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■夏の日の想い出・男の子女の子(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-01-07  
「え?うそ?君、男の子なの?」
とゆみは驚いたように言った。
 

AYAのゆみはこの春から、何のアナウンスも無いまま実質休業していたのであるが、10月27日にふらりとケイのマンションを訪れ、半月前に北原春鹿(戸奈甲斐)さんと一緒に作った歌『Step by Step』のCubase Dataと自身で歌った仮歌の録音を渡し、
 
「これローズ+リリーで歌ってくれない?」
と言った。
 
北原春鹿はAYAのインディーズ時代の楽曲を書いていたアキ北原(故人)のお姉さんである。
 
ゆみがケイのマンションを訪れていた時、ちょうどそこに別件で醍醐春海先生が来訪。醍醐先生が占いの達人であることを知っているゆみは、自分の運勢を占って欲しいと頼んだ。それで醍醐先生が占ったら北の方位で運が開けると出た。そこでゆみは愛車カイエンに乗って北海道旅行に出てみることにした。
 
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大洗からフェリーで苫小牧に上陸し、帯広→道東→旭川→稚内→利尻・礼文→留萌→札幌と移動し、その間にチェリーツインの人たちと遭遇して美幌の牧場にも立ち寄った。ゆみは美幌から旭川に戻る途中、カイエンを運転してくれた桃川春美さんから彼女の悲しい半生を聞き、また稚内・礼文までの往復に同行してくれた細川理歌からは理歌の祖母の話と、醍醐先生の“夫婦事情”を聞き、ゆみは自分の育った家庭以上にややこしい家庭が世の中にはあるものだということを知る。
 
10.28大洗 29苫小牧 30支笏湖 31,1日高 11.02襟裳岬 3帯広 4釧路 5根室 6納沙布岬 7知床 8サロマ湖 9屈斜路湖・摩周湖・阿寒湖 10,11層雲峡 12旭川 13美幌 14旭川 15稚内 16野寒布岬・宗谷岬 17利尻・礼文 18稚内 19留萌 20札幌
 
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そして11月21日、理歌とともに醍醐先生の妹・村山玲羅の自宅を訪問。そこに身を隠していた元XANFUSの音羽と会った。音羽はゆみに、醍醐先生のもうひとりの妹である川上青葉にヒーリングをしてもらうことを提案。青葉は翌22日に札幌に飛んできて、セッションをしてくれた。
 
音羽はゆみがこの旅行中に書いた詩の中から『Take a chance』という詩に注目。これに曲を付けた。そして翌23日、醍醐先生のお勧めの旭川のスタジオでこれをふたりで歌い録音してもらった。そしてふたりが帰ろうとしていた時、偶然新人歌手・丸山アイの応援に来ていた∞∞プロの鈴木社長と遭遇する。
 
鈴木社長はゆみと音羽のユニットにXAYAと命名するとともに、音羽に自分の所と契約しないかと誘った。
 
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にわかにやる気が起きてきたゆみは、翌11月24日車を札幌に置いたまま、単身飛行機で東京に戻り、ローズ+リリーの『Step by Step』の音源制作に参加した。その制作中に、AYAの元マネージャー高崎さんと、バックバンドのリーダー杉山さんが来たが、ふたりはゆみに笑顔で手を振っただけで帰って行った。
 
この音源制作は27日に終わったが、ゆみはこの音源制作自体でもかなりの刺激を受けたものの、同時に自分の歌唱力が落ちていることを痛感した。それで11月28日、ゆみは醍醐先生に電話を掛けた。
 
「先日から色々お世話になってます」
「いやいや、こういう時はお互い様だしね。それに私もAYA結成に関わった1人だから」
「そうなんですよね!」
「あの時、私とアキ北原さん、雨宮先生、新島鈴世、毛利五郎、それに松前社長と加藤課長。この7人でAYAのデビューミニアルバム『涙の定期券』の制作会議をしたから」
 
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「わっ。そういうメンバーだったんですか!」
「だから実はAYAとローズ+リリーは同じ雨宮先生が影の仕掛け人という姉妹ユニットだったんだよね」
 
「知らなかった!」
 
「XANFUSとKARIONもデビュー前の段階で微妙に絡み合っているし、そのKARIONとローズ+リリーはケイ=蘭子がダブっているし。それとケイはPatrol Girlsに参加したこともあるんだよね。だから実はXANFUSにも勧誘されている」
 
「あ、XANFUSに勧誘された話は聞いたことある!なんかこの4組って元々運命共同体だったのかも知れません」
 
「うん。そんな気がするよ」
 

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「それでですね、醍醐先生。昨日までローズ+リリーの音源制作に参加してコーラス入れていたんですけど、私、自分の歌唱力低下に愕然としたんです。旭川で音羽と一緒に歌った時も微妙な違和感はあったんだけど」
 
「まあ、ケイみたいに上手な歌い手と歌うと特に感じるかもね」
「あ!それがあったかも」
 
とゆみは今気付いたように言った。
 
「それで私もっと自分を鍛えないといけないと思ったんです。どこかで基礎的なレッスンを受けられませんかね」
 
「うーん・・・・。30分待って」
「はい」
 
それで醍醐先生からは25分後に電話が掛かってきた。
 
「話付けたから。***ミュージック・アカデミーという所に相馬晃さんという人を訪ねて。取り敢えず1ヶ月程度レッスンを受けられるようにした」
 
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「わっ。相馬晃ってラッキーブロッサムの?」
「そうそう。解散した後、ここの先生になったんだよ。担当はギター・ベースなんだけど、相馬さんの生徒ということにして、ボーカルの専門の先生のレッスンも受けられるようにするから」
 
