■春シン(12)
[*前p 0目次]
3月21日(火)、政子は予定日の3ヶ月前で産休に入った。
「君たち出産前に結婚しないの〜?」
「お腹大きいのにウェディングドレス着るの大変だよ。出産して落ち着いてから結婚するよ」
「本人がそう言うもので・・・」
一応子供は胎児認知している。また貴昭(貴子)は、政子にダイヤの指輪を贈っているが、今は妊娠中で太っていて着けられないので、政子は紐を通してペンダントのようにして、首に掛けている。
なお、マリが結婚予定であること、その相手の子供を妊娠中であることは公表していてたくさんの「おめでとう」メッセージをもらっている。
「マリちゃんもとうとう結婚か」
「きっと相手はたくさん女装させられてるな」
ファンはよく分かっている。
「相手の人の女装写真見た。普通に女に見える」
「さすが。やはりそういう人を選ぶんだな」
「マリちゃんは基本がレスビアンだから」
「その彼氏が本妻で、ケイが妾(めかけ)兼メイドだな」
「ああ、ケイはマリちゃんの下僕というより奴隷だよな」
「うん。マリちゃんは女王様」
その結婚予定相手が、かえでの父親では?という説についてはマリは否定していた。大宮万葉(青葉)も「私はかえでちゃんの父親を知っていますが、彼ではありません。百道大輔さんでも大林亮平さんでもありません」とコメントしていた。
鮎川ゆまが
「実はぼくの子供なんです」
と書いて、ゆまならあり得るかもと言われていた。ゆまは女の子を30人妊娠させたという伝説がある。
「認知届出そうとしたけど、拒否されました」
とも言っていた。
ただ、冷静な人は
「ゆまもマリちゃんも男役のはずで、男役同士で子供ができることは無いはず」
と書いていた。
男役と女役なら子供ができるのか??
実際ゆまとマリは同衾したことは無いはずである。同じ部屋に泊まったことはあるが、ケイか七星さんが付いていた。
3月21日(木)、都内の多くの小学校で卒業式が行われ、森中樹音も小学校を卒業した。樹音はセーラー服を着て出席した。
「セーラー服で中学に行くの?」
とみんなから訊かれる。
「これ着ていいって言ってもらった」
「よかったね」
「でも私たちの中学とは別なのね。私立だっけ?」
「ううん。公立だけど、寮が移転したから隣の学区になったんだよ」
「そうか。これT中学の制服だ」
3月21日(木)、今年の司法修習が始まり、月城たみよの姉・松崎元紀は§§ミュージック寮を出て1年弱に渡る修習を開始した。なお司法修習の間の費用は、たみよが支援する約束をしている。
3月22日(金)、氷見市のH南高校では終業式がおこなわれた。日和はこの日をもってこの高校から転出し、東京の私立高校に転校する。
「なんかヒヨちゃんの転校先は女子高という噂が」
「うん。女子高だけど男子生徒も居るんだよ」
「それは不思議な」
「いやたまにそういう学校ある。指揮者の小澤征爾さんが女子高の出身」
「へー」
「でも女子高だから校内に男子トイレは存在しない」
「女子高なら必要無いよね」
「だから男子生徒も女子トイレ使っていいんだって」
「結果的にうまく行ってる気がする」
3月24日(日)、礼音が進学するJ高校で入学者説明会があり、礼音は“男子標準服”を着て宮下マネージャーに保護者代理として付き添ってもらい出席した。
学校の教育方針、進学や就職のこと、高校生活を送る上での心得、ネットの使い過ぎへの注意、恋愛問題に関する注意、特に避妊に関する注意、勉強のこと、通学手段のこと、バイトのことなど様々な注意があった。
「あれ?立山きららちゃん?」
と声を掛けてきた女子がいた。彼女はマドカちゃんと言った。
でもなんで“きらめき”じゃなくて“きらら”と呼ぶの〜?
