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■春歌(6)

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『彪志、8月の模試、偏差値61だったんでしょ?』
『うん。9月の模試は63だった』
『頑張ってるから約束通り、ご褒美』
 
そう言うと青葉は毛布の中に身体を潜り込ませ『仰向けになってよ』と言った。彪志が身体を回転させると、青葉は彪志のそれを左手で持って舐め始めた。
『わっ』
あまりの快感に彪志は思わず声を出した。
『痛かったら言ってね。初めてだから加減が分からなくて』
『うん』
 
物凄い快感だ。何か頭が壊れてしまいそう。彪志はセックスの快感とオナニーの快感とどちらが大きいかなあなどと何度か考えたことがあったが、フェラの快感は、そのどちらをも凌駕する。セックスとオナニーとフェラのどれかひとつしか許されないなら絶対フェラだと思った。あ・・・もうダメ。
 
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彪志はあっという間に逝ってしまった。青葉はごくりとそれを飲み込むと、急速に縮んでいくそれの脇を舐めてあげる。先端を今舐められたら耐えられないと思ったのだが、脇だと何とかなる感じだ。彪志は無性に青葉にキスしたくなった。身体を起こして青葉を引き寄せキスする。『あっ』という青葉。
 
『彪志、自分のおちんちんと間接キス』
『自分のなら構わないよ。他人のなら嫌だけど』
『私のだったら?』
『青葉のだったら直接舐めてもいい』
 
『・・・でも夢の中だからなあ。私、おちんちん無いのよね』
『触っていい?』
『うん。私の身体は彪志の物だから自由に触っていいからね。あ、でもごめん。私乗り換えないといけないから、しばしリアルに戻る。そのまま待ってて』
 
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そろそろ越後湯沢なのだろう。
『うん』
と彪志が言うのと同時に青葉の姿が消えた。
 
へー。リアルに戻るとこちらの世界からは消えるのかと思い、しばらくそのまま待っていた。青葉が消えた後の、ぬくもりを触ると、今ふたりでしたことの記憶が蘇り、ドキっとする。ちょっと自分のを触ってみたりする。いろいろ暴走気味の妄想をしていたら、やがて青葉は戻って来た。さっき青葉がいたのと同じ場所に、すうっと出現する。
 
『お・ま・た・せ』
と言って青葉はキスしてきた。
 
『自分でやってた?』
『少し。出してはいないけど』
『出してもいいのに』
『青葉がいるのにもったいないよ。それに出したばかりだし』
『うふふ』と言って青葉が笑顔でこちらを見る。
 
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彪志は青葉のことが愛おしくてたまらない気分になり、青葉の身体をあちこち撫でてあげた。少しドキドキしながら、お股に手を伸ばす。何も突起物は無い。割れ目の中に指を入れるとかなり湿っている。わあ・・・と思いながら敏感な部分を刺激してあげる。思わず目をつぶる青葉。そのまま刺激を続ける。なんだか気持ちよさそうにしている。そんな青葉を見ていると彪志は幸せな気分になってきた。7-8分で青葉は逝ってしまった。思い出したかのように、彪志のを触ってくる。ふたりはしばしお互いの身体をもてあそび、快楽をむさぼった。
 
『来年の夏には、私リアルでもこんな身体になっちゃうから、手術してすぐには、してあげられないけど、年明けくらいにはたぶんHできるんじゃないかな』
『その頃は青葉、高校受験でしょ? 受験してる時にHな事なんてできないよ。高校に合格したら、しようよ』
 
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『じゃ、彪志が大学に合格したら記念にするのと同じだね』
『そうなるね!』
 
『だけどリアルでも同じ形になるといっても、夢の中の青葉の身体には、このお腹の中に卵巣と子宮が収まっているからなあ』
『そうなんだよね。夢の中の私、ふつうに生理があるからナプキンが必要なんだよね。あと何日かで生理来るよ』
『じゃ、今の時期って・・・・』
『排卵日前後。だから今日の私は淫乱なの。今、生でセックスすると妊娠しそう』
 
『妊娠させてみたい気分だけど、中学生を妊娠させる訳にはいかないから我慢』
『うん。せめて高校卒業した後にして。まだ母親になる心の準備が無いから』
『俺もまだ父親になる心の準備無いから我慢する』
『でも付けてなら、してもいいからね』
『まだしばらくは、さすがに立たない気がする』
『うふふ』
 
