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■夏の日の想い出・新入生の秋(3)

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午前中はふたりで協力して、クッキーを作ったり、トランプやリバーシで遊んだりして少しゆったりした時間を過ごした。その頃の、私たちのお気に入りは、ファンお手製の『ローズ+リリー・トランプ』(それを見て須藤さんが、これホントに作って発売しようか、なんて言った)と、ファンの方がイギリスで買ってきたという八角形(オクト盤)のリバーシであった。
 
その日の午後、FMでローズ+リリー特集が放送された。私たちはリビングで一緒に聴いていた。
 
ナビゲート役はAYAさんがしてくれていた。AYAさんは上島ファミリーの若手有望株で、年齢は私たちと同じ。私たちより半年ほど前にデビューして、デビュー曲を30万枚売り、その年の新人賞レースに私たちと一緒にノミネートされた(私たちは発表直前に辞退)。最終的には最優秀新人賞は他の人が受賞したのだが、同い年でもあり、上島先生絡みで何度か話をしたこともあり、私の現役復帰直後に向こうから(電話番号は上島先生から聞いたといって)電話があり、また頑張ってねと励まされたりもした。彼女は大学には行かず、高卒後歌手に専念している。
 
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交流があるだけのことはあり、よく理解してくれている感じの解説で私たちはとても気持ち良く聴くことができた。ネットの反応も見ながら聴いていたが、ネットでのファンの反応もだいたい好評だったようだ。
 
『恋座流星群』や『天使に逢えたら』など最新の音源が流れると、AYAは
「私がふたりと知り合った頃に比べると、ふたりともホントに歌がうまくなりましたね。私もまた頑張らなきゃと思っちゃいます。特にマリちゃんの上達度凄いから、そのうち気が向いたらライブステージを見たいなあ」
などと言う。
 
「マリちゃん、どうでしょうね?」などと私は訊いてみた。
「そうだなあ。10年後くらいには復帰してもいいかなあ」などと政子は言った。
 
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今回の特集は日曜日の午後という微妙な時間帯であったにも関わらず、かなり聴取率が良かったようであった。
 
今回特集をしたN*K にしても5月に放送をした JFNにしても、ローズ+リリーの新曲をリクエスト番組などでリクエストがあった時に流せないかというのを打診した。そこで須藤さん・津田さん・町添さんに私たち2人で話合った結果、『私にもいつか』,『ふわふわ気分』,『恋座流星群』の3曲、及び『明るい水』
と『ふたりの愛ランド』の新録音版については9月1日から解禁することにした。
 
JASRACにも登録の上、一応CDはプレスして、全国のコミュニティ局を含めたラジオ局、有線放送各社で希望する所に提供した。カラオケ各社にはご親切にもMIDIデータ付きで渡した。その結果、これらの曲は事実上未発売なのに、ランキングで100位以内に入るという面白い現象を起こした。特に『恋座流星群』は11位、『ふたりの愛ランド』新録音版も14位まで上昇し、ローズクォーツに大きなヒットが生まれる前の時期、これらの印税はほんとに心強かった。須藤さんの会社の収入にもかなりの貢献をした筈である。
 
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(私たちの曲のクレジットは『作詞作曲:マリ&ケイ』という名義にしているのでカラオケ屋さんの演奏でも、私と政子の両方に印税が入る)
 
この時プレスしたCDは全部で1000枚で、私たちも記念に1枚ずつもらったほか、ごく一部のお世話になっている人に配った。クォーツの3人、上島先生やEliseにも渡した。そのジャケット写真が一部の放送局のホームページで公開され、あちこちの個人プログにも転載されていた。
 
また、この時期、ローズ+リリーへのラジオ番組への出演依頼も相次ぎ、政子はできるだけ出したくないということで、特に9月上旬は私がひとりであちこち出て行き、出演してローズ+リリーは秋からアルパム制作を始める(但し発売時期は未定)ということを言い、ローズクォーツの新曲もアピールしてきたのであった。
 
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9月初めにタレントさんのカレンダーを手がけている会社から、ローズ+リリーのカレンダーを作りませんか?という話が来た。一応検討したもののお断りすることになった。
 
「政子ちゃん、カレンダーとか作ってみる?」
「パスです。もっと可愛い子のカレンダーを飾るといいと思うな、みんな」
「マリちゃん、可愛いのに。でも、たぶんそう言われそうだったから、少なくともマリちゃんは写りたがらないと思います、と答えたら、ケイちゃんだけのカレンダーでもいいと言われたのだけど」
「私は政子と一緒でないなら写りません」
「だよね、そう言われそうだと思ったから、そう言っておいたんだけど、本人たちに聞いてみて欲しいと、熱心に言われたんで、一応聞いてみた。じゃ、カレンダーはパスね?」
「はい」
 
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ということで、カレンダーの件は消えたと思っていたら、町添さんから別件でカレンダーの話が持ち込まれてきた。なんと町添さんがわざわざUTP(うちの会社)の事務所までやってきたのである。用事があれば電話1本で須藤さんでも私でも呼びつける人が!
 
