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■夏の日の想い出・港のヨーコ(2)

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そうして私は22日、その日から始まる予定だったKARIONの5枚目のCDの音源製作に出て行った。和泉も最初は入って来たのがてっきり若葉かと思ったようで
 
「あんた冬〜!?」
と言って驚いていた。
 
「でも女子高の制服なんだね」
「私女の子だもん」
「ふむふむ」
 
前回はローズ+リリーの活動中だったので変則的な形で参加したが、今回は3枚目のCDと同様、ふつうにキーボードとヴァイオリンを弾き、歌も歌ったし、和泉と一緒に制作の指揮もした。ヴァイオリンは普段使いの《Flora》は自宅に置いていたが、高価な《Rosmarin》は、アスカとのお稽古に使うことが多いのでアスカの家に置きっぱなしにしていた。それでそれをアスカの家に取りに行ったのだが、私が若葉のような髪型にして◎◎女子高の制服を着ているのを見て、アスカは私の顔を至近距離まで近づいて見て
 
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「やはり冬子だ」
と言って笑っていた。
 
「確かにその髪型にしてると若葉ちゃんに見えるよ」
と言ってアスカは楽しそうだった。
 
私がちゃんと音源製作に出てきたので和泉も小風も、そして普段はそんなことはしない美空までも私の頭をよしよしと撫でた。
 
さすがに畠山さんは「いいんだろうか?」と心配したが、私は
「△△社との暫定契約書は正式に無効になりましたので、私はフリーです」
と言って、開き直って作業に従事した。
 
私が「ケイ」であることにそもそも気付いていなかったトラベリングベルズの相沢さんなどは、私が◎◎女子高の制服を着ているので
「蘭子ちゃん、転校したの?」
などと不思議そうに訊いていた。
 
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「蘭子、いっそうちの学校に転校してくる?」
と和泉は休憩時間に訊いた。
 
「女子高は入れてくれないと思う」
「でも蘭子、高校入試の時は♀♀学園に合格していると聞いた」
「どこからその話を・・・・。あれは何かの間違いだよ」
 
「♀♀学園って、女子高校だよね?」
と小風が訊く。
「そうそう。だから蘭子は女子高に入学できる子なんだよ」
「ほほぉ」
 
「でもお父ちゃんと高校出るまでは男子高校生でいることを約束したし」
と私。
 
「それって男装高校生の誤りでは?」
「だいたい、蘭子はこれまでも男子高校生ではなく女子高校生だったはず」
「うーん。。。」
 
「たぶん蘭子は男子校に入れてくださいと言いに行ったら門前払いされるね」
「ああ、されそう、されそう」
 
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私が開き直ってKARION『優視線』の音源製作をしていた間に、政子の方はお父さんと引き続き話し合いをしていた。
 
政子のお父さんは、やはり手許に置いてないと不安だし、こんなに騒がれた後では学校とかでも過ごしにくいだろうしと言い、年明けから一緒にタイで暮らそうと政子に言った。それに対して政子は騒がれるのは自分は平気だし、歌手は辞める。そして本当に勉強頑張るから日本に居させて欲しいと言った。
 
政子も私と同様に、言われたらそれに流されてしまいやすい性格(花見さんとの交際が事実上破綻したままダラダラ続いていたのも、そのせいだと思う)だったのが、自分の意見をしっかり主張するのを見て、政子のお父さんは驚いたようであった。そしてお母さんや秋月さんなどの助言などもあり、お父さんはそれが娘の精神的な成長によるものだと認識してくれた。
 
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そして22日から24日まで3日掛けての話し合いで、政子のお父さんはとうとう折れてくれた。監視役としてお母さんが大学の入学式まで日本に留まることにし、成績が下がったり、△△△大学に合格できなかったら、即タイに召喚ということになった。
 

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政子とお父さんの話がまとまったことから、町添さんが私の父と政子の父に打診してきた。
 
先日の、私と政子の父、△△社、○○プロ、★★レコードとの話し合いでは、突然のローズ+リリーの活動停止で、2月に予定されていた全国ツアーも中止になったことから、その迷惑料として、私達の9月から12月までの活動によって得られた印税や出演料などの報酬の(税金として払うべき金額を除いた)半額を、△△社・○○プロ・★★レコードに支払うとしていた。
 
★★レコードとしては、その迷惑料の受け取りを辞退する代わりに、24日に発売する予定であったCD『甘い蜜』を今からでも発売させてもらえないかと言ってきたのである。
 
今回の騒動に関してどちらかというと中立的な立場を取ってきた★★レコードからの申し入れだったこと、以前から町添さんと双方の父の間に連絡ができていたこともあり、話し合いの結果、宣伝などはしないという条件で、双方の父はこの案を受け入れ、『甘い蜜』は1月23日に発売されることになり、それに先だって2009年1月1日付けで、私と政子は★★レコードとの音源販売に関する契約を結んだ。契約条項に関してはこちらの弁護士さん、そして民謡教室の津田先生にも見てもらって、こちらの自由度の高い契約内容にさせてもらった。
 
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それで私と政子は今回の騒動をきっかけにローズ+リリーの活動が停止したように多くの人が思ったのに、実はこの騒動の結果正式のメジャーアーティストになったのであった。
 

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KARIONの音源製作が一段落して12月27日は久しぶりに自宅でくつろいでいた。政子に電話して1時間ほどしゃべったり、その他、琴絵・仁恵・和泉・小風・奈緒・有咲・詩津紅などと電話したり、あるいは向こうから掛かってきたりしておしゃべりをしていた。
 
