだけでも運んでくれない?」
 
ということで、私たちは取り敢えずギターとかベースとかキーボードとかを手分けして私の車(カローラフィールダー)に積み込み、満杯になったら新居に持って行くということを何度かした。
 
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引っ越す距離は水平距離でほんの100mほどである。しかし車で走る距離は往復1.5kmほどになる!都会の道はダンジョンに近い。
 
和泉は大学の4年間住んでいたこの賃貸マンションが建て替えになってしまうので、ちょうど近くに新しく建設された分譲マンションを買って引っ越すことにしていたのである。最初2012年に引っ越すつもりでいたのだが、建て替えのスケジュールが遅れたので、これ幸いと今まで居座っていた。現在既に半分くらいの入居者が退出している。
 
引越先は2012年の段階では300mほど離れた所の、4LDK 7000万円のを買うつもりでいたが、その後、100mほどの距離に別の建設会社が建て始めたマンションが4LDK 6000万円ではあるが、先に検討していた所より床面積も広く、設備も優秀なのでそちらにすることにして、その完成を待っていたのである。
 
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なお、引越先でピアノを置く部屋には既に防音工事を施工済みである。今まで住んでいた部屋で防音工事をしていた所は、どうせ取り壊すから原状回復の必要は無く放置で構わないのでということでその費用が節約できた。敷金も全額返してもらったらしい。
 
「返してもらった敷金を新居の防音工事代にそのまま転用できたよ」
と和泉は言っていた。
 

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午前中、私たちが楽器や貴重品類を運び、午後から運送屋さんが来てテキパキと生活用品・寝具・家具などを運んでいく。私たちはのんびりとそれを見学しながら、時々訊かれたことに返事したり、唐突に出てきた貴重品をこちらで預かったり程度であった。
 
そういう訳で、引越は順調に夕方までには完了した。
 
「よし、引越祝いに今日は焼肉パーティーにしよう」
「ちょっと待って〜。新居の香りを楽しむ前に焼肉の臭い付けちゃうの〜?」
と和泉が抵抗するので
 
「じゃ、うちに来る? お肉のストックは充分あるし」
と私が誘うので、4人でうちのマンションまで車で移動した。
 
部屋に入っていくと、政子が裸でテレビを見ていたので「きゃっ」と言って寝室に走り込んでいき、5分後に出てきた。
 
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「人を連れてくるなら、言ってよー」
などと政子は言っているが
 
「裸で部屋の中に居るのが大問題」
と私は言っておく。
 

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ということでお肉を「取り敢えず」2kgほど解凍し、ストックのお野菜なども少し切って、ホットプレートを出して、居間で焼肉をする。
 
「なんかこのホットプレート大きい」
「まあ、このくらいないと間に合わない人がいるから」
「今日はそういう人が2人いるよ」
「間に合ったらいいね」
 
「お肉のストックどのくらいあるの?」
「10kgくらいあるから、大丈夫だと思うけど」
「どこで買ってる?」
「業務用スーパーで買ったり、ヤフオクで落としたり」
「ヤフオクでお肉売ってるのか・・・」
「まあ何でも売ってるから」
 

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最近の音楽シーンから友人のミュージシャンの噂話まで話が弾む。
 
「未来(光帆)と織絵(音羽)の同棲状況は進んでいるみたいね。もう未来のマンションには冷蔵庫や寝具以外何も無いらしい。完全に織絵のマンションがふたりのおうち」
と小風がXANFUSの2人の話をする。
 
「うちはマンションにも家にも生活の道具・仕事の道具揃ってるね」
と政子。
「エレクトーン・ピアノ双方にあるし、ここのNAS(ファイルサーバー)に政子の実家からもアクセスできるようにしているし」
と私。
 
「それどう使い分けてるの?」
「基本的にこちらは仕事場、向こうは休息の地」
「でもなかなか向こうで休める日が無い」
「忙しいもんね」
 

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今日和泉が引っ越しした話をする。
 
「えー? 和泉ちゃん、マンション買ったの? すごーい」
と政子。
 
「まあ、住んでた賃貸が建て替えで取り壊しになるからね」
と和泉。
 
「ねえ、冬、うちはマンション買うとかは考えられないの?」
と政子。
 
「そうだねぇ。ここはかなり古いから10年以内には建て替えの話になるかもね。ここは通学に便利というのはあったけど」
と私。
 
「冬が渋谷の近くにマンション買ってくれるとKARIONの収録で遅くなった時に便利だな」
と小風。
 
「うちはどこで収録してるっけ?」
と政子が訊くので
 
「ローズ+リリーは青山の★★スタジオ、ローズクォーツは今後は多分渋谷のLスタジオになると思う。あとスリファーズは赤坂の○○スタジオ」
「KARIONはローズクォーツの所と同じ?」
「違う。同じ渋谷だけど、KARIONはKスタジオ」
 
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「渋谷と青山の間の交通はどうするの?」
「歩いて行ける範囲だよ」
「だったら渋谷の近くに引っ越してもいいんじゃない?」
 
