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■夏の日の想い出・新入生の秋(1)

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(c)Eriko Kawaguchi 2011-11-27
 
ローズクォーツの最初のシングル『萌える想い』が発売される前日の8月2日に私と政子は★★レコードの町添さんが手配したスタジオ・ミュージシャンの人たちと一緒に『天使に逢えたら』『影たちの夜』『私にもいつか』,『ふわふわ気分』,『恋座流星群』の未発売曲5曲を吹き込んだ他、『明るい水』のアコスティック・バージョンの作成、そして『ふたりの愛ランド』の歌部分の再録をした。
 
『ふたりの愛ランド』は最初2年前の8月に私たちの歌に打ち込みで作った伴奏を加えて『明るい水』のc/wとして発売した。昨年夏にベストアルバムを制作する時、私が新たに編曲したスコア譜にもとづき、スタジオ・ミュージシャンの人たちに演奏してもらったものに伴奏だけ差し替えた。そして今回はその音声トラックを新録音に差し替えたのである。つまり最初から残ったのはテンポだけ!できれいに新しいものに入れ替わった。
 
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これらの音源を利用したN*K FMのローズ+リリー特集は、8月29日に放送された。その前日に私と政子はスイート・ヴァニラズの横浜公演で、1年8ヶ月ぶりに並んだ姿を観客の前に見せて、それがネットで話題になっていたこともあり、ローズ+リリーのベストアルバムのセールスが9月上旬に掛けて跳ね上がる結果となった。
 
しかしこの年の7月下旬から9月末まで、クォーツの3人が昼間の仕事との兼業のため、まともに動けない状況で、若干欲求不満になっていた私にとって、8月中旬の夏フェスで、スカイヤーズのボーカルBunBunが本番直前に倒れて急遽代役のボーカルを仰せつかり、8万の大観衆の前で歌ったのと、スイート・ヴァニラズの全国ツアーに帯同して、ゲストとして歌ったのは、本当に興奮する体験だった。
 
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最初に出演した東京公演では、完璧にサプライズになったのでEliseさんに紹介された時「え〜?」という声が聞こえてきた。私自身、6月に一応現役復帰したものの、FMの番組などに何度か出ただけで、前日の夏フェスとその日の公演は、1年半ぶりの観客を前にしたステージになったので、観客はほんとに驚いた!という感じの反応だった。そしてそこで歌った私自身も、長岡のライブハウスでの演奏とも、8万人を前にした夏フェスのステージとも違う、濃厚な観客の反応を快感していた。
 
私がスイート・ヴァニラズの東京公演に出た件は公演終了後速攻でネットに書き込まれた。そしてスイート・ヴァニラズの事務所、うちの事務所、以前の所属事務所である△△社にケイはこの後の公演にもゲスト出演するのか?という問合せが深夜まで殺到した。どの事務所でも出演する予定ですと回答し、それもネットに書き込まれた。そしてそれまで若干残っていた福岡と札幌のチケットが、速攻でソールドアウトした。
 
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スイート・ヴァニラズの全国ツアー日程は、14(土)東京 18(水)札幌 21(土)大阪 22(日)名古屋 25(水)福岡 28(土)横浜 となっていて、札幌と福岡は地方でもありまた平日であったことが売れ残りのあった原因と思われていたが、私が全公演に出演すると最初に書き込まれた時刻から、両公演のソールドアウトまで10分も掛からなかった。ソールドアウト後、ネットオークションにスイート・ヴァニラズの各公演のチケットが出品され、かなりのプレミアムが付いていた。
 
お盆は、私は9月に録音する予定のローズ+リリーの初のオリジナルアルバム制作のため、収録したいとして須藤さんに提出した曲の直しを要求され、それをずっと自宅マンションでやっていたので、忙しさを理由に実家には戻らなかった。一部の曲では、もう直しではなく新たに別のメロディーを書き下ろしたものもあった。
 
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私がそういう作業をしていると、しばしば政子がやってきて(政子は学校への通学定期で最寄り駅まで来て、マンションまで歩いてくる)、私がエレクトーンで音を探していたり、あるいはパソコンでMIDIの編集をしていたりすると、しばしばスカートの中に手を入れてきて、いたずらしていた。
 
