広告:國崎出雲の事情 4 (少年サンデーコミックス)
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■春波(7)

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翌4日はまたウィングライナーで富山に移動し、富山空港に行って全員をホンダジェットに乗せた。
 
芳雄をコーパイ席に乗せ、女の子4人をサロン席に乗せた。桃香はトイレ席に乗った。
「トイレも座席なのか!」
とみんな驚いていた。
「トイレに行きたい子がいたら交替ね」
「トイレにはいった子は次に誰かがトイレに行くまで出られない」
「怪談によくあるパターンだ」
 
1時間ほど遊覧飛行して戻る。今日は女性のパイロットだったが、芳雄は「格好いいなぁ」と憧れていたようだった。
「君も大学出たらライセンス取りに行くといいよ」
とパイロットさんは言っていた。
 
「でも英語はよく勉強しておきなよ。アメリカのパイロットスクールに行く人多いし、管制官との会話とか全部英語だから」
「はい!」
 
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(多分かなりやる気になった)
 
お昼は富山市内でチャンピオンカレーを食べる。
「このチャンピオンカレーと、もうひとつゴーゴーカレーというのがライバルで争ってるんだよ」
「へー」
「それに愛知のココイチも加わって北陸では三つ巴の争いになってる」
「元々はゴーゴーカレーとチャンピオンカレーは同じ店だったんだよね」
と芳雄が言う。
「うん。それが早い時期に2つに分裂した」
「京都王将と大阪王将、アート引越センターとアーク引越センターなんかと構図が似てるね」
 

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午後は八尾(やつお)に連れて行き、石畳の街など見せた。そのあと富山市科学博物館でプラネタリウムなど見る。
 
全員にお土産として、高岡屋の氷見うどん乾麺、中田屋のきんつば、笹義の“ますの寿し”を配った。
 
夕方希望に頼んで砺波の瑞季を自宅まで送ってもらい、金沢の芳恵は富山駅から金沢行き新幹線に乗せた。富山市内に住む珠那を自宅にポストし、桃香はひとみ・美甘と一緒に富山空港に移動してホンダジェットで熊本空港まで飛んだ。
 
きーちゃんに迎えに来てもらい、美甘を自宅に送り届けてから、ひとみを長崎まで送っていってもらった。桃香はきーちゃんが戻るのを待たずに熊本空港から熊谷に帰還した。
 
「ああ疲れた」
 
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5人まとめて会ってこようと思ったのだが、5倍疲れた!
 

ところで、芳恵が3月まで住んでいた家は赤紙を貼られて4月から一家は金沢市の3LDKマンションに引っ越していたのだが、芳恵の祖父母(芳恵の母・友香の両親)はできたら元の町に戻りたいと言った。桃香は千里に相談した。
「しょうがないね。桃香は長崎のローンも抱えてるし自然災害だから特に助けてあげるよ」
「すまん」
 
それで千里が実家を建て直してあげた。実際には赤紙の貼られている家を解体して、整地し、基礎を作り直してから、2DKのユニットハウスを置いただけである。費用は取り壊し費用の全額と再建費用の2/3が町から補助されるので、町から播磨工務店に直接振り込んでもらった。
 
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それで祖父母は元の町に戻ることができた。芳恵と友香は金沢に住み続けるが、2DKマンションに移動した。友香は「掃除が楽だ」と言っていた!
 
「芳雄、掃除くらいお前がしろ。母ちゃん仕事もしてて大変なんだから」
「はーい」
 
しかしさすが男の子で買い物の時の荷物持ちなどには役に立つらしい。
 
「ところでお前大学はどこ行くの?」
「早稲田か届かなければMARCH狙ってるんだけど」
「学費は出してやるけどさ。石川富山で考えないか。母ちゃん寂しがるぞ。たった一人の息子なんだから」
「うーん。金大・富大と金沢学院とかの中間が無いんだよね」
「金大目指して頑張れよ」
「うん」
 
桃香が通信講座の料金出してやるぞと言ったらやってみると言っていた。
 
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実家を再建してもらって友香は
「ありがとう!お礼に一晩寝ようか」
と言ったが桃香は
「よしてくれ。私は浮気はせん」
と言った。
 
「へー。変わったね。15年前の桃香なら、穴があれば竹輪の穴にでも突っ込んでたのに」
「さすがに竹輪にははいらん」
「それともやりすぎてとうとうインポになった?」
「ちゃんと女房とはしてるぞ」
 
「ふーん。でもこのくくらいは浮気にならないでしょ」
と言って友香は桃香の手の甲にキスした。
「ありがと。気持ちだけもらっておくよ」
 
でもあとで千里に、手の甲に指パッチンされ、手をよく洗うよう言われた!
 

