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■Les amies 結婚式は最高!(3)

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晃は白いブラウスに黒いフレアースカート、モスグリーンのカーディガンを着ている。髪は以前付き合っていた時より長い。あの時切っちゃった髪がこれだけ長くなったのね。ここまで伸びるのに3年は掛かったんじゃないかな、などと小夜子は考えた。
 
やがて注文した料理が来る。ピザにホットチキン。あ、ホットチキン大好き。と思って取って食べる。そういえば少しお腹空いてきたな。社長と飲んだのが8時頃だからもう3時間以上たってる。私3時間もどこを歩いてたんだろ。
 
「でもサーヤ、しっかり美人になってる。彼氏いるの?」
「ありがと。恋人はいないけど、アッキーとまた恋人になるつもりはないから心配しないで」
 
また私の馬鹿〜。ずっと好きだったのに。なぜ今日はこんなに私って素直じゃないんだろう。こんな会話してたら、このまま『じゃ、また。さよなら』になってしまいそう。などと思いながら、お腹が空いてきたのでピザを食べる。
 
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「でもアッキーも随分美人になったんじゃない?」
「ありがとう。メイクの技術上がったと思うし。それとボクもしばらく恋するつもりはないから大丈夫だよ」
 
ふーん。。。。じゃ取り敢えず今恋人はいないのかな。
 
「お客さんのメイクとかもするの?」
「するよ。若い女の子向けにミニ・メイク教室とかやったりもしてるよ」
「へー」
「まあ少人数の美容室だから、そういう仕事もやらせてもらえるんだろうけどね」
「ああ、前の美容室やめたのね」
 
「うん。あそこでは一応シニア・スタイリストまで行ったけど、大手は基本的に分業方式だからね。ひとりのお客さんの、髪を切る人、シャンプーする人、パーマ掛ける人がぜんぶバラバラ。どうかすると左右で別の人がパーマ掛けたり。それでは『その人の髪』に責任を持てないと感じて、マンツーマンで、ひとりのお客さんの髪について全部ひとりの美容師が担当する方式の所に移ったんだ」
「へー」
 
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小夜子はウェイトレスが持って来たケーキを自分の傍に引き寄せ食べ始める。続けてお汁粉も来たので、一気に飲み干す。うーん。甘いもの最高!
 
「おかげで、ここではメイクとか着付けとかもさせてもらえる」
「着付け?相手は女性よね」
「一応、30歳未満のお客さんは全部女性の美容師さんがする方針。30歳以上のお客さんで、ボクでもいいという人を担当してる」
 
「でもアッキーだと、半分くらい女の同類かも知れないから、いいのかもね」
「うーんと・・・・そうだ!」
 
「何か?」
「唐突だけど、サーヤさ、着付けの検定のモデルとかやってくれないかなあ」
「検定のモデル?」
「実は今年から着付けの国家試験ができたんだ。筆記試験は既に通って12月に実技試験があるんだけど、これが人間のモデルに振袖の着付けをしないといけないんだ」
 
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おお、素晴らしい。これで晃としばらくつながりができる!
 
「12月か。まあいいよ。私とアッキーの仲だしね。有休とってモデルしてあげる」
「助かるよ、頼めるような女の子がいなくて、どうしようかと思ってた。それで検定前にもできたら練習で着付けさせてもらいたいんだけど」
 
「練習・・・・どのくらいの頻度で?」
「できれば毎週1回くらい。検定の前の数日間は可能なら毎日」
「毎日!?」
 
それは素敵だ!ラブチャンスじゃん、と思ったものの、顔には出さないようにして素っ気なく返事をする。
 
「・・・・まあ試験だしね。いいよ。そうだ、今からうちに来て、ちょっと着付けしてみてよ」
「今から?夜中だけどいいの?」
「ためらうような仲でもないしね」
 
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そういう訳で、小夜子は深夜、晃を自宅まで連れて行った。母はまだ起きていた。
 
「おかえり。随分遅かったのね」
「うん。でもお友達と一緒だったから大丈夫。今夜泊まってもらうから」
「あ、すみません。お邪魔します」
晃は慌てて小夜子の母に挨拶した。
 
