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■夏の日の想い出・男の子女の子(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-01-08  
ローズ+リリーのライブツアーは続いていた。
 
12.12(金)那覇 13(土)熊本 14(日)宗像 19(金)松山 20(土)倉敷 21(日)富山 23(祝)長岡 24(水)河口湖 26(金)浜松 27(土)大宮 28(日)神戸 30(火)東京 31(水)福島 1.1(木)札幌 3(土)名古屋 4(日)大阪 5(月)福岡 9(金)広島 10(土)仙台 11(日)千葉 12(祝)横浜
 
といったスケジュールである。
 
ここで27日の大宮までは2000-3000人クラスのホールなのだが、28-31日は5000人クラスの体育館、1月1日以降は1万人クラスのアリーナになっている。
 
『雪を割る鈴』演奏途中の“鈴割り役”は12/12 12/21 12/30-31の4日間をアクアにやらせて、それ以外の日は、様々な人にお願いしていた。特に年内は各公演地のローカルアイドルや地元放送局のキャスターさんなどにお願いした。
 
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大宮では埼玉県を地盤に活動しているリュークガールズのリーダー国崎朋香にやってもらった。
 
リュークガールズは以前はテレビにも出ていたので結構知名度もあるのだが、最近ははほとんどテレビには出ておらず、すっかり「地下アイドル」と化してしまった。朋香は今年一杯でリュークガールズを辞めて、芸能活動も終えることになっているということでこれは彼女にとって花道になった。
 
ローズ+リリーはデビューして間もない頃、リュークガールズの前座を務めたこともあり、私たちは彼女に花束を渡し、彼女が今月いっぱいで引退することを会場でアナウンスすると、大きな拍手が送られ「お疲れ様−!」という声が掛かっていた。
 
28日神戸では§§プロの新人・高崎ひろかを出した。これが彼女にとっては、この名前で公の場に出る最初の体験である。年内に幾つかのテレビ番組の収録には出ていたものの、放映されるのは年明けになる。
 
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彼女は実は§§プロの第1回ロックギャル・コンテストの準優勝者である。優勝者のアクアが男の子だったため、結果的には彼女が初代ロックギャルとなった。
 
「いや、アクアちゃんがあまりにも可愛いし歌もアイドルにするのはもったいないくらい上手かったから、完璧に負けた〜と思っていたんですけどね」
 
「男の子だったと聞いて仰天しました。女の子ではないようには全然見えなかったんだもん。ただ、おっぱい小さいなとは思ったけど」
 
などと彼女は言っていた。
 

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「ひろかちゃんに真剣に訊きたい」
と政子が言った。
 
「何ですか?マリさん」
「コンテストって水着審査もあるよね?」
「ありましたよ」
「アクアも水着になったの?」
「もちろん」
「それ、男の子水着を着たの?女の子水着を着たの?」
 
「ロックギャル・コンテストですから、当然女の子水着ですよ」
 
「おぉ!!!」
と言って、政子は喜んでいる。
 
「ね、ね、その時、お股の所どうだった?」
「別に意識して見てないですけど、変だったら、え?と思ったと思いますよ」
「だったら、やはりアクアって、おちんちん無いんだ?」
 
「その疑惑は一部にありますけど、こないだ病院で診察受けて間違い無く男の子という診断書もらったらしいですよ」
 
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「それうまく病院の先生をごまかしたとか」
「それは無茶だよ」
と私は言った。
 

ローズ+リリーの公演では、30-31日にアクアに鈴割り役をしてもらった上で、1月1日以降は当初はXANFUSの光帆にやってもらう予定だった。この計画を立てた時は、音羽が解雇されて精神的に辛い状態にある光帆の応援の意味もあった。
 
しかし12月1日に光帆まで解雇されてしまったため、計画を見直すことになった。&&エージェンシーは光帆が辞めたので、震来か離花にしてもらえないかと言ってきたが、光帆に頼んでいたのはこれまでのローズ+リリーとの交流があったからというので、これまで接点の無かった新人さんでは困るとお断りした。すると向こうは出さないのならキャンセル料を払えと言ってきた。これには町添さんが激怒して、迷惑料を払うのはそちらでしょ?と言って交渉している内に、向こうでクーデータが起きて社長交代。栄美新社長はこの件に関して不手際を陳謝した上で、うちから出演料相当額を払うから、Φωνοτονの光帆さん・音羽さんに出てもらう線ではどうでしょう?と言ってきた。
 