「ちょっと止めてよ。今考えてるんだから」
「冬は気にせず、お仕事してて。私勝手に遊んでるから」
「もう・・・・」
 
政子は私がどこかに電話をしている時などは、スカートの中に頭を入れてきて無理矢理こじあけてあれを取り出すと舐めたりしていた。こちらが反応できないのをいいことに、かなり濃厚にしていたが、電話が終わるとやめてしまう。
「えっと・・・ベッドに行く?」
「ううん。別にいいよ。声出せない状況でやるのが楽しいから」
 
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「ねえねえ、晩ご飯の材料とか買いに行ってきてくれる?」
「あ、邪険にしてない?」
「ちょっと集中してこれ仕上げたいから。おやつにケーキでも買ってきていいよ」
「了解!行ってきます」
 
なんてことをやっていた。たまに礼美が学校の図書館に来たついで、などといって寄り、一緒にお茶を飲んだりしていた。
 
「学校やってる間はさ、講義終わってから夕方までマック、そのあと夜間にデニーズで、睡眠時間のぞくとずっと働きずくめで全然時間がないんだけど、夏休みの間は午前中勉強できるから、講義のノートや教科書見て、図書館で資料調べたりして、勉強してるのよね。前期で微妙によく分かってなかったところを、かなりフォローできた」
 
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「よかったね。でも礼美、講義中に当てられた時とか、けっこうしっかり答えてたよね」
「あ、あれね、なぜか分かるものばかり当たるの。運が良いのよ」
「へー。でもあれ教官の印象いいと思うな。礼美、英語とフランス語の発音かなりいいし」
「冬にいわれて、洋画のDVDかなり借りて、原語にして見てる。字幕無しでもけっこう分かるもんだね」
「慣れだよね、あれ」
 
「親に借金返せた?」
「ここの入学金分は返した」
「おお、やったね」
「でも授業料はまだまだ」
「頑張ってね。無理しない範囲で」
 
礼美のこのダブル・バイトは結局翌年の2月まで続くことになる。3〜4月は震災復興のボランティアに行き、結果的にそれに免じて両親から残りの借金はチャラにしてもらった。その後は昼間のバイトだけにして勉強する時間を確保できるようになった。
 
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お盆明け、18日には北海道に行く。北海道の地を踏んだのは、高2の11月にローズ+リリーのコンサートで行った時以来だったので、2年ぶりの新千歳は懐かしい気分がした。私の代理マネージャー役で一緒に来た政子も
「わあ、懐かしい」と言っていた。
 
FM局からスイート・ヴァニラズの面々がお呼ばれしていて公演の宣伝も兼ねて30分ほどトークすることになっていたのだが、私がスイート・ヴァニラズと一緒に来ているという情報が伝わっていたようで、私も一緒に来てと言われた。番組での枠も40分に拡大したと言われた。
「マリちゃんは来てないんですか?」と訊かれ「ステージには出ませんが一緒に来ています」というと、ぜひ一緒に来てくださいと言われた。
 
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契約的に微妙かもと思ったので東京の須藤さんに問い合わせた所、契約上は問題ないのだが・・・と言われる。政子に訊くと「出てもいいかな」などというので連れていくことにした。
 
(政子との契約では観客のいる所でのライブ演奏をしないこと、テレビ・映画・ビデオへの出演をしないこと、となっていたので、5月の放送のように外から見えないスタジオを使用すればラジオでのトークや演奏は契約書文面では可能だったが、須藤さんができるだけ自粛させていた。今回の場合はスタジオは外から見えるところだが、そこで歌う訳ではないのでこれも契約文面上は問題無い。この問題については後日須藤さんが直接政子のお母さんと電話で話し合い、ラジオ出演は月に(収録回数で)3回以内ならOKということで話がまとまった。
 
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「今日のゲストは本日19:00からサッポロ文化ホールでライブが行われます人気のガールズ・バンド、スイート・ヴァニラズのみなさんにおいで頂きました」
「こんばんは」
「スイート・ヴァニラズのリードギターEliseです」「キーボードのLondaです」
「ベースのSusanです」「セカンドギターのMinieです」「ドラムスめのCarolです」
 
「えっと・・・今ドラ娘って聞こえたような。。。」「お約束です」
 
「そして今日は、スイート・ヴァニラズのみなさんに加えて、その公演にゲスト出演するローズ+リリーのおふた方にも来て頂いております」
「こんにちは。スイート・ヴァニラズの公演にゲスト出演させて頂きますローズ+リリーのケイです」
「こんにちは。スイート・ヴァニラズの公演にゲスト出演しない、ただ付いてきただけの、ローズ+リリーのマリです」
 