「分かりました!」
「授業料は私がサービスで出してあげるから、頑張ってレッスン受けて」
「きゃー、済みません!」
 
それで、ゆみは毎日そこの音楽学校にレッスンに通うようになったのである。学校側では、有名人ということで個室で個人レッスンを受けられるように配慮してくれた。
 
ゆみはこの通学を快適に感じた。
 
半年間引き籠もり生活していた頃はコンビニとかに行くのもおっくうで数少ない親友の国崎朋香(小学校時代の同級生でリュークガールズのリーダー)や、妹の世都子(遠上笑美子)に頼んで色々買ってきてもらったりしていた。ふたりの友人が代行してくれることもあった。
 
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しかし今ゆみはむしろ毎日外に出ることが快感になった。
 
幸いにももう最近はマンションの周辺に張っている記者も居なくなったので、安心して外出することができたものの、それでも人相が分からないように、黒いサングラスを掛けていたし、電車は避けタクシーを使用していた。(カイエンで出かけると駐車場に困る)
 

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そしてレッスンに通い始めて1週間経った12月5日。ケイから電話が掛かってくる。
 
「ゆみちゃん、ちょっと沖縄まで来ない?」
「え?」
「ローズ+リリーの沖縄公演にちょっと顔出してくれないかなと思って」
「え〜?幕間ゲスト?それはまだちょっと自信ないんだけど」
 
「それでもいいんだけど、私たちがステージ上で『スーパースター』を歌うからさ、その途中から登場して、メインを取ってくれないかと。私とマリがあすかとあおいのパートを歌うから」
 
「3人バージョンのを使うの?」
「うん。本邦初公開だよね」
「確かに! あれは直前で私1人で歌うバージョンに差し替えて発売したから」
 
「ツアー全部に付き合ってくれてもいいし」
「いや、沖縄だけで遠慮しとく。まだそこまで精神力が戻ってなくて」
「うん。いいよ。じゃ沖縄だけ頼んでいい?前橋さんの許可はこちらで取るから」
「うん!」
 
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12月7日、今年のYS大賞が発表された。
 
大賞は、しまうららさんの『ギター・プレイヤー』で、優秀賞は次の9組である。
 
松原珠妃の『ナノとピコの時間』、狩野信子の『みちのく恋の花』、秦野恵子の『心の波紋』、貝瀬日南の『花火恋物語』、谷川海里の『Lancer』、ローズ+リリーの『Heart of Orpheus』、KARIONの『アメノウズメ』、eight-eightの『君の学生鞄』、FireFly20の『体育祭の夢』。
 
私はローズ+リリーとKARIONの両方で受賞したが、私がKARIONの衣装の上にローズ+リリーの衣装を着て“早変わり”していたら、周囲の他の歌手さんたちが笑っていた。珠妃など
 
「もういいかげん蘭子とケイが別人って話はやめたら?」
と言っていた。
 
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この日は実はタカの結婚式も行われたので、実際には私と政子はタカの結婚式に出席した後、YS大賞の発表会場に移動した。
 

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12月9日には政子が自動車学校を卒業した。
 
この日政子が自動車学校に行っている間に私はΦωνοτονの新しい音源製作の現場を訪れた。音羽と光帆が水を得た魚のように生き生きとした表情で熱心に楽曲の調整と歌の練習をしているのを見て、心が温まる思いであった。
 
12月10日はローズ+リリーの『雪月花』の発売日で、★★レコードで発表記者会見をおこなう。むろんいつものように生演奏でいくつかの曲を披露した。
 
政子は翌11日に運転免許センターに行って筆記試験に合格。緑の帯の運転免許証を手にした。そしてその日の夕方、明日の沖縄公演に行くため私と一緒に羽田に向かった。
 

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一方、ローズ+リリーの沖縄公演に顔を出すことになった、ゆみも12月11日の夕方、羽田まで出かけて行った。
 
待ち合わせ場所に行くと、ゆみを見て手を振っているのが秋風コスモスなので一瞬逃げようかと思った。しかしコスモスは小走りでこちらに駆けてくる。
 
「はい、ゆみちゃんのチケット」
と言って那覇空港行きのチケットを渡される。
 
「コスモスちゃんも同行するの?」
「私は今回はちょいと顔出して営業する新人のマネージャー役」
「そんなことやってるんだ!?」
「何か押しつけられちゃったんだよ。君もそろそろ他人をブロデュースする仕事も覚えた方がいいとか言われて」
「すごーい。私はそんな話されたことない」
「ゆみちゃんはまだまだ自分を売るの自体で数年行けるもん」
 
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「あ。それでそちらの女の子がコスモスちゃんがプロデュースする子?」
とゆみはコスモスとさっきまで並んでいて、コスモスがこちらに走ってきたので置いてけぼりになり、向こうも慌ててこちらに寄ってきた女の子を見ながら言う。
 
「おはようございます。アクアと申します。よろしくお願いします」
とその女の子はきちんと挨拶した。
 
「おはようございます。AYAのゆみです。よろしくね」
とゆみは言ってから
 
「この子、凄く可愛いね!300年に1度の美少女って感じだよ」
と言う。
 
するとアクアが真っ赤になっている。
 
「300年に1度か。ランクが上がったな。★★レコードの町添部長は100年に1度の美少年と言っていたんだけどね」
とコスモス。
 
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「いや、100年に一度よりレベル高いと思う」
とゆみは言ってから、今コスモスが言ったことばに何か違和感を覚える。
 
「待って。今美少年と言った?」
「うん。この子は男の子」
「うっそー!?」
 
「君、男の子なの?」
と本人に訊く。
 
「すみません。ボク男ですけど、よろしくお願いします」
とアクアは申し訳なさそうに言う。
 
「まあ少女と見紛うほどの美少年だよ」
とコスモスは言った。
 

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