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■夏の日の想い出・胎動の日(8)

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翌週の連休は、書道部の「1年女子」4人でのスキー行きであった。スキーはスキー靴・ストックともに現地レンタルということで予約してある。
 
私たちは着替えだけ持ち、駅に集合。いったん東京駅に出てから東北新幹線に乗った。
 
「花見さん、今日受験なんでしょ?なんかエールとか送ってあげた?」
と理桜が訊くが
「別に」
と政子はそっけない。
 
「ねえ、花見さんとは、やはり上手く行ってないの?もしかして」
と圭子が心配そうに尋ねる。
 
「そうだなあ。卒業と共にさよならになるかも」
と政子が言うので、私と理桜・圭子は顔を見合わせた。
 
この時期、このふたりの関係はもう修復できないレベルまで行っていたのかも知れないという気はする。ただ、政子がここで「卒業と共にさよなら」と言ったのは別の意味でであったのだが。
 
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福島駅で新幹線を降り、奥羽本線に乗り換える。駅を降りたら旅館の送迎バスが来ていたので、それに乗って旅館まで行った。チェックインする。
 
「お客様、ご相談があるのですが」
「はい」
 
「実は部屋のやりくりの都合で、8畳和室1部屋の所をツイン洋室2つには変更できませんでしょうか?」
 
私たちは顔を見合わせたが、別に構わないという雰囲気だ。
 
「寝る時だけ別れればいいしね〜」
「そうだね〜」
 
ということで同意する。おそらくは8畳の部屋に6人かひょっとすると8人くらい詰め込みたいのだろう。
 
「助かります。宿賃は8畳の部屋12000円だった所を洋室2つで10000円に値引き致しますので」
「了解です」
 
そういうことで続き番号の洋室、815号室と816号室の鍵をもらう。宿帳には、橘理桜・倉越圭子・中田政子・唐本冬子、と政子が記帳した。あはは。やはり女子高生4人だね。
 
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8階にエレベータで部屋に行く。実際に隣り合わせの部屋だった。
 
「これなら用事がある時は壁をノックしても呼べるな」
 
などと言いながら、とりあえず全員815号室に入り、荷物を置く。
 

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「よし、滑りに行こう」
 
ということで、私たちは最低限必要なものだけウェストポーチなどに入れ、フロントまで降りて行き、借りることにしていたスキーを受け取る。旅館の前からスキー場行きのバスが出るので、それに乗ってスキー場に入った。
 
「ところでみんな滑れるの?」
「ボクはボーゲン」と私は言う。
「私は滑ったことない」と圭子。
「私は幼稚園の時以来だからきっと忘れてる」と政子。
「じゃ普通に滑れるのは私だけか」と理桜。
 
取り敢えず初心者コースに行き、圭子にみんなで教えながら自分たちも少しずつ滑る。政子もおそるおそるボーゲンで滑る内に感覚を取り戻して行っている感じであった。その内スキーをパラレルにして滑るようになっていた。
 
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「次に滑りに来れるのは5年後くらいかなあ」
などと政子が言うが
「来年はまだ受験も忙しくないし、また来てもいいんじゃない?」
などと理桜がいう。
 

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1時間ほど楽しんでからいったんヒュッテで休憩して甘酒など飲む。
 
「ふー、身体が温まる」
「ところでみんな進学先って決めてるの?」と唐突に政子が訊いた。
 
「私は筑波大学に行こうかなと思ってる」と理桜。
「私も筑波いいかなと思うけど、かなり勉強しないといけないし、もう少しランク落とすかも」と圭子。
「ボクは一応名古屋大学にしてるんだけどね〜。変えるかも。やはり東京付近にしようかなと思って」と私が言うと
「あ、それはぜひ東京近辺にして」
と政子は言った。
何だか理桜と圭子が顔を見合わせている。
 
「ねえ、東京近辺でたくさん勉強しないと通らない大学ってどこかな?」
と政子。
「そりゃ東大じゃん」
「いや、東大はどんなに勉強しても無理」
「それは言える」
 
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「その次というと、一橋とか東京工大とか」
「そのあたりもかなりハイレベルだよね。政子の今の成績じゃ奇跡が起きても無理な気がするよ」
と理桜が遠慮無く言う。こういうことを言ってくれる友人は貴重である。
 
