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■夏の日の想い出・新入生の秋(11)

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「今はバーチャルな時代だしね。大企業の営業会議とかネット使ってしてるし。そのうちふつうの会社員も通勤とかせずに自宅でバーチャル勤務とか」
 
「バーチャルセックスとかもあるよね」と政子。
「USBに接続できるキットもあるね。男の人がそこに出し入れしたら、向こうのPCでも伸び縮みするから、それを女の人が入れればいいんだって」とAYA。
「わっ」
 
上島先生は過激な話になってきたので苦笑していたが、ふと何かを思いついたようであった。
「あ、ケイちゃんがいいかな。ちょっと来て」
「はい」
「僕、ピアノで和音弾くから、少しフリーに歌ってみてくれる。ラララでいいから」
「はい」
そういって上島先生はピアノを弾き始めた。私はそれに合わせてラララで歌う。10分ほどフリーに歌っていたが
「うーん。いい感じ」
と言って、PCに向かうと、それに接続しているキーボードで、今私が歌ったメロディーを弾いていく。それにあわせてPCの画面上にMIDIのデータができていく。ひととおり弾いたところで、音符の乱れを調整し、コード付けをしていく。更に歌詞部分にキーボードから直接ことばを入力していった。
 
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私は政子やAYAとひたすらおしゃべりをしていたが(政子はおしゃべりしながら翻訳をしていた)、先生はPCで楽曲を調整し続け、1時間ほどで完成させて譜面をプリントした。
 
「ケイちゃんに協力してもらったし、これケイちゃんにあげる」
「わあ、ありがとうございます」
バーチャル・クリスマスというタイトルが書かれていた。
「ローズクォーツ向きかな。今からレコーディングすれば、ちょうど12月に発売できるだろうしね」
「あ、はい」
と答えながら、これはスケジュールの組み替えが必要だぞと思う。
 
「先生、私のは〜?」とAYA。
「うんうん。今夜中に書くから。明日からレコーディングだもんね」
「わ、ごめんなさい。そんなところに割り込んで」
「うん。大丈夫。そちらのも書くから」と先生。
「でも書けなかったらケイちゃんに書いてもらおうかな」と言って笑う。
 
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「私、先生みたいに売れる曲は書けないですよー」と私。
 
「でもこないだガールズバンド・フェスティバルで入賞したバンドの曲、ケイちゃんが書いたんでしょ?あれ、ヒットしそう」とAYA。
「うん。SPSの『恋愛進行形』ね」
「私、ゲストに呼ばれてて聴いてたら、いい曲じゃん。で作詞作曲:マリ&ケイになってるから、あれ?っと思って」
 
「SPSのキーボードの子と、エレクトーンの同じ教室でレッスンしてたんだ」
「ああ。そういう縁だったんだ」
「けっこうリキ入れて書いたけど、上島先生の作品は格が違うからなあ」
 
「どんな曲なの?」と先生が訊くので、私はその曲のMIDIを開き、演奏させると、それにあわせて自分で歌った。
「いい曲だね」と先生。
「格好いい曲だね!」とAYA。
「その曲、きちんと編曲してローズ+リリーで歌えばプラチナ行くかもね」
と先生は付け加えた。
 
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「ええ。ローズクォーツ向きじゃないですよね。セルフカバーするなら、ローズ+リリーのほうですが、どっちみちこちらは今新譜出せないし、彼女たちより先に出すわけにもいかないし」
 
「やはり、演奏するアーティスト意識して作曲とかするもんなんですか?」
「うーん。その時によるね」と先生。
「ケイちゃんは?」
「私の場合、演奏する人とそれを聴いてくれる層を意識して書く場合と、何も考えてなくて純粋に曲が出来ちゃう時とがある。『恋愛進行形』は彼女たちの演奏見させてもらって、聴き手として審査員さんの世代を想定して書いた」
 
「でも純粋にできた時は名曲だよね」と先生。
「ええ。扱いにくいけど、頭で作った曲に及ばないものを持ってます。先生の『甘い蜜』とか、それっぽい気がしました」
「うん、そうそう。出来ちゃってから誰に渡そうと思った時、ふとケイちゃんの顔が思い浮かんだんで渡した」
「ありがとうございます」
 
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「5月の放送で聴いた『影たちの夜』も、純粋に出来た曲でしょ?」と先生。
「はい」
「CD発売しないの?」
「出したいです。それで今回録音したアルバムにも入れなかったんですよね。ふだんそんなんでもったいながったりしない須藤さんが、これはアルバムに入れるのはもったいないと言いましたし」
 
「うん。あれはぜひシングルで出して欲しいね。名曲だもん。今聴かせてもらった曲とかこないだ限定版CDでもらった『恋座流星群』とかは歌い手や聴衆を意識してるよね。あれは中高生の女の子がターゲットでしょ」
「はい」
 