「あら、美人のお友達ね」と小夜子の母がにこやかに言った。
 
小夜子は晃を自分の部屋に連れて行き、いちばんお気に入りの振袖を晃に着付けさせた。途中で母も様子を見に来て、晃の着付けを見、満足そうな笑みを浮かべる。
 
「あなた、腕力があるのね。しっかり締まっている」と小夜子の母。
「ありがとうございます。でも着付けは全身運動ですね」
「お母ちゃん、アッキーは剣道やってたから腕力あるんだ」
 
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「へー。それは凄い。日本の伝統武道を嗜む大和撫子なのね。でもふくら雀がきれいにできてること。ふんわりして形が上品。私もこんなにきれいには作れないわ。さすがプロね」
 
あ、お母ちゃん、晃を気に入ったみたい、と小夜子は思った。でもお母ちゃん、大和撫子なんて、晃のこと女の人だと思ってるよね。そうだなあ、いっそのこと女友達で押し通しちゃおうかなあ。どうせ晃も女の子になりたいんだろうし、などと小夜子は考えた。
 
母が下がったあと、晃は小夜子の求めに応じて記念写真を何枚か撮り、今度は着物を脱がせていった。終わったのはもう4時近くだった。
 
「えへへ。久しぶりにこれ着たし。mixiの日記に載せちゃおう」
「サーヤ仕事は?」
「私は土曜日はお休み」
「ボクは9時半にはお店に出ないと。余ってる毛布とかあったら、恵んでくれる?部屋の隅で寝るから」
 
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「あら、ベッドで一緒に寝ましょう。セミダブルだからふたりで寝れるよ」
「え、だって」
「遠慮する仲でもないでしょ?あんな所まで舐めあったことのある仲だし」
「あのねぇ・・・」
 
「Hはしないよ。我慢できるよね」
 
小夜子はこんなことを言っておいてベッドの中で誘惑しちゃおうという魂胆だった。
 
「我慢も何も、純粋に睡眠を取りたいから」
「じゃ、一緒に寝よう。私パジャマに着替える。私ので良ければパジャマ貸すよ」
「うん、助かる」
晃は小夜子のパジャマを借りると手早く着替えてベッドに潜り込み奥の方で丸くなって眠り込んだ。
 
「アッキー」と小さい声で呼びかける。
 
が反応が無い! えーん。もしかしてもう眠っちゃった? せっかくベッドまで連れ込んだのに。眠っちゃったらセックスできないじゃん!!
 
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でもいいかな・・・・毎週連れ込めるなら、そのうち籠絡できるよね。小夜子はそんなことを考えながら、晃を愛おしい視線で見ていたが、やがて自分もベッドに潜り込み、晃の額に軽くキスするような真似をする。そして少し離れた位置で目を閉じ眠りの世界に入っていった。
 

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その後、晃は毎週水曜と土曜の夜に小夜子の家を訪問し、着付けの練習をさせてもらうことになった。水曜は晃も早番だし小夜子もノー残業デーなので早めに始めて終電前に終わり自分のアパートに戻るが、土曜日は遅くなるのでそのまま泊まっていくのを常にした。泊まる時は小夜子のベッドに一緒に寝たが、ふたりの間には何も起きなかった。
 
小夜子は一度裸で先にベッドに入り、いたずらっぽい視線で見つめたりしたが、晃は困ったような顔をして「ちゃんと服着ないと風邪引くよ」と言い、軽く頬にキスしただけで、壁のほうを向いて寝てしまった。自分に魅力や欲情を感じないから何もしなかったというより、自分を大事にしてくれるから何もしなかったというのを、小夜子は晃の優しいキスで感じ取った。
 
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小夜子もそういう関係を続ける内に、自分たちは「女友達」という関係の方がいいのかも知れないという気になってくる。それである時言ってみた。
 
「ねえ、性転換手術の費用無いんだったら、私出してあげるよ」
「いや、なんでそうなるの。ボクは男だし、女になりたい訳じゃないから」
「性転換手術までしなくても、去勢して女性ホルモン飲むだけでもかなり女らしいボディになれるんじゃない?」
 
「そんなのしない。ボクは単に女の子の服を着るのが好きなだけだから」
「本物のおっぱいとか自分のものにしたくない?」
「ないない。一応、ボクも可能なら将来女の人と結婚して子供も作りたいし」
「私、産んであげようか?」
「はあ?」
「アッキーの子供を私が産んで。そうねえ、2人くらい子供作ったら、スパッとおちんちん取っちゃうとか」
「なぜ取る必要がある?」
 