「私立でも良ければまず早慶だね」
「そうけいって?」
「早稲田と慶應だよ」
「へー」
 
「その下がMARCHだね」
「マーチ??」
 
「Mは明治、Aは青山、Rは立教、Cは中央、Hは法政」
 
「東京六大学とかいうのは?」
「あれは野球だから関係無い」
「そっかー!」
 
「でも政子、そもそも大学に行く気なんだ?」
 
政子は1年生の間はいつも赤点ギリギリというか、何度も追試のお世話になっていた。誰も政子が大学に行くつもりだとは思っていなかった。
 
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「まあでもFランクとか言って、名前さえ書けば入れてくれる大学あるよ」
「そういう大学もあるのか」
「ただ問題は入れてはもらえるけど、卒業するまでその大学が存続しているかという怖さはある」
「ああ、あるある」
 
大学の倒産が問題になりはじめるのは翌年くらいからであるが、この時期かなり「やばそう」という話が既にあちこちで聞こえていた。
 

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休憩の後また2時間くらい滑ったが、初心者の圭子も(ボーゲンでなら)かなり滑ることができるようになって、私たちは何度もリフトで上に登っては滑って降りていた。理桜は私たちが普通に滑ることができるようになったので1度だけ上級コースを滑ってきた。
 
夕方シャトルバスで旅館街に戻る。少し休んでいる内に夕食の案内があったので、食堂に食べに行く。食事はごく普通の田舎の旅館の食事という感じであった。宿泊の人数は4人だが食事は(よく食べる子がいるのでと言って)6人分で頼んでいた。むろん政子が3人分食べるのである。そして例によって私はあまり食べきれないので、半分政子に食べてもらった。ご飯とお味噌汁がお代わり自由なので、政子は何度もお代わりしていた。
 
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「政子、でもよく入るね〜」
と圭子がほんとに感心するように言う。
「うん。今日は身体を動かしたからたくさん入るよ」
と政子は言い、楽しそうに食べていた。
 
「冬はほんとに少食だね〜」
「うん。ボクも中学で陸上してた頃は毎日御飯2杯も食べてたんだけどね」
「2杯って普通じゃん。スポーツしてる子は5〜6杯食べたりするよ」
「そうかなあ」
 
いったん部屋に戻ってから、お風呂に行こうということになる。
 
「冬子ちゃんも一緒に行きたい所だけど、さすがに無理だろうね」
「あはは、ボクが女湯に行ったら逮捕されちゃうから」
「まあ、仕方無いね。じゃ、また後で」
 
と言って、大浴場のある1階廊下奥の、男女に左右で分かれる所で3人と別れた。
 
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ボクはその分岐点から左側に10mほど歩き、男湯と書かれた青い暖簾を見る。うーん。「男湯」の暖簾を潜るのは、小学5年生の時以来かな、などと考える。でも入れるかしら??
 
さて、と大きく息をついてその暖簾を潜った・・・・が、そこから出てこようとする初老の男性と鉢合わせる。
 
「君、ここは男湯だよ。女湯は向こう」
 
ああ、やはりそう言われるよね。
「あ、すみませーん」
 
「というか、冬スズメちゃんじゃん」
「あ、どうも。ご無沙汰してます。社長」
 
そこにいたのは、○○プロの丸花社長であった。
 
「あ、もし良かったらロビーででも少し話さない?」
「はい」
 
それで私は丸花社長と一緒に1階の大浴場から少し玄関側に戻った所にあるロビーに入った。社長が缶コーヒーをおごってくれて、私たちはそれを飲みながら話した。
 
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「津田君から聞いてるけど、最近かなり音楽活動を盛んにしているみたいね」
 
「はい。去年の夏から秋に掛けてリハーサル歌手をしたことはお話ししましたが、あの頃から、スタジオでの仕事をしていて、けっこう音響の仕事だけじゃなくて制作自体に関わることも多くなってしまって。社長ですから個人名を出しちゃいますが、****では三味線を弾きましたし、****ではピアノ、****ではヴァイオリン、といろいろ演奏にも参加してます。コーラスとか仮歌とかはもうしょっちゅうで、スタジオのメイン技術者の方からも、君はこのスタジオの専属アーティストだね、なんて言われてます」
 