「ね、ね、私を意識して20歳前後の女性をターゲットに1曲書いてよ」とAYA。
「うん。ゆみちゃんを意識したらケイちゃんがどんなの書くか見てみたいね」
と先生。
「わ、先生からまで言われると・・・」
と言って政子を見ると、翻訳作業をしながら政子は
「私、チキンたくさん食べたら詩が書ける気がするなあ」
などと言い出した。
 
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「そういえばお腹すいてきたね」と先生は言うと、インターホンで奥さんを呼ぶ。
「ケンタッキーまで行ってきてくれない?」
「いいよ。何個くらい買ってくる?」
「私2本」とAYA。
「私6本」と政子。「6本!?」とAYA。
 
「マリは無茶苦茶食べるんです」と私は笑って言う。
「私3本お願いします。少しマリに取られそうだから」
「じゃ、僕も3本ね」
「私も食べていいよね」と奥さん。
「もちろん」
「じゃ全部で16本買ってくる」
 
と言って奥さんはケンタッキーに予約の電話をしてから出かけていった。私は奥さんが出る前にお茶などのありかを聞き、先生のリクエストでレギュラーコーヒーを入れて、みんなに配った。
 
「でもローズ+リリーってユニット名はどうやって決まったの?」
「元々リリーフラワーズという女性デュオがいたんだけど、私とケイがそのライブの設営作業のバイトで行ってた時、リリーフラワーズがトンズラしちゃったのよね」
「へー」
「それでステージに穴あける訳にはいかないってんで、私とケイが急遽その代役をさせられたのよ。元が女の子のデュオだからってんでケイは女装させられたわけなんだけど」
「もしかして、それが女装の発端?」
「そそ。メジャーデビューの時には女の子の水着まで着せられたしね」
「わあ。よく男の子の身体で女の子の水着を着れたね」
 
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「そのあたりがケイの凄いところでね。男の子が女装してるように見えないんだもん。あのあたりとかあのあたりとかを誤魔化しても、ふつうはボディラインでばれそうなものなのに、ウエストもくびれてるし、肩はなで肩だし、水着を着せても女の子のボディラインだったもんね」
私はただ笑っている。
 
「だから、ケイってやっぱり女の子なんだって確信した」と政子。
「私もケイちゃん、男の子と思ったことはないなあ」とAYA。
 
「まそういうわけで、最初のステージではリリーフラワーズの振りをして歌ったんだけど。どうせ誰も知らないからとか言われて」
「あはは」
「でも、やっぱり元々のリリーフラワーズを知ってる人に遭遇するとやばいからということで、次回からは少し変えて、ローズ+リリーにしたのよね」
 
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「百合族・薔薇族とは無関係?」
「へ?」
「だって、ケイちゃんがクォーツと一緒に作ったユニットがローズクォーツだから、やはりケイちゃんがローズで、マリちゃんがリリーなんだろうなと思って」
「あ、その対応は何となく最初からそうだったね。ローズちゃんとかリリーちゃんと呼ばれたことはないけど」
 
「それでケイちゃんとマリちゃんは同性愛の関係っぽいし、マリちゃんは同性愛で女の子だからリリー、ケイちゃんは同性愛で男の子だからローズなのかな?とか」
「うーん。そういう解釈は初めて聞いた」と私。
「そもそもケイは女の子だし。そもそも私たち別に恋愛関係無いし」と政子。
 
「えーっと前半は同意するが、後半は同意できないぞ。でも考え過ぎだったかな」
とAYA。
 
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「AYAさんは本名があやこさんとか、あやかさんとか?」と政子。
「いや、それがね・・・AYAはユニット名なのよね」
「うん。ソロプロジェクトだよね。Superflyとかマイラバと同じ。本名は優美香さん、ゆみちゃんだよ」と私。
「あれ?そうだったんだ」
 
「元々は3人いたんだよね」
「そうなのよ。あおい、ゆみ、あすか、の3人のイニシャル取ってA-Y-Aだった。ところがあおいとあすかがデビュー直前に辞めちゃって」
「だから最初の頃は、FMとかでAYAのゆみさんと呼ばれてたもんね」
「うん。でもAYAがいかにもそのまま人の名前みたいだから、AYAさん、AYAさんと呼ばれるようになって、まいっか、というところで」
「今逆に『ゆみちゃん』って呼んでるのは親しい人や熱心なファンだけでテレビの歌番組とかAYAさんになっちゃってるね」
「そっか。そういえばケイはさっき『ゆみちゃん』って言ってたね。私も、ゆみちゃんでいい?」
「もちろん」
 
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やがて奥さんが戻って来た。お皿を配り、その上にチキンを置いていく。政子の前には大皿の上にチキン6本とビスケット2個が置かれた。
 