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私はここしばらくけっこうあちこちの番組に出ていたのだが、マリは5月16日以来3ヶ月ぶりのラジオ出演である。
 
この様子は北海道のFMリスナーが聴いて速攻でネットに書き込み、それを見て全国のリスナーがLISMOで聴き始め、この番組のLISMO経由の聴取率が凄いことになった。
 
基本的にはスイート・ヴァニラズのための番組なので、私と政子はできるだけ控えめなトークに徹した(ローズクォーツのアピールも控えた)が、突っ込み所などはどんどん突っ込んで行ったりして楽しい雰囲気のトークになった。
 
番組内でスイート・ヴァニラズの曲を5曲流したが、便乗でローズ+リリーの曲も1曲『恋座流星群』を流してもらった。
 
これは私たちの出演が始まる10分前に町添さんから電話があり、町添さんと番組ディレクターの直接のやりとりで流されることが決まってしまった。この音源は今月末のN*Kの番組で流すために録音したものだが、この音源の版権自体は★★レコードが持っているので、町添さんがOKを出せばどこででも流せるのである。データは私が自分のPCにコピーを入れていたのでそれをFM局に直接提供した。
 
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「これ、新曲ですよね」とDJさん。
「はい」
「発売予定はいつですか?」
「それが実は全然分からないんです。先日録音したばかりで、私たちもリリース予定は聞いていないというシロモノでして。色々おとなの事情もあるらしくて」
 
「ね、ね。あとで個人的にそのデータちょうだい」とEliseさん。
「じゃ、番組が終わってから、裏取引で」と私。
「なんか、おとなの事情とか裏取引とか、凄い世界ですね」と笑いながらDJさん。
 
この番組は面白い効果をもたらした。この番組をスイート・ヴァニラズ,ローズ+リリー双方のファンが聴いていたため、双方のセールスが上がる結果となった。スイート・ヴァニラズの最新シングルと最新アルバムのダウンロードが増え、またローズ+リリーのベストアルバムのダウンロードも増えたのだが、アンケートなどを見てみると、どうやら、スイート・ヴァニラズの音源をダウンロードしたのは主としてこれまでローズ+リリーの音源をダウンロードしていた人達で、ローズ+リリーの音源をその日ダウンロードしたのは主としてこれまでスイート・ヴァニラズの音源をダウンロードしていた人達で、双方のファンが相互に乗り入れした形になっていたようであった。
 
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またマリはスイート・ヴァニラズの公演には出ないと何度か放送中言っていたにも関わらず、マリちゃんも札幌公演に出るんですか?という問い合わせがかなり来たようであった。
 

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その日の公演会場には、この放送が終わった後、そのまま入った。
 
「私たちが2年前にやった会場とは違うね」と政子。
「どこでやったの?」とElise。
「きららホールです。この文化ホールのほうがキャパは大きいですよね」
「うん。大差はないけどね。私たちも去年のツアーではきらら使ったよ」
「わあ」
 
簡単なリハーサルの後、休憩。やがて開場時刻がきて客席が埋まっていく。完璧な満席だ。そして開演時刻。スイート・ヴァニラズのメンバーがステージに登場し演奏を始めた。
 
「格好いい−」と言って政子が目をキラキラさせて見ている。私も頷いた。ほんとにこの人たちは凄い。演奏技術もさることながら、観客を巻き込んでいく力が強烈である。
 
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やがてインターバルとなり、Eliseの紹介で私は出て行き『青い鳥見つけた』
を歌う。スイート・ヴァニラズのメンバーはインターバルの間に用意されていた水を飲み、飴を舐めたりしている。やがて私がその曲を歌い終わり、次の『海辺の秘密』を1コーラス歌ったところで、スイート・ヴァニラズのメンバーも加わって一緒に歌った。
 
歌い終わったところでEliseさんから
「ローズ+リリーのケイさんでした」
と再度名前を呼ばれて、私は観客の拍手に応え、ステージから下がった。
 
袖の所で政子が拍手で迎えてくれる。
「気持ち良さそうに歌ってた」
「うん。快感!」
「ほんと冬はこういうのが好きなんだね」
「マーサもすればいいのに」
「そうだなあ・・・・」
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夏の日の想い出・新入生の秋(1)

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