「おお」
「先月は某新人ユニットのデビューキャンペーンで九州や北陸まで帯同して伴奏とコーラスしてきました」
 
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「既に君、スタジオミュージシャンになってるね。でもそんな使われ方ではもったいないよ。君はステージのバックで楽器を演奏しているべき子ではないと思う。君はステージの前面で歌うべき子だよ。まじデビューする気はない?」
 
「去年リハーサル歌手を一緒にした子が一足先にデビューしちゃったんです。それで私も結構やる気出してきて。今ちょっとデモ音源を作ってみようかと計画している所なんですけどね」
「おお、それは完成したら聴かせてよ」
「はい」
 
「あ、ボクのメールアドレス教えておくから。ここにMP3にして送って」
と言って、私は丸花さんの個人アドレスを教えて頂いた。
 
「音源出来たら、聴かせてって、他の事務所からも言われてるんですけど」
「あはは。君ほどの素材ならそうだろうね。その時はそこと競争だね」
「そうですね」
「有望な素材に関して競合になることは珍しくないよ。それぞれの事務所で条件出すだろうから、それを比較して君が決めれば良い」
「はい」
「まあ僕は負けるつもりないけど」
 
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私は言葉では答えず、微笑みで返事をした。
 

「あ、そうだ。もし良かったら、君少しうちのスクールのレッスン受けてみない?」
「歌のレッスンですか?」
「そそ。以前一度ボイトレのコースに入ってもらったけど、もう少し本格的な歌唱の訓練も受けてごらんよ。君ほどの子なら特待生にしてあげるから。授業料不要」
 
「えー、でも・・・」
「担当者に話しとくから。もし気が向いたら、この名刺持って行って」
と言い、丸花社長は名刺の裏に走り書きで
《非常に優秀な子を紹介します。特待生でよろしく》
と書いて渡してくれた。
 
「ありがとうございます。取り敢えずお預かりします」
 

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「しかし、例の件はお父さんにカムアウトした?」
「実はデビューするまでにそれをクリアしなくちゃと思ってこないだから何度かカムアウトしようとしたのですが」
「うん」
「どうもタイミングが合わなくて、なかなかできません」
「まあ、難しいだろうけど頑張ってね」
「はい」
 
「けっこう最近堂々と、女の子の格好で直接家から出てきたり帰宅したりして父にも何度かその姿を見せているのですが、父はそれが私とは認識できていないみたいで」
「あはは。僕も自分の息子がいつの間にか女の子になってたら最初自分の息子と認識できないだろうね」
 
と丸花さんは笑って言った。
 
「で・・・君、今日お風呂はどちらに入るの?」
「勇気を出して男湯に入ってみようかと思ったのですが・・・・」
「多分摘まみ出される」
「そんな気がします」
 
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「君、女湯には入れない身体なんだっけ?」
「私ですね、実は」
「うん」
「温泉や旅館の大浴場の女湯には毎年1〜2回入ってますが、男湯には生まれてこのかた、1度も入ったことがなくて」
「ほほぉ!」
 

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私は丸花社長と話している間に、政子たち3人がロビーそばの廊下を通過して部屋の方に戻るのを見た。それで丸花さんに
「それでは頑張って女湯に行ってきます」
と言って立ち上がった。
「うん。逮捕されないように頑張ってね」
「はい。それではまた」
 
そういう訳で私はその日は政子たちと時間差で女湯に入ることになる。さっきの分岐点まで来てから、私は今度は右に曲がり廊下を10mほど進んで、女湯と書かれた、赤い暖簾をくぐった。なんかこちらをくぐるのが自分にとって普通のことになってるよな、と改めて思った。
 
女性だけの脱衣場だ。たくさんの女性があるいは服を脱ぎかけ・着かけ、あるいは裸のまま涼んでいたりする。その乳房がまぶしい。私のおっぱいも早く成長しないかな・・・・
 
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しかし私は男性の脱衣場というのを経験したことがない。更衣室なら、学校で男子更衣室をさんざん使っているんだけどね〜。私はちょっと首を振ってから、空いているロッカーを見つけて服を脱ぎだした。
 
その時。
 
 
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■夏の日の想い出・胎動の日(8)

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