「はい、本名は広中礼音(れのん)です」
「なんで男の子の制服着てるの〜?」
「だってぼく男の子だし」
「でも“きらら”ちゃんは女の子だもん。女子の制服着ていいのに」
「賛成賛成」
と数人の女子が同意する。
「男の子だとしても生理くらいはあるよね?」
「あのお、女子標準服に着替えさせましょうか?」
と宮下さん。
「持ってるなら著るべきだと思いまーす」
「きららちゃん、そんな服着てたらトイレにも困るよ」
ということで、礼音は女子標準服を着せられてしまった。
「やはり似合ーう」
「こんなに女子制服が似合う男子高校生が居るわけない」
「やはり、きららちゃん女子高生よね」
などとみんな言っている。
この日はこのあと生徒手帳用の写真を撮られたが、もちろん礼音は女子標準服を着たまま写真を撮られた。
ぼくこの後どうなるの〜?
(男子標準服着てても着替えさせられたかもね?)
またトイレにも女子たちと一緒に行った。
3月25日(月)、津幡に戻った、ハネ・田村・井上にジャネは言った。
「君たちの当面のメニュー」
と言ってホワイトボードに書く。
・ジョギング10km
・エアロバイク20km
・1600m個人メドレー
「個人メドレーで1600!?」
「あのぉ、走ってバイクしてから泳ぐんですか」
「逆トライアスロンだな」
「死者が出たりして」
「これ朝夕2回。椎羅もね」
「ぼくもなんですか〜?」
「専用レーンも用意したから。もっとも君はその前に女子になるため明日にも性転換手術を受けるように」
「明日ですか〜?」
「性転換手術やってる病院に連れてってあげるから」
「ちょっと待ってください」
「もう覚悟を決めること。明日の夕方には女の子になってるから」
「邪魔なものが無くなってショーツがぴたりフィットしますね」
「生理も頑張ろう」
「新学期からは立派な女子高生になれますね」
「この子、お母ちゃんが男子制服捨てちゃったから、4月からは女子制服で通学するしかないんです」
「それは良いことだ」
「じゃ車に乗って。今日は手術の説明を聞いてもらうから」
それで彼は月見里姉の車で射水市の病院に連れて行かれた。女の先生が「君可愛いね。すぐ女の子に変えてあげるよ」と言った。先生は
「君は本当は女の子なんだよ。男の子とされていたのは間違い。その間違いを直してあげるから明日からは本来の女の子として生きていけるよ」
とも言っていた。
小さい頃のことを思い出す。お姉ちゃんたちが着ている服が羨ましくて、お下がりのスカートもらって、お姉ちゃんたちと同じ形のパンツ買ってもらって。ぼく確かにずっと女の子だったのかも。トイレはいつも座ってしてた。姉から指摘されたけど、ぼく水着も女の子用しか着けたことがない。
それで水泳の授業にも出てた。ちんちんは“一時的に取り外して”もらってたけど、ちんちんの無くなったお股が嬉しかった。とうとう本当に無くなるのか。
手術の説明を聞いて手術例の写真もたくさん見せてもらったが、女の子の形って、きれーいと思った。ぼくも明日にはこういう形になるのか。それで同意書を提出する(同意したんだ?)。看護婦さんに剃毛された上で、サイズ測定・写真撮影される。
また心電図の検査などを受けた。今日は夜9時以降絶食と言われた。明日は朝来院したらすぐ手術開始である。お昼頃までには女の子になれるらしい。(よかったね)
それでいったん帰宅し、何も食べずに寝た。
翌朝。3月26日、再度病院に連れて行かれる・・・と思ったら、連れてこられたのは、高岡市内の一軒の家である。千里さんが居て「これに着替えて」と言われて、シルクのブラジャーとショーツにシルクのドレスを着た。そして個室に案内される。豪華なベッドがある。「ここで寝てて。寝てる間に全部終わるから」
それで彼はベッドに入った。
そして眠ってしまった。
やがて目を覚ます。おそるおそるお股に手を伸ばす。果たしてちんちんは無くなっていた。感触で割れ目ちゃんがあるのが分かる。割れ目ちゃんの中、手前のほうには凄く感じる部分がある。これがクリトリスかと思う。割れ目ちゃんの奥の方には穴があった。これがヴァギナか。ぼくほんとに女の子になっちゃったのか。
やがて千里さんが来てもう御飯を食べていいよと言い、パンとビーフシチューをもらった。トイレにも行ったが
「わあ。女の子ってこういうおしっこの出方するのか」
と思った。
千里さんは
「色々大変なこともあるだろうけど頑張って女の子してね」
と言った。15時頃、月見里姉が来て津幡に連れて帰られた。
「椎羅ちゃんは手術の結果、立派な女の子になりました」
と月見里姉が報告する。
「おめでとう」
「良かったね」
とみんなから言われた。
「では他の子と一緒に夕方のジョギングに行って」
「もうトレーニングに参加するんですか!?」
「当然当然」
手術の後の療養期間とか無いの〜?
