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■夏の日の想い出・男の子女の子(15)

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淳はみんなから「そろそろ性転換手術を受けるべきだ」と言われて、かなり悩んでいた。彼女は女装癖が会社の上司にバレてしまったことから「女性のSEさんにお願いと言われた案件で君、女装して担当して」と言われて、2012年3月以来、もう2年近く「OL生活」をしている。
 
「いいかげんもうちゃんと女の身体になるべきだよね〜」
「会社も淳がその内性転換することを想定していると思う」
「むしろいつまでも性転換しないのは詐欺」
 
「実際問題として、そのおちんちん使ってないんでしょ?」
「えっと・・・」
と淳は言いよどんだものの
 
「私たちはレスビアンセックスしかしないよ」
と和実が言っちゃう。
 
「だったらおちんちん邪魔じゃん」
「常時タックしてるんだろうけど、タックって日々のメンテが凄い大変じゃん。取っちゃえば楽になるよ」
「どっちみちふたりの間には赤ちゃんできたりしないから、おちんちんが存在する必要性は無いよね」
 
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などとみんなから言われて、淳もかなり心が揺れていたようである。
 

しかし和実は、実は男同士でも子供を作る方法がある、と言って、男性が遺伝子的な母親になる方法を詳しく説明してくれた。IPS細胞を利用して巧みに本人の遺伝子を持つ卵子を作ってしまう方法(IPS細胞自体を卵子に成長させる訳ではない)で、和実の友人の医学生から聞いたらしいが、動物実験では既に成功しているという。
 
しかし、そういう面倒な事しなくてもセックスして妊娠すればいいじゃんという話になり、今居るメンツの中で、私と千里と和実、ここに居ないメンツで青葉はたぶん妊娠可能という結論?に達する。
 
そして何故か奈緒が妊娠検査薬を持っていて、私と千里と和実に、これにおしっこを掛けて来なさい、などと言う。
 
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さすがに私は妊娠する自信は無いと思いつつも、結構不純な動機で私は妊娠検査薬なるものを一度使ってみたかったので、やってみたが、私は−(陰性)だった。和実も−だったが、驚くべく事に千里の結果は+(陽性)だった。
 
「千里、妊娠してるの?」
と言って皆驚いたのだが、当の千里は
 
「私が妊娠する訳ないじゃん」
と笑って言っていた。
 

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この時期、私と関わりのあるユニットの作品リリースが相次いでいる。
 
1.21 ローズ+リリー『雪月花』海外版リリース 
1.28 AYA復帰作『変奏曲/九十九折り』
(変奏曲は上島雷太、九十九折りは水森優美香/PolarStar) 
2.04 KARION 9th Album『四・十二・二十四』  
2.11 XANFUS復帰作『Beginning of the Eternal』 
2.11 Hanacleデビュー曲『花の優しさ』 
2.18 福留彰『遠来橋』 
 
AYAとXANFUSが復帰したのは、私は感無量だった。
 
XANFUSの前作『DANCE HEAVEN』は公式サイトの作品リストから抹消されて「無かったこと」にされた。それで今回の『Beginning of the Eternal』が40万枚も売れたことから、連続ゴールド(今作品で15作)は継続しているものとみなされた。
 
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2月11日(祝)、龍虎は学生服を着て駅まで来ていた。
 
龍虎が属しているコーラス部の新人大会があるのである。
 
龍虎は習い事としては、ピアノ、ヴァイオリン、バレエをしていたのを昨年夏オーディションに合格して§§プロと契約した時点で辞めている。しかし学校の部活については、学校教育の一環ということで継続していた。しかし来月歌手としてデビューすることになったので、コーラス部側のアマチュア規定に引っかかることから、デビュー前の2月いっぱいで退部することにした。
 
新人大会は年内に市の大会があり、龍虎たちのQR中学は優勝して県大会に進出した。それで今日は県大会であった。これが龍虎がコーラス部員として参加する最後の大会ということになる。
 
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ところで龍虎はソプラノである。
 
中学生なので、ソプラノ・アルト・男声という三部合唱なのだが、龍虎は実は男声パートが出ない。それで夏の大会でも今回の新人大会でも、龍虎はひとり学生服を着て、周囲がセーラー服の子ばかりのソプラノパートの所に並んで歌った。
 
