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■春芽(8)

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2018年10月25日(木).
 
青葉は朝の新幹線で東京に出て行った。
 
富山6:18-8:32東京
 
明日から始まる「世界選手権(25m)代表選考会」に参加するためである。
 
東京駅構内で軽い朝食を取ってラッシュをやり過ごす。そして深川アリーナに行って午前中たっぷり泳いだ。ちなみに青葉はここを度々利用するので、“年間パス”を発行してもらった(実際にはそんなの無くても顔パスで利用できる)。料金は千里が「30億円」と言っていたので3万円JER4の口座に振り込んだら、40 minutesの浩子さんからパスが送られてきた。JER4は実際にはペーパーカンパニーに近いので、その実務は40 minutesの浩子さんとRocutesの晴海さんが共同でしているようである。
 
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お昼前に上がって体育館内の牛丼屋さんで牛丼を2杯食べてから信濃町に移動する。
 

「おはようございまーす」
と言って入っていくと、コスモス社長、川崎ゆりこ副社長、山村マネージャー、桜木ワルツなどがいる。
 
(青葉は山村が千里の眷属であることに全く気付いていない)
 
「おはようございまーす」
とみんなから挨拶が返ってくる。
 
「頼まれた楽曲データと仮音源ができたので持って来ました」
と言って譜面とUSBメモリーを渡す。
 
「ありがとうございます!ほんとにお忙しいところ申し訳ありません」
とコスモスが笑顔で言う。
 
まずはアクアの次のシングルの曲を試聴するが、コスモスもその時事務所に居た、川崎ゆりこ、桜木ワルツも
 
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「かっこいい!」
と言ってくれた。
 
「だいたい私とケイさんが交互に書いていたのに、これで私が3回連続になってしまうんですけどね」
 
「ケイ先生は今年の春から夏にかけての大車輪のご活躍で今はさすがにお疲れでしょう。やむを得ませんよ」
 
11番目のシングルで昨年『少年探偵団』の曲『夕暮れ時間』は、マリ&ケイで書いたものであったが、今年は3月の『お江戸ツツジ』、7月の『回れ回れ』がいづれも青葉の作品で今回また青葉が書いたことで、アクアのシングルは3回連続青葉の作品がタイトル曲となった。いづれもカップリング曲は琴沢幸穂(千里3)が書いている。
 
世間ではケイ名義の曲がどんどん発表され続けてはいるものの、実際にはその半分は“夢紗蒼依”(丸山アイが中心になって進めているAIによる作曲)、半分は“松本花子”(千里3と青葉が中心になって進めている自動作曲)が生み出したものである。ケイ本人は現在マリと和泉から“作曲を禁止”されている。
 
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しかしこの2つのシステムが動き出すまでの数ヶ月は、日本の歌謡界はほぼケイの信じがたいペースの作曲に支えられていたのである。
 

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青葉は結局アクアの制作に関して2時間ほど、コスモス・ゆりこ・ワルツ・山村の4人と意見を交わした。豪華なお弁当が出てきたので遠慮無く頂いた。
 
「大宮先生、この後、どちらにおいでですか?」
と打ち合わせが終わってから川崎ゆりこが訊く。
 
「今回は実は水泳大会に参加するのに出てきたのですが、今日は午前中プールで泳いできたので、この後は大宮の“自宅”に戻ります」
 
「でしたら私がお送りしましょう」
と桜木ワルツが言った。彼女には遠慮する必要もないのでお願いする。
 
それでコスモスたちに
「じゃ今週末は私は立ち会えませんけど、よろしく」
 
と言ってから§§ミュージックを出て、ワルツと一緒に、近所に契約している駐車場まで行く。それで白い・・・スカイライン??という感じの日産車のところに行くのだが
 
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「あれ?あれ?」
などとワルツが言っている。
 
「どうしました?」
と青葉が尋ねる。
 
「すみませーん。この車じゃなかったみたい」
 
「ああ。似ている車があると結構間違いますよね」
 
見るとそこに似たような白い日産車が数台並んで駐まっているのである。
 
「ちょっと待って下さいね」
と言ってワルツは眼鏡を取り出して鍵に付いたタグをよくよく見ている。
 
「こちらかな?」
と言って寄っていった車はカチッと音がしてドアがアンロックされた。
 
「すみませーん。リモコンでアンロックするのは危険ということになって全部物理的にキーを差し込まないといけないようにしているんですよ」
 
「それはセキュリティ考えたらその方がいいかも知れないです」
 
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それでワルツが運転席に乗った白い別のスカイライン???の助手席に青葉は乗った。
 
ワルツが青葉から“自宅”の位置を聞き、カーナビに入れる。
 
「この記録は大宮先生を送り届けたらすぐ消しますので」
「はいはい」
 
それでワルツは車を出した。
 
青葉は尋ねた。
 
「この車、日産車にしては重たい感じですね」
「ああ、これはBMW 225xeですから」
「え?でも日産のエンブレムが付いていた気が」
「エンブレムは偽装してあるんですよ」
「偽装?」
「いや、コスモス社長の悪のりなんですけど」
と言って、桜木ワルツは笑いながら経緯を説明してくれた。
 

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先月アクアを乗せた送迎車が事故を起こしたが、その時乗っていた車はいつもの“白いアクア”ではなく、偶然にもベンツSクラスだった。白いアクアが修理中だったので、紅川会長所有のベンツをたまたま借りていたのである。
 