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千里は射水(いみず)市内に20坪ほどの小さな土地を買うと、そこに2DKのユニットハウスをポンと置いた。上下水道をつないで住めるようにした。電気は太陽光パネルで自給する。お風呂は石油ボイラーである。実は芳雄の祖父母の家とほぼ同仕様である。
 

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礼音は山村が怪しいことに関する知識は豊富そうなので聞いてみた。
「山村さん、ホーデンってどういう意味ですかね」
 
「お前、そういうの人の居る所では訊くなよ。金玉のことだよ」
 
そうだったのか!だったら「ホーデン抜いて」って睾丸を除去するということだったのか。すると「トンネル掘って」はヴァギナの穴を開けるという意味だろう。夢の中で、副社長が歌っていた歌はあからさまに性転換手術を意味していたのか。
「お前も金玉取りたくなったか。俺が手術してやろうか」
「いえ、取りたくありません」
 
この人が手術するの〜?
 
「でも高校卒業するまでには取れよ。あんなもん付けとくと男っぽくなっちまうから」
「あはは」
「6年前、葉月の睾丸取ってやろうと思ってあいつのアパートに忍び込んだら、葉月の代わりに寝ていた千里に逆襲されて俺の睾丸取られちまった」
 
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え?この人睾丸無いの?20-30個付いてそうに見えるけど。
 
レイプ被害に遭ってる女の子も多そうだけど、だから千里さんの監視下にあるのかも。
 
「腹いせに通りがかりの男の娘を性転換手術してやったけどな」
 
無茶苦茶な人だ。
 

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それで性転換されたのが奥村春貴である!
 
春貴はこの時はありあわせの卵巣を埋め込まれているが、1年後に再手術して本人のiPS細胞から育てた卵巣に交換された。しかし今回、おっぱい島にいる間に、千里の手により、女の身体そのものを造り直された。
 

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礼音は連休が終わった後の11月5日(火)、宮下マネージャー、小木カメラマン、および高卒信濃町ガールズ10人と一緒に日光に行った。観光客の多そうな連休を避けたのてある。平日なので高卒メンバーを使っている(礼音本人の学校は無視されている)〒〒テレビ取材班は今回、希望と双葉の2人だった。
 
ほぼ1日掛けて東照宮で撮影、翌日は、華厳の滝、中禅寺湖、いろは坂、などで撮影をおこなった。午後には、戦場ヶ原のハイキングコースも歩いた。一緒に歩いたのは、宮下さん、希望さん、いつも礼音のウォーキングに付き合ってくれている七瀬時子(アリス)さんのみである。目立たないように人数を絞った。
 
初日の夜は鬼怒川温泉でも撮影をおこなった。
 
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鬼怒川温泉では女湯を借り切って、信濃町ガールズたちと一緒に入浴シーンも撮影した。ただし全員水着を着けているし、首から上しか撮してない。
 
水着への着替えは礼音だけ別室を使ったが
「水着姿見たら、きららちゃんが女の子なのは一目瞭然だから、わざわざ別室で着替える意味無いと思う」
という声もあった。
 

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11月初旬の連休明け、H南高校では、全体集会で女子バスケ部がウィンターカップ代表の座を逃したことが報告されると、大きな溜息が出ていた。
「やはり奥村先生凄かったんだね」
「そこに座っているだけでチームが2割強くなっていたという話」
「一昨年、着任してすぐに今まで一度も勝ったことのなかったチームを北信越大会に連れてったからね」
「選手を乗せるのが上手い先生だったね」
「学生時代は色々挫折もあって苦労したみたいよ。高校受験に失敗したり」
「やはり苦労した分強い所あるんだろうね」
「運も強かった。交替で入れた控え選手がすぐ得点したりとか」
「高田さんが『先生はしゃべってることの10倍考えてる』と言ってた。選手ひとりひとりの調子もしっかり把握してたし」
 
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大会後のミーティングで新部長に指名された彩は、同じクラスのアケミから言われた。
 