「狭い所で済みません」などと恐縮して須藤さんが応対する。
私がコーヒーを入れてきて、お出しする。そのまま出て行こうとしたが、「あ、ケイちゃんもマリちゃんも一緒に」などというので、音楽雑誌を読みながら様子を伺っていたマリを呼んできて一緒に話を聞く。どうも金曜日の夕方なら私と政子が高確率で事務所に出て来ているというのを知ってて、この時間帯を狙ってきた感じであった。
 
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「実は★★レコード所属の歌手のカレンダーを作ろうという企画があってね」
「はあ・・・カレンダーですか。ローズ+リリーでしたら、昨日も某出版社から打診があったのをお断りしたところで」
「まあまあ、そう邪険にしないで」と町添さんが笑う。
 
「ローズ+リリーのカレンダーもぜひ作りたい所なんだけど、それと別に年代別のカレンダーを作りたいという企画が今年はあってね」
「はい」
「中高生歌手のカレンダー、18歳から24歳くらいの大学生程度世代の歌手のカレンダー、20代半ばから30歳前後の歌手のカレンダー、まあ、ある程度のセールスが見込めるのはこの3つの世代かな、と」
 
「女の子だけですよね」
「当然。それぞれ、レモン、ピーチ、マンゴー、という名前で」
「男の人の発想っぽい」
「あはは、加藤君の命名だけどね」
「加藤さんが部長に言われて1晩悩んだという感じが・・・」
 
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「まあ、そういう訳でピーチに1枚出てくれないかな、という訳なんだけど」
私と政子は顔を見合わせた。
「町添部長から言われたら、お断りできませんね」と政子。
「マリがOKなら私は異存ないです」
「社長、私ビデオには出られないけどカレンダーやポスターはOKですよね?」と政子。「うん。契約には違反しない」と須藤さん。
 
「ありがとう。君たちは今の所9月を予定しているから。秋の装いでね」
「はい」
 
「ちなみに他にどんな人が出るんですか?」
「1月は振袖で百瀬みゆき、2月はチョコレートを連想する衣装でXANFUSの2人、3月は演歌歌手から唯一人エントリーする坂本旬子。十二単を着てお雛様風。4月は賑やかにFireFly20の24人、5月と6月は交渉中、7月は水着でKARIONの3人、8月も水着で谷崎聡子、9月が君たち、10月も交渉中で、これがこけたら、済まないけど、君たちを10月にコンバートさせて欲しい」
 
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「10月はもしかして魔女の扮装とか?」
「正解。ハロウィンね。11月がAYA, 12月がサンタの衣装でスイート・ヴァニラズ」
 
「10月の交渉中はスリーピーマイスか・・・・」
「まあ、想像に任せる」
「魔女の衣装になりそうだなぁ」
と笑いながら私は政子を見たが、政子も特に嫌がる風ではない。
 
そういうことで、私たちは2011年のカレンダーに1枚だけ出ることになったのであった。そしてやはりスリーピーマイスとの交渉は成立しなかったようで、私たちは魔女の衣装で10月を飾ることになった。政子はけっこうノリノリで撮影されていた。
 

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「でも水着なら辞退してたかも」
とその夜、私のマンションで政子は言った。
 
「何で?与論島で水着写真撮ったのに」
「写真集はいいけどさ。カレンダーだと1ヶ月間ずっと見られてる訳じゃん」
「えー?気にすることないのに」
「うん。気にしてたら仕方ないけどね」
 
「・・・オカズにされるのが嫌とか?」
「それはこういう仕事してたら仕方ないと割り切ってる。冬は可愛い女の子の写真とか、オカズにしてた?」
「うーん。何かオカズ使ってやった記憶って無いよ」
「へー。どういうこと想像してしてたの?まだできていた頃」
 
「何かを想像してってのあまり記憶が無いなあ・・・夜寝る時に何となく手が触れたら少しいじったりしてたけど、必ずしも出しちゃうとこまでしてなかったし。他の男の子たちが話してるの聞いてたら、みんな毎日出してるみたいな話だったから、え?そういうものなの?なんて思ったり」
「毎日出してなかったの?」
 
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「うーんと。ほぼ毎日触ってたけど、出すのは週に1回くらいだったかも」
「それは男の子にしては珍しいかも」
「うん。自分は他の男の子とは少し違うかも、という気はしていた」
「冬は元々男性ホルモンとか弱かったのかもね」
「そうかもね・・・」
 
「ね、正直に答えなさいよ。ローズ+リリー始める前に、女の子になりたいとか自分が女の子だったらとか、生まれ変わるなら女の子がいいなとか、そういうこと思ったこと無かったの?ここだけの話。追求しないから」
 
「・・・・たまにそんなこと考えることはあった。おちんちん、股にはさんで女の子ってこんな感じかな、とか思ったり。その状態で、このあたりがクリちゃんかな、ってあたりをぐりぐりしたり・・・・」
 
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「やっぱりね。もひとつ。スカート穿いたことは?あの高1の時以外で」
「・・・何度かあることはある」
「やっばり」
「内緒にしてて」
「いいよ。でも私ちょっと安心した」
「そう?」
政子は優しく私にキスした。
 

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