合唱のパートごとの位置は、ステージ上手(かみて:舞台から見て左=客席から見て右)から低音→高音の順に並ぶのが一般的で、龍虎以外の男子部員たちが上手(かみて)、アルトの子たちが中央付近、そしてソプラノの子が下手(しもて:舞台から見て右=客席から見て左)に並ぶ。
 
もし龍虎がアルトであったら、アルトの子たちの中でいちばん男子たちに近い所に龍虎を立たせれば目立たないのだが、ソプラノだとそういう訳にはいかない。それでこれまでの大会では龍虎は結構目立っていたのである。
 
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ただ合唱というものの規定では、合唱のパートは「声」で分けるのであり、生物学的な性別とは関係無いとされている。だから、男子であっても女声が出れば女声パートで歌っていいし、女子であっても男声が出るなら男声パートで歌ってよい。実際、中学生には、まだ声変わりが来ていないボーイソプラノの子がたまに居るので、こういう光景は全く見られない訳ではない。
 
それでも、夏の大会の市大会・県大会、新人大会の市大会で、他の学校で女子の列の中に男子が混じっている学校は龍虎たちの学校以外には無かった。
 

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この日は朝7時集合だったので、龍虎は学生服を着て6:45くらいに駅前の集合場所に行った。何人かギリギリで走ってきた子もいたが7:05くらいまでには全員揃う。それで電車に乗って30分くらい走り、県大会の会場のある町まで行った。
 
そして会場に入ってからロビーで待機している時に唐突に部長の真希さんが言い出した。
 
(後から考えると計画的犯行だった)
 
「田代君さぁ、これまでのように男子制服のままソプラノの列に並ぶと目立つよね」
 
「まあ、それは仕方無いんじゃない?」
と副部長の軽井君。
 
「でも今までは良かったけど、田代君テレビに出て有名人になってるから、その目立っている子が《アクア》だ!というのが分かると騒ぎになって大会が混乱するんじゃないかと私心配で」
と真希。
 
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「うーん。じゃパートはソプラノでも、男子の所に立たせる?」
と軽井君。
 
「それでも田代君はちゃんとソプラノ歌えると思うけど、周囲の男子が田代君につられて音程を間違ったりしかねないと思うんだよね。田代君、凄く上手いから」
 
「じゃ、どうするの?」
 
「田代君にはセーラー服を着てソプラノの所に並んでもらうというのはどう?」
 
「え〜〜!?」
と龍虎は声をあげたのだが、軽井君は
 
「なるほど!それはいいアイデアだ」
と言った。
 

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「でもセーラー服の予備とか無いんじゃないの?」
と顧問の須賀紀枝先生が言う。
 
このあたりの会話を聞いていると、いったい誰々までが「ぐる」だったのかは判然としない。しかし「主犯」っぽい宏恵が発言した。
 
「龍ちゃんのセーラー服、私が持って来ました」
と言って、バッグの中から取り出す。
 
「うっ・・・」と龍虎は思った。そのハミングミントのハンガーに見覚えがあったのである。それはボクの部屋に掛かっていたハンガーだ!
 
ただ、龍虎はそのハンガーに純粋にセーラー服の上下だけ掛けておいたのだが、宏恵が持っているハンガーには、白いブラウスまで掛かっている。これって、絶対、お母ちゃんも共犯だ!
 
「それ誰のセーラー服?」
と先生が尋ねる。
 
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「龍ちゃんのですよ。龍ちゃん、自分のセーラー服を持っているんです」
 
「え〜〜〜!!?」
と部員たちから声が上がるが、続いて出てくるのはこういうセリフである。
 
「そんなの持ってるなら、それを最初から着て来れば良かったのに」
「学校にも普段からセーラー服で出てくればいいのにね」
「龍ちゃんのセーラー服写真、写真集で見ちゃった。凄く可愛い」
「やはり田代はもう女子生徒になるべきだよな」
「いや、実はこっそり手術をして既に女の子になっているという疑惑もある」
「噂で聞いたけど、もう戸籍の上でも女になってるんだって」
「名前はやはり《りゅうこ》の《こ》の字を女の子の子に変えて《龍子》でしょ?」
 
それでみんなから
「じゃ、龍ちゃん、セーラー服に着替えてきなよ」
「じゃ、田代、セーラー服に着替えてこいよ」
と言われてしまった。
 
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「で、でも、こういうの制服で出ないと行けないのでは?」
と龍虎は焦って反論するものの
 