「バスケ部残念だったね。今回は全国大会行けなくて」
「うん。春貴先生の凄さをあらためて感じてる」
「ああラブだね」
「うん。結婚してもいい」
「写生の練習頑張ってね」
「努力する」
「あれ男子によると夜寝る前に仰向けになって自転車のサドル握る感じで握って」
「サドルを握るの?」
「違った。ハンドル」
「うん」
「それでゲームでもやる感じで激しく往復させるのがいいらしいよ」
「ふむふむ。やってみる」
「折れるかもと思うくらい激しくやることで強くなるらしい」
「そうやって鍛えるのね」
 
「そんなに好きなら転校して追いかけていけば?」
と別の子が言う。
 
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「でも転校生はしばらく大会に出られないんだよ。そういう規定作っておかないと有力選手の仁義無き引き抜き合戦が起きてしまうから。私は有力選手じゃないけど」
「残念ね」
「それに新設校だから来年は1年生しか存在しないからね。3年生が転入すべきクラスが存在しない」
「1年生からやり直す?」
「留年したらインターハイに出られない」
「難しいもんだね」
 

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11月9日(土)、青葉はミュージシャンアルバムの取材をおこなった。今回最初に迎えたのは、浅野聖美さんである。
 
「浅野聖美さんでーす」
「こんにちはー」
 
「浅野さんって、なんか格好よくて私あこがれちゃいます」
と朱美が言う。
「ありがと。私のファンって女性が多いみたいなのよね」
「格好いいですもん」
「男の子から好かれたらもっと早く結婚できたかもしれないけど」
「女の子と結婚しましょう」
「あはは。それもいいかもね」
「誰かに赤ちゃん産んでもらえばいいんですよ」
「子種を提供する自信無いなあ」
 

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「デビュー15周年ですね」
「デビューした時は1年持つかなあと思ってたけど、気が付いたら15年だね」
「浅野さんってスキャンダルが無かったから長持ちしたんだと思う」
とケイが言う。
 
「これまてに出した曲は300曲くらいでしょうかね」
「そのくらいあるかもね。私はすぐ忘れちゃうけど」
「『青い書店』好きでした」
とケイが言う。
 
「あれ反響が大きかったんですよ。セールスとしてはそんなに大きくはなかったんだけどね」
「泣いたという人も多かったね」
「そういう感想もたくさん頂きました」
 
この曲はアルバムの中の一曲でシングルカットもされてないが、ファンの間でも評価が高くライブではよく演奏される。
 
「最近ではだいたい自分で歌詞を書いておられますね」
「うん。アメリカとかでは、歌手が自分で歌詞を書くから、作詞家という職業は無いんだよと言われて自分で書いてる。文法間違いとかをかなり直されているけどね」
「日本語って難しいよね」
 
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ピアノ室の歌唱では、最新のアルバムから『ガラスのスパゲティ』をはるこのピアノ伴奏で歌った。
 

この日2組目は『恋のレッスン』がヒット中の横内エリセちゃんを迎えた。これが今年最後の放送分になる。
 
「横内エリゼちゃんでーす」
「こんにちはー」
 
「エリゼちゃん中学1年生ですよね」
「はい。私オーディションに合格した時、まだ小学生だったので、中学生になってからデビューしようと言われて、今年の春にデビューしました」
 
ケイが言う。
「小学生であのオーディションに合格したのは私以来らしいよ」
「はい。ケイ先生は大先輩です」
「ケイ先生みたいにビッグになれるといいね」
と朱美が言う。
「はい、頑張ります」
 
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「浦中さん(副社長)が言ってたよ。おっぱい小さいけど、親しみやすい顔してるから、まあいいかと思った。まさか小学生とは思わなかったって」
「おっぱい小さくてすみませーん」
「小学生で巨乳だったら、それまた大変だ」
「体育の時、胸が揺れて困りますね」
「いや、それで苦労してる子は結構いるよ」
「女子の運動能力は中学1年がピークだと言われるんだよね」
「胸のせいですね」
「男の子はちんちんが揺れて大変だったりして」
とエリゼが言うと
「ちょっとアイドルがそういう発言してはいけない」
と朱美が注意する。
「ごめんなさーい」
「編集さん、今の発言カットしてください」
と朱美は言った。
 
でもしっかり放送された!
 
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「夏のネットライブも盛況だったみたいね」
「はい。たくさん見て頂いて感謝です」
 
ほんとうは彼女はまだ持ち歌が全然無く、ネットライブをする基準に足りなかったのだが、事務所が枠を丸ごと買い取る形で実施された。7月に急遽アルバムをひとつ制作し、また事務所の先輩の曲や洋楽を10曲ほどカバーして何とか2時間のステージを構成した。このカバー曲もまとめて9月にアルバムとして発表された。
 

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