彼はその日の夕方、母にヌードを見せ
「あら、きれいに女の子になったね」
と言われた。
3月25日(月)、代表選考会を終えた青葉はそのまま東京で『ミュージシャンアルバム』の取材をおこなった。今回は産休にはいったばかりのマリの家にラピスラズリ、ケイ、千里と一緒に行き、ローズ+リリーの取材をした。ケイがマリの隣に座る。スカートを穿いた大輝(大奈)が甘えてケイのお膝に載った。夏絵とあやめも朱美と青葉に抱き付く。
「ローズ+リリーさんでーす」
と朱美が言う。朱美は夏絵を撫でてやっている。
「こんにちはー」
「ほんとうはマリさんは数日前から産休にはいったのですが、厚かましくも御自宅まで押しかけてきました」
「いいよ。次は朱美ちゃんの産休中に朱美ちゃんの自宅に押しかけるから」
「あはは、怖い」
「でもローズ+リリーはおふたりが結婚しても子供ができても続けていくんですね」
「男のタレントさんが結婚したり子供ができても引退したりしないでしょ。それと同じだよ」
「ラピスラズリも結婚しても子供産んでも続けて行こうよと言ってるんですよ」
「朱美ちゃん、だいたいデビューした時点で婚約者いたし」
「その点はファンの皆さんによく理解して頂いているようなので感謝しています」
「松田聖子さんみたいにママになってもアイドル続けた先例があるから問題無いよ」
「やはり松田聖子さんは偉大ですね」
「結成して17年ですよね」
「そうそう。私たちは2008年にデビューしたけど、結成したのはその1年前なんだよ」
「メジャーデビューの時は色々な名前の候補があったとか」
「イチゴシスターズとかね」
「可愛い!」
「そんな名前にしなくて良かったですね」
「10代のうちはそれでもいいけど、30過ぎて使える名前じゃないね」
「これまでに出した曲の数はどのくらいですかね」
「たくさん」
とマリは答えた。
「マリの数字感覚は1,2,3,たくさんだね」
「4から先の数を知らない」
「それでいいかもですねー」
「おやつがたくさんある。ごはんがたくさんある。子供がたくさんいる」
「ほんとこの家子供がたくさんいますよね」
月花と安貴穂が走り回っている。
「ただし男の子は、ちんちん取って女の子に変えるルール」
「ああ全員女の子のほうが管理しやすいかもね」
「男の子が訪ねて来たら帰る時は女の子になってる」
「親切ですね」
「でもローズ+リリーさんってテレビには出ないというスタイルを貫いてますね」
「初期の頃あまりにも忙しすぎたからね。それでマリが参ったから1年くらい休ませてもらった。その後はずっとマイペースで仕事させてもらってる」
「アクアなんて今レギュラー番組が10本あるよ」
「まあ1人じゃ無理ですね」
「しかもその合間に映画撮ってるし」
「合間が無い気がする」
「それで『このCMはアクア多忙に付き代理の町田朱美がお送りしております』っての、しょっちゅうやってます」
「あれも定番化しちゃったね」
3月29日(金)の霊界探訪では、復興が進む珠洲市・輪島市の様子、定点観測、番組レギュラーの希望と和栄が大学を卒業したこと、水泳の代表選考会の結果、などがレポートされた。
[*前p 0目次]
春シン(12)