「セーラー服は間違い無く制服」
とみんなから言われてしまう。
 
「何なら着替え手伝おうか?」
と宏恵は言うが
 
「いい!自分で着替える」
と龍虎は言うと、宏恵からハンガーを受け取る。
 
彩佳になら、下着姿とか裸とかを見せても平気なのだが、宏恵に見せるのは緊張する。もっとも龍虎は小学6年生の修学旅行の時に女湯に連れ込まれてしまったので、その時クラスの女子全員の裸を見ているし、自分の裸も全員に見せているのだが。
 
ともかくも龍虎はそのハンガーを持って、会場の“女子トイレ”に入って行った。
 
一瞬、部員たちが顔を見合わせる。
 
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「学生服姿で女子トイレに入って騒ぎになったりしない?」
「いや、龍は学生服を着てても男装女子中生にしか見えないから問題無いと思う」
「確かに」
 
「でも田代、何の抵抗もなく女子トイレに入った気がする」
と男子から声が上がるが
 
「まあ学校でもよくふざけて龍ちゃん女子トイレに連れ込んでいるし」
と女子からの声。
 
「つまり女子トイレに慣れているのか!」
 

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それで実際部員たちが待っていると、3-4分でセーラー服を着た龍虎が出てくる。
 
「可愛い!」
「似合ってる!」
と女子部員たちは嬉しい悲鳴をあげているし、男子部員たちも
 
「すげー。ちゃんと女子に見える」
と感心していた。
 
ちなみに女子トイレで何かの騒ぎが起きた気配は無い。
 
龍虎が手に持つハンガーにはワイシャツと学生服上下が掛かっているが、宏恵が
 
「それ預かってあげるね」
と言って、ハンガーごとたたんで自分のバッグに入れた。
 
「でも、龍ちゃん、ちゃんとリボンきれいに結べてるね」
「これだいぶ練習したー」
「最初はうまく結べなかったでしょ?」
「うん。難しかった」
 
「でもいつからセーラー服なんて持ってたの?」
「こないだ知り合いのお姉さんがセーラー服買ってあげるよと言って買ってくれたんだよ。ボクは要らないと言ったのに」
 
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「要らない人がリボンの結び方まで練習する訳ないよね」
「うん。なんか龍ちゃん、喜んでセーラー服を着ている気がする」
 
「別に喜んではないんだけど・・・」
 
「恥ずかしいとかは感じないんでしょ?」
「恥ずかしいよぉ」
 
「それは嘘だ」
とみんなから言われる。
 
「龍ちゃんがスカート穿いて町を歩いている所、私見たことある」
と言っている子もいる。
 
「実は小学校の頃は何度かスカートで学校に出てきたこともある」
と古くからの友人がバラしてしまう。
 
「ほほお」
 
「それで明日からはセーラー服で通学してくるんだよね?」
「学生服で来るよぉ」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
 

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龍虎はセーラー服を着たままソプラノの子たちと一緒にステージに立った時、これまでのように学生服を着てここに立っていた時より、ずっと気分的に楽な気がした。
 
自分自身がリラックスしているし、周囲の女の子たちも龍虎に対して身構えていない感じがするのである。
 
それで龍虎はこの日の歌唱では、物凄く気持ち良く歌うことができた。
 

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結局、セーラー服を着たまま客席に座り、他の学校の歌唱も聴く。途中他の女子に誘われてトイレに行ったが(龍虎がトイレに行けずに我慢しているのではと配慮した子たちが誘ってくれた感じもあった)、龍虎が普通に女子トイレ名物の待ち行列に並んで、おしゃべりしながら待っているので
 
「龍ちゃん、やはり女子トイレに慣れてる」
と複数の子から小声で言われた。
 
トイレを出てから
「龍ちゃん、座っておしっこできた?」
などと心配して訊いてくれた子もいたが、古くから龍虎を知っている子は
 
「龍は男子トイレに入っても個室しか使わない。これ昔から有名」
などと言う。
 
「ほほぉ」
 
「つまり立っておしっこするために必要な器官が存在しないのではという噂は昔からある」
 
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「やはり存在しないの?」
「存在してるよー」
と龍虎は困ったような顔で答えたが、若干の後ろめたさもあった。
 

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■夏の日の想い出・男の子女の子(15)

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