(自宅の電話番号と私の携帯番号は新聞報道のあった日に即変更して、親しい友人にだけ教えた。但し携帯は父が持っていて電源を切ったままになっている。携帯のメールはサーバー上で転送設定をしてパソコンで受信していた)
 
家の電話を私がずっと使っているので父が「自宅に掛けても全然つながらない」
と文句言っていた。母が
「そう思うなら、携帯を返してあげたら?」
と言ってくれたが、父はブスっとした表情をしていた。
 
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この日の昼頃、自宅に訪問者があった。
 
玄関のドアのモニタ(急遽付けたもの)で確認すると、私が中1,2の時と高1の時に「サンタガール」をして、絵里花の父のケーキ屋さんのクリスマスケーキを配ったお家の人で、私に「あなたきっと歌手になれる」とか「こんなオーディションあるけど出てみない?」とパンフレットを見せたりしてくれた人であった。
 
家の敷地の外にはたくさん記者がいる。あまりあれこれやりとりしたくないし、この人ならおそらく無害だろうと思い、中に入れた。
 
「この場所は今年ケーキを宅配してくれた貞子ちゃんという子に聞いたのよ。教えられませんとだいぶ言われたんだけど、本当に激励しに行くだけだからと言って何とか教えてもらった」
 
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そういえばマスコミさんたちはどうやってうちや政子の家の住所を調べたんだろうと疑問に思った。例の週刊誌の記事には学校名と名前までは出ていたけど住所までは出ていなかった。うちも政子の家も電話帳には載せていない。
 
あるいは学校の生徒名簿が、学校の誰かからどこかの雑誌社などに漏れて、後は他の社はそれに追随したのであろうか。
 
「ありがとうございます。でも私の性別のこと言ってなくて済みません」
「それはびっくりしたけど、あなたほど可愛ければ全然問題無いよ。でも普段もそういう格好なのね?」
 
とその女性は言う。私はその日はピンクのセーターにライトブルーのプリーツスカートを穿いていた。津田社長が、私達は当面常にカメラに狙われているから、いつ撮られても恥ずかしくない格好をしておいた方がいい、と私と政子に助言してくれたのである。カーテンの隙間から盗撮される可能性もあると言われた。
 
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「これまでは割と中性的な格好していたんですけど、あれだけ大々的に報道されちゃったら、恥ずかしがっても意味無いので開き直って、こんな格好してます。父は不満そうですけど」
「あはは、でもあなたのお父さんにちょっと同情する」
「恐縮です」
 
「あ、もしよかったら、サイン頂けないかしら?」
「いいですよ。何か書くものあります?」
「じゃ、これに」
 
と彼女は色紙とサインペンを出したので、私は微笑んでローズ+リリーのサインを書いた。この12月下旬から1月末までの「引き籠もり」期間中に書いたサインはこれ1枚のみである。
 
「ありがとう!宝物にするわ。でも今回、トラブって今活動停止になってしまっているみたいだけど、すぐ再開できるよ。頑張ってね」
 
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「ありがとうございます。頑張ります。夏くらいまでには取り敢えずCDとか出しますから」
「わあ、それは期待しておくね」
 

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彼女が出て行く時に記者に絡まれないようにタクシーを呼んでタクシーチケットを運転手さんに渡して送り出した。
 
「タクシーチケット悪いわ」
と彼女は言っていたが
「レコード会社が払いますから気にしないでください」
と言ったら受け入れてくれた。
 
彼女が帰った後で母に指摘される。
 
「夏くらいまでにCD出すって、あんた、お父ちゃんには大学合格まで歌手活動は控えるとか言ってなかった?」
 
「あっと、まあ夏頃までには協定見直しの交渉を」
「呆れた!」
 
と母は笑っていた。
 
「どっちみち、町添さんは既存音源を使ったCDを出したいみたいなこと言ってたしね」
「ああ、それは同意事項だね」
 
と母も頷いていた。
 
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大晦日から、テレビでKARIONの『優視線』『広すぎる教室』『恋のクッキーハート』『水色のラブレター』のテレビスポットが流れ始めた。
 
『優視線』『広すぎる教室』『恋のクッキーハート』は1月28日に発売予定のシングルの中の曲で、発売の1ヶ月も前からスポットを打つのは異例なのだが、元々12月24日に発売予定だったローズ+リリーの『甘い蜜』のCMスポット枠を振り替えたものだったので、やむを得ない所である。未発売のものばかり流しても仕方無いというので、10月22日に発売されていたCDの中から人気曲『水色のラブレター』のスポットも流したのである。
 
これら4曲のスポット用ビデオは12月26日にまとめて4本撮影し、私もこれに顔は出していないものの演奏参加しているのだが、『優視線』で見せた私のピアノの「神プレイ」が巷では結構話題になっていたようである。
 
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「これ打ち込みかと思った」
「でもPV見たら、ちゃんと弾いてる」
「あそこまで指動くか〜!?」
「誰、このピアニスト? すげー」
 
ここ数日のストレスを全部キーボードにぶつけた少し異様な精神状態だったので出来たプレイだったが、物凄く話題になってしまったので、和泉から言われて通常の精神状態でも弾けるように、ヤマハのMM8 (ピアノと同じ88鍵あるキーボード)を買って帰り、年末年始、私はずっと自宅で練習していた。
 
しかしこのPVを見て刺激されて、この曲の譜面(未発売曲だが耳コピーで採譜した譜面がネットに出回った:著作権侵害だが事務所もレコード会社も放置した)を見て、練習するピアニストが全国でかなり発生したようである。
 
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しかしこのPVのお陰で『優視線』は予約が10万枚も入ることになる。
 

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■夏の日の想い出・港のヨーコ(2)

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