事故そのものは車の直前に悪ふざけをしていた女優さんが飛び出してきたものであり、こちらは全く悪くなかったし、国内A級ライセンスを持っている高村マネージャーが超テクで、自分だけが怪我すれば済むように車を操作し、彼女以外誰も怪我しなかった。(高村本人も小指を骨折した以外は軽傷)
 
「あれ話聞いてびっくりしました。高村さん凄いですね」
「全くですよ。私なんかが運転していたら、絶対女優さんを轢いてしまってますよ」
 
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この時、誰も怪我しなかったのは“ベンツだったから”ではないかという意見が出た。普段のトヨタ・アクアならボディが弱すぎてアクア本人まで怪我していた可能性、高村がもっと酷い怪我をしていた可能性があった。
 
それでアクアの送迎は翌日から! Volvo V40 PHV (Color:White) という車に交換された。ボルボ社の車は何と言っても丈夫さに定評がある。但し本来V40にはPHVの設定が無いのだが、山村マネージャーの知人が所有していた改造車(ちゃんと認可取得済み)を800万円で譲ってもらったらしい。
 

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この車の選択になったのはボルボは使いたいが、大きな車に乗っていると、「売れていると思っていい気になって大きな車に乗っている」とか言われかねないので(アクアは人気があるだけにやっかみを受けやすい)、コンパクトな車を使いたいこと。しかしガソリン車では環境負荷がある。アクアはやはりエコカーに乗っているというイメージを保ちたい。それで国産小型車と大差無い大きさのV40のPHV(プラグイン・ハイブリッド車:コンセントから充電可能なハイブリッド車−実際にはほぼ電気自動車的に使える)という選択になった。
 
800万円払ったのは、その知人が再度V40 PHVを制作できるだけの素材費!である。「性転換並みの改造だから」という話である。
 
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アクアの送迎車を交換した後、アクアの代役を務める西湖の送迎車もやはりしっかりした車にしようということになり、今までの水色のミラココアから Audi A3 ETRON (Color:White)に変更された。これもPHVである。定価は560万円だが、実際には(すぐ入手するため)中古を買っているので400万円で入手している。
 
ところがその話を聞いて桜野みちるも「欧州車のPHVいいね」と言って自分でVolkswagen e-Golf PHV (Color:White) を買った(定価500万円だが実際には300万円の中古)が、この3つが全て偶然にも白いボディカラーだった。
 
それでコスモスが悪のりして事務所の車は全部白のPHVにしちゃおうかと言い、BMW 225xe iPower:PHV (Color:White) を6台買った。定価は1台500万円だがやはりすぐ取得できるように中古を買っているので、総取得額は2000万円程度だ。
 
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但しその内の2台はコスモス社長とゆりこ副社長が個人で買ったもので、会社で買ったのは4台である(処理的には会社で6台買ってからコスモスとゆりこがその分のお金を出した:本当はゆりこの分もコスモスが出しているので、ゆりこの車もオーナーはコスモス)。
 
かくして会社の契約駐車場に《白い欧州車のPHV》が9台も並ぶこととなった。実はこれまでアクアの送迎に使用していた“白いアクア”も使い続けるのでHVが10台並んでいる。そしてこれらがみな似たようなサイズなので、間違う人が続出し「あれ?鍵が入らない」というトラブルが頻発した。(桜野みちるの車以外の9台は全てリモコンを殺していて鍵を直接入れないと開かない)
 
なおこれまで使っていた車の大半は∞∞プロ系列で、あまりお金の無い事務所に安価で譲っている。“白いアクア”はナンバープレートを変更した上で会社で保有し続け、実は§§ミュージック主任マネージャーになった沢村朋代の事実上の専用車にしている。ミラココアは現在サマーガールズ出版に出向してローズ+リリーのマネージャーをしている鱒渕水帆が使用することにした。(但し緊急の場合を除いてマリ・ケイをそのココアには乗せてはいけないと町添専務から厳命された)
 
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「それでコスモス社長が、だったらいっそもっと間違うようにしようと言って、エンブレムを統一することにしたんです。桜野みちるさんの個人車以外」
 
「なぜ間違うようにするんですか!?」
と言ってから、青葉はすぐ気付いた。
 
「目くらましですか!」
 
「そうなんですよ。放送局に駐まっている車のどれがアクアの乗る車か分からないようにしようと。そういう訳で、中身はボルボやアウディやベーエムヴェーだけどエンブレムは日産ということにしたんです」
 
「なぜ日産を使ったんですか?」
「外車のエンブレム付けてるだけで目立つからということで」
 
「なるほどぉ!白い日産車なら大量にありそうです」
「それで日産にしたんですよ。実は最初ひとりのスタッフがボルボのエンブレムを日産と見間違ったのが発端なんですけどね」
「ああ、確かに遠目には似てるかも」
 
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青葉は大宮のアパート近くのスーパーで降ろしてもらうことにした。よくお礼を言って降り、買物をしてからアパートに入る。そして買ってきたものを冷蔵庫に入れると・・・
 
仮眠した!
 
夕方近くになって目を覚まし、おでんを作った。タイマーで煮込んで、また仮眠していたら20時頃、彪志は帰ってくる。
 
キスして
 
「お疲れ様」
「そちらこそお疲れ様」
 
と言葉を交わす。それでふたりで一緒に夕食を取り、ぐっすり?眠った。
 
 
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