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ふたりは上半身だけ服を着て、下は毛布で覆った状態で少し座っておしゃべりを楽しんだ。
 
『でも、今夜こんなことしちゃったから、ますますこれから会えない5ヶ月が辛すぎる』
『電話もできるしスカイプで顔見ながら話すこともできるし。Hはできないけど』
 
彪志はもう1回行けそうな気がしたら、仕掛けちゃおうと思っていたのだが、青葉とのおしゃべりが楽しすぎて、そのタイミングがないまま時間は過ぎていった。
 
『彪志、そろそろ起きた方がいいかも。盛岡まで乗り過ごしたら大変』
『もうタイムリミットか・・・・仕方ないな』
『じゃ、そろそろバイバイのキス』
と言って、青葉は彪志にディープキスをした。
 
『じゃ、また』
『うん』
 
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彪志は目を覚ました。自分の身体をチェックする。夢の中では下半身裸だったがリアルではちゃんとズボンを穿いている。でもアレが少し大きくなって熱くなっていた。はあ、とため息をつくと、彪志は降りる準備をしはじめた。携帯にメール着信。青葉だ。『あい・らぶ・ゆー』と書かれている。彪志も『あい・らぶ・ゆー、とぅー』と返信した。微笑んで、彪志は席を立った。
 

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青葉が岩手から戻った週の水曜日、先日体調が悪いということで相談に乗った詩子さんから電話が掛かってきた。
 
「青葉ちゃん、あなた祈祷とかするのよね?」
「はい。私の本職は祈祷師です」
「実はさっき、うちの姪が交通事故に遭って」
「え?」
「何かやばいみたいなの。病院に運び込まれた時は意識があったんだけど、さっき意識無くなって、緊急手術してるんだけど、祈祷してくれないかしら?」
「すぐ行きます」
 
病院の場所を聞き、母の車で送ってもらった。病院に行くので巫女服ではなく学校の制服で出かけた。宗教系のものを嫌う医師もよくいるのだ。
 
「どうですか?」
「お医者様は手術は成功だって。でも意識が朝までに戻るかどうかが勝負らしい。助かる確率は五分五分だと言われました」と詩子さん。
 
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患者さんの病室に入らせてもらった。手術後しばらくICUにいたらしいが、一番危ない状態は越えたということで、ふつうの病室に戻されている。ただし個室でナースステーションのすぐそばである。血圧計・脈拍計が取り付けられたままだ。しかし青葉としてはICUより一般病室のほうが「仕事」しやすい。
 
「藁をも掴む思いなんです。この子のために祈祷して頂けないでしょうか?」
と患者のお母さん。
「そうですね。でもこれは祈祷よりヒーリングです」
「はい、何でもしてください。お願いします」
お母さんは憔悴しきっているようだ。
 
患者は高校生くらいだろうか。青葉は病室で患者のそばに座ると、まずその身体全体をスキャンした。
「肩と頭の怪我が大きいですね。足も骨折してるけど、こちらはそう大したことは無いです」
「はい、その通りです。肩は今応急処置だけなんです。頭の方が優先ということで」
「ですね」
 
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患者さんは容子さんと言った。高校3年生らしい。受験直前なのに、と思う。青葉は目をつぶると、容子さんの頭の上に手をかざし、全体の気の流れをよくよく観察した上で、まずは無難な所から少しずつ気の乱れを直していった。
 
脳の場合は単純に気の流れを元に戻せばいい訳ではない。変に流れを良くしてその先に行き止まりがあったら気の「溜まり」ができて、それが病状を悪化させる。場合によっては命に関わる。脳の気の調整はひじょうに難しいのだ。
 
しかし端の方から気の流れを良くしていくと、少しずつ「溜まり」や「渦」が出来ていたところが解消されていく。青葉は気の流れ、血液の流れの双方を観察しながら、流れの下流側から順に修正作業をしていく。かなり根気のいる作業である。
 
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40分ほどしていたところでお医者さんがチェックに来てくれた。
 
「患者さん、回復が速いですね。非常に調子いいですよ」
とお医者さんは本当に驚いているようだ。
 
青葉はお医者さんが診察している間、少し休憩させてもらって、自販機で甘いコーヒーを買って飲んだ。売店が閉まる間際だったのでパンを買って食べた。この手のヒーリングはとにかくエネルギーを使うのである。
 
病室に戻るとお医者さんはもう部屋にいなかった。青葉はまた容子さんのそばに座りヒーリングを続ける。最初の1時間ほどで全体の3割くらいの修復が出来た。しかしまだ「大物」が残っているし、いったん修正した所もまた乱れ始めている場所がある。
 