「まあ確かに便利かもね。政子の実家に行くのには少し不便だけど」
「それは秋葉原乗り換え?」
「なぜ秋葉原に行く?新宿乗り換えだよ」
「そのくらいいいと思うなあ」
 
「今ここ家賃いくら払ってるの?」
と美空が訊く。
 
「42万円。駐車場代入れて45万円」
と私。
 
「この場所にしては安いね」
と和泉。
 
「和泉ちゃんのマンションは幾らしたの?」
「6000万円だけど神田だからだと思う。渋谷でこの値段は無いよ」
 
「8000万円として42万円を15年10ヶ月払っていれば元が取れるよ」
「出た!歩く電卓!」
「不動産屋さんみたいな言い方だなあ」
 
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「でも私より遥かに収入がある冬だもん、買ってもいいんじゃない?」
と和泉も言う。
 
「和泉ちゃんは去年幾ら稼いだの?」
「印税だけで1億かな」
「凄い! お金持ち〜!」
 
「いや、政子ちゃんの方がよほど稼いでいるはず」
「そうだっけ?」
と政子は私を見る。
 
「昨年はローズ+リリーの印税だけでも7億あるけど」
「うっそー。私って、そんなに稼いでいるの?」
「自覚が無かったのか」
「だったら1億くらいのマンション買ってもいいんじゃない? 消費税8%になっちゃったけど、10%になる前に」
と政子。
 
「物件探しする時間が無いよー」
と私。
 
「よし、政子ちゃん、マンション探しに協力しようか?」
と美空が言い出す。
 
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「いいね! でついでに焼肉とかお好み焼きとか行こうよ」
「うん、行こう行こう」
 
みんな半ば呆れながら笑っている。政子と美空のタグはある意味最強コンビだ。しかしどうも近い内に引っ越しすることになりそうである。
 
「よし、これで録音で遅くなっても宿泊場所考えなくても済むな」
 
小風と美空は実家住まいであるが、実際問題として親や姉妹などとは完全にすれ違い生活になっているようである。
 
なお、この日、お肉は5kg消費され、キャベツ2玉、椎茸大袋3つ、ピーマン大袋2つ、ニンジン10本も消えた。野菜を切ったりお肉を解凍するのは専ら私と小風がやっていた。しかしここでアルコールが入らないのが音羽やEliseのマンションに行った場合との違いだ。(但しEliseはまだ授乳のため禁酒中)
 
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さて、この時期、Eliseの出産に若葉の妊娠報告とあったのだが、妊娠の話では、ひとり、お騒がせな子がいた。大学生活の4年間、ひたすらバイトに明け暮れていた、礼美である。
 
礼美は学費は自分で稼げと親から言われて、1年生の時は昼と夜のバイトを掛け持ちしていたし、2年生以降も毎日昼間ファーストフードのバイトに行っていた。しかし昼間バイトをするということは、大学の授業にほとんど出てきていないということで、彼女は学費は確かに稼げたが、本当にこの4年間勉強できたのかという点ではかなり怪しい。
 
その礼美から「妊娠した〜!」という報告が入ったので、私たちは「あぁ・・・」
と溜息を付いたのであった。
 
ちなみに彼女は就職先が見つからなかったので、取り敢えずファーストフードのバイトを続けると言っていたが、毎日そこでバイトしていたら(ASマネージャーの肩書きを持ってるらしい。実質正社員に近い)卒論を書くのもかなり大変だったろうし、とても就活の時間まで取れなかったのでは?と友人同士で話していた。しかし就職していて入社早々妊娠などと言ったら、それも問題だった気がする。
 
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取り敢えず、政子、博美、小春といった大学1年の同級生のメンツでお見舞いに行った。若葉の所にお見舞いに行った翌日のことであった。
 
「何か調子悪そう」
と小春が心配する。
 
「うん。今いちばん危ない時期だから、じっとしてろとお母ちゃんに言われた。取り敢えずしばらくバイトはお休み」
と礼美。
 
「妊娠何週目か分かる?」
「6週目。受精日は3月25日」
 
「卒業式の日か!」
「うん。記念にHしたら、当たっちゃった」
「なぜちゃんと避妊しない?」
「危険日だってのは分かってたんでしょ?」
「いやあ、1回くらい大丈夫かなあと思ったんだけどね」
 
「籍はどうするの?」
「入れるよお。安定期に入ってから式を挙げて、その日に入籍する」
「安定期というと、いつ頃だっけ?」
「6月の中旬くらいから。それで6月28日の土曜日に式を挙げることにした」
「おぉ!ジューンブライドだ」
 
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私と政子は顔を見合わせる。
「一応、ローズ+リリーのツアーは終わった後だけど」
「悪いけど出席の確約はできない」
「うん。ふたりとも忙しいんだもん。御祝儀だけでもいいよ」
「了解、了解」
 
「予定日は12月くらい?」
「うん。12月16日だって」
 
「でも、親から叱られなかった?」
「無茶苦茶叱られた」
「だよねー」
「せっかく難関大学を出て、卒業したらいきなり妊娠とは」
 
私たちはよく友人同士で話していた時に、このメンツの中で最初に結婚するのはきっと礼美だと言っていたのだが、卒業して即妊娠・結婚というのは想定範囲を越えていた。
 
ちなみに彼女はこの後2年に1人ずつ4人の子供を産むことになる。
 

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■夏の日の想い出・1羽の鳥が増える(7)

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