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それで、こちらでもその線で予定していたのだが、30日の深夜、町添さんから電話が掛かってくる。
 
「アクアに対する反響が凄まじすぎる」
「今日はアクアを一目見ようと楽屋口に若い女の子が集まって、外に出すのに苦労しました」
 
「それでだけど、今回のツアー、1月1日以降、全部アクアちゃんに鈴割り役をしてもらえないかと思って」
 
「こちらでは構いませんよ。でも、鈴割り役に予定していたXANFUSは?」
「彼女たちには歌を2〜3曲歌ってもらうということで」
「行けると思います。つまり幕間ゲストを2組にするんですね。ちょっと連絡してみます」
 
それで私は音羽に連絡した。音羽は10月に可愛いアクアの姿を見ているので、笑って快諾してくれた。一方町添さんはコスモスに連絡して、アクアの日程を押さえてもらった。
 
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そういう訳でこのツアーの後半はアクアが毎日出演することになったのである。
 

この30日には、今年のRC大賞が発表された。私たちはこの日は東京公演だったので、RC大賞の会場で撮影に臨んだあと公演会場に向かった。
 
今年の大賞はワンティス『フィドルの妖精』で、上島先生たちが発表会場のステージでこの曲を演奏すると大きな歓声が起きていた。なおリードギターは元クリッパーズのnakaさんである。
 
その他、ローズ+リリーの『Heart of Orpheus』、KARIONの『アメノウズメ』、松原珠妃の『ナノとピコの時間』、しまうららさんの『ギター・プレイヤー』、などといった所が金賞を受賞したのだが、実は私はここまでの5曲全部に関わっているので、上島先生から「今年はケイちゃんのためのRC大賞だね」などと言われた。
 
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(私は『フィドルの妖精』(FK名義)『Heart of Orpheus』(ケイ名義)『アメノウズメ』(水沢歌月名義)の作曲者で、『ナノとピコの時間』のテーマになっているピコ本人で、『ギター・プレイヤー』は作曲名義になっているヨーコージの一部である。つまり5通りの名義で各曲に関わっている)
 
私はむろんローズ+リリーとKARIONで歌唱したが、松原珠妃は自分の歌の間奏が流れている最中にわざわざステージから降りて私を連れにきたので、ナノとピコのツーショットが11年ぶりに公の場に出ることとなった。
 
この日は千里も新人賞(最優秀新人賞ではない)を取った阪元アミザの作曲者としてドレス姿で会場に来ていたものの、言葉を交わす時間は無かった。
 
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実は醍醐春海がこの手の式典に出てきているのは珍しいので、私は、彼女もいよいよ大学院を卒業するし、この後は専業作曲家として、この手の場所にも露出するつもりかな・・・とこの時は思った。
 

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31日の福島公演の後は、移動して仙台で泊る。そして翌1月1日朝の飛行機で新千歳に飛び、1月1日の札幌公演とこなす。
 
「鈴割り役」はこれ以降は毎日アクアである。
 
30日は予告無しに登場してアクアの登場シーンの歓声が凄まじかったのだが、その後
「アクアちゃんはこの後、ローズ+リリーの公演には登場しないんですか?」
という問い合わせが31日の10時以降、★★レコードやUTP、そしてイベンターにも物凄かった。(UTPやイベンターさんの電話が一時使用不能になった)
 
それで31日以降は全ての公演に登場しますというと
「チケットはもう無いんですか?」
と質問される。
 
むろんローズ+リリーのチケットは全て売り切れているが、こちら側ではこの事態を予測して手は打っておいた。
 
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「1月1日以降の各会場、市内数カ所で有料のライブ・ビューイングを行いますので、詳細はローズ+リリーの公式ホームページ、および★★レコードのローズ+リリーのコーナーで情報をご確認ください」
と案内した。
 
それで今度はこの2つのサイトが、つながりにくい状況が正月3ヶ日くらいまで続いた。(あおりをくらって★★レコードの他のページまで閲覧しにくい状況に陥った)
 