政子は辞書とレポート用紙を脇にやり、翻訳作業の手を休めてチキンを食べ始めた。チキンはどんどん骨だけになっていく。
「軟骨まで食べるには両手必要なのよねー」
「美味しいよね、軟骨。でもお店じゃそこまで食べられないよね」
「そうそう。周囲に男の人がいる所とかではこういう食べ方できない」
「えーっと、僕一応男だけど」と上島先生。
「あ、先生はジェントルマンだから問題無しです」
 
やがて、大皿の上のチキンが骨だけになりビスケットも消えたところで政子は「よし、書くぞ!」と言うと、手をおしぼりで拭き、バッグから作詞用の青いレターパッドを取り出した。そして作詞の時にいつも使っている愛用のセーラーのボールペンを手に持つと、スラスラと詩を書きはじめた。
 
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「スラスラ書いてる」
「えへへ。チキン食べながら頭の中でまとめてた」
「なるほど」
 
私は政子が書いている間に、PCにAKAIのMIDIキーボードを接続し、更にヘッドホンもつないで、政子が書いている詩を見ながら、少し探り弾きして、その詩の世界に『チューニング』した」
 
「できたー!後、よろしく」
「OK」
「そのチキンとビスケット、食べないなら私もらうね」
私の前にはチキン2本とビスケット半分が残されている。
「どぞー」
と私が言う前に政子はチキンを持って行く。
「まだ食べるの!?」とAYAがマジで驚いている。
 
私は政子の詩を見ながら、キーボードとマウスの双方を使って音符を綴って行った。だいたい30分ほどで完成させる。
 
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「できた」
「凄い」
「歌ってみますね」
 
私はヘッドホンを外して音が出る状態にすると、MIDIを再生しながら、政子の書いた詩を歌ってみせた。
 
「ああ、私っぽく歌ってる!」とAYAが言う。
「格好良い曲だね」と先生。
「じゃ、僕もそれに負けないの書こう」
というと先生は最初ピアノの所に行って、少しメロディを探している雰囲気だったが、やがて「よし」というとPCのそばに座りKORGのキーボードで弾いて音符を入れていく。時々「うーん」と言って停まったりしながらも1時間ほどで曲を完成させた。
 
「ケイちゃんなら初見で歌えるよね。これちょっと歌ってみて」
と先生は言い、MIDIを再生する。私はその音を聴きつつ先生のPCの画面を見ながらその曲を歌った。
 
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「ああ、また私っぽく歌ってる」とAYA。
 
私が歌い終わると「このあたり修正しようかな・・・」と言って先生は譜面の修正作業を始める。
 
「なんか刺激される。。。私もちょっと修正しよっと」
 
先生の修正作業は15分ほどで終わった。
「ケイちゃん、もう1度歌ってみて」
「はい」
 
再度歌う。さっきのよりぐっと引き締まった感じがあった。
「うん。いい感じだ」と先生。
「あとは実際のレコーディングしながら微調整しよう」
「今の修正、私ものすごく勉強になりました。この修正作業で売上げが2割は増えましたよね」と私。
「うんうん」と笑顔で先生は頷いた。
 
「私も完成させます」と言って、私は自分の曲のほうの修正作業を続ける。作業は20分ほどで完成した。もともと修正するつもりだった部分に加えて先生の歌を見て感じたところを修正した。
 
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「できました。歌ってみます」と言って、私はMIDIを再生しながら今度は既にPCに入力済みの歌詞を見ながら歌う。
 
「なんか印象が変わった」
「うーん。凄いな。僕ももう1度修正しよう」
と先生は再び譜面の修正に取りかかる。
 
こんな感じで私と先生はAYAに提供する曲をお互いに影響しあいながら夜中の3時頃まで修正作業を続けた。
 
「なんか高岡が生きてた頃、こんなことしてたなと思った」と先生。
「やはりケイちゃんは色々刺激になる存在だ」
 
「私、今夜は自分の作曲技術がぐーんとレベルアップしました」と私。
「勉強代払わなくちゃ」
「それ、僕がケイちゃんからもらった刺激で相殺しよう」
 
「なんか先生とケイの間で火花が散ってたね」と政子。
 
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「この2曲、私がもらっていいんですよね」とAYA。
「うん。これ両A面で出そう」と笑顔で先生。
「レコーディングの時に、ふたりにコーラスで入ってもらおうかな」
「あ、いいですね」とAYA。
 
「よし。じゃAYAちゃんのはこれで完成。さっきケイちゃんに渡した曲も、もう1度修正するね」
 
と先生は言って、そちらの修正作業を始めた。AYAは眠くなったというので、先生に案内されて奥のほうの部屋に行き、仮眠した。私たちと先生はあれこれ話しながら、政子は翻訳作業を、先生は『バーチャル・クリスマス』の修正作業をしていた。作業は朝6時前に終了し、私たちも1時間ちょっとAYAと同じ部屋で仮眠させてもらった。
 
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■夏の日の想い出・新入生の秋(11)

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