取りあえず修正後に少し乱れた部分を再修正し、それからまた「下流」側から修正作業を進めていった。2時間ほど掛けて、いちばん大きな流れに関わる部分以外の修正作業を終える。
 
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「ずっと、頭の上で手をかざしたり、並行に動かしたりしてますね」
「ええ。これで気の流れを調整しているんです。これから大物に取りかかりますが、その前にいったん休憩します」
 
部屋の隅で少し身体を休めて自分自身の精神を集中する。ここからの作業には青葉自身の力では足りない。青葉は集中した状態で、ふだんは底の方に納められている秘密兵器のうちのひとつを取り出した。まさに「奥の手」だ。
 
目をつぶったまま容子さんのそばによる。そのまま椅子に座る。手をかざす。最大の患部のところに気を集中し、秘密兵器を起動して、数を3つ数えた。(小学校の修学旅行の時におばあさんの治療に使ったものとは別のもの。青葉はこの秘密兵器を3種類持っていて、適用場面が異なる)
 
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物凄いパワーを消費するので、青葉自身が一瞬クラッと来たが、再度意識を集中すると、患部のところの気の流れが正常になっているのを認識する。成功! その後は、細かい乱れをずっと修正して行き、30分ほどで作業を完了した。
 
すると、容子さんが目を開けた。
「お母さん・・・・」
「容子!」
 
詩子さんがナースコールして患者が意識を取り戻したことを告げる。すぐに先生が来てくれた。
 
「意識を回復できたら、もう峠は越えましたね。血圧、脈拍もかなり良くなっています。しかし驚いた。あの部位を怪我して、こんなに速く意識を取り戻した患者さんは初めてですよ。あなた、物凄く回復能力があるんですね」
 
先生が部屋を出てから、青葉は「じゃ、祈祷しますね」と言って、持って来たバッグの中から、折りたたみ式の大麻(おおぬさ)を取り出して組み立て、容子さんの上で左右に振る。そして(病院なので)小さい声で祝詞を唱えた。
 
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「なんか聞いてると気持ち良くなっていく」
「念のため、ここで待機してますから、少し寝てくださいね」
「はい」
 
肩や足の方は治療がまだ行われていないので、今ヒーリングする訳にはいかない。またそちらの手術が終わってからヒーリングしますねと言って、その夜は、ずっと容子さんの脳の怪我のヒーリングを1時間おきにしていった。ヒーリングの合間には仮眠させてもらったが、1時間単位でぴたりと青葉が目を覚ますので、交替で仮眠しているお母さんと詩子さんも驚いていた。
 
「鍛えてますから」
「軍隊経験でもあるの?」
などと詩子さんは言っていた。
 

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10月の下旬、青葉と美津穂は12月のクリスマス会で歌う曲目について顧問の寺田先生と昼休みに話し合っていた。
 
「Silent Night 英語で」
「それと文化祭でもやったヘビーローテーションかなあ」
「AKBは楽すぎるのが難点よね」
「山下達郎のクリスマスイブは?」
「ああ、あれはアルトとソプラノがメロディーを交替で担当するから面白いね。ふだん裏方ばかりのアルトの人たちに頑張ってもらえる良い曲だわ」
「じゃ、それで」
 
「先生、こないだから少し考えていたんですが」と青葉。
「うん?」
「中部大会でソロ歌った子が在校生じゃなかったというので1位の学校が失格になったでしょう」
「うん」
「あれ対岸の火事じゃないと思うんです。大会当日に私が病気でダウンしてたりしたら、やばいですよね」
「確かに」
「ソロできる子、もうひとり育てましょう」
「1年生がいいよね、どうせなら」と美津穂。
「うん。その方がいい」
 
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「そういう訳で、1年生でソプラノ・ソロ歌える人を育てようということになりました。誰か、わしがやっちゃる、って人は、いませんか?」
 
と、青葉はその日の部活でみんなに訊いた。
1年生は互いに顔を見合わせている。1年男子のひとりが「俺がやろうか」と言い出す。
 
「ソプラノが出るなら」と言うと「出るかも」というのでピアノの音に合わせて歌わせてみる。
「凄いね。E5まで出てる。通常のソプラノパートなら何とか歌える」
「でもソロパート歌ってもらうにはC6くらいまで出ないと辛いね」
 
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