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§§プロのホームページには12月29日の放送終了後即アクアの名前と写真が掲載され、ローズ+リリーのライブ・ビューイングの案内も行われた。また先日ハワイで撮影した写真やビデオの一部が公開され、写真集もビデオ集も1月1日発売と案内されたので、アマゾンへの予約が凄まじい数入った。
 
その予約の凄まじさが紅川さんや町添さんの予想を遙かに超えていたので、31日夜、町添・紅川・コスモスの三者電話会談を経て、写真集の増刷、DVDの追加プレスを決めた(紅川さんは東京にいるが、町添さんは仕事で渡米中、コスモスは自身のライブで大阪に居た)。
 
アクアの写真集とビデオが発売されることは30日の東京公演、31日の福島公演でも案内している。
 
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1月1日は朝から仙台→新千歳の飛行機で移動して、札幌入りしたのだが、午前中軽くリハーサルをしてから、お昼を食べていると、政子が今日発売されたばかりのアクアの写真集とビデオDVDを持っている。
 
「もう手に入れたんだ!?」
「窓香ちゃんに頼んで、買ってきてもらった」
と政子。
「マリさんが自分で買ってくるとおっしゃったのですが、公演前にマリさんを外に出す訳にはいきませんから」
と窓香。
 
「大変じゃ無かった?」
「行列ができていて、整理券配ってました」
「人気ゲームの発売日みたい!」
「まさにそれでした。リハ終わった後行っても買えなかったと思います」
 
「なんか凄いですね。他人事みたいに言うけど」
とキュロットを穿いているアクア本人が近くで言う。政子にスカートを穿かされそうになったところをキュロット(本人が持っていた)で勘弁してもらったのである。
 
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「自分の写真が何十万人もの人に見られているって少し変な気分だけど」
「まあ、アイドルってそういう仕事だよ」
 
「ぐふふ。アクアちゃんの写真可愛いなあ。特に最後のページがいい」
などと政子は言っている。
 
実はこの写真集の最後のページには「七色セーラー服」を着たアクアの写真が掲載されているのである。中央に学生服のアクアが大きく写っており、それを取り囲むように七色のセーラー服を着た小さな写真が配置されている。
 
「29日の放送の後、友だちからの電話やラインが凄まじかったんですよ。可愛いかった。このまま女の子になっちゃいなよとか。この写真集を見た後の反応が気が重い」
とアクアは言っている。
 
「冬休み明けからはセーラー服で通学するんでしょ?」
「そんなことしませんよ!」
「マリ、そんなことあまり言っているとセクハラだからね」
と私は注意するが、とっくにセクハラ・パワハラになっている気もする。
 
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そんなことしている内に、千里が来訪してチョコレート菓子を差し入れしてくれる。里帰りしてたの?と訊くと、就職することになったので保証人のハンコをもらいに来たというので驚く。
 
「千里、就職するの!?」
 
「それが先輩から勧められて行った会社の専務さんが気に入ってくれて。私は女にしか見えないから性別は気にしなくていいし、ぜひうちに来てくださいなんて言われて。ソフトハウスなんだけど」
と千里。
 
12月30日に大学の院生室にいたら、そこにやってきた先輩から、君就職は決まったの?と訊かれ、面接40連敗だと言ったら「ここに行ってみて」と言われて行ったら採用されてしまったらしい。
 
「でも30日って、千里、RC大賞の会場に来てたよね?」
「うん。大学からその会社に行って採用された後、会場に行った。そしてその後、北海道に帰省する友だちの車に相乗りして戻って来た」
 
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「忙しい!」
 
「でも千里、プログラム書けたんだっけ?」
「私、自分が組んだプログラムがまともに動いたことない」
 
「うーん。。。だいたい千里、就職する必要なんて無いでしょ?」
「雨宮先生から叱られた。とりあえず毎月回す作曲依頼の数を4月以降今までの倍にするつもりだったけど、3倍にするからと言われた」
「あぁぁ」
 
「私、3月にはユニバーシアードの代表にも招集されるし」
「大丈夫〜?」
「代表活動の間は休んでいいと専務さんは言っていた。まあ、それでクビになっても構わないし」
 
「それ早々にクビにしてもらった方がいい気がする」
 

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■夏の日の想い出・男の子女の子(5)

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