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「私レズになってもいいよ。アッキーは女の人としても充分適応していけると思うし、というか事実上既に女になっちゃってる気もするしね」
「そうかなあ。。。。でもさ」
「うん?」
「ボクとサーヤって、子作りというかHしない関係の方がうまく行きそうな気がする。まだ先のことは分からないけど、当面『女友達』でいない?」
「うん」
 
小夜子はまじめな顔に戻って頷いた。やっぱりそうなのかも知れないな、という気もする。5年前に恋人として付き合っていた時は、晃の女装がストレスだったのに、今回はセックスもせずにほんとに「女友達」状態で付き合っているが、ふたりの関係はとても順調だし、何もストレスがなくて、晃と一緒にいることが純粋に楽しい。
 
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「でもさあ、私達が恋人に戻らないとしたら、私が他の男の人と結婚しても平気?」
「ショックだけど、受け入れるよ。君が選ぶほどの人なら」
「ふーん。やはりショックなんだ」
「そのあたり、あまり突っ込まないで欲しい」
「うふふ」
 

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検定前の一週間は晃は小夜子の家に寝泊まりしてたくさん練習をし、そこから美容室にも通うようにした。小夜子の母は歓迎な様子で「なんでしたらずっと居てくださってもいいのよ」などと言っていた。
 
しかし検定が終わってしまうと、晃は当然来なくなる。小夜子はイライラする気分だった。
 
「あきらさんはいらっしゃらないの?」と母から訊かれる。
「だって試験終わったし」と小夜子。
「別に試験と関係なくてもお呼びすればいいのに。友達呼ぶのに理由なんて必要?」
「あっ」
「あなたたち、ほんとにのんきね。私をいつまで待たせるのかしら」
「え?」
 
「あきらさんと、あなた以前交際してたでしょ。もう随分前だけど。写真見せてくれたじゃない」
「よく覚えてたわね。。。。結局うちに連れてきたことなかったのに。あれ?お母さん、彼女が男の子と分かってた?」
 
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「そりゃ分かりますよ。仲直りして復縁したのかと思っていたのに」
「いや、アッキーとは恋人として戻ったんじゃないの。あくまでお友達」
「普通のお友達には見えないわね。あなたが彼女を見る目は恋をしている目だし、彼女があなたを見る目も愛おしむような目だし」
「お母さん・・・・・」
 
「電話したら?」
「お母さん、私・・・・・・あきらと結婚してもいい?」
「あなたがいいのなら、お母さん反対しないわよ。まあちょっと変わった子だけど、いい子だもん、あの子。私けっこう気に入っちゃった。娘も30すぎたら、早く片付いて欲しいしね」
「私まだ30になってないけど」
などと言いながらも小夜子は携帯のアドレス帳を開き、先頭にある晃の番号に掛けた。
 
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その晩、晃がやってきたのは22時過ぎだった。
「ごめん。遅くなって」
「ううん。急に呼び出しちゃったし。あ、ごはん食べた?」
 
などといって二人は一緒に遅い夕食を取った。
 
「ねえ、来週はクリスマスじゃない。イブから2日越し、一緒に過ごさない?」
「ごめん。クリスマスは書き入れ時で。イブも当日も予約いっぱい」
「うーん、仕方ない。その翌週は?」
「31日は17時で閉店で、1日から4日まではお休み」
「じゃ閉店したあと、ふたりで4日まで」
「そんなに長時間何するの?」「ゆっくり話したいの」
 
「まあいいよ。ボクも少しゆっくり話したい気はしてた」
「今夜もちょっとだけゆっくり話せるよね」
「うん泊めてよ。でも2時に寝る。明日も朝から仕事だから。年末お客さん多くて」
「あ、私もパーマしようかな。してよ、アッキー」
「営業時間外にずれ込んでもいいなら予約ねじ込むよ」
「じゃ24日の最終予約を」
晃は苦笑した。「いいよ。そのあとミニデートね」
「うん。本番は年末年始」
 
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ふたりは食事の後小夜子、晃の順でお風呂に入り、小夜子の部屋に入った。小夜子はベッドの中で待っていた。
晃は少し困ったような顔をして自分もベッドに入った。
小夜子は裸だった。
「アッキーも服脱いで」「いいよ」晃は素直に服を脱いだ。
小夜子は抱きついてきたが、晃は拒否しなかった。
 
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